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東京政策

Ⅱ 生涯健康!質の高い医療体制の構築(医療)

①ビジョン


崩壊寸前の東京の救急・産科・小児医療。民主党東京都連は最優先事項のひとつと位置づけ、予算を集中投下して、立て直します。そのために、都民・行政・医療関係者が一体となって、いざという時に頼れる高度医療・救急医療であるために、何ができるのか、何をすべきか考え実行します。また、身近な地域で不足する小児科や産科医療の充実への支援を強化します。


②考え方・現状認識


昨秋発生した墨東病院での妊婦受入不能事案、今春発生した愛育病院での周産期センター指定返上問題等、首都東京といえども医療基盤はおよそ盤石とはほど遠く、崩壊間近とすら言えます。
事態が切迫する中、民主党東京都連の求めてきた都内広域の搬送調整を行う機能の設置や、産科医師への報酬増、激務を緩和するための事務補助者(クラーク)の配置支援などを東京都において実現することができました。しかし、これだけ切迫している事態に対しては、まだまだ対策は不十分。医師・看護師不足だからできないという考え方ではなく、人が集まる医療現場にしていくために、予算を集中投下して、緊急事態に臨むべきです。
これまで、医療関係者の努力によって築き上げられた、高度な医療、救命救急のシステムは、医療政策の無為無策によって、存亡の危機に瀕しています。いまこそ、政治がその役割を果たします。


③施策

 

○東京都保健医療計画の抜本的な見直しと実情に沿った施策の展開

 

・東京都内市区町村別人口当たり病床数のバラつき等も踏まえ、必要な医療が生活圏内で受けられるよう、空白地域での医療機関・機能を充足するための施策、2次医療圏の設定も含めて、抜本的に東京都保健医療計画を見直します。
・産科、小児科などの不採算性を解消します。(診療報酬改定、国・都補助金充実)
・医療分野、地域ごとの過不足を検証して、どこにどのような医療機能が不足しているのか明らかにし、数値目標を明示し、達成するための施策を検討・実施します。(診療報酬改定、国・都補助金等)


○救急搬送時間47.2分(全国最下位)の大幅な短縮


・医師・看護師不足対策実施、コメディカルの増配置、医療機能の強化により、医師不在、患者集中による救急搬送の受入困難・不能を減らします。(○常時受け入れ可能な救急医療の構築、○救急病院の医師の確保等医療関連項目参照)
・ドクターカーを配備して、迅速な救命を行います。
・#7119(救急相談電話)の一層の活用を図り、不要不急の救急車利用を減らします。
・さまざまな対策を総合的に実施して、救急搬送時間を大幅に短縮します。全国平均以上の30分以内を目指します。


○リハビリの支援

 

平成18年4月、リハビリテーションの日数制限が開始され、現在、自公政権によるリハビリ切り捨て政策により、必要なリハビリを受けられない状況が生じています。脳血管疾患等(脳血管疾患、脊髄損傷等)180日、運動器疾患等(上・下肢の複合損、上・下肢の骨折等)150日、心大血管疾患(急性心筋梗塞、狭心症等)150日、呼吸器疾患等(肺炎、開胸手術後等)90日といった、4つの疾患ごとに日数の上限が定められています。
民主党は、都民の皆様が、医学的に必要十分なリハビリ医療をうけることができるようにして、リハビリ治療が必要な皆さんの自立をサポートします。


○療養病床の整備推進

 

・自公政権は、「慢性期入院医療実態調査」(平成17年厚生労働省平成)で医師の指示変更が殆ど必要ない方も利用しているとして、療養病床の削減、介護療養病床の廃止を念頭においた再編を進めようとしています。
しかし、東京都では、高齢者単独世帯、高齢者のみ世帯の高齢者は平成17年の133万人から今後も増え続け、平成27年には178万人、平成47年には234万人と激増することが予測され(「東京都地域ケア体制整備構想」平成19年東京都)ています。
さらに、東京都の医療療養病床では医療区分2が約半分を占める一方、介護療養病床には、医療区分2、3の方が約3割入院されており、(「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」平成18年厚生労働省、「療養病床アンケート調査」平成18年各都道府県実施)なおかつ、介護療養病床の入院患者が平均年齢83.4歳、要介護度4と5の方で約9割(「療養病床転換意向アンケート調査」平成19年東京都)と要介護度、医療必要度ともに高くなっています。
こうしたことをあわせて考えると、高齢者の希望に沿って、在宅ケアを充実する一方で、介護保健施設整備、療養病床の整備がある程度は必要であり、保健医療計画の見直しの中で、しっかりと検討し、整備に必要な施策を実施します。

○必要な病院の存続

 

都立病院、市立病院など公的病院はもちろん、必要な病院は存続させます。


○病院機能の高度化

 

メディカルクラスターを形成します。スーパー特区にして高度医療や治験も促進します。

○安心して出産できる産科医療の実現

 

・出産育児一時金を給付します。
安いと言われる出産一時金。国の制度改革都と連動し、合計65万円(国55万円+都10万円)にします。
・NICU(新生児集中治療室)を1.5倍に増やします。
国の基準が作られた平成2年当時の東京都内新生児数に対する2500グラム未満出生児率と、平成17年を比較して約1.5倍に増えています。NICUの満床による妊婦の搬送受入困難は日常化しています。新生児の実態に合わせた整備目標を示し、医師・看護師の不足が続く状態から脱して、手厚い人員配置を必要とするNICUを十分に整備し、機能させていくためには、まず明確な目標設定が不可欠です。
・子ども基本計画を策定します。
妊娠・出産・子育てにかかわる医療・福祉・教育に必要な施策、地域資源の大枠を示し、中長期的な実現を図るため、都民や専門家とともに子ども基本計画を作り上げます。例えば、産科医不足への対応としては、NICUの増設や産科医への手当、救急搬送の司令塔機能の設置などの医療機関への対策とあわせて、母子手帳や妊婦教室での#8000などの情報提供、妊婦健診の無料化により妊娠のリスク管理を向上させ、お産の救急を極力減らす、救急医療を受けた場合でも、地域の診療所と救急病院との連携を強化して、急性期を過ぎたら診療所による治療や在宅診療・支援、子育てヘルパーなどの関係施策と連携して安全安心を確保する、障害のある子どもを支援する療育センターや障害児保育、就学前の専門的指導と学校との連携といった、細かな施策までをリンクさせ全ての施策をより一層機能させること、不足するサービスの必要量を明確にし、どこをどれだけ強化すべきか、しっかり検討を行うことが必要です。


○常時受け入れ可能な救急医療の構築


・病院の協力を求めて、救命処置後の「病病連携」の転院システムを作ります。周辺病院や地域病院と連携努力をする支援職員を置くこと等により、「常時受け入れ可能な救急病院」を作ります。
・そのために都民・患者にも軽微な傷病で救急病院や救急車を使わないルールや#7119をしっかり広報し、地域の救急医療機関に常に余裕を持たせるあらゆる努力をします。
・メディカルクラーク50ベッドに一人、メディエーターを100ベッドに一人、ソーシャルワーカーを100ベッドに一人介護職員を50ベッドに一人配置できるよう、助成します。
・休日・夜間診療をおこなう医療機関への助成を増やします。


○救急病院の医師の確保

 

・医師以外のコ・メディカルスタッフも充実して24時間救命救急現場の疲弊をなくします。
・午前は外来、午後は病棟、夜は救急当直、40時間不休の勤務といった環境による医師の過労は、医師の判断力と健康を損ね、診断される患者にとっても改善すべきものです。勤務医の報酬や就業環境向上のほか、救急病院での医業とそれ以外の分業を進め、医師や看護師が抱えていた仕事を、医療クラーク(医療現場での事務支援)、救急搬送コーディネーター(救急患者の受け入れ作業)のほか、医療ソーシャルワーカー(MSW:家族や経済面の相談)などを養成確保することで、医師の負担を極力減らします。
・1次救急準夜・夜間診療所の運営支援を行って軽症患者の受け皿を用意します。
・首都圏内の大学および大学病院等において後期専門研修としてER課程を設置する場合に助成をおこないます。


○地域人材の確保と在宅医療の充実

 

・福祉の人材基盤にしっかり投資します
急性期を過ぎてから、安心して在宅や介護系施設に移行できる環境整備が進まなければ、長期入院や社会的入院は減らず、ベッド数に余裕がなくなります。一方、在宅での介護が難しい家庭では、福祉サービスが不可欠。安心して退院できるよう、地域の福祉を充実させます。
・しっかりした労務環境で、福祉職を目指す若者をはじめ、多くの雇用を促します。
・訪問介護や特別養護老人ホームの介護人材の確保のための介護報酬アップとともに福祉人材の知識・技術向上研修や、老人保健施設・療養病床等の整備を支援します。
・地域連携クリティカルパスの普及(転退院支援)と在宅医療のネットワーク化を進めます。診療報酬の改定で3ヶ月過ぎると転院・退院を求められ、適切な受け皿がない、再度悪化した場合の入院先確保、在宅療養への不安などから、患者・家族、相談支援を行う医療ソーシャルワーカー(MSW)にとって、大きな悩みとなっています。転院先やリハビリ施設、介護保健施設、在宅支援事業所との連携、情報の共有化などを支援するとともに、幾つかの病院・診療所などが連携して、あらかじめ患者の状態に応じた計画を立て、協力して治療にあたるための地域連携クリティカルパスの普及や在宅医療のネットワーク化を支援します。
・患者・家族の療養生活を支えるため、訪問看護、訪問医療、緩和ケアなど在宅療養に必要な地域の基盤整備を支援します。また医師看護師以外の専門家である歯科医師、薬剤師、保健師なども協力して在宅療養や健康作りに取り組めるよう連携を推進します。


○医師の確保

 

・医師奨学金を拡充します。
都は現在小児科や産科、へき地医療などに3年以上従事した場合に返還免除とする奨学金を実施しています。現在の医師不足に鑑み、この対象者を増やしていきます。
高額な学費負担ができなくとも、医師の仕事に情熱を持つ多様な人材を確保するために、さらなる拡充を検討します。
・女性医師の就業継続を支援します。
医師不足が顕著と言われている小児科、産科、麻酔科の医師のうち39歳未満の女性医師は、全国で約4割~5割であり、専門医としての修行期間でもある20代から30代にかけて、結婚・出産・子育てにより退職してしまうと、医師不足がより深刻となるおそれがあります。一度退職してしまうと復帰も困難となることから、子育て中の短時間勤務や研究職への配置換えなど、医師として働き続けられる両立支援策が必要。中でも保育所の不足は深刻であり、医師向けの保育所への支援や院内保育所の整備促進、保育手当補助など即効性のある支援策を実施します。


○看護師不足対策

 

・短時間勤務など働き方を見直します。(眠っている資格者の復帰支援)
都立病院における看護師の男女比率は女性93%、男性7%であり、多くの病院は、女性の従事者が中心です。看護師は、夜勤があるなど勤務時間が不規則で、子育てや家庭との両立に困難をきたし続けられない、短時間なら復帰したいが正規職員としては働けないといった課題があります。短時間正職員制度導入など女性が働き続けられるよう取り組む病院への支援を拡充します。
また、一度離職した看護師への復職支援研修については、延長も含めて必要な期間を検討するとともに、勤務先によっても異なる専門性に対応した研修についても支援します。
・看護師の専門性強化、定着支援に取り組みます。
医療の高度専門化、医療安全対策の強化、患者の権利意識向上にともない、看護師に求められるスキルも複雑高度化しています。新卒看護師の離職率の高さも指摘されており、看護教育の年限延長も含め、医療の進歩に見合った専門教育機会の確保や処遇改善を確保するとともに、高度な医療を取り扱うことのできるアドバンスド・ナース・プラクティショナーの導入を検討します。
また、男性看護師の参入をより一層進めるよう取り組みます。


○全国最悪のがん死亡率の改善

 

・臨床研究との組み合わせを含めて、がんワクチン等先端医療を都民すべてが受けられるようにします。
・全がんの死亡率を低下させるため、早期発見、早期治療体制を確立させます。特に低いがん検診の受診率については、目標値を定めて向上させます。
・都民が質の高いがん医療を受けられるよう、がん拠点病院の整備を促進します。
・精度の高い地域がん登録を実施して、がん対策を充実させます。
・女性特有のがん(乳がん・子宮がんなど)への取り組みとして、検診受診率向上に取り組みます。術後ケアへの支援(形成)についても検討します。


○糖尿病対策の充実と健康づくり支援

 

・食生活の改善に取り組みます。
糖尿病対策として栄養士会等に、管理栄養士・栄養士の人材バンク(東京栄養ケア・ステーション)を設置することを支援し、メタボリックシンドローム対策等も含めて、都民の皆さんの食生活を改善します。
・健康な歯と口内を保ち、健康づくりを進めるため、かかりつけ歯科医を持つこと、
8020運動の推進支援、子どものときからの歯周病予防や検診実施に向けて取り組みます。
・栄養過多による内臓脂肪蓄積で発症する人の増加もあって、糖尿病患者は、4年間で250万人増加しており、事態は改善されていません。三大合併症といわれる、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症になると、生活への影響も大きく、人工透析が必要になる原因の一位は糖尿病で、糖尿病による失明者は年間3000人。治療の中断、症状の放置をなくすため、自覚症状の少ない糖尿病の早期治療・継続治療を支援するかかりつけ医制度を推進します。
・糖尿病予防には、肥満解消、食生活の改善、適度な運動、お酒の飲み過ぎ・たばこの吸いすぎに注意する、ストレスをためないなど、生活改善が重要。生活改革応援団を作り、都民の健康作りを支援します。
・高齢になるほど死亡原因に占める肺炎の割合が高くなり、インフルエンザなどをきっかけとして肺炎を発症する場合が多いと言われています。効果が高いと言われるインフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンを併用した接種についても助成対象とします。


○新型インフルエンザ対策の万全な実施

 

・日中韓を中心に、東アジア全体で新型インフルエンザに対応できる体制をつくります。
・さらにタミフル・リレンザの備蓄を増強するとともに、病院が診療を続けられるよう、医療関係者や家族の予防服用も含めた薬の確保、防護服の十分な備蓄を進めます。
・新型インフルエンザを東京に入れないための海外渡航者の発熱モニタリング、帰国後発症者への迅速・的確な対応など、流行阻止対策を徹底します。
・都内医療施設での新型インフルエンザ対応策を進めます。特に免疫力の低下した他の入院患者への感染拡大を防ぐため、発熱外来の施設整備を進めます。
・都民生活に不可欠な社会活動が維持されるよう、都庁と区市町村役所の業務継続体制構築とともに、民間企業と公共交通機関の新型インフルエンザ対応のBCP策定と業務継続支援を進めます。さらに、実践的な訓練を実施して、混乱を来さないよう備えます。


○安心の小児医療の実現

 

・小児医療体制を拡充します。(土曜・休日・夜間の小児科診療)
身近な地域に、休日や夜間に診療する医療機関がないため、二次救急に軽症患者が溢れ、医師が疲弊し、救急医療が崩壊の危機に瀕しています。また、本来の役割である重症患者への対応が遅れる事態も起きかねません。
子どもの発熱などは、元来夜間が多いことに加え、共働きや核家族が増えるなど、家庭の状況が変化していることに対応して、休日・夜間の小児診療を充実させることが必要。休日・夜間に土曜日も含めて都の支援対象とすることで、切れ目のない小児医療支援へと拡充します。
・地域の新規の産科・小児科の開設の環境を作り、地域医療を整備しなければ、益々救急病院に患者が殺到し、病院や勤務医・看護師の疲弊が広がってしまいます。産科・小児科など地域で不足する医療機能については、病床規制の例外を活用して積極的な整備を支援します。
・東京小児ER
高度医療(二次・三次救急医療機関)への初期救急機能併設や連携強化で、重症者を迅速に診る、常時受け入れ可能な小児救急医療制度を目指します。特に小さな子どもは容態が急変しやすいため、小児トリアージができる人材育成・配置補助など、小児救急トリアージの普及を支援します。
・小児救急相談電話#8000
現在は、平日の昼間のみ受付ですが、他に頼るところがない夜や休日など、病院に行くべきか迷っても対処法がわからないなどのニーズが、より多く見込まれる時間帯にも拡大します。


○後期高齢者医療制度の廃止

 

・後期高齢者医療制度はすみやかに廃止します。
平成20年4月から75歳以上の高齢者を対象として始まった後期高齢者医療制度を廃止し、医療制度に対する国民の信頼を高めます。さらに、国民健康保険財政に対し5000億円を支出し、健全化を図るとともに適切な保険料負担となるよう取り組みます。
・国民皆保険制度を守ります。
将来的には、被用者保険と国民健康保険を順次統合して医療保険の一元化を実現します。