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都議会レポート

都議会レポート 平成19(2007)年3月

…平成19年第1回定例会号…


平成19(2007)年3月


「石原都政はもうたくさん」
誰もが誇りを持てる東京の実現を


平成十九年第一回定例会が、三月九日に終了しました。
四月八日に東京都知事選挙を控えた今議会では、石原知事の政治姿勢が大きな争点となりました。差別発言。石原知事やその親族・側近らによる都政の私物化。新銀行東京や臨海三セクなどの経営悪化に見られる無責任体質。そして、政策的にも、オリンピック招致に頼るしかない都民感覚の欠如など、もはや石原知事に都政は任せておけません。
私たち都議会民主党は、浅野史郎・前宮城県知事を支援し、誰もが誇りを持てる東京の実現に向けて、一致団結して取り組んでいく決意です。皆さまからの変わらぬご支持・ご声援をよろしくお願いします。


浅野史郎氏の支援を決定
都政を根本から変革せよ


東京都知事選に関して、民主党都連は、浅野史郎氏を全面的に支援することを決定し、都議会民主党も、三月九日の議員団総会において同氏の支援を確認しました。
一部には、会派の結束について疑問視する声もありましたが、都議会民主党は、一致結束して、石原知事の予算案に反対しました。
浅野氏が、出馬表明で掲げている「(1)東京から新しい風を起こす。(2)人と自然にやさしい首都を創る。(3)透明性のある都政、風通しのよい都政にする。(4)納税者のお金を大切に使う。(5)都民のために、誠心誠意、全力を尽くして働く都政を確立する」の五つの基本姿勢は、私たちの政策理念とも一致するものです。
都議会民主党は、都政を根本から変革するために、全力で闘い抜く決意です。


目に余る都政私物化で
十九年度予算案に反対


景気回復による八千億円もの増収に支えられ、十九年度予算案では「隠れ借金」や「負の遺産」の処理に取り組むとともに、財政の健全な運営に役立つ基金を積極的に積立てることができました。
しかし、石原都政では、耐震改修補助金がわずかに五百棟分、一億円しかないなど、震災対策の強化や雇用格差の是正、子育て支援は極めて不十分です。また、十年後には、支援を必要とする高齢者数が十四万人増え、六十万人に達すると予想されているにもかかわらず、介護基盤に投じる予算規模には、危機感が感じられません。
一方、都政運営においては、知事や側近の海外出張、知事交際費、また、知事のトップダウン事業への子息や知人の関与、不明朗な業者との宴席など、石原知事と側近が如何に都政を私物化し、都政を歪めているのかが明らかになりました。例えば、海外シティプロモーションのように、対象国や地域選択が正確な調査・分析に基づかず、知事側近の恣意的選択によって執行されては、税金の無駄遣いです。こうしたことが次々と明らかになってきた石原都政のもとで予算が執行されることは、決して都民のためにはなりません。
こうしたことから、民主党は、十九年度東京都一般会計予算に反対しました。


東京オリンピック招致
知事発言で赤信号点灯


都は昨年、東京オリンピック招致委員会を設立し、アジア大会での宣伝や都民機運の盛り上げなど招致活動をスタートさせました。
民主党は、改めて、石原知事に、平和・核兵器に対する見解などを質問し、特に、「ヒトラーのベルリン・オリンピックに似ている」として、北京オリンピックのボイコット発言までしている知事の姿勢を追求しました。
これに対して、石原知事は「オリンピックで独裁政権がついえることは歴史の原理」と、中国との関係改善を図るどころか、火に油を注ぐ結果となっています。
オリンピック招致を成功させるには、世界各国の支持を得る必要がありますが、民主党は、石原知事を先頭に立てての招致活動では、アジアをはじめとする広範な支持は得られないと考えています。


情報公開で都は失格
都民が納得する制度を目指せ

この間の都政私物化の批判を受け、石原知事もようやく知事交際費の公開に取り組みはじめました。
しかし、都の情報公開度は、市民団体のランキングによれば、百二十点中三十点で、しかも、閲覧手数料をとっているため失格です。失格は、全国で二都県しかないため、最下位ともいえる状況です。
これに対して、石原知事は「市民団体が独自の考え方で評価したものであり、情報公開状況を正確に反映したものとは考えていない」と答弁。「都民が納得する情報公開を行っている」と開き直っています。


経営不振の責任は誰に
新銀行東京は風前の灯火


経営悪化が進む新銀行東京。石原知事は「大手銀行から来た責任者が借り手の評価を見誤った」と責任転嫁をしていますが、この人事を決めたのは石原知事本人です。
また、マスコミに対しては「何も中小だけの銀行じゃなし、どっかいい借り手があったら貸しますよ」などと路線変更とも取れる発言をしたり、「つぶすわけにいかないのでテコ入れをした」などと、対策を講じたかのような発言をしています。しかし、自らの発言の真意を質しても、答弁は役人任せ。
「石原銀行」は風前の灯火です。


視察と称して欧州旅行
お好み観光行政を断罪


年二回、二億七千万円もかけて、海外からの観光客を招くために行われている海外シティプロモーション。何故か、多くの観光客が見込まれるアジアには赴かず、知事側近が行きたがるヨーロッパばかりが対象となっています。
一方で、石原知事から「五年間で観光客を倍にしろ」との大号令をかけられましたが、都合のいい統計を引用して、辻褄を合わせる本末転倒の有様です。
民主党は、真の観光振興のために、正確な調査・分析に基づいた戦略的な施策推進を求めています。


ニートは「穀つぶし」か!?
雇用の格差是正に取り組め

「ニートは穀つぶし」と言って憚らない石原知事に、雇用での格差是正を望むべくもありません。
民主党は、年長フリーターに対する奨学金制度の創設や他の自治体で実施しているような職業訓練給付金制度の創設を提案しましたが、都は「国に対して要望していく」と答えるにとどまっています。
また、正規と非正規労働者の格差是正に向けて、中小企業への優遇措置の充実などを提案したのに対し、都は「優良な事例を紹介していく」と答え、具体的な施策について言及しませんでした。


超高齢社会に危機意識欠乏
ロボット普及で現実逃避


十年後、都の支援を必要とする高齢者数は、十四万人増えることが予想されます。今からしっかりと、高齢者の生活を支える基盤整備を進めなければなりません。
高齢者の持ち家率が五割を切り、安心して暮らせるケア付き賃貸住宅や身近な生活圏域で必要なサービスを受けられる体制整備は急務です。
石原知事は、今後の政策展開として、介護ロボットの普及や高齢者の就業機会拡充などを示しています。しかし、現実を直視した計画立案を早急に行うべきです。


置き去りの子育て政策に
十分な支援を求める!


都の子育て支援関係の予算は、認可保育所以外は手薄です。八千人の待機児童、七万人とも言われる潜在的待機児童へのケアは置き去りです。
民主党は、子育て家庭全体への支援拡充、また、認可保育所の二倍にもなる認証保育所の保育料に対する保護者負担軽減を十九年度予算に盛り込むよう主張しました。
また、この格差を放置してなんら問題ないと考えるのか、と問い質しました。
都は「区市町村が行うもの」として、この格差を放置する態度です。


障害の有無を超えて!
支え合う東京の実現を


障害者自立支援法が施行された直後から、利用者の悲鳴にも似た厳しい声が相次ぎ、国は、補正予算により、激変緩和措置九十六億円を都に支給しました。
しかし、実施直後に多額の補正が必要となった制度自体の問題には何の見直し策もなく、所得保障の拡充もないままです。
民主党は、サービスの利用状況を注視し、都も適切に対応するよう強く求めました。この他、都議選の公約である障害者差別禁止条例制定による、ノーマライゼーション推進も、知事に質しましたが、言い訳に終始する答弁でした。


医療サービス維持・向上へ
優秀な医師の確保・育成を!


現在、都立病院では救急患者の受入制限、妊婦の新規受付の中止、お産の取扱休止など、サービスの低下が顕著となっています。
いずれも医師の確保が困難になっているためです。
民主党は、このような事態の打開のため、都立病院自らによる医師の育成や、給与・勤務条件など医師の処遇改善の必要性を主張ました。都は病院医師アカデミーの開設準備を進めていること、医師の宿直手当の大幅な改善などを明らかにしました。


がん救命率UP
がん難民ゼロへ強力に取り組め

現在、都民の死亡原因一位はがん。がん検診受診率も全国平均以下です。日本は先進国の中でも救命率が低く、その向上は急務です。
現在は、患者がどこでどんな治療を受け、成績はどうだったか、という情報が集約されていないため、病院や医師によって、医療の質がばらばらです。
また、治療に納得できなかった人は五十三%との調査もあり、「がん難民」とも言われています。
民主党は、がん検診受診率向上による早期発見早期治療、がん診療拠点病院の整備と医療機能向上、よりよい治療法の研究・普及に必要な「地域がん登録」の一日も早い実施を強く求めました。

掛け声だけで予算なし
お粗末な住宅耐震化促進施策


都は「十年後の東京」で、都内住宅の耐震化率九十%以上とする目標を掲げました。しかし十九年度予算では、きわめて限定された耐震改修助成制度しか予算措置されておらず、民主党は、本会議・予算特別委員会で「これでは目標を達成できない」と厳しく追及しました。
また、民主党は、震災時における都の中枢機能を可能な限り維持・回復するため、超高層ビルである都庁舎の長周期地震動対策をすべきと指摘し、都はその必要性を認めました。


市場化テストに死角あり
公営企業経営に競争原理を!


従来、都が直接提供してきたサービスについて、民間に参入機会を与える市場化テストの導入が予定されています。また、水道局・下水道局では、都が出資・監督する監理団体との一体的運営の強化が進められようとしています。
民主党は、これまで都でしか行ってこなかったサービスを一旦外部に任せると、初めに受託した企業がそのノウハウを習得・独占し、後に他の民間企業が参入する機会が阻害され、非競争的な業務運営に陥る可能性があることを指摘し、対応を求めました。