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都議会レポート

都議会レポート 平成19(2007)年10月

平成19(2007)年第3回定例会号

平成19年10月


都民税軽減の「公約」撤回
石原知事の格差是正策を質す


平成19年第3回定例会が、10月5日に閉会しました。
今定例会に先立ち、石原知事は、4月の知事選向けに打ち上げた「都民税所得割の軽減措置」を撤回したことが一つの争点となりました。知事は、「公約の進化だ」と強弁しましたが、「進化」というのであれば、具体的な低所得者対策を打ち出すべきです。
子育てや障害者自立支援、介護や医療、教育や産業、環境、まちづくり、震災対策など、取り組まなければならない課題が山積しています。
私たち都議会民主党は、責任政党としての自覚と責任のもと、引き続き、都政改革に取り組んでいく所存です。都民の皆さまからのご支持・ご支援をよろしくお願いします。


 

居直る知事の「進化」発言
格差是正の代替案なし!



石原知事は、選挙直前に発表した低所得者対策、都民税の軽減措置を撤回しました。知事は、この撤回を「公約の進化」と強弁しましたが、民主党は、知事のトップダウンの弊害などの検証が、真の意味での「進化」につながると訴えました。しかし、知事は「決して取り消したのではなく、あくまでも進化」と認めませんでした。

民主党は、以前から職業訓練などの所得向上策やフリーター対策、非正規勤労者の待遇改善に取り組む企業へのインセンティブの充実などを提案してきました。また、生活保護受給者の自立促進を行う支援プログラムを推進するよう求めています。

民主党は、今後も都民の格差是正に積極的に取り組んでいきます。


ATM撤去・店舗統合
新銀行東京が撤退敢行



経営危機に陥っている新銀行東京は、6月に役員体制を一新すると、7月には、店舗外ATM126台の全面停止・随時撤去。8月には、八王子や蒲田、錦糸町の店舗統廃合を発表しました。

石原知事は「撤去・統廃合は、営業経費削減の一環で、取り組みが着実に進展しているものと認識」と述べた上で「新経営陣から、適宜、報告を受けている」と、想定内であることを強調。また、民主党が「多くの銀行で公開している四半期ごとの経営情報を公開すべきだ」と質したのに対して、都は「今年度は、債務の実態把握や貸倒引当金の見直しを行っている」と釈明せざる得ませんでした。

新銀行東京は、民間への売却など、抜本的な見直しこそ必要です。


築地市場の移転問題
公聴会で都民の意見を聴け!



築地市場の移転先とされる豊洲地区の土壌汚染問題で、都は、6月に専門家会議を立ち上げました。

しかし、専門家会議の委員数はわずか4名で、各分野の専門家も一人ずつしかいないため、専門的な意見のやりとりもなく、会議は低調です。

また、8月から、ようやく傍聴者の質問を受け付けるようになりましたが、質問回数の制限など、運営への不満の声が聞かれます。

民主党は、公聴会を開催するなど、その他の専門家や都民の意見を聴くべきだと主張しています。


ものづくり人材の育成で
中小企業の活性化を



大企業の新規採用が増えている中で、中小企業の人材確保はますます困難になっています。

民主党は、若者の人材確保に取り組む中小企業への支援の充実を主張。また、工業高校での施策の充実に向けて、教育長から「六郷高校で実施しているデュアルシステムの他校への導入を検討」「工業高校から大学進学に向けた指導の充実」などの確約を得ました。

地域工場の活性化でも、「ものづくり産業の集積を図る区市町村に対する支援策を検討している」と都の前向きな答弁を得ています。


大地震への備えは万全か?
震災対策のさらなる充実を!



新潟県中越沖地震では、古い木造住宅に被害が集中しました。都でも木造住宅の耐震化が急がれますが、昨年度創設された都の木造住宅耐震化促進制度では、耐震改修に対する助成がたった22件しか利用されませんでした。

民主党は、利用の進まない木造住宅耐震化促進制度について、「助成対象の範囲拡大など思い切った制度の拡充が必要だ」と主張。信頼できる耐震診断事務所の確保策、地震時の原発の停止問題に対する危機管理体制の強化についても質しました。


都民の安全向上で一歩前進
大江戸線にホームドア実現へ!



ここ数年、都営大江戸線の利用客数は順調に伸びていますが、一方で混雑対策も急がれる状況です。

民主党が交渉する中で、都交通局は、早急に大江戸線へのホーム柵の整備計画を策定する方針を明らかにしました。

民主党は、この方針を歓迎するとともに、整備計画の策定にあたっては混雑対策として輸送力の増強や駅利用者の流れ調査や改善などをあわせて行っていくよう求めました。また、ホーム柵を広告媒体として積極活用し、維持管理費に充てることを提案しています。


東京で産めなくなる前に
都は全力を尽くせ



国の病床規制や都の手続の問題から、産科医の開業が困難になっています。民主党は、産科医療確保のため、医療法の特例規定を活用すること、病院開設に関する情報を公開し、意欲ある医師を歓迎する環境整備をすることを求めました。さらに細かな点を総点検し、産科医療確保のため、できることは何でもやるべきと求めました。

都は、都内でも医師が減少しており厳しいとの認識を示した上で、特例規定活用は都保健医療計画改定の中で検討し、病床状況については、ホームページでの公開を検討すると答えました。


真の自立支援を目指す
民主党の自立支援法



民主党は、障害福祉サービス利用者の原則一割負担を廃止する障害者自立支援法改正案を提出。法施行後の現場の状況も踏まえ、2年をかけて練り上げた法案です。

また、都議会でも、多くのサービスを必要とする重度障害者ほど負担が重くなり、経済的に家族に依存せざるを得なくなる制度の問題を指摘するとともに、介護従事者への報酬が低いため、官製ワーキングプアとなっていると問題点を質しました。

しかし、都は、民主党の指摘に、現状追認に終始する有様でした。


リタリン乱用阻止!
青少年の薬物依存根絶を



リタリンは、うつ病などの処方薬として用いられる薬ですが、覚醒剤と同じような効果をもたらし、依存性も高い薬です。これを十分な診察なしに安易に処方する診療所が問題となっていました。

民主党は、昨年12月から、青少年が病院で手に入れたリタリンを乱用し深刻な実態となっていることを指摘。都に具体的な対応を求めていました。

リタリンの他にも類似の作用を持つ薬があり、薬物乱用の根絶に向けて、不適切な処方を行う医療機関に対し、厳しく対処するよう求めました。


犯罪被害者支援に次のステップ
都条例の制定を求める!



治安に対する都民の不安は高く、多くの犯罪被害者も、都市特有の人間関係が希薄な中で、孤立を余儀なくされてきました。そこで都は国に続いて「犯罪被害者支援推進計画」の中間まとめを公表し、都民からの意見を募集しました。

民主党は、国の計画と比べても不十分な点のある都の計画の不備を質すとともに、計画が犯罪被害者に活用されるため、より分かりやすい内容に直すよう求めました。

また、計画をより充実したものにするため、経済的支援制度の創設や生活サポート体制の整備、警察と被害者団体との連携、学校における被害に遭った場合の対応教育なども提言しています。

計画策定後には、都が犯罪被害者支援推進の姿勢を全国に向けて発信するため、都条例を制定していくべきと主張しました。


「随意契約」八割/債務超過
監理団体は体質改善を



都は、行財政改革の最重要課題として監理団体改革を進めていますが、「存在意義」や収支の健全化などの課題が残されています。

監理団体が外部に発注する契約の八割が、相手を指名する「随意契約」で、競争性が無く、公正な事業運営が求められる団体として大変問題があります。

この実態は、都の監督基準の「競争入札が原則」を明らかに無視したもので、都が契約のあり方を指導していくべきと質したところ、石原知事からも「問題」との同意する答弁がありました。

また、知事が、債務超過にある「多摩都市モノレール」への金融支援を表明したため、民主党は、「地域住民の足を守る一方で、経営の検証や責任の明確化、天下りによる経営等の見直しが必要だ」と主張。第三セクター全体の体質改善を厳しく求めています。


建築確認の厳格化で大混乱
新しい制度の円滑化を!



一昨年の耐震偽装事件を受けて建築基準法が改正され、建築確認や検査の厳格化が図られた新しい建築確認制度が始まっています。関連する政省令などの整備が施行直前にずれ込んだこともあり、建築確認手続きが滞るなど、関係実務者間で混乱が続いています。

この混乱に伴う建築投資の冷え込みは、景気に与える影響も大きいとの指摘もあります。民主党は、特定行政庁として都の建築確認手続きの円滑化を図ること、国に対して制度改善を働きかけていくことを求めました。

 

緑の募金基金条例にひと言
太陽エネルギーの利用拡大を



今定例会には、街路樹や海の森の整備のために「緑の募金基金条例」が提案されていますが、民主党は、「募金だけでなく、植樹や管理など、都民との協働こそが必要だ」と述べるとともに、「本当に必要であれば、一般財源を充当するべきだ」と主張しています。

また、太陽エネルギーの利用拡大では、「国をリードして普及に向けた対策を打ち出すべき」と主張したのに対して、都は、「今後、太陽エネルギーの具体的な利用拡大方策について取りまとめていく」と積極的な答弁をしています。