トップページ > 都議会レポート > 都議会レポート 平成19(2007)年12月

都議会レポート

都議会レポート 平成19(2007)年12月

平成19(2007)年第4回定例会号

平成19(2007)年12月 


 

  法人事業税三千億円召し上げに
         石原知事 国と戦わず

                                                                 
  平成十九年第四回定例会が、十二月十九日に閉会しました。
  地方税財政改革で、国のことを「盗人」と呼んでいた石原知事は、福田首相との会談で一転。「泣く子と地頭と政府には勝てぬ」と弁明し、オリンピックへの全面支援などを条件に、都の法人事業税三千億円を移譲することを容認しました。都との協調戦線を張っていた愛知や大阪などの自治体にとっては、寝耳に水で、「地方分権に逆行する最悪の税源移譲だ」と憤慨するなど、地方税財政制度の抜本的な議論も不十分なままに、取引が成立しました。
  また、石原知事の公約撤回の代替案である低所得者への支援策をはじめ、新銀行東京の赤字拡大などが、争点となりました。
  私たち都議会民主党は、石原都政に対して、是々非々の立場から、これらの問題を質し、都民の視線からさまざまな政策提案をしています。

 


税制改悪で「分権に逆行」知事のリーダーシップを問う!

 

 政府・与党の選挙を意識した地方対策である「地方税制の改悪」が、石原知事と福田首相の間で合意されました。
 自治体の税収格差を是正するため、都など大都市圏の法人事業税の半分を国に移管し、税収の少ない県に配分する案について「税の抜本改革までの暫定措置」とすることを条件に受け入れました。
  知事は「都の重要施策の実現に国は最大限協力する」とコメントしていますが、それが「分権に逆行」し、「税の原則」に反する税制改悪との交換条件になりうるのか大変疑問です。
 自治体間の税収格差の調整は、地方交付税の役割であり、それを地方税を上納させて行うものではありません。
 知事は、かねてより法人二税の国への移管を批判し、訴訟も辞さないと公言してきました。再三、国との「徹底抗戦」を確認したにもかかわらず、一転して合意とは政府・与党に押し切られたと言ってもいいでしょう。
 民主党は、知事のリーダーシップを問うとともに、予算と都民サービスへの影響、地方の自立の悪影響などを質し、併せて、参議院での法案否決を目指しています。

 

代表辞任、赤字拡大
もはや死に体 新銀行東京!

 

 六月に引責辞任したばかりの新銀行東京の経営トップが、十一月には早くも交代。経営悪化は「不慣れな人に任せたから」と述べてきた石原知事ですが、銀行のプロにはなり手が皆無で、後任に都の役人を送り込む始末です。
 また、十一月三十日発表の中間決算で、累積赤字が九百三十六億円まで膨らみました。中小企業への融資は減る一方で、不良債権の処理費用はさらに増え、六月に策定したばかりの新中期経営計画にも狂いが生じています。
 石原知事は「今は銀行が経営改善の取組を着実に進めていくことが重要」と述べ、「追加出資はしない」と明言していますが、新銀行東京は、もはや死に体です。
 民主党は「都民に一番負担の少ない形で、新銀行東京から撤退する方法を早急に検討すべき」と主張しています。

 

政調費の透明化を
議会改革で民主党が提案

 

 都道府県議会や区市町村議会の議員に対して月ごとに支給されている政務調査費について、不適正な使用や不十分な情報公開をめぐり、各地で問題が生じています。
 民主党は、政調費が都民の税金である以上、その説明責任を果たすために、一円以上の領収証を添付し、公開することを提案。また、使途基準を定めることや、チェック機能を強化するために、第三者機関の設置を求めています。
 民主党の地道な説得で、この十二月に、ようやく自民・公明も含めた検討会の設置が決まりました。

 

低所得者の生活支援が実現
実態を把握し、施策の充実を

 

 知事の選挙公約であった低所得者減税が実行不能となり、急遽、浮上したのが低所得者安定化プログラムです。民主党は、当初から、低所得者対策は歳出による自立支援策で行うべきであると指摘し、思いつき減税には批判的でした。
 内容は、これまで十分な支援策が講じられてこなかった低所得者に対し、職業訓練中の生活費扶助、資格取得支援金の貸付、母子家庭のホームヘルプサービス加算などを行うものです。これにより、従来から民主党が提案していた若年世代の非正規労働者、ネットカフェ難民への就労支援、所得向上支援が実現することとなりました。
 しかし、実態把握がなされないままである、対象を厳しく制限しすぎると利用できない低所得者が多くなる、区市町村を含め実施体制が未構築、といった点を指摘し、十分な検討を求めました。

 

豊洲の土壌汚染問題
国と連携し法案提出を実現

 

 豊洲地区の土壌汚染問題で、都は、十mメッシュ・四千百か所の調査の実施を決めました。データの信頼性など不十分な部分もありますが、民主党の成果です。
 このような中、都議会の民主党が、国に対して要望していた土壌汚染対策法の改正案が、参議院に提出されました。都の対策では、汚染土壌が残ることになり、市場を整備するには不十分ですが、この法案が成立すれば、抜本的な対策を講じていくことも可能です。
 民主党は、国とも連携しながら、土壌汚染問題に取り組んでいきます。

 

CO2削減に実効性ある対策を
削減義務化・環境税を質す

 

 石原知事は、CO2の削減に向けて、大規模事業者の削減義務化などの施策を打ち出していますが、経済団体からは、反対意見が相次いでいます。民主党は「知事が率先して、経済団体の理解と協力を得るなど、実効性のある温暖化対策に取り組むべき」と主張したのに対し、知事は「削減義務化をはじめ実効性のある施策を展開していく」と決意を表明しました。
 また、都独自の環境税の導入に対して、都は「引き続き、都税調での積極的な検討をお願いしたい」と意欲を見せています。

 

#8000は
夜間頼れる実施体制に拡大を

 

 夜間、子どもの急な発熱などがあった時に、対応をアドバイスするのが小児救急電話相談です。
 核家族が多い東京では、いざというとき頼りになる存在ですが、平日は夜十時、休日は夕方五時で終わってしまいます。これでは、かかりつけ医が閉まっている夜間や休日に相談することができません。
 民主党が「他に頼れる所がない夜間と休日、少なくとも小児救急が混雑している夜十二時から一時の時間帯までは実施すべきだ」と主張したのに対し、都は「課題として受け止め、時間延長について研究する」と答弁しました。

 

誰もが通行しやすい
まちづくり推進に三つの提案

 

 障害者専用駐車スペースに不当に駐車する例が目立ちます。一方、ケガや妊娠中など、状況に応じて使えるようにする必要もあることから、民主党は「パーキングパーミット」を提案しました。
 また、視覚障害者が横断歩道で方向を見失わないよう誘導する「エスコートゾーン」の普及を求め、警視庁も本格的な普及を図ると答弁しました。
 さらに、歩道と車道との段差をなくす「セミフラット化」について、既設の都道でも推進するよう提案。都は「積極的に採用する」と答弁しています。

 

横田基地の軍民共用化
合意は基地返還の第一歩に

 

 知事は「横田基地の軍民共用化」を公約とし、日米関係者へ積極的な働きかけを行ってきました。しかし、軍事運用等の課題が残り、米側の都合で継続協議となっています。
 民主党は、基地返還を最終目標に、都民の生活環境を守りながら、地域のまちづくりを進める立場で、早期実現への取り組みを求めてきました。
 今議会では、地域経済の活性化の視点から、多様な航空サービスの提供や横田基地周辺の交通網の整備も提言しています。

 

多摩振興は新ビジョンの創造と
地域特性の活用が重要!

 

 都は、オリンピック招致を契機に、東京の近未来図「十年後の東京」を発表しましたが、多摩に関する記述が少なく、改めて多摩の将来像を検討すべきと質しました。知事は多摩を首都圏の中核にすると述べましたが、多摩ビジョンの必要性を事実上否定しました。
 また、多摩の中心構想である産業集積地、多摩シリコンバレーも、いまだ具体的な姿が示されていないことから、民主党は、北欧スウェーデンのシリコンバレーを例に、「多摩がアジアのシリコンバレーとなるため、税やまちづくり、産学公の連携など諸課題に取り組むべきだ」と主張しました。
 さらに、二〇一三年には多摩・島しょを中心に東京国体が開催されるため、新しい国体や市町村振興の推進への尽力を求めました。
 民主党は、今後も多摩地域の振興に積極的に取り組んでいきます。