トップページ > 定例会報告 > 一般質問 中谷 祐二

定例会報告

一般質問 中谷 祐二

中谷祐二

 

 

平成23(2011)年12月8日

 

 

 中谷 祐二 (練馬区)

 

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。録画映像はこちら

 

 

 

  1. エネルギー政策について
  2. 防災対策について
  3. 都有財産の利活用について
  4. 障害者就労支援について 

 

 

 初めに、エネルギー政策について伺います。

 

 日本の近代史家である作家渡辺京二の著書「逝きし世の面影」は、我が国が西洋化し近代化することによって失った明治末期以前の文明の姿を追い求めたものであります。そこには、今日の日本が失ってしまった伝統、文明が確かにありました。
 西洋化により、日本の伝統的共同体の解体が進み失われた共同性を求めた姿は、東日本大震災からの懸命な復興が進む中、日本人の規律正しさ・協調心が呼び覚まされ、公共心の大切さを再認識したことと重なるところです。知事は常々、「東京は日本のダイナモだ」東京が止まれば日本も止まる。東京が継続して発展し続けることの重要性を訴えておられます。

 

 今まで、東京で消費される電力エネルギーの多くは福島原発からの供給でありましたが、東京いや日本のエネルギー政策が根幹からの見直しが迫られる中で、知事は、東京の電力不足解消のために100万キロワット級の天然ガス発電所の新設を提唱し、都内に60ヶ所整備を進める防災公園に非常用ガス発電施設を設置、さらに東京電力から独立した送電網を臨海副都心に敷設する計画も打上げました。
 非常用電力のバックアップの確保は、発災直後は特に重要です。そもそも我が国のエネルギー政策の転換期は、原発の導入が契機であります。核の平和利用が叫ばれたのが、1953年12月8日の国連総会で、アイゼンハワーアメリカ大統領が演説した「ピースフル・ユースィズ・オブ・アトム」すなわち「原子の平和的利用」にあります。当時の時代背景は、アメリカとソ連の核兵器開発がエスカレートし核拡散を阻止したい米ソの利害が一致し、核の軍事利用を抑えるために、核の商業利用・原子力発電へと導いたものであります。

 

 そして、我が国も極めて政治的に、国策として、原子力発電の道を選択したわけです。やがては枯渇すると言われる化石燃料に代わるエネルギー、発電コストも火力発電より安い、使用済み燃料を再処理して再びエネルギーとして利用できるなど、核の万能ぶりが昔は随分と吹聴されたものです。

 

 しかし、実際には原子力発電というのは「消すことができない火」をつけて
しまった技術に他ならないのであります。原発は、核分裂反応によって生じた膨大な核エネルギーを直接電力に変えているわけではありません。原子力というと非常に先端的な新しい発電形態のように思われがちですが、実は火力発電と同じように、水蒸気を作ってタービンを回すことで発電機が回転し電気エネルギーを得るという極めて古典的な発電形態なのであります。大きな原子力発電所を作りそこから大量の電力を得ることができても、そこで生まれた放射性物質や廃棄物の放射能は消すことができません。

 

 今回の事故も、原子力から生まれた火を完全に消すことができなかったのであります。しかし我々は、放射能汚染の現実を超えて、我が国が再生していくために、エネルギー政策についても新たな選択をしていかねばなりません。
 その選択肢は大きく3つであります。

 

1.徹底的に脱原発を進め、原発のない社会を創ること
1.54基ある国内の商業用原子炉を総点検し、原発依存を縮小しながらも、原発とともに生きていく社会を再構築すること。
1. 自然エネルギーの風力や太陽光発電、バイオマスエネルギー等の比重を上げながらも、天然ガス、火力発電の環境への適合性を高めつつ、蓄電の技術向上を図り、あらゆるエネルギー源の開発を進め、エネルギーベストミックスの改善を図ること。

 

 そして今東京でできることは、自らが使う電力の自己調達率を高め、平時からその備えをしておくことです。都が推進しようとする非常用ガス発電も実用化には、時間を要するものでありますし、発電については、環境局、建設局をはじめ関係する部局も相当数に及び都全体で取り組む施策でもあります。

 

 都として、非常時にも対応できるエネルギー供給システムのグランドデザインをどのように描き進めていくのか、知事の所見を伺います。

 

 CO₂削減に向けて都は、「10年後の東京」実行プログラムにおいて、2020年までに2000年比25%のCO₂排出削減(約1500万トン相当)を掲げています。「排出量取引制度」は環境に配慮した建築物の普及に取り組む世界グリーンビルディング協会が創設したガバメントリーダーシップ賞を東京都が受賞しました。先駆者としての取り組みが評価されたことは、誠に喜ばしいことであります。世界で初めてオフィスビルを対象に1300もの事業所をカバーし、排出削減を義務づけたことが評価されたわけですが、大規模事業所に対するCO₂排出総量削減義務と排出量取引制度において、今回の震災が、対象事業者が果たすべき義務の履行にどのような影響を与えたのか、伺います。

 

 また、都内にはテナントビルが多くありますが、この夏の電力使用制限下においては、建物所有者に義務が課せられていました。一方、電力使用の大半はビルオーナーではなくテナントであるために、効果を上げるにはテナントの協力が不可欠と言われています。こうした状況を踏まえ、CO₂排出総量削減義務と排出量取引制度(キャップ・アンド・トレード制度)においてはどのようにテナントビルにおける節電を進めていくのか、伺います。

 

 練馬城址公園をはじめ防災公園として位置づけられている公園整備について伺います。
 都は、都市計画公園・緑地の事業進捗や社会情勢の変化とともに、震災も踏まえ、防災機能を高めるために、練馬城址公園、いわゆるとしま園の整備を加速し避難場所としての機能を維持していくために、新規に事業化を図る方針を打ち出しました。
 22ヘクタールという大規模な公園の整備にあたり、防災公園という機能と共に人が集まる魅力ある公園・観光資材としての活用を図るべきであります。
具体的な公園整備は、パブリックコメントも参考にしながら進めていくことと思われますが、地上部の活用とは別に、防災公園の多機能化のためには地下部分について工夫が図られるべきと考えます。

 

 都民生活に密着した産業である、東京の農業の新たな展開には、都市農業農地制度の改善を求めていかねばなりません。わが党の代表質問にもありましたが、耕作放棄地の再生を図るのはもちろん、東京農業の現状は、認定農業者は10年間で2,5倍、エコファーマーは6年間で7倍になる等意欲ある農業者が増加する一方、農地は10年間で1,330ヘクタールも喪失しています。次世代へ継続可能な産業として引き継ぐためには、労働生産性を上げる、つまりは、売上単価の増加、大規模経営、面積当たりの収穫数を増やすことが必須であります。防災公園の地下部分の有効利用と都市農業の今後のあり方を考えると、地下部分に、今日の技術レベルは15毛作も可能な水耕栽培による無農薬野菜工場としての活用も是非ご検討を頂きたいと提案を申し上げます。そこで60ヶ所を予定する防災公園整備においては、地上部分と合わせて地下利用について何か具体的な検討がなされているのか、お伺いします。

 

 次に、都有財産の利活用について伺います。
 震災を契機に都が所有する財産利活用も今までとは違った視点での管理運用が求められています。防災対策やエネルギー対策を進めるという点において、都政の重要な資源の一つである、公有財産が無駄なく、戦略的に使われているかが改めて問われています。公有財産の活用とは、いかに税外収入を確保していくか、いかに行政目的のために機能的に活用していくかという2点に集約されると、私は考えています。

 

 そこで、税外収入の確保の観点から伺います。
 平成18年の地方自治法の改正により、行政財産について貸付できる範囲が拡大されました。この間、私は財政委員会の場で、新たな制度の活用を強く求めてきましたが、本年12月より、第二本庁舎1階のコンビニエンスストアについて、ようやくこれまでの使用許可から賃貸借契約による貸付に移行することになりました。今までの使用許可の場合の使用料は、年間620万円でしたが、今回の契約形態の変更により貸付けにすることによって、年間6800万円の貸付料となりました。驚くべきことに、10倍以上もの税外収入となります。都有財産の中には、ほかにも眠っている資産があるのではないですか。

 

 議会棟地下にある専門レストランや総合売店等、面積にして約400坪のスペースも都職員の福利厚生事業の一環として、人材支援事業団に財産の使用許可を認め、管理運営をさせています。
(レストラン経営者などは事業団と業務委託契約をしています)
 付け加えて言えば、事業団が都に払う年間使用料は2400万円、ただし公共減免のため2分の1の減額措置が適用され実際は1200万円の使用料を負担しています。一方で事業団が専門レストランの経営者等使用者から得ている収入は、売上管理手数料名目で年間3900万円と実に2700万円もの差異が生じている状況です。しかし、建物維持管理やその他経費がかさみ最終的には、平成22年度決算では、500万円の赤字を計上しています。

 

 実際の利用者はといえば、職員より一般都民の利用者の方がはるかに多い現状に鑑み、専門レストランをはじめ、総合売店など利用形態についてそもそものあり方の見直しを検討する必要がありませんか。見解を伺います。
 また、事業団と専門レストラン、総合売店などが現在締結している業務委託契約も満了時期をとらえて本件については、使用許可から貸付へと契約形態を変更していくことも可能であると考えますが、見解を伺います。

 

 次に、障害者就労支援について伺います。

 障がい者自立支援法が2006年度に施行され、さらに国が翌年2月に取りまとめた「成長力底上げ戦略」においては、障がい者の地域における福祉的就労から一般就労への移行を促進し、可能な限り就労による自立・生活の向上を図ることを目指しています。

 

 さて、先月末に発表された障がい者雇用情勢を見ると、都内の民間企業の雇用障がい者数は約13万5千人で毎年増加傾向にあるものの、実雇用率は1.61%と依然として法定雇用率1.8%を下回っています。
 規模の大きな企業は特例子会社の設置等により既に障がい者雇用に取り組んでおり、1000人以上の規模では1.83%と法定雇用率を達成しています。一方、特に小規模な企業については、100人から300人未満の企業で1.00%、56人から100人未満の企業で0.65%と、依然として低い水準にあります。

 

 都は「10年後の東京」の中で平成19年から10年間で障がい者の一般就労30000人以上増加の目標を掲げています。全国の中小企業の15.5%、大企業の34%が集積している東京の強みを活かして、国、東京都、企業、経済団体等の連携の下、障がい者の一般就労に一層力を入れていく必要があります。

 

 昨年7月に改正障がい者雇用促進法が施行され、障がい者雇用納付金制度の対象事業主が拡大されたことに伴い、今後は障がい者雇用を検討する中小企業が増えていくことが予測されます。中小企業は、企業理念として障がい者の方を戦力としてしっかりと雇用していくという姿勢を示していくことが求められ、また都は、これまで以上に中小企業支援の充実を図り大都市の優位性を発揮し障害者の特性に応じた雇用機会の拡大が望まれます。

  都は、今年度からオーダーメイド型障がい者雇用サポート事業により、企業のニーズを踏まえた支援を行なっていますが、中小企業における雇用の更なる拡大に向けての取り組みについて伺い、私の質問を終わります。