
平成23(2011)年12月8日
小山 くにひこ (府中市)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。録画映像はこちら。
3月11日に発生しました東日本大震災は、各地に甚大な被害をもたらし、都内においても様々な混乱を生じさせました。この未曾有の大震災は、私たち日本人の戦後の価値観さえも、大きく揺さぶり問いかけました。
まさしく、日本は戦後66年を経て、大きく変わろうとしている時代の転換期を迎えています。この転換期にこそ、政治がこれからのビジョンをしっかりと示し、国民、都民と共有するなかで、震災後の日本を復興・再生していかなければなりません。
66年前の日本そして東京は一面、戦後の焼け野原でした。その焼け野原からの復興の象徴が1964年の東京オリンピック開催でした。国民の夢と希望をオリンピックが体現していたといっても過言ではありません。それから半世紀の時を経て、震災後の日本において東京都がオリンピック招致に再び立候補したことは、大変大きな意義を持っています。震災後の復興のオリンピックとして、被災地を聖火ランナーが走り、被災地復興と日本の再生を果たす、このオリンピック招致を何としても実現しなければなりません。
私たちは、このオリンピック招致に係わる諸課題を調査する為、11月6日から12日にかけてロンドン、ベルリン、ミュンヘンの3都市を訪問致しました。3都市ともオリンピックを開催し、ロンドンについては3度目となる来年2012年の開催を目前に控えていました。
この調査の中で東京招致についての課題は「レガシー」と「エネルギー」の2点であることが示されました。「レガシー」については、オリンピックの施設やそれに伴う開発が将来、どのように活かされていくのか、持続可能なものとなるのかという課題です。ロンドンのオリンピックパークは開催後、自然環境に配慮しつつ、持続可能な都市公園となり、周辺に建設されている選手村は、2500戸の内、半数がアフォーダブル住宅として活用されます。ロンドンオリンピックがロンドンプランに基づき、ソーシャルインクルージョンを背景として開催されることが随所に見て取ることができました。また、意見交換では都議会決議で求めた国立霞ヶ丘競技場の改築や周辺地域の環境整備が「レガシー」という点で高く評価されました。
もう一方の課題としてあげられた「エネルギー」については、3都市の訪問地全てで福島第一原子力発電所事故に伴う東京のエネルギー問題に対する懸念が述べられました。
つまり、東京招致に当たって、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により生じた安全面での懸念や、根本的なエネルギーの諸課題に対して、開催都市として、どのような対策を講じていくのかが大変注目されています。
今回の招致においては、これらの懸念を払拭し、東京で安定的な大会運営を確実に実施するために、都市としてエネルギー戦略を策定し、国際オリンピック委員会(IOC)委員等に働きかけていくことが非常に重要であると考えます。
そこで東京都は、この点についてどのように認識し、どのような招致戦略を立てているのか、見解を伺います。
次に、ロンドンオリンピック開催期間中の招致活動ならびに招致体制について伺います。
私たちは、来夏のロンドンオリンピック開催期間中に現地で開設する「ジャパンハウス」を先の調査で訪問し視察と意見交換を行って参りました。
場所は、国際オリンピック委員会(IOC)委員や国内オリンピック委員会(NOC)委員の宿泊ホテルに隣接する好立地で、日本オリンピック委員会(JOC)は、IOC委員らを積極的にジャパンハウスへ招き、施設内の展示スペースにおいて、日本の文化などを紹介し、レセプションや個別懇談などを通じて東京招致への理解を求めていくとのことでした。
また、JOCは、旧ロンドン市庁舎においても、日本の食や観光のPRも計画しているようですが、東京都においても、ロンドンオリンピックにおけるシティセールスは非常に重要な機会となることを考えれば、都庁全体として取り組み、担当部局のみならず東京の魅力を発信する観光部をはじめとした都庁職員を派遣するなど、あらゆる手段を講じていくべきと考えます。
2020年のオリンピック招致においては、国際プロモーション活動が、平成25年1月の立候補ファイル提出後からとされており、その期間が2016年の招致に比べ大幅に短縮されています。そうした中、ロンドンオリンピックの大会開催期間中は、例外的に国際的なプロモーション活動が認められています。
この機会を是非とも活かして、招致にむけてPRしていくことが大変重要だと考えますが、このジャパンハウスにおける国際プロモーション活動について、具体的にどのように取り組むのか伺います。
今回の招致の意義は、日本の復興・再生をテーマとしたオリンピック開催です。その意義を国民、都民と共有しなければ招致は成し得ません。前回の招致における支持率の課題を克服し、東京招致を成功させる為にも、国内の招致活動においては、被災地復興と日本再生のオリンピックとして、来年のプレ国体としてのリハーサル大会、再来年の東京多摩国体であるスポーツ祭東京2013の開催準備期間を通じて、招致にむけての世論を盛り上げていくべきと考えますが、都の見解とその取り組みについて伺います。
2020年の東京オリンピック招致と軌を一にして、平成25年には、東京多摩国体すなわちスポーツ祭東京2013が予定されております。
スポーツ祭東京2013の開催は、広く都民にスポーツを普及し、健康増進と体力の向上を図るとともに、活力ある郷土づくりと文化の発展に寄与するものであります。
各市区町村では、施設整備を着実に進めているところでありますが、多額の費用を要することから、工事監理経費も含め、補助対象の範囲をできる限り幅広く措置するようにとの声があがっております。また、大会運営に係る経費の負担軽減を図るため、できる限り幅広い内容を運営費の補助金交付対象とし、かつ、その交付割合についても、これまでに大会を開催した県と同様の補助率3分の2とするなど、さらなる財政措置が必要と考えますので、要望しておきます。
そして、いよいよ来年度からは各市区町村においてプレ国体として競技別リハーサル大会が開催されます。国体本大会に向けての準備もさることながら、オリンピック招致の気運醸成という観点からも、間近に迫ったリハーサル大会に精力的に取り組む必要があります。
国体本大会を成功させるためにも、この平成24年のリハーサル大会を円滑に開催することが重要と考えますが、リハーサル大会の準備状況と市区町村に対する財政支援について伺います。
先の海外調査では、東日本大震災が発生して以来、エネルギー問題が喫緊の課題となっているため、エネルギー政策に関する調査も行って参りました。
ドイツでは2050年までに電力の80%を再生可能エネルギーにする
新エネルギー戦略や3都市のエネルギー政策を調査して参りました。これらの戦略や政策に共通していえることは、再生エネルギーを大幅に推進することと省エネ化とエネルギーの高効率化によって、それらの目標を達成するということです。特に建築物の省エネ化では、真のゼロエミッションハウスとしてパッシブハウスと再生可能エネルギーを組み合わせた、ロンドンBREのイノベーションパークを視察することができました。また、ドイツでは、省エネ化の推進を税制優遇と補助金の活用によって図られていました。
一方、都は、これまで、建築物環境計画書制度に基づき、大規模建築物の省エネ性能の向上を図ってきておりますが、震災後の状況やオリンピック招致を図る上で、より一層の省エネに取り組むとともに都市としてのエネルギー戦略ともいうべきエネルギーについてのビジョンを示していくことが必要です。そこで、これまでの都の取り組みを含め、東京のエネルギー戦略・エネルギービジョンを幅広く世界に発信し、海外に向けて、都のエネルギー・環境対策を訴えていくべきと考えますが、見解を求めます。
また、今回の調査において、ヨーロッパをはじめとして世界の潮流は再生可能エネルギーへと大きくシフトしつつあることが示されました。調査訪問の2週間前にドイツでハイブリッド発電所と言われる新しい発電所がブランデンブルグ州に建設されました。このハイブリッド発電所は風力・水素・ガス一体の発電所で、2009年の定礎式ではメルケル首相も出席し、先進的取組として大いに期待されていました。この発電所は主に風力及びバイオガスで発電し、風力等の余剰電力を水素に転換して貯留し、風量が少ない場合には貯留した水素とバイオガスと混合して発電する施設となっています。また、水素は車の燃料としても利用できるようになっています。ドイツ環境省では、再生可能エネルギーの不安定性を水素化や電気自動車の蓄電によって補うことが示されました。
都は、これまで、再生可能エネルギーについて我が国の環境政策をリードしてきましたが、固定価格買取制度が来年から導入される中、より一層の取り組みが求められています。太陽光、太陽熱、風力、波力、地熱、バイオマスさらには、蓄電についての調査研究を含めて、都におけるスマートグリッドやハイブリッド発電の実施など再生エネルギーの更なる取り組みを求めます。
そこで、ドイツなどの再生可能エネルギー先進国の状況も踏まえ、今後のさらなる再生可能エネルギーの普及拡大に向け、どのように取組を進めていくのか、見解を伺います。
ドイツでは、エネルギー気候ファンドとエネルギー効率化ファンドが活用され、エネルギー市場に200億ユーロもの投資がされています。また、調査で訪問した5兆円規模のグローバル企業であるミュンヘン再保険会社では、「世界の投資は通貨危機以降、再生可能エネルギーの投資に大きく動いている」と述べられていました。
そのような世界の動向がある中で、石原知事は九都県市首脳会議などにおいて、エネルギー問題に対するファンドの活用について様々述べられています。また、本定例会の所信表明でも官民連携のインフラファンドに言及されています。
私もファンドを活用して都市のエネルギー政策を推進させることは大変有効であると考えますが、改めてファンド活用についての知事の見解を伺います。
都はこれまで公会計制度改革にいち早く取り組み、民間企業のアニュアルレポートに相当する「年次財務報告書」を迅速に公表するなど、都政の説明責任の向上、マネジメント強化に活用してきたことは評価をしています。
これらの財務諸表、特に事業ごとの財務諸表は、減価償却費や引当金といった今まで見えなかったコストを明らかにするものであり、それぞれの事業を改めて検証し、無駄を省き効率的な執行を図る上で、不可欠なものとなっています。この事業別の財務諸表は、決算の付属資料、予算発表資料等にいくつか掲載されておりますが、たとえば、施設の整備やハード系の事業、人件費の多くかかる事業、中長期にわたる事業などについては、財務諸表を作成することで、より多面的かつ客観的な検証が可能になります。こうした事業については、できる限り財務諸表から得られる情報をもとに分析を行い、職員の意識を高め、あわせて都民に分かりやすく公表するよう、これまで以上に取組を進めていくべきと考えます。
そこで、効率的、効果的な財政運営を行うためにも、税収が低迷している今こそ、事業ごとの財務諸表の一層の活用を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
過日、知事の定例記者会見において、ごみ処理について「都が一括してやったほうがもっと機能的。各区市町村の境をまたいで」と発言されていました。私も、ごみ処理は広域で取り組むべきものであると考えています。特に多摩地域の焼却施設は建設後20年から30年を経過するものが多く、今後順次、建て替えの時期を迎えます。そのような状況にあって、施設整備にあたっては都の広域的支援の重要性は増しており必要と考えますが、今後の広域処理のあり方と都の支援について伺います。
最後に、これまで多くの議員から本会議や委員会において質疑されてきました府中けやきの森学園について伺います。
府中けやきの森学園の併置化と大規模校化については、今日においても未だ保護者や関係者のみならず、私の地元府中市からも開校にむけて正規の教職員の増員や配置など、様々な不安や懸念の声が聞かれます。また、卒業後の受け入れ体制については、地元地域に懸念の声が大きい状況にあります。
そこで、府中けやきの森学園の開校に伴う様々な懸念に対して、地元自治体や地域への十分な対応が必要と考えますが、都の見解をうかがいます。
以上、東京都が抱える喫緊の課題に対し、都としての的確なる対策・対応を強く要望し、私の一般質問とさせて頂きます。ありがとうございました。