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定例会報告

一般質問 興津 秀憲

興津秀憲

 

 

平成23(2011)年12月8日

 

 

興津 秀憲 (北多摩第2) 

 

 

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。録画映像はこちら

 

 

 

 

 

 

  まず、東京の今後の都市戦略について伺います。

 

 現在の世界経済状況は日々深化し、人・物・金の交流は激烈な都市間競争時代になっていると考えます。社団法人日本経済調査協議会から2011年3月に発表のあった「強靭な国際競争力をもった東京の実現」という調査報告書では、バブル経済崩壊後の90年代後半には、都心回帰の現象が現れた。集積が富みを生み、それがまた集積を生むことによって国家の経営がスムーズに行われるという日本の特質が顕在化したのである。

 

 東京の国際競争力を高めねばならない理由は、歴史的にみても、一国が競争力をもつためにはその中心都市が競争力を持つことが不可欠であり、日本における、その都市は東京だからである。東京の国際競争力を高めることは、日本のエンジンとして富を生み出すことになる。日本から海外、海外から日本、その両方のゲートウェイとなる為の前提条件は、世界都市の階層における最上位都市。ワールド・リーディング都市のポジションを獲得することである」とされています。この現状を踏まえた時、都は日本の首都として、知事の言うまさしく「日本のダイナモ」として、いえ、日本のエンジンそのものとして、日本を牽引すべき都市であると考えます。

 

 都では、平成18年12月に長期ビジョンである「10年後の東京」を策定していますが、先の調査報告書によると、現在のトレンドで都市の、地域総生産が推移すると東京は10年以内に北京と上海に抜かれ、20年以内にシンガポール・香港に抜かれる。とあります。この激烈な世界的な都市間競争に勝ち抜く事こそは、この東京に課せられた責務であると考えます。

 

 その為に、都としてこの危機から活路を見出す重点施策として、富の拡大をはかり、コンパクトシティの創造並びに都の地域性を活かした、大胆な発想と共に、人の生活の多様性をみとめ、東京だからこそ出来る、多用途の複合的な機能をもった魅力的な都市空間を創りだす必要が求められていると思います。また、姉妹友好都市として提携している世界の大都市との交流を進化させ、経済・環境・情報通信など各種分野の連携をさらに深め、東京ブランドの確立、場合によっては都独自の駐在員の復活も視野に入れ、都市セールスの観点からも、しなやかな、ある意味、したたかな、取り組みをこの東京から進めるべきと考えます。

 

 都から発信する、国際競争力を高めるため、アジア地域ばかりでなく全世界的な視点から、都市間競争を勝ち抜く為の施策が今求められていると考えます。知事のご所見をお伺いします。

 

 

 次に多摩地区への施策についてお伺いします。

 

 多摩地区は平成21年1月の住民基本台帳における人口は403万7724人となり、都全体の32.26%、約3分の一となります。近郊のベットタウンから、自然環境豊富な地域まで包括している地域であります。

 昨今の地方自治の流れから鑑みますと、地域のことは地域で行う地方自治が進められているところでありますが、都の緊急課題等に対応する事業や、特に多摩地区でも、福祉・医療・教育、廃棄物処理・再開発等重要な課題が山積している今、財政的に脆弱な市町村が、自立した自治体として、住民の付託に十分に応えていくのは、大変厳しい状況があります。市町村は限られた財源のなかで創意工夫を凝らし、懸命な努力を続けていますが、小さな規模の団体だけでは限界もあります。多摩の市町村が広域的に連携し課題を解決していくことは意義あることと思いますが、都における多摩の市町村への取り組みについて、基本的な考え方を、まずお伺いいたします。

 

 一方、地方自治の根幹には、公正・公平な運営が求められることは基本であると認識しています。その認識に立ち、東京都全体を俯瞰したとき、はたして公平な状況にあるのかどうか、いささか疑問に思うところでもあります。

 

 現実には多摩地区には財政環境が悪い地域が多数あると思います。事実、過日の新聞報道では、経常収支比率が全国ワースト4に入ってしまった自治体がこの多摩地区から出てしまっています。

 確かに財政構造は区部と、多摩地区は異なり、一概に比較は出来ないとは思いますが、例示的に申し上げれば、財政の調整機能を有するいわゆる貯金として、財政調整基金がありますが、その残高を見ると、平成21年決算ベースで比較すると、区部は、残高合計4千427億2千384万円余。区民1人あたり約5万円。一方、多摩の市町村では、残高合計730億9千885万円余となり。多摩都民1人あたり約1万8千円。その差3万2千円。約3分の1であります。

 

 また、借入金である地方債の残高は、区部は7千649億5千027万円余。1人あたり約9万円に対し、多摩の市町村では8千517億9292万円余1人あたり約21万円となり、2.33倍の開きになります。現在多摩地区には、区部と比較すると、医療費助成について、その適用年齢差は歴然として存在しますし、公立小中学校の耐震化率は、区部において92.3%。市町村部82.0%と教育環境の差もあり、都民間格差は歴然としてあると言っても過言ではないと思います。

 

 また、再開発など街づくりの視点でもその財政需要は大きなものがあり、多摩地区が主体的に事業を実施していくうえにおいても、広域団体である都の施策的、財政的な支援はまったなしと考えます。また、地方税のうち、基幹的な税である市町村民税個人分や固定資産税、都市計画税等は、その地に由来する税金であろうと考えますが、市町村民税法人分について、私自身の考え方があります。

 

 平成21年度決算によると都区部における市町村民税法人分の合計は、4千747億2千915万円余となり、区民人口一人当たり5万6千円。多摩・島嶼地区の合計は、383億9千997万円余となり、多摩島嶼都民人口一人当たり9千458円。その差は5.92倍の開きとなります。例えば、市町村民税法人分を、区部・市町村分を合計すると、5131億2千912万円余となりますが、その55%を都内全域の調整金と考えると、その金額は、2822億2千101万円余となり、東京都民一人当たりとして、約2万2千円となります。この市町村民税法人分相当額は、考え方として、等しく東京都民全体の税収であるべきではないかと思っています。

 

 この試算は一つの事例であり、このように、抜本的な財政構造と配分の見直しをはかり、東京全体の発展・福祉の向上につなげていくべきではないかと、考えるものであります。これらは、私個人の多摩地域を愛するがゆえに考えた財政論でありますが、これほど区部に比べて、多摩の市町村は、施策の根幹となる財政が困窮している地域が多いということを申し上げたいのであります。

 

 そこで、多摩の振興についてお尋ねします。都が平成21年2月に策定した「多摩振興プロジェクト・多摩の総合的な振興策」には、『多摩地域の固有資源を最大限活用するとともに、首都圏の各都市との広域連携を強めることを視点に、「多摩リーディングプロジェクト」を拡充し、多摩の総合的な振興策として再編成するもの。首都圏の中核をなす多摩の実現を目指し、都がどのように多摩振興に取り組むかを新たな視点で明らかにするもの』とあります。

 

 今後、多摩の一層の振興を図るためには、「多摩振興プロジェクト」を、これまで以上に着実に推進する必要があると思います。そのためには、現在の進捗状況の検証を行うことや市町村との連携を図ることが必要不可欠と考えます。都として、今後どのように多摩の一層の振興を図っていくのかお伺いします。

 

 

 次に私学振興についてお伺いします。

 

 国の施策である子ども手当、高校授業料無償化等の施策により、経済的理由による退学者は、全日制都立高校において21年度の2%から22年度には0.2%へ。定時制においては4.3%から1.7%へと大きく減少している所であります。また、私立高校等に通学する生徒には就学支援金、特別奨学金など一定の授業料軽減策が行われ、生徒の学習機会の保全には大変役立っている事と存じます。

 

 しかしながら、昨今の経済状況において、授業料の一部を補填するなどのさらなる支援拡充も求める声もあります。また、東京都育英資金制度ですが、これは生徒個人が学校を通じて申請する仕組みです。生徒個人への心理的影響に鑑み、これを個人から財団に直接申請出来る方法への変更も必要ではないかと思います。

 

 そこで質問ですが、保護者の急遽な失業や大幅な所得減などにより授業料の納付ができず、私立高校生の就学の継続が困難となる事がないよう、ある意味つなぎ融資の様な速やかに生徒に助成金が渡る仕組み、授業料を軽減するなどの緊急的支援策を実施すべきと考えます。ご見解をお伺いします。

 

 

 次に情報公開についてお伺いします。

 

 地方自治における情報の公開性は非常に重要なファクターであると確信しています。

 

 東京都の情報公開制度の運用状況については、開示等決定件数は平成20年度の5千833件から平成22年度には1万0638件に進捗しており、情報公開は徐々に進んでいるところであると考えられます。しかし、全国市民オンブズマン連絡会議が、今年8月に発表した「2010年度の全国情報公開度調査」によれば、都道府県の比較で、都の情報公開度はブービー賞、つまり最下位から一つ上という状況であります。

 

 この結果となっている原因の一つとして、都情報公開条例で公文書開示の請求権者を制限していることがあります。条例では、公文書の開示請求権を都民、都内法人、都内の在学者等とし、都外の人又は団体が請求する場合には「公文書の開示を必要とする理由を明示」するとされています。

 

 地方自治は現在、生活圏の拡大と、行政の広域化で、自治体の影響を受ける範囲は広がっており、情報公開の必要性はますます高まっていると思います。この条例は1999年の改正以来すでに12年経過しています。従いまして、時代の要請に答えるべく、請求権者は「何人も」とすべきであると考えます。見解を伺います。

 

 

 最後に、発電所建設について伺います。

 

 東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故があり、計画停電などが都民生活に大きな影響を与えた所であります。電力の供給は日本の、そして東京の発展、及び東京都民生活の安定に向けて非常に重要な案件であると思います。

 

 現在予定している発電所は100万キロワット級の発電所計画であり、都の施設すべてに電力を供給しても、なお余り、ある発電所であるとお伺いしています。という事であれば、都の各施設に電力の送電についても、あるいは余剰電力を売電するにも現在の電力網を借り受けることになるでしょう。その時に、その発電・配電の初期並びに運営コストがあまりに高くなったとすれば、都民負担は大きくなってしまいます。

 

 今回予定されている案件は、都の土地へ民間事業者を誘致し、発電所の建設を目論んでいるところであります。一方電力自由化の波の中ではありますが、過日の新聞報道にもありました通り特定規模電気事業者(pps)から撤退している企業もある状況であり、市場自由化がなかなか進んでいないという事実もあると思います。

 

 都においては、先月に調査委託に入った所と、伺っておりますが、この事業に関しては、その事業の主体者・事業スキーム・事業採算性・経済効果を慎重な上にも慎重に検討するべきであると思いますし、その事業採算性を検討した結果、都財政の高負担が生じる等、都民にとって優位性が確認されない場合が発生しうる時には、勇気ある撤退も視野に入れ、検討すべきであろうとも思います。ご見解を伺います。

 

 以上一般質問といたします。なお、ご答弁によりましては、再質問を留保いたします。