平成19(2007)年12月19日
都議会民主党 伊藤ゆう(副幹事長、目黒区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
私は、都議会民主党を代表して、議員提出議案第3号に反対、第186号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」ほか、知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。
まず、銃規制について申し述べます。
今定例会の期間中、銃に関する事件が相次いで起こりました。
ひとつは12月9日。私の地元・目黒区で、銃の手入れをしていた方が、目を離したスキに、5歳の長男が誤って引き金を引き、2歳の男の子が亡くなるという事件です。銃を使用しない時は、銃と実弾とを別々のところに保管しなければならず、狩猟で使用する場合や射撃場なので発射するとき以外は、実弾を銃に装てんすることは法律で禁止されていますが、今回のような事件・事故は後を絶たず、その徹底が求められていました。
このような中、今度は、12月14日。長崎県佐世保市において、猟銃の乱射事件が発生しました。
この事件では、許可を受けた後の猟銃の所持者に対する管理の不十分さが明らかになりました。本来、猟銃などは生活必需品ではなく、許可を受けた者は、精神的にも経済的にも自立した健全な状態にあってこそ、十分な管理能力を保持し、管理体制を維持できるのです。
今回の痛ましい事件を受け、現在の「許可の失効」要件に、許可申請時と同様に精神科医師等の健康診断とその診断書の定期的な提出を義務付けるとともに、管理能力の欠損を把握するための確認行為が必要であると考えます。
このような銃にかかわる事件・事故が相次ぎ、社会の大きな関心を集める中で、銃の保管方法を徹底させるとともに、銃の所有の許可・更新制度の強化に向けて、銃砲刀剣類所持等取締法の改正を国に働きかけるよう要望するものです。
さて、去る12月13日、自民、公明両党は、11日の福田総理と石原知事との合意を受けて、地域格差是正のためとして地方法人特別税制度の創設を盛り込んだ税制大綱をまとめました。
本来、自治体間の税収格差を調整し、ナショナルミニマムを保障するのは地方交付税制度の役割で、国の責任で措置されるべきものです。しかも、地方分権に伴い国から自治体への税源移譲が求められている中で、逆に自治体から法人事業税の半分を奪い、法人の事業所等の存在しない自治体にも配るという、国の責任を放棄し、分権改革に逆行し、地方税の原則を踏みにじるという、三拍子揃った質の悪い税制です。
石原知事は、福田総理の「都の重要施策の推進に総理としても最大限協力したい」との提案を受け入れ、「今回の措置を税制抜本改革までの暫定措置とすることを条件に協力することを」決断されました。
しかし、「首都東京の重要施策」とされた羽田空港の国際化や三環状道路の整備などは、そもそも国の重要施策として、国の責任で行われるべきものであります。さらに、オリンピック招致は自民党の選挙公約であり、自民党総裁としての福田総理がその責任で全面的にバックアップすべきものであります。
政府がやるべき事をやると言っただけで、自民党の総選挙対策に都の税収3,000億円もの拠出に合意することは、都民の信頼に背くものです。
仮に原理原則を横に置いたとしても、国の協力が都から剥奪する3,000億円を上回るものであるならば、そもそも国には剥奪する意味がないことを指摘しておきます。
次に、第199号議案「東京都心身障害者扶養共済制度条例」について申し上げます。
本条例案は、東京都心身障害者扶養年金制度にかわり、全国制度に加入するものです。旧条例廃止の時に、さまざまな場で申し上げましたので、細部にわたっては繰り返しませんが、最後のお一人にご理解を頂くまで旧制度加入者への丁寧な対応行うとともに、新制度の周知徹底を求めておきます。
保護者の最大の心配は、依然として親亡き後の我が子の暮らしです。この度発足する全国制度も、子どもに年金を残したいという親の気持ちに応えるものです。これに加えて、障害者の地域での暮らしを社会全体で受け止め、共に生きる東京を作り、保護者がこうした心配をしなくてよくすることが、私たちに課せられた仕事です。東京都心身障害者扶養年金審議会の制度廃止の答申にもあるとおり、障害者が親亡き後も地域の中で安心して、尊厳をもって生活できるよう、積極的に施策を展開することが必要です。グループホーム等地域居住の場、日中活動の場、ホームヘルプサービス、訪問看護、地域居住サポートなどの支援システムを一層充実させることを求めます。
次に、第200号議案「大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例」について申し上げます。
この条例は、東京大気汚染訴訟の和解を受けて、現在、18歳未満の年少者を対象として行っている大気汚染の健康障害者の医療費助成を、気管支ぜん息については、全年齢を対象にして行うというものです。
しかしながら、この制度創設をもって、すべてが解決したわけではありません。先の定例会でも申し上げましたが、自動車交通総量の削減対策や低公害車の導入促進、エコドライブの普及・推進策などを着実に実行し、自動車公害に苦しむことのない社会を実現することこそが求められているのです。
また、今回の改正案には、施行後5年を経過した時点で、必要な見直しを行うことが明記されています。見直しに際しては、対象疾病の拡大を含めた、制度の維持・拡充を求めるものです。
最後に、議員提出議案第3号「東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例」について述べます。
政務調査費のあり方については、既に都議会全体の合意をまとめるための「都議会のあり方検討委員会」が設置され、昨日、第1回の委員会が開催されています。この委員会には日本共産党の委員も出席し、協議に参加しています。
このように日本共産党をも含めた協議が開始された以上、都議会における信義の上では、議員提出議案第3号は取り下げられるものと考えておりましたが、残念ながら取り下げられることなく本日を迎えてしまいました。
この間の判例、事例等により、現行条例は、規則、規程の定め方が曖昧なため、解釈の幅が広く、いたずらに政治的な介入を招きかねないものであることが明らかになってきています。それ故に都議会は、検討委員会を設置して徹底的に検討し、公開に向けて規定を整備していこうとしているのです。
現行条例のまま公開することは、いたずらな混乱を招くとの観点から、十分な規定整備を行う必要性を改めて申し上げ、都議会民主党を代表しての討論を終えます。