平成19年第4回定例会
平成19(2007)年12月12日
一般質問
初鹿明博(江戸川区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
まず、子育て支援について伺います。
我が国において少子化は解決すべき大きな課題のひとつです。子どもを産まないのは経済的な問題と同時に育児に伴う肉体的・精神的負担が大きいことも要因のひとつと考えられます。東京は核家族が多く、子育ての悩みを相談する相手がいないなど、育児を母親がひとりで抱えこみ、無意識のうちにストレスがたまっているにもかかわらず、余暇などで気分転換をすることもままならないという方が多くいます。子育て中でも余暇や趣味などに時間を使うことが出来れば、精神的な負担を軽減することが出来ると考えます。しかし、子どもを預かってくれる方がいない場合は、子ども抜きで外出することが難しいのが現実です。
子どもが生まれる前には、コンサートや展覧会に行くことが趣味だった方も、子どもが産まれてからは全く行かなくなったということをしばしば耳にします。子連れで行くことも出来ないことはないのですが、途中で飽きてしまうのではないか、騒いでしまうのではないかなどの心配が先に立ってしまい、結局、止めてしまうという方が大半だと思います。私も、美術館に子どもを連れて行ったことがありますが、途中で飽きてしまい、もう帰ろう、早く帰ろうと駄々をこね、周りの人の迷惑になっているのではと落ち着いて絵を見るどころではなくなったという経験があります。子どもの時から本物の芸術に触れさせたいという親の心は、中々子どもには伝わらないようです。
このような心配をせずに芸術鑑賞が出来るように、子どもを預かってくれる託児サービスがあれば、子連れで外出しても親だけでコンサートや美術館に立ち寄って、落ち着いて芸術鑑賞ができ、育児のストレスも解消し、心身のリフレッシュにつながると思います。
東京都は東京芸術劇場や東京文化会館というコンサートホールや東京都現代美術館や江戸東京博物館などの文化施設を持っています。芸術劇場や文化会館で開催されるコンサートの中には、主催者が託児サービスを行っているものも一部ありますが、全ての公演というわけではありません。現代美術館や江戸東京博物館などでも託児サービスがあれば、子育て世代も気軽に芸術鑑賞が出来、大変喜ばれると同時に、利用者増にもつながると考えますが、所見を伺います。●1
東京は世界に誇れる文化都市にふさわしく、都の施設以外にも、多くの美術館、博物館、コンサート会場があり、マスコミでも大きく取り上げられるような展覧会やコンサートも頻繁に開催されています。これら都の施設以外で行なわれるコンサートや展覧会でも同様のサービスが提供されるようになることが望ましいと考えます。
芸術鑑賞に限らず、行政も民間もともに子育て中の方々が気軽に外出しやすい環境を整えていくことにより、子どものいない方も子どもが欲しいと思うようになり、僅かではあるかもしれませんが少子化の解消につながるのだと思います。
東京都は民間とも協力しながら、子育て中でも外出しやすい環境をどのように作っていくのか、所見を伺います。●2
次に、バリアフリーの街づくりについて伺います。
ハートビル法や交通バリアフリー法の施行により、駅や公共施設、商業施設のバリアフリー化が進み、町中で障害を持つ方々を多く見かけるようになりました。都も平成7年に「東京都福祉のまちづくり条例」を制定し、バリアフリーの街づくりを積極的に進めており、高齢者、障害者のみならず全ての方が暮らしやすい環境をつくっていこうとするユニバーサルデザインの考え方も徐々に浸透しています。
バリアフリー新法が制定され一年が経とうとしていますが、更なるバリアフリーを進め、障害のある方もそうでない方も今以上に暮らしやすい東京を作るという観点で何点か質問をいたします。
視覚障害者が町を歩く上で、点字ブロックが重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。現在、道路や駅、公共施設、商業施設への点字ブロックの設置が進み、視覚障害者も安心して町を歩くことが出来るようになりました。
私たちも町を歩いていて角々に点字ブロックが設置されている交差点を目にすることが多くなりました。この点字ブロックによって、視覚障害者は交差点に差し掛かったことがわかり、危険がないか注意して交差点を横断することが出来るようになっています。しかし、横断歩道内には点字ブロックがないために、横断歩道を斜めに横断してしまい、反対側の歩道にきちんとたどり着くことが出来ないことがあると聞きます。特に、スクランブル交差点や横断歩道が歩道に対して直角ではない道路などを横断するのは、非常に難しいのだろうと思います。そこで、視覚障害者が安全に道路を横断できるようにするために、横断歩道上に点字ブロックを取り付ける、いわゆる「エスコートゾーン」の設置を進めることが必要だと考えます。「エスコートゾーン」の設置に関して、交通管理者である警視庁の所見を伺います。●1
視覚障害者の内、全盲の方は2割程度で、大半の方は光を感じることができるなど僅かながらも視力が残っています。点字ブロックが黄色なのは、弱視の方もどこに点字ブロックがあるのかを識別できるようにと配慮されてのことです。しかし、黄色く彩られた点字ブロックも夜暗くなると、どこに設置されているのか識別が難しくなってしまいます。最近では、夜暗くなった時にも設置場所がわかるようにと光る点字ブロックというものも作られるようになりました。光る点字ブロックの設置が進めば、視覚障害者が暗くなった後でも、今まで以上に安心して町を歩くことが出来るようになると考えます。先日、この光る点字ブロックが設置されている埼玉県の蕨駅に行き、実際にこの目で見てきましたが、思った以上に明るく、2秒間隔で点滅もしているため、視覚障害者だけでなく、誰もが点字ブロックの存在に気付くという効果があると感じました。点字ブロックがあることに気がつくことで、点字ブロックの上に看板を置いたり、自転車を放置したり、点字ブロックに躓いたりということも少なくなると期待できます。
東京都においても、この光る点字ブロックの都道への設置を検討すべきと考えますが、所見を伺います。●2
8月から障害者の駐車禁止除外制度が変わり、車両に対してではなく障害者本人に駐車禁止除外標章が配布されることとなりました。一部対象から外れてしまう方がいるという問題点はあるものの対象者も拡大し、障害者にとって利用しやすい制度となったことにより、今まで以上に多くの障害者が車を利用してショッピングやレジャーなどに出かけることが予想されます。
今では、公共施設のみならず、ホテルやデパート、スーパーなど人の集まる施設に障害者用の駐車スペースの整備が進み、出入り口近くに駐車することが出来るようになっています。
しかし、駐車スペースの整備は進んできていますが、障害者がいざそこに駐車しようと思っても、健常者が車を停めていて、肝心の障害者が停められないことが多くあると聞きます。
海外では、障害者用駐車スペースを利用できる者を特定したり、健常者が駐車した場合に罰せられる国もありますが、我が国では個々人のモラルに任されているだけです。
先日、関越道のサービスエリアにトイレ休憩で立ち寄った際、トイレの前に設置された障害者用駐車スペースに国産の高級車が停められていました。停めた方も多少の後ろめたさがあったのか、小走りで車に戻ってこられ、さっと車に乗り込んでその場を立ち去っていきました。
このように障害者用の駐車スペースに健常者が停めてしまうことなどをなくす試みとして、佐賀県では、利用証を交付することで障害者用駐車スペースを利用できる方を明らかにする「パーキングパーミット制度」を全国で初めて導入しました。この制度は「歩行が困難な方」として、身体に障害のある方のみならず、けが人や妊産婦など一時的に歩行困難になった方に対しても一年未満の有効期間を設けて利用証を発行することとしています。
こうした制度を東京都においても取り組んでいくべきと思いますが、所見を伺います。●3
次に、物流と地球温暖化対策について伺います。
大井埠頭は、東京港の外貿コンテナ取扱個数の6割を取り扱う、日本を代表するコンテナ埠頭であり、一大物流拠点です。日本を代表するコンテナ埠頭であるがゆえに、当然ながら、多くのコンテナ車両が集中しています。
先日、埠頭内で働く方々と一緒にこの大井ふ頭周辺を車で通過する機会がありました。ちょうどコンテナ船の荷卸が始まったところに遭遇したのか、周囲の道路はコンテナ車両が長蛇の列を作り、ひどい混雑を生み出していました。ほとんどが埠頭のゲートに入るために並んでいる車両でしたが、道路左側に寄せてエンジンをかけながら停まっている車両も多く見受けられました。中にはドライバーが足を放り出して熟睡をしている車両もありと、相当数の車両がアイドリングしたまま停まり、混雑の原因になっていると同時に、地球温暖化の原因であるCO2を撒き散らしていました。
コンテナ車に周りを囲まれてしまい前方の状況を確認しようと窓を開けて顔を出したところ、都内の空気は排ガス規制の効果で綺麗になっているはずですが、ここの空気は排気ガスの匂いが鼻につくほど非常に強く感じられました。
コンテナ車両はゲートの状況に応じて少しずつ進まなければならないため、アイドリングを完全にとめることは難しいでしょうが、この状態は、地球温暖化防止の観点からすると非常に問題があります。
また、この周辺道路は当然一般車両も通行しますし、路線バスも走っています。曜日や時間帯により混雑状態は異なりますが、埠頭とは直接関係のない車両の通行にも大きな支障をきたすことがあるのは望ましいものではありません。
このような状況を踏まえて、都はコンテナ専用レーンをつくり、一般車両との分離を図るなどの努力をしていることも承知していますが、僅かずつでもこの混雑を改善していく必要があると考えます。そこで、大井埠頭周辺道路の交通渋滞の解消に向け、さらなる取組が必要であると考えますが、所見を伺います。●1
さて、この道路状況を見ていて、アイドリングと地球温暖化について改めて考えさせられました。都では駐停車する際のアイドリング・ストップを義務付けていますが、エンジンを止めたくても止められない状況もあるということも考慮しなくてはなりません。
高速道路のSAなどで長距離トラックのドライバーが車内で仮眠を取っているところを目にすることがしばしばあります。長距離・長時間運転するドライバーが休息とりわけ仮眠を取ることは健康管理や事故防止の観点からも必要なことだと思います。車を降りて、室内で横になることが出来ればベストでしょうが、施設の有無やコストの面から考えても、車内で仮眠を取ることは止むを得ないでしょう。車内での仮眠は、冷暖房を使用するためにアイドリングしっぱなしになります。駐車中はエンジンを停めるほうが望ましとは思いますが、暑い夏や寒い冬に、アイドリング・ストップし、冷暖房を我慢しろと言うのはちょっと酷だと思います。
先日、東京電力と日野自動車が共同開発し、運用が始まった「外部電源式アイドリング・ストップ給電システム」を視察してまいりました。このシステムは、駐車中のトラック等の空調のため、駐車場に設置された給電スタンドから車両に電力を供給するシステムで、エンジンをかけずに冷暖房を使うことが出来るので、CO2の削減だけでなく、燃料費のコストダウンにもつながり、運送事業者にとってもありがたいものです。
しかし、このシステムを使用するには、外部電源で使用できる冷暖房装置を装着する必要があり、事業者の負担が大きいという課題があります。
このシステムの高速道路のPAなどへの設置が進めば、長距離ドライバーが休息時にアイドリングをストップすることになり、自動車から排出されるCO2が削減され、地球温暖化の防止につながると考えます。自動車からのCO2の削減を進めるためにも、都としても給電スタンドの設置補助や車両への外部電源式の冷暖房装置装着に対する補助制度を創設することを提案しますが、所見を伺います。●2
さて、東京都は10年後の東京で2020年までに2000年比でCO2の25%削減することを打ち出しています。この目標を達成するためには、新たな技術開発が進むことが不可欠です。地球温暖化防止に向けた取り組みを進めるためにも、都として民間事業者の新たな取り組みを促進していく必要があると考えますが、知事の所見を伺い質問を終わります。●3