平成19年第4回定例会
平成19(2007)年12月12日
一般質問
吉田康一郎(中野区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
まず初めに、少子化対策・子育て支援について伺います。
一昨年の12月8日、私は初めての一般質問において、この問題を採り上げ、社会保障・人口問題研究所の我が国総人口に関する推計において、最も悲観的な低位推計では、2100年には我が国人口は現在の3分の1の4645万人になり、その後も減っていく、と述べました。これは、平成14年1月推計によります。
ところが、同研究所が昨年12月に公表した新たな推計は驚くべきものです。2105年の人口は、中位推計で4459万人、低位推計では3452万人。僅か4年で、中位推計で約2000万人、低位推計で1200万人の下方修正がされたのです。2年前、私は「100年後に我が国人口は今の3分の1になる」と訴えましたが、今は「4分の1になる」と言い直さなければなりません。
都の出生率も、残念ながら改善していません。これまでの枠を超えた取組みが必要だと考えます。こういう観点から、
まず、日本の家族関係社会支出の対GDP比と比べて、子育て支援の先進国であるスェーデン、フランスは、どの程度の差があるのか、また、出生率にはどの程度の差があるのか、そして、家族関係社会支出の対GDP比と出生率の間には有意な相関関係があると思いますが、見解を伺います。●1
次に、東京の出生率が日本の中で最も低いことについてどのように認識しているのか、伺います。●2
都は、一昨年12月に私が訴えて後、昨年から国に対して子育て支援のための財源を確保するよう提案要求をしており、評価します。引き続き、国に対して積極的に働きかけをするべきですが、所見を伺います。●3
19年版少子化社会白書によると、結婚後0~4年の若い夫婦では、理想的な子どもの数は2.30人、平均予定子ども数は2.05人と0.25人の差があります。平均理想子ども数を持てるようにすべきと考えますが、所見を伺います。●4
本年12月の時点で、少なくとも12の県が保育料について補助あるいは無料化を実施しており、都内の14の区市が独自の手当を支給し、33の区市町村が認可保育所および認可外保育に係る保育料等への補助あるいは無料化を実施しています。
都として是非、児童手当の加算、あるいは都独自の手当を創設するべきです。また、保育料の減免など、区市町村が独自に行っている支援事業に対し助成を行うべきと考えます。強く要望します。
次に、家庭内労働及び育児を行う者と、外で働く者とで、どちらかが他方に比べて不利益を被ること、差別的な取扱いを受けることがないようにするべきです。また、国は保育に欠ける児童とそうでない児童を分けて施策を展開していますが、分け隔てなく保育に欠けない子も支援するべきです。見解ならびに取組みを伺います。●5、6
昨日、国が都から3000億円規模の財源を召し上げることとなりました。約1900億円あれば、都内の子どもに毎月1万円ずつ15歳まで給付できることを考えれば本当に残念な限りです。
現在、子育て応援戦略会議で様々な施策を検討しているとのことですが、従来の延長線上でない抜本的な施策が望まれます。知事の所見を伺います。●7
次に、河川の整備について伺います。
河川事業の担う最も重要な役割は、水害から都民の生命・財産を守ることですが、他方、河川は地域住民にうるおいや安らぎを与える場所でもあります。
都は、昨年12月に「10年後の東京」を発表し、水と緑の回廊で包まれた美しいまち、水辺空間の再生を詠っています。
東京の河川における親水空間の整備についての基本的な考え方及びこれまでの取組みについて伺います。●1
特に、私の地元の神田川や妙正寺川など、区部西部の中小河川は、稠密な市街地を流れており、深い掘割構造となっていて水際まで降りることができない区間が多いのですが、このような区部の中小河川における親水空間の整備について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。●2
次に、海岸保全事業について伺います。
近年、海岸の侵食が激化し貴重な国土が失われ、このままの状況で推移すると、国全体で、15年後には新島に匹敵する面積が、30年後には三宅島に匹敵する面積が失われると予想されています。
都では、海岸保全事業を昭和30年代から実施していますが、その整備率は未だ4割であり、今のペースだと完成まであと半世紀かかることとなります。
また、海岸保全区域以外の一般公共海岸においても、毎年、1m以上も海岸線が後退しているところがあるとのことであります。
既に保全区域に指定されている海岸については重点投資して侵食対策を進め、未だ指定されていない海岸についても、侵食の状況や対策の必要性を調査するなどの取組みが必要だと考えます。そこで、国土および経済水域を守るため、一般公共海岸における調査も含め、今後、海岸保全事業にどのように取り組んでいくのか、伺います。●1
次に、今の時代に相応しい都立公園の改修について伺います。
都立公園は、都市における貴重なオープンスペースであるとともに、日常生活の中で自然の美しさや季節の移り変わりを感じ、心が癒される場所として、都民に愛されています。
しかし、社会・経済状況が変化する中、都立公園を将来に向けて生かしていくため、新たに求められる機能に適切に対応した改修が必要と考えますが、都としてどのように取り組んでいるのか伺います。●1
都では、最も古い都市公園の一つである上野恩賜公園において、「上野公園グランドデザイン」の検討を行っていると聞いています。今後どのようにまとめられるか、期待しているところであります。
一方、日比谷公園では、大噴水と日比谷公会堂の間にある洋風形式の第二花壇に回りの園路と段差があり、幼児が転げ落ちたという話を聞きました。幸い怪我は無かったとのことですが、大事に至る可能性も否定できません。
従来以上に安全についてのニーズが高まっている今日、古い時代につくられた歴史のある公園においても、今日まで育まれてきた景観を大切にしつつ、幼児から高齢者まで、より安心して快適に利用できる、今の時代に相応しい公園にしていくべきと考えますが、所見を伺います。●2
次に、生物多様性の保全について伺います。
稀少な野生動植物を含め、多様な生物種と生態系は、人間にとって有用な様々な価値を現在及び将来の世代にもたらすものであり、その保全が必要ですが、そのためには、まず、都として基礎的な情報を把握することが重要です。
都は、平成10年に、都内の稀少野生動植物のリストであるいわゆる「東京都版レッドデータブック」を策定しましたが、その後改訂を行っていません。
一方国では、動植物を種類ごとに、例えば哺乳類では、平成10年に策定したものを、昆虫類では、平成12年に策定したものを、植物では、平成9年に策定したものを、それぞれ平成19年に改訂しています。
自然環境も様々な要因で変化している中、都としても改訂を行うべきです。所見を伺います。●1
そして、平成10年の策定の際は、文献情報の整理を中心に行ったようですが、稀少生物種の保護を図っていくためには、その現状をきめ細かく調べることが重要であり、今後、改訂する際には、文献調査のみならず現地調査を行うとともに、都民、団体、研究者等から、情報が都に提供されるような仕組みを作り、情報を把握していくべきだと考えます。所見を伺います。●2
次に環境税についてです。
実効性のある温暖化対策の一環として、環境税の導入は大きな期待が寄せられるものであります。しかし、期待通りの効果をもたらし、意図せざる弊害を生じさせないためには、幾つかの原則を踏み外さないことが必要だと考えます。
即ち、まず温暖化の負荷の量に従った課税とすること、例えば、化石燃料にについて炭素含有量を基準に課税する、あるいはメタンなど他の温室効果ガスも含め、温室効果量を基準に課税する、ということです。
そして、導入時点において税収中立の制度設計とすること、目的税としないこと、なるべく広域的な税制とすることです。更に、適切な激変緩和措置を設けることも必要です。
都税調は、これらの点を踏まえて環境税制を引き続き検討していくべきと考えますが、所見を伺います。●1
次に、自転車の安全な利活用対策について伺います。
都は温暖化防止対策を進めるため、「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」に取り組み、CO2を25%削減する目標を掲げています。
この目標を達成するため、他の部門とともに、運輸部門においても削減努力が求められます。
様々なTDM施策の推進など総合的な対策を講じていくことが必要ですが、特に自転車は、身近で手軽な交通手段であるとともにCO2を排出しないことから、より一層、利用を促進していくことが効果的です。
都は本年1月に「自転車の安全利用推進総合プラン」を策定し「自転車は、鉄道・自動車・徒歩などと並ぶ都市における主要な交通手段の一つ」として位置づけました。そこで、今後、都は自転車の利用促進にどのように取り組むのか。
また、利用を定着させるためには、進捗状況を取りまとめ、都民に周知することが必要と考えますが、併せて伺います。●1
特に、歩行者と自転車、自動車を可能な限り分離して、それぞれが安全快適に利用、走行できるような道路の整備を進めていくことが必要です。そこで、都道において、また、港湾局所管の臨海副都心において、安全で快適な自転車走行空間の整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。●2a,b
また、安全性確保のためにこれまで以上に踏み込んだ取組みが必要だと考えます。
自転車と自動車の事故は漸減傾向にありますが、残念なことに自転車と歩行者の事故は増加傾向にあります。最近では、歩行者が自転車に轢かれて亡くなるという死亡事故も起きています。
自転車事故発生件数を年代別に見てみると、20代の件数が最も多く、次いで30代、10代となっています。20代に焦点を当てた自転車のルール遵守等の普及啓発を実施していく必要があると考えます。所見を伺います。●3
自動車やオートバイ等では、ナンバープレート、正式には自動車については「自動車登録番号標」、軽自動車、自動二輪車、原動機付自転車などについては「車両番号標」「課税標識」といいますが、それを表示させることで安全対策に効果をあげています。
自転車においても、ナンバープレートを表示させることは危険な運転や犯罪の抑止に有効と思われます。
自転車には、「防犯登録制度」があり、自転車法によって全ての自転車に登録が義務付けられています。罰則規定はないため、貼付率は76%程度とのことですが、この「防犯登録番号」を周囲から見えやすく表示する、いわばナンバープレートとすることで、自転車利用の安全性が高まるのではないか、導入を検討してみるべきではないかと考えます。所見を伺います。●4
次に、歩道のバリアフリー対策について伺います。
平成12年「東京都福祉のまちづくり条例」が施行されて以降、まちづくりの様々な場面でバリアフリーの考えが定着してきています。
道路については、特に高齢者などの利用を考え、歩道は勾配が緩やかなセミフラット形式が都道の新設や拡幅工事において採用されてきていますが、既設の都道についてもセミフラット形式を更に推進すべきと考えるが所見を伺います。●1
次に、アニメ・アーカイブ事業について伺います。
世界で放送されているアニメの6割は日本製と言われています。その日本のアニメ制作会社の8割は、東京に集積しています。
都は、平成13年度から「東京国際アニメフェア」を開催するなど、アニメ関連産業の振興、人材育成に取り組んできました。その一環として、中野区の旧労働資料センターの4階において、私も6月に視察しましたが、鉄腕アトムをはじめアニメ制作会社からアニメ製作に関わる貴重な資料等の提供を受け、収集・整理・保管を行うアニメ・アーカイブ事業を実施しています。
これらの文化遺産とも言える貴重な資料等は、都が保存を支援しなければ廃棄されたものであり、誠に意義のある重要な事業だと考えます。
そこで、現在までの取組み実績について、伺います。●1
他方、アニメの製作現場では、動画部門の海外移転や技術革新が進むなど、急激な変化が起きており、従前の先輩が後輩を個別指導するような人材育成が難しくなってきています。
そこで、収集した貴重な資料は、将来のアニメ産業を担う人材育成などにも活用すべきだと思いますが、今後の方策について伺います。●2
また、この施設において、是非、貴重な資料の一部でも常設展示することを要望します。
次に、都営地下鉄の安全対策について伺います。
10月23日に発生した都営大江戸線の停電事故について、当日、現場に居合わせた者の一人として、2点伺います。
停電の発生は朝のラッシュ時の8時8分であり、その12分後には、新江古田駅の手前200mに停車した列車から乗客の救出を始めています。避難誘導マニュアルに従い運転席前方の非常扉から避難させたことは、判断として間違いはなかったと考えます。
しかし最後の乗客の救出まで2時間もかかったのは、改善が必要です。
今回の事故を受けて、今後の避難誘導時間の短縮についてどのように考えているのか伺います。●1
今回の事故では、多くの警察・消防関係者が出動し、私も心強く思いました。今後同じような事故が発生した場合、避難誘導を含め交通局と警察・消防が連携を強めていくことが重要です。取組みについて伺います。●2
以上をもちまして、質問を終わります。