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定例会報告

討論 滝沢景一

滝沢景一

 

平成23(2011)年3月11日      

 

都議会民主党  

 

総務会副会長 滝沢 景一 (八王子市)

 

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

 

 まず、第1号議案「平成23年度東京都一般会計予算」について述べます。
 一般会計の予算規模は、厳しい財政環境の中、前年度比0.4%減の6兆2360億円で3年連続の減額となりましたが、一般歳出は、前年度比1.0%減の4兆5839億円に留(とど)めています。内訳は、経常経費を716億円の減とする一方、昨今の経済状況を踏まえ、投資的経費を前年度比3.3%増の8404億円、単独事業費も前年度比8.6%増の5148億円としています。
 予算案策定にあたり行った事業評価では、監理団体を通じて行う事業や特別会計に範囲を拡大し、195件を見直して約210億円の財源を確保するとともに、歳出を精査して約890億円の事業費を削減しています。こうした取り組みで基金の取り崩しを最小限に留(とど)めた財政運営については、基本的に評価するものです。

 

 個々の施策においては、都議会民主党が要請した「重点要望事項」には、前年度比7.1%増の3888億円が確保されています。とりわけ、厳しい雇用環境にさらされている若年層の就業対策や、急激な円高などに立ち向かう中小企業への融資枠の設置などで「産業を支え、雇用を守る」分野では前年度比27.3%増の671億円が、「未来の力を育む教育を進める」分野では前年度比20.9%増の170億円が措置されました。
  その一方では、なかなか短縮されない救急搬送時間、木造住宅密集地域の耐震化推進や緊急輸送道路沿道以外の分譲マンション建て替え支援など、更に充実が必要な課題も山積していますが、これらを総合的に検討した結果、予算案に賛成したいと考えます。

 

 次に、第19号議案「平成23年度東京都中央卸売市場会計予算」について述べます。
 私たちは、決して、築地市場移転問題の結論を先送りしているわけではありません。然るべき時期に然るべき判断をすべく、一昨年の都議会議員選挙以降、マニフェストの実現を図るべく、関係者と真摯な協議を続けているのです。
 例えば、昨年の付帯決議以降も、現在地再整備案の国際コンペを求める声があるなかで、アイデア募集を独自に実施したり、昨年10月3日には、用地取得費を除く予算の一部執行に言及したりと、全体のスケジュールを見ながら、関係者との理解や合意に向けた取り組みを精力的に行ってきました。
 今定例会に提案した修正案も、全体のスケジュールや議会を取り巻く状況などを総合的に判断して、豊洲移転関連予算の一部を修正する内容としました。この修正案が否決された今、この時点で予算案の賛否を決断しろと言うのであれば、その答えは「NO」です。
 その理由は、現時点で豊洲移転案に大方の合意があるとは到底思えないからです。
 知事は、5.5団体と言うのでしょうが、業界団体のボスとだけ話をつけていれば良いというやり方は、あまりにも古すぎます。こうした古い政治手法で業界を押さえ付けてきたことが、今の水産仲卸の反発につながっているのではないでしょうか。
 私たちは、築地に残りたいと希望する市場業者はもとより、築地場外市場、あるいは、地元・中央区など、より多くの関係者との合意を目指しているのです。加えて、食の安全・安心を求める消費者である都民の理解を得るために懸命に取り組んでいるのです。
 決断するだけなら簡単です。「時にはつらい決断だ」と言葉でいうのも簡単です。
 しかし、時間的な制約を仔細に検証しながら、そのなかで、関係者との合意に向けてギリギリの努力・交渉を重ねてくことが、都民の信託を受けた知事や私たち都議会議員に課せられた責務なのではないでしょうか。
 石原知事は、「反対のための反対」という使い古されたフレーズをお使いになりますが、関係者の合意こそが、築地市場再整備を最も円滑に進めることにつながるのです。
 このような認識のもと、私たちは、今定例会に提案された市場会計予算に反対するものです。
 しかしながら、私たちは、予算案の可否に関係なく、引き続き、より多くの関係者との合意に向けて、積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 

 次に、第57号議案「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」について申し上げます。
 建築物の耐震診断・改修の実施は、現行の耐震改修促進法では努力義務にとどまり、所有者の意思に委ねられています。そのため、対策の進展に限界があり、耐震化がなかなか進まないのが現状です。
 本条例案は、こうした課題の解決に向け、特定緊急輸送道路の指定、その沿道建築物の所有者に対する耐震診断の実施義務、耐震改修等の実施の努力義務、耐震化に要する費用の助成などを定めるものです。
 私たちは、建築物の耐震化については、本来、その対象を限定せずに進めるべきと考えていますが、本条例案は、建築物の耐震化促進に向けた施策として、これまでより一歩踏み込んだ内容となっているものと、一定の評価をいたします。
 耐震診断の義務化にあたり、都は、平成25年度までの時限措置ではありますが、建物所有者の費用負担を実質ゼロとすることとしています。
 都はこれまで「建築物の耐震化は基本的には所有者の責任」とする考え方、所有者負担の原則を崩してこなかったわけですが、耐震診断助成に限っては、この原則を大転換したものと評価するものです。
 耐震診断を義務付けた以上、その履行を建物所有者に強く働きかけていくこと、耐震診断の結果、耐震性が不足すると判定された建物の耐震改修に対する支援を強化することを求めます。

 

 次に、第82号議案「東京都暴力団排除条例」について述べます。
 これまでの暴力団排除活動は、いわゆる「3ない運動」のスローガン「暴力団を恐れない」、「暴力団に金を出さない」、「暴力団を利用しない」により推進されてきましたが、本条例案は、更に「暴力団と交際しない」という新たな理念を加えて、都、特別区並びに市町村及び都民及び事業者による連携及び協力により推進しようというものです。  
  しかし、暴力団との対決を警察から社会全体に転換し、都民や事業者に一定の責務を課すのであれば、まずもって東京都が、その範を示していかなければなりません。
  同時に、これまでの長年の経緯のもとで、町会・自治会や事業者が直接、間接の関係を持っている場合は、直ちに転換することが困難な事例も考えられるため、本条例の施行日までに、丁寧かつ慎重にその関係遮断を促していく必要があります。
  また、妨害行為の禁止が定められていますが、それでもなお、脅迫、つきまとい、いやがらせが予想され、関係遮断を躊躇することは容易に想像されます。こうした事業者や都民等に対し、保護策を講じることも不可欠です。
  いずれにしても、暴力団を社会的に排除していくためには、東京都や警視庁の役割は極めて重要であり、そのあり方が本条例の成否を決めていきます。
  改めて、万全の対策をとるよう強く求めるものです。

 

 以上、都議会民主党を代表しての討論を終えます。