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定例会報告

一般質問 田中 健

田中健

 

平成22(2010)年9月29日

 

田中 健 (大田区)

 

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

 

  1. まちづくりについて
  2. 大田市場における駐車場のあり方について
  3. 文化政策について
  4. ひとり親家庭支援について

 

 

 

 

1.まちづくりについて

 

 いよいよ来月末に羽田空港が再国際化されます。今回の都議会の3定の告知ポスターも写真は羽田空港、そして「世界が近づく国際競争力の高い東京へ」と書かれています。羽田空港の国際化を機にした「陸・海・空」のまちづくりについてお聞きしたいと思います。まず跡地についてお聞きします。羽田の沖合展開事業及び再拡張事業によって発生した跡地に関してはこれまで、何度にも及ぶ議論が国交省、東京都、大田区、品川区のいわゆる三者協でなされてきました。そして今年8月に羽田空港跡地まちづくり推進計画の素案が発表されたばかりであります。これによると跡地を第一ゾーン、第二ゾーン、第三ゾーンと定め、それぞれを大田区、民間、国が計画を立てて今後の促進をしていくものとしました。が、今回まとめられた推進計画を見ても、またこれまでの経緯を聞いても、都が主体的にまたリーダーシップを発揮したとは感じられません。

 例えば第一ゾーンは大田区が土地を取得し、再開発を進めていく方向で検討がなされていますが、都はこれに協力するとのことしか述べられていません。何を持って協力というのかと訊ねましても、国交省に口利きをするという程度しか返答が返ってきません。またこの第一ゾーンは海老取川に面していますが、その海老取川もまだどのように整備、利用を目指していくのかが見えません。第二ゾーンも民間事業者主導というばかりです。もちろん、まだ未確定な部分は多く、具体的な話はこれからということは分かっています。が、羽田空港の国際化を強く訴えてきた知事、都の力の入れように比べるとあまりに、この跡地に関しては存在感がありません。東京都のリーダーシップ、主体性がこの議論の中で発揮されてきたのでしょうか。

 推進計画の跡地の位置づけの中で都は、跡地を東京湾の環状メガロポリス構造の骨格である「東京湾ウォーターフロント都市軸」に位置する、と高らかに謳い、水辺の魅力を豊かな空港資源を生かした臨海部を結ぶ都市軸を形成する、と書いていますが、都の取り組みの中からはその姿が見えてきません。どのような形でこの三者協の中で役割を果たしてきたのか、また今後果たしていくつもりなのか、まちづくりの観点から具体的にお答え頂きたいと思います。●

 その中で提案ですが、これまでは三者協の中で跡地の在り方を議論してきましたが、今後は具体的な開発の段階に入るにあたって、行政だけではなく、民間を含めた新しい協議会の立ち上げが必要であると考えます。この度の再拡張事業とともに新しく国際空港ターミナルができました。空港関係事業者からは、国際ターミナルはできた、しかし目の前に広がる跡地はどうなるかわからないといった声が上がっています。昨日の本会議の中でも答弁の中で、跡地そして空港が一体となった利用が求められる、との答弁がありました。地元区・空港関連事業者を加えた総合的な開発をするために、新しい協議会等の場を東京都が創るべきだと思っています。そのような検討はなされていますか?またその必要性をどう考えますか?都の見解をお聞きします。●

 

 跡地を含めた全体のまちづくりに関してお聞きします。神奈川県は県・川崎市・横浜市が連携して羽田対岸を中心とした臨海部のまちづくりを、ライフサイエンスに特化した計画を掲げ推進を図っています。が、翻って東京都にはその目指すべき、創り上げる具体的姿がありません。羽田の跡地に関しては大田区が取り組むこともできましょうし、臨海部はそれぞれ品川区や港区も取り組めるでしょう。しかし全体を包括して大きな都市の一部を形成するには都の構想が必要です。羽田空港が国際化し、京浜港も国際港湾に選定がされ、まさに陸・海・空のハブをめざすこの臨海部の在り方を、総合的にもう一度明確に定義をするべきであると考えます。都の見解を伺います。●

 羽田空港国際化における街づくりにおいては跡地だけが問題ではありません。これから重要になってくるのは、増加が見込まれる空港周辺の車両混雑を緩和し、交通の利便性を向上させ、街の活力を高めていくことです。環状線においては、都心から羽田に向かう際にあった環八最後の踏み切りが26日に完全高架化され慢性的な渋滞の解消がはかられたばかりでありますが、今後ますます増える交通量への対応は不十分です。特に国道357号の川崎方面への延伸は早期な整備が求められています。これまで何度も整備の推進が述べられてきたところであります。多摩川トンネルに関しての整備も含め今後の計画をお聞きします。●

 また重ねて重要なことは空港周辺の機能強化を図ることです。

 世界中からの訪問者を出迎える為には、またひきつけるためには商業施設、宿泊施設、ビジネス施設、アミューズメント施設が複合的に必要となります。これは羽田の跡地開発はもちろんのこと、近隣の主要駅でも開発が進んでいるところであります。その中でもアミューズメント施設として、カジノについてお聞きします。

 先の定例会でもカジノを誘致の推進の発言がなされました。カジノについては国会においても超党派でカジノ議連が結成され、今年3月、千葉県が成田空港への設置検討を表明し、神奈川、和歌山、沖縄、3県が5月に、大阪府は7月にそれぞれ検討会が発足しています。更に国土交通省の成長戦略会議でも最終報告で「カジノを含めた総合リゾート開発のポテンシャルについて検討する。」と言及がなされたところであります。もちろん、国の法改正が整わなければ前に進まないのは分かっていますが、いまこそ、99年知事就任直後からカジノ構想を掲げた東京が、その推進役を担ってほしいと思いますが、今後の展開・見通しについてお聞きします。●

 

 羽田空港の国際化に伴う今後のまちづくりについて述べてきましたが、これまでの課題の首都圏の空港容量不足がこれで解決するわけではありません。現時点でも将来の発着枠は近々不足することは言われており、さらなる対策が必要です。実際そのポスト再拡張に向けての研究が始まっているとも聞いています。羽田空港にもう一本の滑走路を造っては、という話もあります。

 一方また、知事が進めてきた横田基地の軍民共用化の早期実現が求められます。知事の公約でありながらいまだ合意に至っていません。ぜひ政府とも歩調を合わせて、政府間折衝を進め実現を図ってもらいたいと思います。羽田の国際化に伴い、さらなる首都圏空港容量の拡大に向けた今後の都の航空政策について伺います。●

 

 

2.大田市場における駐車場のあり方について

 

 羽田の国際化に伴って必要なのは、全体を見通したまちづくりであることは先ほど述べましたが、その中で可能性をひめている施設として大田市場があると思います。もちろん、市場は都民の安全・安心な食の流通を支えることがその基幹業務ではありますが、同時に、築地の場外市場のように多くの観光客が集まる可能性を持った施設でもあります。

 羽田空港が国際化され、24時間化されると、世界中から多くの観光客が訪れ、羽田近隣でひと時を過ごす方々が増加することは間違いありません。大田市場は、気軽に行けるような交通アクセスに乏しく、また、大規模なにぎわいスポットもないのが現状です。

 しかし、舟運ネットワークの活用などの工夫をすることにより、羽田空港から海路を通じ、大田氏市場その周辺にフィッシャーマンズワーフのような、水辺で、外国人の目当てである「食」を楽しむことができる施設があればどれだけ素晴らしいでしょうか。これは、東京都が目指す、ウォーターフロントの都市への基軸にも発展が可能させることができるのです。ぜひ、今後は一般人にも親しみやすい、また時間をすごすごとが出来る大田市場に向けての取り組みを検討して戴きたいと思います。

 都は三十億円をかけて昨年10月に屋根掛駐車場を完成させました。

 大田市場は設立当初から比べると多くの売買参加者、仲卸業者等が出入りするようになり、大変込み合う状態が続いていました。その中で、物流改善計画に沿ったこの事業は、物流の効率化が図られるものとして多くの事業者が期待をしていました。

 平成3年以来、20年弱の時間の経過の中で、各組合共々、組合員の減少、取扱高が大幅に減っていき、時代も大きく変わる中で、その時代に合った振り分けが必要とされていました。しかし、今回その駐車場の振り分けに関して、都は各組合に古い台数の配分をそのままに振り分けてしまいました。

 もちろん私は毎年のように見直すのがいいとは思いません。しかし今回のように大規模な物流改善の中で、ちょうど見直しするにも大変タイミングが良かったと思われる中、どうして見直しがなされなかったかは疑問です。駐車場の分配について、これまでの経緯と今回の件についての都の見解をお聞きします。●

 また、屋根掛駐車場を含めハードの整備が進む中、市場の利用については公平公正であるべきだと考えますが、今後のあり方について都の見解をお聞きします。●

 

 

3.文化政策について

 

 これまで日本の対外的な文化政策は、「文化芸術」を所管する文化庁と産業振興を担う経済産業省、国際交流を担当する外務省にわかれていました。縦割り行政の中でそれぞれが自己完結で事業を行い、横の連携がとれていませんでした。

 そんな中、この6月に経済産業省はデザイン、アニメ、ファッションなどのクリエイティブ産業の海外進出の企画立案及び推進を行うクール・ジャパン室を設置しました。韓国は90年代から文化産業の育成に力を入れ、国家をあげて海外戦略作りや人材育成などに取り組んできました。

 中国も、2007年の共産党大会で「文化のソフトパワー」を重要国策の一つに位置付けました。それに比べると日本の取り組みは遅く、経済やスポーツの分野で次々と日本の優位を奪ってきた両国が文化の領域でも存在感を増してきているのが実情であります。

 今回都は、スポーツにおける所管部署を一元化し、スポーツ振興局を立ち上げたばかりであります。これには大変期待をしているところでありますが、ぜひ文化政策においてもこの考えを取り入れ、都の文化における所管部署を一元化し新たな組織を立ち上げる必要があると考えます。国がクールジャパン室を立ち上げたとはいえ、専従は6人だと聞いています。何といってもデザイン、アニメ、ファッションなど日本の最先端の文化が集まっているこの東京だからこそ、その役割は大きく、文化を軸とした政策を展開すべきと考えますが、所見を伺います。●

 

 

4.ひとり親家庭支援について

 

 都では、仕事と子育てを両立できる新しい道への支援として2010年9月1日から、ひとり親家庭への在宅就業プログラムを始めています。国の2009年5月に成立した同年の補正予算に盛り込まれ、安心子ども基金を活用して実施するものであり、母子家庭の母親らに訓練手当つきで、IT関連の技能を教え、研修中から仕事を紹介するというものです。

 今回、都は、約2億円をかけてこの事業を行っていますが、場所は立川、受講生60名であり、財団法人東京都母子寡婦福祉協議会への委託により実施しています。同じように取り組む名古屋市においては、3億9千万円で200人を訓練しています。安心子ども基金のしくみでは、自治体が、金額や事業規模、事業内容を独自に決定できることとなっています。

 都はどのような考え方のもとこの事業を実施するのか、伺います。●

 在宅就業は、仕事と家庭の両立を図る就業形態で、働き方の選択肢が広がるという点では、有効な手段なのかもしれません。しかし、現実はそんなにバラ色ではありません。在宅でのITの仕事の現実は大変厳しいものがあり、NPO法人あごらの調べでは、2009年3月の在宅就業者の平均時給は304円、最低賃金の半分に満たず、実際は複数のパートを掛け持ちすることで生計をたてている場合も多いのが現実ときいています。研修を受けて、在宅就業に着手したとしても、他の仕事や子育てをしながら、実際に生活していくことは厳しいと考えます。

 在宅就業プログラムは9月に始まったばかりですが、1年間という長い研修期間、拘束する以上、ひとり親家庭の人たちが、働いていた方がよかったと思うことがないよう、利用しやすく効果があがる制度でなくてはなりません。ひとり親家庭の母親・父親や当事者団体との連携などにより、ぜひ利用者の立場にたった在宅就業プログラムを都が作り上げていくことを期待します。今後の事業の進め方について、都の見解を伺います。●