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定例会報告

一般質問 大津 浩子

 

平成22(2010)年6月9日

 

大津 浩子 (渋谷区)

 

 

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

 

1.消費者保護行政の重要性について

2.東京の河川と生物多様性について

3.水事業における人と技術の総合力について

4.交通政策について

 

 

 

 

 介護ベッドで落下防止柵の6㎝の隙間に首をはさまれ亡くなられた事故、ベビー用おやつを食べたにもかかわらず喉につまり死亡事故を起こした乳幼児。なぜ、寝ている間に、食べている間に、大切な命が失われなくてはならないのでしょうか。

 

 都では平成20年、2,571人の方がこうした不慮の事故で亡くなられています。この数には交通事故による死者数337人の方々も含まれています。多いとみられている交通事故は全体の1割強なので、それを除く日常生活の中での事故の方が約7倍と圧倒的に多いことがわかるのです。

 

 私はこれまでも機会を捉えて、安全の問題について使い捨てライター、毛染め、海上コンテナトラックの首都高速横転事故などを取り上げてきました。例えば、子どもが火遊びによる火災になった7割以上はライターが原因で、幼い命が奪われるライター火災が相次いで起きています。

 

 この使い捨てライターの問題は、1つ1つは小さいけれども、製品の安全規制だけではなく、我が国のモノ造り、消費や廃棄の在り方、救命救急の取り組み、教育の在り方など、幅広い観点から捉えるべき全庁的な課題であると考えて、安全、救急、物の廃棄、教育など様々な角度から質問させていただきます。

 

 はじめに、都民の命と安全を守るために、衣食住における身近な商品による不慮の事故を防止し、また消費生活上の様々な被害に巻き込まれることのないよう、都民が安心して日常生活を営める首都東京づくりについて、知事の見解をうかがいます。

 

 都は使い捨てライターの火遊びによる火災事故が起きたことを憂慮し昨年11月、いち早く国に対し法による安全規制を提言しました。国は都の提言を受け経済産業省が検討を開始し、来年夏からライターの着火ボタンに、子供が簡単に操作できないようにするチャイルドレジスタンス機能を義務付けるような安全規制を行うことになりました。海外では既に平成18年からEU加盟国25カ国で、米国では平成6年に規制を義務化していますが、日本もようやく世界基準となりました。

 

 しかし、介護ベッドやこんにゃくゼリーなどまだまだ危険の芽が摘み取れていない事例がたくさんあるのです。

 

 転倒防止の柵がついた介護ベッドでは、手すりの6㎝の隙間に首が挟まれ亡くなられた方は、製品評価技術基盤機構事故情報では、平成14年から20年の7年間で、手すりの6㎝の隙間に首が挟まれ亡くなられた方が10人、消費者庁の事故情報データでは、平成18年から平成22年5月までに6人が手すりや可動部に挟まれ亡くなられました。こんにゃくゼリーで亡くなられた方は、平成7年から20年までの13年間で22名です。

 

 一方、パロマ工業製ガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で昭和60年から平成17年までに21名が亡くなりましたが、年間の死亡事故頻度にすると、パロマよりも介護ベッドやこんにゃくゼリーの死亡者のほうがはるかに多いのです。パロマの場合は製品が回収されているにもかかわらず、介護ベッドは今も6㎝の隙間のままで販売され、こんにゃくゼリーも販売されているのです。介護ベッドは昨年3月に手摺部分をJIS改正しましたが、先月千葉県でやはり首が挟まれた状態で発見されました。危険個所がいっぱいの介護ベッドでは安心して眠ることができません。

 

 日本がものづくりの技術立国として、「人の命と安全」、「環境への負荷」を置き去りにしては業界全体としての今後の飛躍はないといっても過言ではありません。業界団体への現時点での規制を躊躇していることにより、製品・食品による事故で次々と人命を失うことは、行政の失態と業界団体・ビジネス界の失墜にもなりかねません。そればかりか世界の安全性のグローバル規格からも取り残されてしまうのであります。

 

 安全で良質な物を適正な価格で都民・国民へ提供する理念が企業の真の繁栄につながってくるのではないでしょうか。安全のために消費者の声を製品の設計段階から反映するリスクアセスメントが重要で、すべて安全なものだけが市場で販売されるべきです。

 

 そのための行政の役割は大きい。消費者行政は、事故が起きて人が亡くなってからの後追いの対策では駄目です。生活の中の不慮の事故は、本来安全であるはずの家庭の中で起きているため、家族が自分を責めてしまい製造者にクレームもしない場合がほとんどです。

 都は、日常生活に埋もれている身の回りの危害・危険を未然に防止するため、中立の立場から行政権限をフルに行使するなど、さらに一層、強力に取り組んでほしいと都民は期待していますが、所見を伺います。

 

 大人が目を離しても子供が危険が起きない体制づくりのためには、その根底にある「教育」に目を向けるべきではないでしょうか。普段の消費生活においても、子供たちが成長し、消費者意識やモラルの高い大人たちがどんどん増えていくことが、将来的に消費者保護行政にかかるコストを少なくさせる要因になると考えます。

 

 子どもたちの発達段階に応じた消費者教育が重要と思うが、見解を伺います。

 

 

 実は、ライターは子供の火遊びによる火災だけではありませんでした。平成20年12月、渋谷区内で250CCのスクーターから出火、幸い煙に気づいて消し止められた事故がありました。出火原因は、運転者が電子ライターをしまっていた座席シート下の収納ボックスの中に、ヘルメットを収納し、座席シート蓋を閉めた際に、ヘルメットが電子ライターのスイッチを押して着火してしまった火災事故でした。

 

 生活の中の思いがけない事故のさいは、真っ先に駆けつけくれるのが救急隊です。事故の現場にこそ予防策の鍵が隠されているのです。生活事故では最近、マンションのベランダや天窓からの墜落事故が増えており、生活事故の年齢別特徴は、0歳から4歳までの乳幼児と70歳以上のご高齢者が人口比で多いと消防庁の統計ではあがっています。

 

 救命救急の観点から、こうした都民生活において生じる事故を防止するため、救急の立場から貴重な事故情報をどのように危険予防に活用されているのか、危険の芽を摘み取り事故を防止していくための東京消防庁の取り組みについて、消防総監にうかがいます。

 

 最初から危ない物は最後まで危険なのです。

 

 ライターの処分は、23区では不燃ごみとして排出され、小型プレス車で運搬され、(東京湾埋立地にある)不燃ごみ処理センターで破砕処理されています。また、多摩の市町村では、主に有害ごみの区分として排出され、平ボディ車やパッカー車などで運搬され、各市町村の中間処理施設で分解や破砕処理されています。これら最後の出口でもライターによる火災が引き起こされているのです。

 

 ライター等の不燃ごみまたは有害ごみを収集搬送する清掃車の火災件数をみると、平成18年から20年の3年間で500件もあり、うちライターによる火災は10.8%も占めていました。清掃車火災の主な出火原因は、エアゾール缶が43.8%、カセットボンベ27.2%、3位にライター、4位にたばこ3%であることが消防庁の統計でわかりました。最後の廃棄の段階で働く人の命と安全も守らなくてはなくてはなりません。使い捨てライターは日本に年間6億4千万個、国民一人当たり6本所有している計算になります。現在のチャイルドレジスタンス機能のないライターは来年夏から販売規制がかかるため、今後大量の旧タイプのライターが処理場へ運ばれていくことが予想されます。

 

 そこで、消費された物の出口から遡って、ものづくりのあり方を生産から処理・処分・リサイクルまでのライフサイクルと捉え、都が積極的に区市町村、関係業界をリードできる廃棄物行政であってほしいと考えます、所見を伺います。

 

 初めての欧州海外視察を終えて想うこと、それは消費者保護行政、交通政策、教育行政、これらの視察は一見別々のテーマであるかのように見えて、実はみごとに「教育」という点で一本の線につながっていたことです。感慨深い一本の線の再認識でありました。

 

 教育と社会生活は深い関係にあり、消費者行政がうまく機能するか否かは、幼少期からの、家庭、学校、社会での「教育」が「鍵」を握ってくるのです。教育が徹底して行われることにより、犯罪の起きない国、事故に遭わない社会生活を持続可能にしていく成熟した社会ができあがるのではないかと思います。この結果、長い目で見て様々な行政コストの負担軽減を図ることが可能になるのではないでしょうか。

 

 記憶偏重の日本の教育だが、こうしたらどうなるのかを自ら「考える力」がやはり教育上も大切になってくるのではないだろうか。ただ「やめなさい」だけではなくて、なぜ危ないのかなぜ犯してはいけないのか、物や事象を用いながら理由と結果を教えていくように、なぜしてはいけない犯罪も同様でただやってはいけないと教え込むのではなく、なぜ犯してはいけないのか、考えさせる教育が必要と考えるが、都の教育委員会の認識を伺う。

 

 

 そして、幼児期からの教育にさらに注力していくこと、この教育により真に安全で質の高い成熟した豊かな社会をつくりだすこと、これが東京の今後の重要な方向性ではないでしょうか次に、東京独自の生物多様性と川について質問します。今年は国連の生物多様性年であり、10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10が開催されます。東京は、東西約1,900キロ、南北約1、700キロメートルにも及ぶエリアを有し、年平均気温は小河内11.9度から父島23.3度と気温差が12度も広がる世界でも稀な首都です。都も生物多様性地域戦略の策定に着手していますが、主要都市でも東西の距離はニューヨーク市の38倍もあるような世界で稀な都市なので、単に国のガイドラインに従うことなく、シカやツキノワグマの生息する奥多摩からクジラの回遊する小笠原諸島までの地理的、歴史的、文化的側面など、東京の特性を生かした戦略とすることが必要です。

 

 また、都はシンポジウムの開催など普及啓発にも努める、としております。しかしながら、イベントの開催や情報提供も大切ですが、それに止まることなく、この機会をとらえて都民や企業が、多様な生物や生育環境を守る、実際の行動に結びつけていくための「参加」型の戦略づくりとする視点も必要と考えますが、所見を伺います。

 

 人類や多様な生物が生きる基盤である川。東京は多摩の森林づくりなど、川上から川下そして東京湾までを一体として水循環を捉えて、生物多様性を意識した都市のまちづくりをしていくことができるのです。

 

 コンクリート3面張りで50ミリ降雨整備を行っている東京の中小河川は渋谷川、目黒川、白子川他、8河川もあります。幸い、渋谷川は落合水再生センターからの下水高度処理水であり、ドジョウやヒメダカなどが確認されましたが、3面コンクリートの表面はアルカリ性を示すために、「生き物」は生きることができないのです。

 

 池や沼が緑色になってしまうアオコを出さない方法として、炭素材と金属鉄、つまり炭と鉄を接触させるだけで水中のリン濃度を下げるという画期的な技術を開発した国立群馬高専の小島教授に、生き物が繁殖できる条件をたずねました。「それには、河底や壁は生物親和性の素材で、生物が生息しやすい環境をつくることです。素材などにもともとある空間・空隙・隙間・穴・空孔が不可欠で、大きな生物は大きな孔、小さい生き物は小さい孔と、住まわせたい生物によって孔の工夫が必要です」ということでした。

 

 水害から都民の命と暮らしを守りながら、「春の小川」の唱歌に歌われた渋谷川の面影を辿りつつ、川底を土に戻せなければ、生物親和性が豊かで、生物の住みやすい空孔を持つ素材、例えば炭素材、木炭、活性炭、軽石、溶岩などを使い、安全で力強い土木技術とのコラボレーションで河川を復活させていきたいものです。

 

 そこで、河底を自然に近づける検討を進めてもらいたい。見解を伺います。

 

 また、2年前の平成20年第2回定例会で、渋谷川の拠点整備について質問したところ、局長から「区立恵比寿東公園など河川と隣接する公共用地の活用を検討する」との答弁をいただき、工事が今年3月に始まったところです。人が水辺や緑で憩い、都会の癒される空間となる河川の環境づくりが重要です。そこで、恵比寿東公園と一体となった河川整備の状況についてうかがいます。

 

 

 続いて、水道技術について質問します。

 

 東京の水道は漏水率が3.1%など世界に誇れる高い技術力を有しています。一方、世界では10億人以上が安全な水を利用できないなど水問題は極めて深刻な状況にあります。そこで、今後、水ビジネスの展開や、水に関する技術支援を通じた国際貢献は平和な都市間交流にも寄与するものであり、推進するべきものと考えます。都民が支払ってきた水道料金で培ってきた人と技術の水道事業ですから、都民の理解と協力こそが世界展開への推進力になると考えます。

 

 その上で、水道としては、言うまでもなく都民に「安くて安全でおいしい水」を将来にわたって供給し続けることが第一でなければならないと思います。

 

 海外への事業展開が、都民にどのような恩恵をもたらし、また事業に伴うリスク評価を具体的にどのように行うかなど、わかりやすく情報提供していくことが重要と考えますが、所見を伺います。(●水道局長)

 

 次に、安くて安全でおいしい水を供給する上で、近い将来上水道の老朽化したインフラの更新時期を控え、より一層効率的かつ効果的な事業運営と技術力の継承と、例えば「水道管から水の漏れる音を聞き分けるのに10年はかかる」といわれる音の匠などの人材の育成が急務と考えます。どのように対応されるのか、都の見解を伺います。

 

 

 最後に、交通政策について伺います。 

 

 先日車両駐車の実態を視察してまいりました。都会の朝は、歩行者、自転車、バイク、車、貨物車、トラックとあらゆる動線が交錯しており、その動線をぬい物流貨物車のドライバーも短時間駐車のためか最速で荷台を押していく姿を拝見しました。

 

 わが党の交通政策の質問に、昨年12月「駐車禁止規制の見直し」を行っていきたい、今年3月規制緩和の要望を受け「規制緩和の必要性が高いと思われる約40区間抽出し、さらに詳細な調査を行っている」との答弁をいただきました。これについて現在までの進捗状況について伺います。

 

 また悪質・危険性・迷惑性の高い違反に重点を指向した違反駐車取り締まりの推進状況について、お伺いします。

 

 歩行者の安全確保、公共交通に支障をきたさないことを前提に、規制緩和の要望地域等をどこでどのように集約されているのか以上を警視総監に伺います。