
平成22(2010)年6月16日
たきぐち 学 (荒川区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
私は、都議会民主党を代表して、第三十号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」に反対、他の知事提出議案には賛成の立場から討論を行います。
まず、第三十号議案についてです。
私たちは、これまで、子どもたちをめぐる携帯電話を介したインターネット上の有害情報や、書店における図書類での性表現などに関して、多くの現場を視察し、現状把握に努めてまいりました。そして、青少年の健全育成に共に協力していく皆さんと意見交換を重ねて行うとともに、出版関係四団体で構成する出版倫理協議会に対し、青少年の健全育成により一層の努力を行うよう求めました。
私たちは、青少年が成長する中で自らを高めていく、成長感覚を養う教育も大変重要であると考えています。子どもとメディアの問題に関して、保護者が家庭でルールをつくるなど自己責任を持たねばという気風が生まれつつあることから、社会全体で、メディアに対する受容環境を制御していくことも極めて大切と考えています。そして、性的虐待を受けた子どもたちへの心身の回復などの支援にも重きを置く、総合的な取り組みが必要だと認識しています。私たちは、今後も青少年の健全育成のために真摯に取り組んでまいります。
一方、石原知事は、改正案を議会に提出してから、実は精読していなかったと告白するとともに、「非実在青少年」という言葉は訳がわからない、どんどん変えるべきだと発言され、結果、提出者としての自覚も責任感もないことが明らかになりました。更に今回、賛成を表明していた会派からも修正案が提出され、都議会のほぼすべての会派が改正案に少なからず問題があると認識していることを示しました。条例改正が、真に青少年の健全育成に資するためには、今まで以上に幅広い議論が必要であると考えます。
また、私たちは、知事自らが不備を認める議案、改正案は撤回し、再度、責任の持てる案を提出するよう求めており、本議案には反対するものです。
次に、第百十六号議案「平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)」について述べます。
本補正予算案は、昭和四十八年以降で最小規模の増額補正となっており、今回は、緊急対応が必要なものに限って予算上の措置をするとしています。
そこでまず、東京マラソンの法人化について述べます。
東京マラソンの運営主体として東京マラソン財団を設立するにあたり、基本財産への出資金、八億円が計上されています。
監理団体の見直し・統廃合が進められるなかで、新たに設立される財団においても、法人化後に、税金の無駄遣いが生じ、都民の信頼喪失を招くことは絶対に避けなければなりません。そのためには、健全な運営が為(な)されているかしっかり検証するための情報公開が必要です。現状では、情報公開がなされないため、基本財産八・八億円の積算根拠の前提となる大会運営経費の妥当性が検証できません。しかし、たとえ法人化されても、都の監理団体指導基準では、一億円未満の契約は情報公開の対象になりません。財団は、都が基本財産の九割を出資し、公道を利用した独占的な事業を行います。こうしたことからも、適切に運営されているか検証ができるよう、都の監理団体のミニマム基準以上に積極的に契約内容や契約金額等を公開し、透明性の向上を図られるよう強く求めるものです。
また、都からの天下りや、理事会構成員の偏(かたよ)った人選のない自律的な経営により、大会運営を効率化し、運営費の見直しを確実に行うとともに、都が基本財産以外に毎年出資する補助金一億円や派遣人員の財政負担に関しても、軽減を図っていくことを合わせて求めるものです。
健全な経営のもと、新たな事業展開が行われることで、東京マラソンがさらに発展し、八億円の補正予算が結果として都民に大きな還元となることを期待します。
次に、財団法人東京都道路整備保全公社からの寄附に関して述べます。
包括外部監査報告において公社は、都有地の駐車場運営などの収益が原資となっている三十億円以上の積立金が、「将来の使途が明確でない特定資産」であり、公益法人認定で遊休財産制限に触れる懸念があるとの指摘を受けました。この指摘から公社は、事業計画を変更し、公益事業として都に十億円を寄附するとしたものです。
今回の寄附問題は、監理団体が行うべき適当な事業、そして公益事業とは何かを、改めて考える機会でもあります。都は、監理団体が行うべき事業は、民間市場が未成熟で、現時点では、民間にゆだねては都民に必要なサービスが十分に提供されないおそれがあるものとしています。今後の市場の動向をも踏まえ、こうした観点から監理団体を不断に見直し、民営化や情報公開など、適(てき)宜(ぎ)適(てき)切(せつ)に対応されるよう求めるものです。
次に、第百十八号議案「東京都組織条例の一部を改正する条例」について述べます。
都はこれまでも「スポーツ振興基本計画」を改定し、スポーツ都市東京の実現を目指して、取り組みを行ってきました。そして今回、スポーツ関連部署を統合し、新たに条例局、スポーツ振興局を設置するとしています。
現在、全くスポーツを行わない都民が二割を超え、「仕事、家事などが忙しく時間がない。機会がない」とされている中で、健康増進などの効果を都民に浸透させ、企業などにもその重要性を周知させていく取り組みが求められています。
また、スポーツ振興と多摩や島しょの地域振興の観点から、平成二十五年に開催される東京国体・全国障害者スポーツ大会の成功が期待されています。
スポーツ振興局は、これらへの貢献が期待されているわけですが、今後の事業の進捗を踏まえ、一定の段階で改めて設置の意義を再検証する必要があると考えます。
次に、第百二十一号議案「東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例」について述べます。
都立高等学校の授業料無償化に当たって、都は、生徒間の負担の公平性から、高等学校等を卒業したことがある者、また、休学・留学、傷病療養(しようびようりようよう)の場合を除き、全日制で三十六ヶ月、定時制で四十八ヶ月を越えて在学している者は、授業料徴収の対象者とするとしました。
高校無償化は、全ての子どもに「学習権の保障」を与えるという理念のもと、実施された政策です。都が授業料を徴(ちよう)収(しゆう)するとした対象者の授業料分は、国庫負担の対象にはなっておりませんが、在学生に格差を設けないといった理由等で、条件なしに全員(ぜんいん)授業料(じゆぎようりよう)不徴収(ふちようしゆう)とする道府県もあります。出席時数不足(しゆつせきじすうぶそく)や成績不足などで留年する生徒は授業料徴収対象となりますが、そのような事態になる背景には様々な理由が考えられます。全ての子どもの「学習権の保障」という観点から、そのような生徒達に対してもその事情を精査し、適切に対応されるよう求めます。
以上、都議会民主党を代表しての討論を終えます。