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定例会報告

総括質疑 山口拓

  山口議員   

平成22(2010)年3月12日

 

山口 拓(世田谷区)
 
 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。  

 

 

 

 

 

 

 

  1. 築地市場の移転問題について
  2. 新銀行東京について
  3. 京王線について

 

 

 

1.築地市場について

 

はじめに本題に入る前に論点を少し整理させていただきたいと思います。

1.土地取引で土壌汚染は瑕疵として扱われる。

2.瑕疵には程度があるが土壌汚染の場合は土壌に含まれる有害物質の量と性質で決まる。

3.ただし汚染を明らかにするためには大掛かりな調査をしなければならないので調査の仕方が重要になる。

4.つまり調査をどれだけ厳しく行うかで結果として瑕疵の程度が決まる。

5.実際の取引では、買主が優位なときは厳しい調査が行われ、売主のほうが優位な場合は甘い基準で調査がされる。

 以上のことを意見として表明させていただいた上で、今回、計上されている豊洲用地の取得についていくつか質問させていただきます。

 はじめに平成17年5月31日に都と東ガスで交わされた「豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書」についてお聞きします。

Q1.この確認書を読みますと、東ガスによる土壌汚染対策は環境確保条例第117条に規定された調査に基づき計画され実行されるとありますが、ここでいわれている環境確保条例における東京都土壌汚染対策指針は何年度の指針に準拠したものでしたか。伺います。

 

Q2.この確認書の調印者には環境局長は含まれていましたか。

 

Q3.では環境局に伺いますが、この確認書が準拠する平成13年に改定された都の土壌汚染対策指針と平成17年の確認書の調印の間に、都の土壌対策指針は改定されていますか。また土壌対策に関わる法律について国も含めて何らかの変化がありましたか。

 

Q4.なぜ、平成17年に環境局長も調印に加わった確認書が平成15年の指針ではなくてそれよりも平成13年の指針に準拠されているんですか。

 

Q5.さらに土対法が施行されて以降、民間では土対法を基準に取引がなされています。買主である都とすればもっとも厳しい基準を採用することがもっとも土壌汚染のリスクを回避できる契約実務のあり方だったのではないですか。

冒頭整理させていただいたように土地取引において土壌汚染は瑕疵です。その瑕疵を事前に認識していながら、あえて甘い基準である13年の指針を採用したとなると、これも冒頭述べましたが、この取引においては買主である都の立場は著しく弱く、売主である東ガスの立場が極めて優位であったということになると思いますが、いかがですか。

 

Q6.今年1月5日の朝日新聞で「築地市場移転 汚染処理、都だけ負担も 東ガス義務規定なし」という見出しの記事が掲載されました。

その内容は、「都は平成2004~05年土地を購入する前の03年、土壌汚染対策に関すると条例の指針が改正されたにもかかわらず。同社に旧指針のままの調査を認めて土地を買ったことに疑問の声が上がっている」というものでしたが、都は、翌1月6日には「豊洲新新市場予定地の土壌汚染に関する朝日新聞記事について」という反論ペーパーを作成しています。

そのなかで、都は、この記事の13年指針を適用しているのはおかしいという主張に対して

1.東ガスの調査は平成13年度当時の指針に基づくものであるが、その後平成19年度から20年度に「詳細調査」を実施済みである。

2.15年指針が作成されたときはすでに東ガスは13年の指針に基づく調査対策に着手していたために指針を遡及して適用することはできない。

と反論しています。

しかし、「詳細調査」を実施したのは合意書や確認書に基づく調査ではありません。つまり後々の結果であって、指摘されている確認書の内容の不備とは関係ないのではないでしょうか。

また、すでに東ガスが15年の時点で調査対策に着手していたので遡及して適用できないとのことですが、それは東京ガス、つまり売主の都合であって、買主の都としては、最新の指針に基づく調査を主張すべきだっのではないでしょうか。

併せて、伺います。

 

Q7.さらに、平成14年に結んだ「豊洲地区開発整備に係わる合意についての確認」では、「各地権者は、条例に基づき従前の所有地に対して、責任を持って土壌汚染に係わる調査を行う」とありますが、何時の条例に基づいて調査を行うのかは規定されていません。

ならば買主としてはそのときの直近の基準を持って文章を交わさなければ、おかしいのではないでしょうか。

ましてや条例改正の当事者である環境局長が調印しているわけですから、あきらかに寛容すぎる売主に対する配慮ではないかと考えますが、伺います。

 

Q8.都は平成14年の土対法公布の時点で土壌汚染対策指針が大きく変わることは、その翌年に実際指針を改定しているわけだから当然認識していたはずです。

ならば、その時点で調査対策の変更を東ガスに要請しておけば済む話ではないでしょうか。そのことは、同文章に「社会的経済的状況等の大幅な変化により本確認内容を見直す」という規定もわざわざあるわけだから普通に要請できたはずです。

つまり、適用できなかったわけではなく、むしろ積極的に旧指針を適用することで東ガスの経費負担を軽くしたと見られても仕方がありません。

仮に、このことが同基本合意にある「土地区画整理事業の事業費については、全地権者間の最終合意時までに一層の縮減に努める」という条項の履行をさすものとしたら、公的な立場からすれば都民の安心安全を犠牲にした私企業への不適正な便宜供与であるし、買主という立場からすれば、その支払いをする納税者に対する明らかな背任行為になるのではないでしょうか、伺います。

 

Q9.さらにこの記事では、「01年(平成13年)の指針による汚染の調査や処理の手法は03年(平成15年)に改定された指針に劣らないため、新指針で評価する必要もなく汚染の見落としに当たらない」とのコメントが付されています。

そこで確認しますが、01年指針は、03年指針に劣らないのか。これらの指針は、何が、どのように違うのか伺います。

 

Q10.東ガスの調査によって地表でベンゼンが検出されていた88箇所については、平成15年の指針ではすべてのポイント(0.05ppm以上のガスが検知されたところ)でボーリング調査が義務付けられていたのに対し13年指針では10箇所(1ppmのガスが検知されたところ)の調査にとどまってしまい、結果として土壌汚染の実態解明を大きく遅らせてしまったという指摘があります。

土地の買主としての中央卸売市場長にお聞きしたいのですが、その後行われた専門家会議による詳細調査の結果を踏まえてなお、記事にあるように03年指針で調査をしても01年指針と同じ結果になったと断言できるのでしょうか。

 

Q11.確認書の調印者には当時の環境局長も含まれていたことは先ほど指摘しましたが、そのときの局長とはちがう環境局長が後の予算特別委員会で「中央卸売市場の土壌汚染対策計画が確実に実行された暁には、法律や条令が求める安全を十分に確保できると宣言できる状況にあると考えている」と答弁しました。

環境局に伺います。専門家会議を経て結果として中央卸売市場の計画していたものとは全く異なった対策がされることとなった現時点においても、当時を振り返り同様な「安全宣言」ともいえる答弁ができるのでしょうか。

 

Q12.都は先日、実証実験の結果を公表し「豊洲の土壌汚染除去可能」と胸を張りました。しかし、私としてはこのこと自体に強い違和感を覚えます。

都は買主です。繰り返しになるが買主であれば普通は厳しい調査を求めていく立場にあるはずです。にもかかわらず、まだ購入さえしていない土地に自ら進んで実証実験を行い「安全」の墨付きを与えるのは如何なものでしょう。都はいま東ガスと土壌汚染対策費の費用負担を売主に求める協議をしている最中ではなかったですか。根本的に買主の自覚がないのではないか伺います。

 

 

2.新銀行東京について

 

それでは、新銀行東京についてお伺いをしたいと思います。

Q1.平成二十年の第一回定例会でも、知事の発言によるもろもろの責任とは、もろもろであるとお認めをいただきました。知事の考える、今現在のご自身の責任について、どこに、どのようにお感じになられているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。

Q2.今、旧経営陣のお話が出ましたが、かじ取りという言葉を使われましたが、そのレールであるマスタープランをつくったのは、これは極めて危険な下り坂でもあったレールかもしれません、これをつくった責任というものがそもそも伺えないというのは、大変残念なことであります。
 しかも、足かけ四年、都にとっても今回の訴訟というのは、待ちに待ったものであったでしょう。ようやく責任の所在の一部が明らかになる訴訟でありますから、知事、これを機に、ぜひこの訴訟についてのご見解、ご所見をしっかりと明らかにしていただきたい。都民は、強い姿勢の知事をぜひ待っていらっしゃると思います。お伺いをしたいと思います。

Q3.さて、その自主返還を求められた旧経営陣の七名の方について、その動向に注目が集まっているところでありますが、いまだその返納額や時期、そして未返還かについては示されていないわけであります。
 知事、先日の特別委員会で、東京都は、返還されていない方がいることを把握している事実をようやく明らかにしてくださいました。都民からすれば、これの方がよっぽど銀行にとって不良債権に近いのではないかと、そうも思うわけでありますが、都は、これを明らかにする責任があり、これは経営には何ら悪影響がなく、むしろ都の姿勢を明確に示せるものと考えますが、見解を伺いたいと思います。

銀行の最大の業務は、融資をしっかりすること、そして回収をすることも、これは大切な仕事であります。その回収を身内からできないというのはいかがなものかと思いますが、次の質問に移らせていただきたいと思います。

Q4.万が一、返納されていない方が、裁判の推移を見て判断をしようとしていたり、様子をうかがっているとしたのだったら、これはとんでもない話なのです。そうでないと信じたいところであります。
 さて、四百億の追加出資から二年がたちました。四百億はどうなったのかというのは、これは大きな都民の関心事です。そもそも四百億円は、中小企業のために、そして都民のためになったのでしょうか。
 そこで、新銀行東京の経営状況から資本を見てみると、自己資本比率は、三一・六一%と他行と比べて極めて高く、しかしながら、再建計画で規模は縮小していきます。再建のために必要とはいえ、ここまで自己資本の確保が本来の目的であったのでしょうか、お伺いをしたいと思います。  

Q5.それでは、三年たった今、その検証はどうなされたのでしょうか。監理室としては、適切に使われ、そして四百億円が必要だったと折り返しの今でもいえるのか、お伺いをしたいと思います。

Q6.さて、知事にとって最後の予算提案となる今議会においても、まだ新銀行の将来性についても、また、将来設計の取り組みがなされているような気配すら感じられない予算であります。
 また、知事がいらっしゃるうちに計画策定に入り、おやめになられるまでの将来像と計画をお示しになられなければ、一体だれが引き継ぐというのでしょうか。局や、まさか新しい知事にほうっていくわけではないと思いますが、その所信についてお伺いしたいと思います。

Q7.知事から大変興味深い言葉をお伺いいたしました。もうオファーが既に来ていると。銀行からは何ら示されないのに知事のお耳に入るというのは、さすがは知事だと思います。どういった今オファーが来ているのか、ぜひ都民の皆さんにお聞かせいただきたいと思います。

都はどこに軸足を置かれているのかということが、再三不思議でなりません。旧経営陣をしっかりと追及しようという立場になるならば、しっかりとこの七人にもその責任を問うべきでありましょうし、都民の税金を大切に使うんだというのであれば、早目早目に計画をしっかりと示して都民に安心感を与えるのも、これも一つでしょうし、一つ一つがしっかりと示されない今、なおこれは、特別委員会を設けてでもしっかり質疑がされていかなければいけない。このように申し上げておきたいと思います。

 

 3.京王線について

 

京王線についてもお伺いさせていただきたいと思います。
昨年十一月、東京都は、京王線の笹塚駅からつつじヶ丘駅間の連続立体交差と複々線化の都市計画素案に関する地元説明会を行いました。この計画に関して、幾つか伺います。

計画区間である京王線の笹塚駅付近から仙川駅付近には二十五カ所の踏切があり、そのすべてがピーク一時間当たりの遮断時間が四十分以上の、いわゆるあかずの踏切となっており、交通渋滞や地域分断が極めて深刻な状況にあります。このため、連続立体化の早期実現が地域の喫緊の課題であることは、私も十分理解しております。
 しかし、複々線化については、運輸政策審議会答申第十八号において、今後整備について検討すべき路線として位置づけられているものの、高齢者人口の増加など今後の人口動向を踏まえると、かつてのように旅客需要の大幅な増加が見込めない状況にあります。地元住民の中には、混雑緩和の観点から、複々線化の必要性について疑問を持ち、複々線化を前提とした連続立体交差事業の検討を行うことは、不適切ではないかと感じていらっしゃる方もいます。

Q1.そこで、都として、今回、複々線化を前提とした都市計画変更を行う必要性について伺います。

この京王線の問題については、まだまだ地域住民の方々が心配されている点が多々あります。今後も、質問をしっかり重ねてまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。