
平成22(2010)年3月3日
神野 吉弘(品川区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
まずは、これまでも品川区選出の先輩議員の皆さんがたびたび質問し、その問題点を指摘してきた首都高品川線についてであります。
平成16年以来、五反田地区の30町会が合同連絡会を結成し、五反田換気塔建設反対を訴えてきました。あれから6年、当初の計画から比べれば、換気塔には除塵・脱硝装置が装備され、有害物質の約8割が除去されるようになった。換気塔のサイズもスリムになり、当初から比べれば威圧感も少なくなった。これまでの都の努力は十分評価するわけですが、この連絡会の主張はあくまで換気塔の廃止。地域エゴによって道路の建設反対を訴えているわけではなく、「私たちは、子や孫に大気汚染を残したくない」のスローガン通り、無公害道路の実現を求めているわけです。
先般発表された東京都の「10年後の東京への実行プログラム」を見ますというと、「美しいまち東京の復活」「世界で最も環境負荷の少ない都市の実現」「都市の魅力の実現」といった美辞麗句が並んでいるわけですが、これまででも39本、首都高品川線や外環道などでこれから18本もの異様な煙突が東京の街中に林立するわけであります。これで果たして美しいまちの復活になるのでしょうか。そもそも有害物質を空中高く吹き上げるという考え方そのものが、時代に逆行するものであります。健康被害が予測されるが放置するでは、不作為の作為であると言わざるをえません。これで果たして世界で最も環境負荷の少ない都市の実現になるのでしょうか。過去の水俣・四日市等の教訓からも、有害物質は大気拡散ではなく、その発生源で除去する総量規制が公害防止の基本であります。有毒排気ガスをばら撒く地上道路に比べて、トンネル道路はガスの制御が可能であります。都は、「住民の健康第一」「環境第一」「環境立国日本の先頭に立つ」の気概を持って換気塔建設を再考すべきでありますが、都のご見解を伺います。●1
東京都は、換気等を作る理由の一つとして、万一のトンネル火災発生時、高熱の火災混じりの煙を高さ45mの煙突から排出することができるので、周辺の安全を守ることが出来るということを挙げています。しかし、トンネル内での火災発生に際してそんな危険な煙が発生するなら、五反田にできる高速入り口近辺で火災が発生した場合には、その入り口から煙が噴出し、周辺住宅に大きな危険が生じることになります。東京都は、その対策も含め住民に何も告知をしていません。トンネル内での火災発生時の消火対策はそんなに脆弱なものなのか。また、高速入り口周辺に対する危険対策をどのようにお考えなのか。見解を伺います。●2
また、換気等は1本ではありません。首都高新宿線を含めると、約20キロの間に20本の煙突群がほぼ南北に連なるわけであります。都の説明によると、五反田換気塔単体での空中拡散による沿道の大気質の影響のみを論じるわけですが、例えば強い北風の時は有毒排気ガスが品川区に集中降下するおそれがあるわけです。都は換気塔建設のもう一つの理由として、今後エコカーがどんなに普及したとしても大型車両の対策が遅れるため、トンネル道路の排気ガスに含まれる有害物質はなくならない。だから大気拡散が必要だと主張するわけです。しかし換気塔から拡散させても、有害物質を吸わせるのが沿道住民から周辺住民に変わるだけで、結局都民に有害物質を吸わせることには変わりがないわけであります。解決策は、今後のエコカー普及を加速度的に早める対策を都が講じれば良いだけの話。ディーゼル規制の時のように、財政措置を伴った大型車の対策強化を行えば、有害物質を100%抑えることができるわけです。その可能性を見越せば、換気塔を建設しないで済むわけです。換気塔中止についてのご見解を伺います。●3
地元合同連絡会では、平成18年に換気塔をなくす技術アイデアの一般公募を行いました。換気塔建設にただ反対するのではなく、予算の乏しい中、優秀賞には50万円の賞金を付けて全国からアイデアを募るという、この種の活動では極めて斬新な手法を使ってでも換気塔をなくしたいという熱意の表れであるわけです。優秀賞には、例えば土を通して有害物質を除去する土壌脱硝、霧状の水をトンネル内に常に散布して有害物質を文字通り水に流してしまうといったアイデアなどユニークな意見が見受けられたのですが、中でも地元の期待を集めたのが、石油や天然ガス輸送に使うパイプラインのような高強度の鋼管を使って、有毒排気ガスを遠方まで送って一括処理をするというアイデアでした。しかし都の回答は、実績がない、今からでは間に合わない、有毒ガスの無害化は現在の技術では不可能と、環境都市を目指すとした東京都の気概が一切感じられない結論だったわけです。実績がないからできないでは、何の前進もありえません。都はこの地元から挙がった技術提案に前向きな姿勢で臨んだのでしょうか、どんな検討を行ったのでしょうか、お伺いします。●4
次に、既に着手している五反田換気所の工事について、地元が抱いている懸念に関する質問をさせていただきます。
今回の換気所設置のための掘削工事は、山手通り沿道建物から直近5m、かつ建物の地下杭の長さの2倍以上の深さに達するものであって、周辺住民の最大の懸念は不同沈下によって建物が傾いてしまうことであります。この不同沈下の有無を継続的にチェックし、その情報を地元住民に公開する方策を伺いたい。さらに、この不同沈下に対する防止策を講じることは都として当然のこととして、工事に絶対安全はないと考え、2次工法つまり万一の沈下復旧対策を当然研究してあるはずと考えるが、その工法を伺いたい。●5
本工事の地盤は、軟弱かつ大量の湧水が出ることを地元は分かっているわけですが、工事における大量湧水対策を伺いたい。●6
平成22年度予算案における都税収入は4兆1,500億。前年度に比べて6,000億の大幅な減収を受けて、都の財政は大変厳しい状況に陥っているわけであります。
しかしそれ以上に大変な状況にあるのが、納税者たる東京都民。長引く不況の中でも、粛々と納税をされているその姿には頭が下がる思いであります。この光景が生み出されるのは、納税を果たさなければ罰せられるといった法律の力があるからでしょうか。決してそうではありません。政治不信が声高に叫ばれる中にも、都政に対する確固たる信頼感あったればこそ。百の法律を作り、千の立法を為すとも、都民のこの信頼感を醸成することはできないはずであります。ならば、東京都も自らの財政事情を嘆く前に、納税者たる都民の立場を考えるべきであります。納税者の苦境を推し量るべきであります。法律の力に依らない部分での都民の信頼に応えるためには、東京都も法律の規定を盾にして逃げるのではなく、己の仕事の増加を厭わず、真に納税者の立場を考えた都税の制度を作るべきである。その観点から、東京都の税制度について何点かの質問をさせていただきます。
初めに固定資産税についてであります。
共有の固定資産に対する固定資産税の納税通知書は、現行制度では誰それ外何名として告知されている。例えば親からの相続や、その他の理由で共同購入によって取得した不動産では、登記簿上の筆頭所有者に対してその物件全体の納税通知書が送付され、共有者への徴税はその筆頭者に委ねられてしまっている。一つの不動産を共有している当事者同士であっても、その人間関係また地理的な状況は千差万別であり、納税通知書が送付された当事者が立て替え払いをして固定資産税を納付しても、その立て替え分を徴収する際に多大な負担が生じているのが現実であります。当局は、共有の不動産にかかる固定資産税は、民法によって連帯納税義務が課されているため、民法が改正されない限りその取り扱いを変えることができないというご意見でありますが、これは都の徴税面の容易さを担保するための説明としか思えない。本来徴税者である都が行うべき業務を、納税者に肩代わりさせてしまっているわけであります。納税者の利便性を考えるなら、共有の固定資産については、その共有者ごとに課税標準および税額を計算し、それぞれに納税通知書を送付すべきであります。納付されなかった税額について連帯納税義務を主張するならいざしらず、連帯納税義務を理由として共有者に徴税業務を負わせるのは、極めて一方的なやり方ではないかと思われますが、ご見解を伺います。●1
続いて固定資産税の審査申し出についてであります。固定資産税は申告課税とは異なって賦課課税であります。つまり東京都が評価を行い、税額を算定して課税をする。であるからには、課税客体である土地・家屋の評価を行うにあたり、十分に個別の要素が勘案され、きめ細かな配慮が行われる必要があるわけであります。しかるに土地にあっては、地価公示価格の7割を基礎として算定した評価額に、負担調整率をかけて課税標準額が算定されている。1筆1筆の個別要因が十分その評価に反映されているわけではないのです。家屋にあっても、その再建築価格に経年減価補正率をかけて課税標準が決定されているわけですが、この経年減価補正率は、家屋の減価償却に比べて減価の割合が遅いうえ、残存価格が残り2割で据え置かれ、例え耐用年数を過ぎても減額されないという不満の声を良く聴くわけであります。納税者は、その評価額に不満がある場合には、3年に1度の評価替えの年度において、評価審査委員会に審査の申し出を行うことができるわけでありますが、いただいた資料によるとその件数は、平成21年度で土地にあっては332件、家屋にあっても185件と、約260万件の課税件数に比べて非常に少ない。巷の不満に比べてあまりにも少ないのであります。その理由として考えられるのが、審査申し出を行うことに対するハードルの高さではないでしょうか。当局は評価に対する問い合わせに対して窓口で対応をしていると言われるが、審査申し出をしても無駄ですよとの指導では、納税者の申し出の気持ちに水を差すことになる。納税者サービスの意味からも、審査申し出がもっと気軽に行えるよう指導をすべきだと考えますが、ご見解を伺います。●2
また現行の3年に1度の審査申し出ではなく、納税者が不審に思ったらいつでも申し出が行えるよう、制度改正すべきと思いますが併せて伺います。●3
次に、これまでにも何度も質問がなされているわけではありますが、現在の中小企業の現状をみるにつけ、事業税の繰り戻し還付について改めてお伺いをしたいのであります。平成21年4月1日から平成24年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金について、法人税では欠損金の繰り戻し還付の制度が復活しております。これまでの質疑でも明らかなように、事業税における同制度の導入にはハードルが高いことも承知をしています。しかし、今はまさしく緊急事態であります。中小企業支援は、その資金繰りを支援することが大切だとの見解は、新銀行に関する質疑でも都は再三繰り返しているじゃないですか。事業税の繰り戻し還付の導入について改めてご見解を伺います。●4
最後に都税事務所の納税者管理についてお伺いいたします。国税を司る税務署では、税理士・公認会計士が納税者の税務代理を行っている場合には税務代理権限証書を提出させ、調査や問い合わせについて、納税者本人に通知を行う前に、その内容に詳しい関与税理士・会計士に必ず事前通知を行うことになっている。しかし都税事務所では、その対応が徹底しておらず、関与税理士・会計士に連絡する前に納税者本人に連絡をとってしまい、無用の混乱を生じさせるケースが多々ある。当局は、税務代理権限証書の提出があれば事前通知を行っているとのことだが、都税事務所によっては税理士・会計士に対して積極的にその証書の提出をお願いしていないのが現状である。都は混乱を防ぐためにも、各都税事務所に対してこの権限証書提出の周知徹底を図るべきだが見解を伺いたい。●5