平成22(2010)年3月3日
西沢 けいた(中野区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
OB職員の再就職いわゆる天下りについて伺います。
近年、都民から公務員の待遇に対しての厳しい声が高まっております。国での官僚の天下りあっせんに対しては特段に厳しい声があがっているのが現状です。
こうした中、私はある局に「東京都では再就職のあっせんを行っていないか」と聞きますと、「東京都ではあっせんはしていません」とのお答えでした。しかし、「あっせんはしていませんが、問い合わせがあれば紹介はしています」ともお答えいただいたわけであります。まさに、これこそ“あっせん”と言うのではないでしょうか。職員の方が退職し、自らハローワークに出向いて、たまたま再就職をした団体が結果として東京都と関係があった、ということならばまだしも、団体からの問い合わせを受けて、職員を紹介するというのは天下りのあっせんといわずして何というのでしょうか。先の第四回定例会でも、築地市場の豊洲への早期移転を求める要望書を提出された団体へ都庁OBが天下りをしている、このことが移転問題に何らかの影響があるのではないか、ということが議論になりました。この要望書を提出された団体へ、天下りが本当にあったのかを局にお聞きしました結果、「監理団体でも報告団体でもないので実態を把握しておらず、人海戦術で一軒一軒電話で確認して実際に天下りがあったということをようやく確認した、今後同じような調査を続けるのは難しい」ということでした。ここで問題なのは、これほど東京都の事業と密接に関係する団体であるにも関わらず、再就職情報を、東京都が容易に把握できる状況ではないということです。さらにOB職員を、関係団体からの求めに応じて東京都が実際に紹介している、すなわち事実上の「あっせん」が行われているということであれば、、「実態を把握していない」という説明では、なおさら都民は納得できないのではないでしょうか。東京都での勤務経験、能力を、民間でも発揮されるのは大いに結構なことだと思いますが、監理団体、または報告団体であるかどうかにかかわらず、少なくとも東京都の事業と密接に関係する団体への再就職情報は、きっちり把握しておくべきだと考えますが、見解を伺います。●1
これまで、監理団体や報告団体の天下り状況の公開は、少しづつ進んできているところかと思います。また、石原知事就任直後には、監理団体の退職金を全廃する積極的な改革を進めて来られたと考えております。しかし、改革を進めて来られた中で、監理団体を削減して、報告団体に衣替えをした団体も数多くあります。平成11年から、監理団体は31団体削減されてきましたが、そのうち21団体は報告団体となりました。その結果、監理団体の数は減っているのにもかかわらず、報告団体の数は一時期増え、平成17年度以降は横ばいです。また、報告団体への天下り人数は平成21年度で20名となっております。監理団体の退職金は廃止されている、そうした中で、報告団体の退職金はどのようになっているのか。私は議会局を通じて、各局へ報告団体のOB職員への退職金の支払い状況を調査しました。その結果53の報告団体のうち13団体で退職金を支払っているという実態がわかりました。これでは、監理団体という退職金の出ない団体から、退職金の出る報告団体へと、改革の名のもとに衣替えしたと言われても仕方がないのではないでしょうか。さらに11団体は回答を拒否しているという状況で透明性も確保されておりません。いくら監理団体と報告団体とでは都の関与の度合いに違いがあるといっても、公務員の待遇に批判が高まる中、このままでは都民の理解を得られないと思います。報告団体の退職金も廃止してはいかがでしょうか。見解を伺います。●2
オリンピック・パラリンピック招致活動について伺います。
先日、580ページにものぼる招致活動報告書が作成されました。この報告書には、「日本がオリンピック・パラリンピック招致に再び挑戦する際の海図として活用されることを目的としたものであります」と書いてあります。再招致にも言及されているわけですから、曖昧な内容など、都民が納得できない答弁であれば今後の招致の是非にも大きく影響するとお考えいただいた上で明確にご答弁ください。●1
今回の招致活動費は東京都の招致本部と、NPO法人である招致委員会で75億円づつ、2つの団体を併せて合計150億円の招致費用が使われる予定でした。招致委員会の予算75億円のうち、25億円は東京都からの補助金であり、都民の皆様の税金であります。50億円は企業などからの寄付や協賛金で賄う予定だったものの、経済の悪化によって、予定していた収入は集まらず、結果として6.9億円が赤字、民間企業から借り入れるとのことです。
招致委員会は、この6.9億円の赤字について、委員会が今後行う事業収入で補い、都税で補填することはないとしています。そうであれば、当然、招致委員会自身が自らの責任で今後の返済計画、そして、その前提として事業収入の見込みがあるはずと思いますが、具体的な説明を求めます。●2
また、逆に事業に失敗して返済がさらに遅れる場合どのように対応するのか。お答えください。●3
この報告書は、既に2020年のオリンピック招致を目指すことに言及しております。うがった見方をすれば、招致委員会を存続させ、もし2020年のオリンピック招致を行うことが決まった場合、東京都から改めて招致委員会に補助金が投入されれば、結果として都税での補填になりかねませんが、見解を伺います。●4
今回、私ども都議会民主党としてもオリンピック・パラリンピック招致検証ワーキングチームを発足させ、意見交換やヒアリングを繰り返し行ってまいりました。150億円の招致活動費の使われ方を検証する際の資料要求に対しても、NPO法人である招致委員会は別団体であるとの理由で要求に応じていただけないケースがしばしばございました。しかし25億円もの都税が投入された団体のお金の使われ方を、都民の代表たる議会がチェックできないというのは納得ができません。招致委員会をNPO法人として設立して招致活動を行ったことをどのように評価しているのか、また次回招致を目指すことになったとしたら今回と同様な組織形態で活動すべきとお考えでしょうか、伺います。●5
この報告書と同日に発表された監査結果でも、招致本部による特命随意契約の91%が電通との契約であり、慎重にすべきとの指摘がありました。招致委員会を併せた招致経費150億円全体の中でみても、そのうち53億円以上がほとんど随意契約で電通と契約をしている実態があります。こうした電通との関係を様々指摘される中、私ども都議会民主党は文書にて電通にいくつかの質問をさせていただいたところ、招致委員会の職員の中に電通からの出向職員が5名いたことがわかりました。招致活動のノウハウや人脈等それなりの理由があったのかもしれませんが、発注する側の団体に受注する側の企業が職員として勤務しているのは、公平・公正の点から、いかがなものかと考えます。特に電通が制作した最終プレゼンテーションに活用された10分間の映像が5億円もしたことについては高額ではないかと関心を集めました。電通からの出向職員を抱えていたことは、公平・公正な組織運営上、問題がなかったと考えますでしょうか。見解を伺います。●6
昨日の我が会派の代表質問において、2016年の招致における総括と課題についての質疑を行いました。
この時、知事は、「招致に向けた気運の醸成についても、都民・国民が自ら主体的に招致に賛同し応援していくことが大きな力となります」と発言されました。
しかし、2016年招致の現実は、世論の喚起に95億円を投入したにも関わらず、IOCの世論調査では、4都市中最下位の支持率の結果が出て、IOC委員の投票行動にネガティブなイメージを与えてしまったとしています。
また、報告書では、日本人の国民性や成熟国家日本の現状から、圧倒的多数の賛成を得るのは難しいと分析していますが、果たしてこれが総括として妥当なものだったのか。知事に都民・国民の納得できる敗因の総括を伺います。●7
次に、事業を検証するための新たな視点や手法の導入について伺います。
民主党政権のもと、国においては、「事業仕分け」の実施により、徹底した無駄の排除を進め、七千億円もの財源を生み出すなど、歳出削減の切り札として、一定の効果をあげました。4月には、公益法人や独立行政法人が行う事業について、第2弾として改めて仕分けを実施するとしており、そのあり方にまで踏み込んだ改革を進めることとされております。
「事業仕分け」のポイントの第一は、様々な事業の必要性について、外部の第三者によって、公開の場で議論されたことです。連日のマスコミ等の報道により、様々な事業への国民の関心が高まったのも事実であります。私が聞く多くの声も、「はじめて税金の使途や事業の効果についての議論を見聞きでき、関心が高まった」「新たな政治手法として、新鮮に感じることができた」というものでした。
ポイントの第二は、様々な事業について、そもそも必要なのか、必要ならば、国、都道府県、市町村、そして民間の中で、どこがやるべきなのかについて、役割分担の視点にもしっかり踏み込んで検証することであります。たしかに、そのプロセスでは、教育のあり方や外交など国家の基本戦略にまで関わる事業に、そもそも「事業仕分け」がなじむのかという見方や、科学技術関係予算を「見直し」とした判断結果などについて、いくつか課題が指摘されており、私自身も、今の仕組みがベストなものとは考えておりません。
しかし、「事業仕分け」における議論の中では、縦割りの弊害や事業の効果そのものについての疑問など、第三者の視点も加わることで、これまで行政内部の議論だけでは、明らかにされなかった本質的な課題も多く指摘されたのも事実であります。
この「事業仕分け」は、既に多くの自治体でも実施されております。すでに都道府県で12団体、市町村で34団体の取組が見られ、私も、実際にいくつか現場を傍聴してきました。昨年の12月に行われた広島県での事例として、広報費事業の例を紹介します。広島県では、テレビやラジオ、ホームページ等の媒体を使って県民と県内外へ県政情報を提供する事業を行っております。その中で今回の事業仕分けの問題とされたのは、年4回合計2万4千部の写真版広報グラフ誌を発行するというものです。仕分け人からの質問では、住民に伝えるべき情報を整理した上で、必要なものだけに費用をかけるべきであるという意見や、この写真版広報グラフ誌は民間の地域情報誌と役割が重複しているのではないか、という意見がありました。つまり、県政に関する情報よりも、付加的な情報の方が多かったのではないでしょうか。この広島県の事業仕分けでは、20件の事業を仕分けの対象とし、うち6件が不要だという結果が出ました。この結果に対する参加者、来場者のアンケートでは56.0%が妥当であると答えたようです。また、事業仕分け自体については82.9%の人が有意義であると回答し、72.0%の人は今後も事業仕分けを開催した方が良いと感じたようです。つまり、それぞれの事業において概ね県民の意見に沿って仕分けが行われていることが分かります。これは一例にしかすぎませんが、外部の厳しい指摘を受けることによって、施策を見直す新たな切り口を見出す必要性を痛感いたしました。
東京都ではこれまで、2度にわたる財政再建推進プランの取組により、あらゆる施策について点検、見直しを行うことで、八千億円以上の財源を確保し、財政再建を達成しました。その後も、事務事業評価の取組によって、毎年、継続的に施策を検証しており、22年度予算でも、施設整備や情報システムなど新たな分野にも切り込み、140件の見直しを行ったことは、高く評価できるものです。
ただ、一方で、包括外部監査報告で指摘された事業など、まだまだ見直すべき事業もあるのではないでしょうか。さらにもう一歩踏み込んだ、事業の見直しを進めるためには、行政内部による見直しに拘るのではなく、むしろ第三者から新たな視点で厳しく指摘をしてもらうことも十分に考慮すべきではないかと思います。
この先の景気の動向をみても、大幅な好転は期待できない状況にあり、都税収入もさらに落ち込むリスクを抱えています。都は、今の事務事業評価の取組をもう一歩も二歩も進め、その評価のプロセスに、外部からの視点も取り入れることなどによって、新たな切り口から事業を検証することが必要と思われます。
もう財政再建を達成しているからやらないのではなく、もう一段の見直しが必要だからこそ、新たな取組が必要なのではないでしょうか。自治体のリーダーであり、財政再建を達成した都だからできる、「東京都版事業仕分け」ともいうべき、事業を検証するための新たな視点や手法の導入について検討すべきと考えますが、見解を伺います。●1
最後に、1点だけ今回の定例会に提出されております、青少年健全育成条例の改正案についてお伺いします。
青少年が被害者となる悲惨な児童買春や虐待など、健全な育成を阻害するこうした行為を野放しにしていいわけがありません。また青少年育成において有害な情報が氾濫してしまうといったことも、当然なくしていかなければなりません。
青少年の健全な育成について、こうした議論を重ねていくことに異論を唱える方はよもやいらっしゃらないのではないかと思います。
こうした中で、今回の改正案には、「非実在青少年」という新たな概念が盛り込まれております。「年齢又は服装、所持品、学生、背景その他の人の年齢を想起させる自公の表示または音声による描写から18歳未満として表現されていると認識されるもの」これを非実在青少年というようでありますが、漫画やアニメのことをさすことと思われます。
過激な表現が描写されているものは当然規制するべきかと思いますが、こうした新たな概念が具体的にどのようなものかということが分からず、曖昧です。
解釈の仕様によっては、青少年を扱う漫画やアニメのほとんどが適用されてしまうのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃいます。
その他含め、出版物が有害かどうかを行政が判断することになることには慎重な意見もあります。
国での議論がこれから進められる問題でもありますが、見解を伺います。●1