
平成22(2010)年3月3日
関口 太一(世田谷区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
昨年の暑い夏のあの都議選。新銀行東京からは早期撤退する必要がある、と都民の皆様に何度も訴え、多くのご支持を頂きました。都民の皆様は、400億円もの税金を追加出資してまでこの銀行を存続させたことに大いに憤慨され、更には、税金が再度失われるのではないかと不安を抱かれ、投票行動に移されたと理解しております。
こうした都民の皆様の想いを胸に、新銀行東京についてお伺い致します。
先日、新銀行東京の第三四半期決算が発表されました。実質業務純益が17億円の赤字となり、赤字が続く状況から未だに抜け切れておりません。
一方で、昨年の秋、同じく中小企業支援目的で、東京都は新たな保証付き融資制度を開始しました。
これは、都と連携した金融機関に対しては、焦げ付きが発生した際には、9割を補てんするというものです。
市中の金融機関でも借りられず、信用保証協会の融資制度も受けられなかった中小企業への言わば、最後のセーフティネットとも言えるこの新たな制度は、中小企業支援には効果的なものであると考えます。
一方で、現在、新銀行東京は、これ以上損失の拡大が許されない中、中小企業に対しては信用保証協会を通じた融資を増やしていると耳にします。これでは、普通の銀行と何ら変わらず、新銀行の存在意義はどこにあるのかと、誰しも考えるでしょう。
また、新銀行東京はこの新たな融資制度の取扱銀行として名乗りを挙げたものの、財務の健全性などの基準を満たさないとして除外されたと聞いています。
その結果、中小企業は新銀行を通じでは、新たな制度を利用できないこととなり、どう考えても、新銀行の存在意義が失われていると言わざるを得ません。
融資による中小企業支援を出来ない新銀行と、融資による中小企業支援を行う新たな保証制度という、言わば、同じ目的を持った二つの事業は、国会なら、まさに仕訳の対象となり、ムダと判定されるのは、どちらと言えば、一目瞭然の状況ではないでしょうか。
融資による新たな中小起業支援の制度が整備され、しかも、そこに新銀行東京が加われない中で、この銀行は何の為に存在しているのか、東京都の見解をお尋ねします。●1
新銀行東京からの早期撤退という主張は、私個人の公約でもあり、また、我が都議会民主党の公約でもあります。
一方、石原都知事は、撤退すれば10万人を超す人たちが路頭に迷うと言い放たれるばかりで、我々の主張には一切耳を傾けません。ここで、率直な疑問を申し上げたいのですが、新銀行東京から撤退をして、果たして10万人の人が路頭に迷うことなど、あり得るのでしょうか。
現在、新銀行から融資を受けている企業の中で、約束通り返済を行っている企業、すなわち返済能力のある企業は、他の民間金融機関が引き受けるでしょう。
そして、残念ながら、他の金融機関の引き受けがなかったとしたなら、国が支援を拡大した信用保証協会や、ましてや、都の新たな制度というセーフティネットがあり、これらを通じた支援も可能であります。
都知事選まであと1年となります。石原知事が出馬されるのかどうか、明らかにされておりませんが、いずれにしても、この銀行をどうするのかという明確な方向性を都民に示してもらわなくてはなりません。仮に石原知事がいなくなったとしても、新銀行は残るのです。知事が、ややこしい問題は次の人に丸投げするといった、いい加減な対応はされないと思うがゆえに、お尋ねします。
信用保証協会の枠が拡大され、更には、都の新たな保証制度も整備され、まさにセーフティネットがしっかりと整備されつつあるまさに今こそ、勇気を持って撤退を視野に入れた出口戦略を描く必要があると考えますが、知事の見解を求めます。●2
次に、みどり行政についてお伺いします。
東京都のみどりに関する政策には、1000ヘクタールの緑創出やCO2・25%削減など、派手な文言が数多く存在しています。それらはそれとして評価はしつつ、更に進化させるべく2つの課題を指摘します。
第一に、各局からみどりや環境に関する多くの指針や方針が出されているものの、それらの政策が機能的に関連し合い、一体として展開されていないように見えます。例えば、10年後の東京で掲げられた、1000ヘクタール増やす緑とCO2削減25%に関して、増えた緑が吸収するCO2は、25%削減目標に含まれるのかと尋ねると、含まないとの返答が帰ってきます。あるいは、この度、出された緑確保の総合的な方針についても、1000ヘクタールや25%削減との関連性はありません。
各政策がバラバラであるよりも、機能的に関連し合っていることの方が、政策効果を高められるのは言うまでもありません。みどり環境政策が一体化していない原因としては、関係する局が多岐に渡っている点を挙げられると考えます。公園は建設局、街づくりは都市整備局、農地は産業労働局、都市計画税や相続税に関しては総務局や財務局、更には、環境局と、実に多くの局が関係していることは、局を越えた密接な連携が必要不可欠であることを意味します。
現在、みどり環境政策を議論する場として、『緑の都市づくり推進本部』があり、ここで関係各局の調整が行われていると伺っておりますが、有効に機能しているのでしょうか。例えば、東京のみどり政策にとって極めて重要な農地を管轄する産業労働局の局長が副本部長の名に連なっていないことも疑問であります。東京のみどりを守り、緑の政策を更に進化させていくべく、環境局がリーダーシップをとり環境政策の一体化を進めていくべきと考えますが、都の見解を求めます。●1
第二の課題としては、東京には一人あたりどれくらいの緑が必要なのか、あるいは、総面積に占める緑地の割合をどうするのかといった目標が存在しない点を指摘します。例えば、新しくみどりを1000ヘクタール増やすといっても、当然、その間に減るみどりも存在します。事実、過去10年、2400ヘクタールの農地と樹林が減少しています。つまりは、増やすのはもちろん必要な政策でありますが、新規増加分しか考えない目標では、東京のみどりの全体像と実態を把握することは出来ません。だからこそ、緑地率や緑被率といった地域に占める緑の割合を目標値にする必要があると考えますが、都の見解をお尋ねします。●2
さて、先程も述べたように、この間、東京のみどりは2400ヘクタールも減少していますが、その大半の1600ヘクタールは農地であります。よって、農地をいかに保全していくのかが、今後の東京のみどり環境政策の生命線であると考えます。
23区においては、その傾向がより強く、緑地としての農地の存在感は、際立っておりますが、この10年でおよそ400ヘクタールもの農地が減少しております。
一方、緑確保の総合方針においては、確保の対象となった23区の農地はわずか0.67ヘクタールに留まっています。都の緑政策における、農地の位置づけは弱いと指摘せざるを得ません。23区において、みどりとしての農地確保の必要性について、都はどう考えるのか、見解をお尋ねします。●3
23区の農地が減少している要因の一つは、区による生産緑地の買取りが財源不足で実現されないことであります。この点を解決する策として、私の地元の世田谷区では都市計画事業の枠組みを活用した、新たな制度を創りました。
これは、農地が点在する地域に都市計画公園の網をかぶせることで、将来、区が買取る際に、都市計画交付金の対象にするというものです。
また、今回、出された緑確保の総合方針の中で示されている農の風景育成地区制度も、世田谷の例を参考に、今後、中身を詰めていくと聞いております。
これらの制度の課題は、合計すれば、1ヘクタールを超える点在している農地に対しても、都市計画決定とするのか、そして、交付金の対象とするのかという点であります。
特に、交付金の対象となるか否かが明確でない限り、農家の方々は都市計画による土地利用制限のみを受けることになりかねないと恐れて、これらの制度への参加を躊躇されるのではと考えます。
農地はみどりの生命線であると強く認識し、そして、これらの制度を中身のあるものにしていく為にも、積極的に都市計画決定、及び、交付金対象としていくべきであると考えますが、都の見解をお尋ねします。●4
次に、都立高校の推薦入試に関して伺います。
今年の都立高校の入学試験では、全日制の推薦入試は、3.03倍、一般入試は、1.53倍と、推薦入試を希望する学生数が増えているのが現状です。
都の推薦入試の特色としては、推薦入試の公平性を高めるための委員会の設置や、面接だけではなく論文審査を設けている他、校長が責任をもって推薦する校長推薦も実施されております。
全学科に推薦制度が導入されて14年が経過する中、現在、推薦制度のあり方については、都の教育委員会で議論されていると聞いておりますが、それに伴い、推薦制度がどうなるのかと、都民は大きな戸惑いを感じております。
そこで、お尋ねします。推薦制度を導入した狙いは何であるのか、お答え下さい。●1
都の推薦制度は、中学3年間、真面目に取組んだ結果が評価され、その評価に基づき校長が推薦を決定するものです。しかも、3倍以上の倍率を勝ち抜かなければ合格出来ない程、生徒間の競争も働いています。
更に、学習習慣が身に付くことで、推薦で入学した生徒は、進学後も成績上位を占める割合が高いとのデータもあります。
以上のことを踏まえ、改善は必要であるものの推薦制度自体は維持していくことが望ましいと考えますが、見解をお尋ねします。●2
4.感染症対策について
次に、感染症対策についてお伺いします。昨年以降、ノロウィルスなどを原因とした感染性胃腸炎が多発しております。感染力の極めて強いノロウィルスは学校など集団生活の場では大流行する可能性が懸念されます。
私の地元世田谷区のある小学校では、昨年3月と12月の2度、ノロウィルスを原因とする感染性胃腸炎が集団発生しました。
集団感染が発覚した際、保健所で食中毒と認定されれば、食品衛生法や学校給食法が適用され、保健所などが原因の除去や予防などの徹底した対策を行います。一方で、児童・生徒等を介しての集団感染の場合は、学校保健安全法の適用となり、児童・生徒の出席停止や臨時休業等についてのみの定めとなっています。この場合、地元教育委員会や学校の感染拡大防止への取組みが徹底しない傾向があるのではないかと、非常に危惧しているところです。
世田谷では食中毒との認定はなかったものの、3月には31名、12月には70名を超える感染者が発生しています。食中毒の場合と同様に、その後の対応を徹底していれば、同じ学校で2度も発生することはなかったのではないでしょうか。
ノロウィルス等を原因とした児童・生徒間などの一般的な集団感染についても、感染予防策や感染拡大防止に向けた注意喚起などの周知徹底に努めるべきであると考えるが、都の見解をお伺いします。
●1
更には、近隣区の学校への予防周知など集団発生に係る広域情報を速やかに提供していくべきであると考えますが、都の見解をお尋ねします。●2
最後に外郭団体についてお尋ねします。
外郭郭団体とは監理団体はもちろん、監理団体から外れた報告団体も含まれております。
監理団体には契約内容の公開義務や、役員退職金が無いなど、都の指導監督下にありますが、報告団体にはそういった規定はなく、限りなく一般企業に近い位置づけとなっています。
しかしながら、都が仕事を発注する際の取扱いは、監理団体と報告団体では同じものとなっております。
現在、都から監理団体及び報告団体への委託は、都の代行事業であるとの理由で補助執行事務と扱われ、各局の裁量に委ねられております。その結果、都からこれら団体への委託のほとんどが随意契約という形となり、競争原理が働かない状況です。
監理団体への委託事業は、都の指導監督下にある為、補助執行事務として扱っているという言い分は、理屈として理解出来ない訳ではありませんが、一般企業に近い位置づけである報告団体への委託事業も同じ扱いであるのは腑に落ちません。
言わば、報告団体にとっては、都の指導は入らないが、都からの仕事は優先的に受けられることとなり、これこそ、良いところどりではないでしょうか。
報告団体への委託事業の扱いを、補助執行事務から外し、競争原理が担保されるよう見直すべきだと考えますが、都の見解をお尋ねします。●1