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定例会報告

一般質問 いのつめまさみ

いのつめまさみ議員

 

平成22(2010)年3月3日
 

いのつめ まさみ(新宿区)

 

 *本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 地震対策について
  2. タヌキの森について
  3. 広告付きバス停留所について
  4. 築地市場について

 

 

1.地震対策について

 

 知事は所信表明の中で「復旧と復興の動脈となる緊急輸送道路の沿道建物について、個別に訪問して耐震化を働きかける『ローラー作戦』を、対象地域を拡大して展開いたします」と地震から都民を守る強い意志を述べられました。
 耐震化の必要な建物は昭和56年6月1日施行の耐震基準改正前に建築されたもの、建物の高さが前面道路幅員に応じて一定以上のものとされています。対象建物の所有者は、耐震改修促進法第6条の規定により、耐震診断を行い、必要に応じて耐震改修を行うよう努めることとされています。
都では平成20年4月から間接補助金制度を耐震診断・補強設計・耐震改修に開始しました。台東区と私の地元新宿区では診断と設計に対し助成しています。
診断・設計・改修すべてに助成しているのは中央・港・墨田・大田・世田谷・渋谷・杉並・荒川・練馬・足立・葛飾・江戸川・江東・武蔵野市です。
 診断しか助成していないのは千代田・文京・品川・中野・豊島です。
 診断と改修に助成しているのは目黒・板橋です。この22区と1市以外は残念ながら助成制度を実施していないので、国や都の助成の受け皿がありません。
 新宿区の助成実績は20年度ゼロ、21年度、診断1件です。新宿区は少ない理由を改修がないからと判断し、来年度から改修への助成を始めると発表しました。一刻も早く、市区町村に助成窓口を開いてもらわなければ、『ローラー作戦』の成果も上がらないと思います。私たちも自治体に働きかけ、汗をかかなくてはなりませんが、助成なくして、知事のおっしゃる耐震診断の義務付けも困難です。
 『ローラー作戦』と助成制度についての見解をお聞かせください。●1

 

 新宿駅東口のビルオーナーの方から、建て替えしたいが都駐車場条例の駐車場の附置義務がネックになっていると聞きました。新宿駅周辺では平置き駐車場設置は不可能です。地下か屋上に駐車場を設置すると、車用エレベターやスロープが必要になり、営業スペースを脅かしてしまいます。
 銀座や大丸有地域では地域ルールにより駐車施設整備の特例を受け、建て替えが促進され新築ビルが増えました。このことからも、駐車場附置義務がネックになっていることがよく分かります。しかし、地域ルール作りは、銀座で5年かかっており、なかなか容易なものではありません。

 

 知事は駐車場附置義務は渋滞解消のため必要と言われていますが、新たな駐車違反の取り締まり制度により、まちから違法駐車は減少しています。都民の命を守ことを急ぐのであれば、附置義務を緩和したらどうでしょうか。見解を伺います。●2

 

 また、平成23年に築30年を経過するマンションは全国で約100万戸に達しますが、その中には既存不適格物件も多いと聞いています。建て替え前より広い面積がとれる還元率100%を超える物件もわずかと推測され、建て替え物件の世帯主の平均年齢は70歳と言われ、一時転居資金が重い負担になっています。仮住まいの問題を解決しないと、マンションの建て替えは促進できません。
 マンションの建て替えにより、地震に強いマンションにしていくための施策をお聞かせください。●3


 

2.タヌキの森について

 

 目白通りと新目白通りの間、新宿区立野鳥の森公園、乙女山公園があり、タヌキや絶滅危惧種の猛禽類のツミの生息が確認される地域に屋敷跡地がありました。樹齢200年のけやきが茂るこの土地は旗竿型です。竿の幅は狭い部分は4メートル、竿の長さは37メートル。旗の南側は崖で都河川部が、「土砂災害危険箇所」としています。マンション建設は不可能であり、都建築安全条例第4条1項の規定により1000平方メートルを超える建築物は造れません。
  7億5000万円で売りに出され、転売され、平成16年11月、地上3階地下1階30戸の2800平方メートルの重層長屋を建設する計画が発表されました。
 近隣住民の「みどりを守る陳情」は区議会で採択され、区は業者に対し「住民との話し合いを重視するよう」要望しました。業者との対話の進展はなく住民は「トラスト基金」を設立し、「3分の1の2億5,000万円を集め、新宿区は公園として買って欲しい」という要請を新宿区長に行いました。平成16年12月22日午後3時のことです。
 ところが、なんとこの日の午前9時、都建築安全条例第4条3項の特例を使っての認定処分が「区長名」で出ていたのです。その後の新宿区議会での質疑の中で「昨年12月、区長に面会をしたのと同日、そのわずか6時間前に業者へ「認定処分」を行っているのはなぜか?」の質問に対し、新宿区長は「区は認定を行うにあたり、当該建築物の安全性を図ることを指導したうえで、昨年、12月17日に認定申請書を受理し、12月22日に認定書を交付した。しかし交付当日、近隣住民の方々とわたしとの面談の時間と、認定の交付の時間が前後し、十分な調整ができなかったことは、わたしとしても大変遺憾に思っている」と答弁されています。
 新宿区長は認定交付を交付前に知らなかったのです。当時、安全認定の事案決定区分は課長決定でした。面会の直前の認定交付はとても偶然とは思えません。認定が下りた途端、業者は土地の価格を10億8,000万円に上げました。買い取りの交渉は成立しませんでした。
 緑の保存が難しくなっている状態で、住民は何らかの支援策をもとめ、藁をもすがる思いで、平成17年3月25日に石原都知事あてに「下落合『旧遠藤邸』の屋敷と森の保存を求める要望書」を出しました。意見書の中に「可能であれば隣地からご視察をいただきたい。無礼なお願いと存じますが、保存、公園化に対し、何卒ご支援賜りたくお願い申し上げます」と切実な思いが込められています。
  また、住民は何度も新宿区建設審査会に訴えても審査請求は却下され、住民は東京地裁へ提訴しました。平成18年1月30日、業者は「建築確認」の申請を新宿区に提出、平成18年4月28日に建築主事である建築課長は業者に「建築基準法第6条第5項の規定による期限内に確認できない旨の通知書」を出し、法適合性に疑義があるとしています。
  その後6月30日消防同意が求められ、係争中でもあるのに判決を待たず、7月31日に建築確認が下りるのです。
  平成18年9月20日の新宿区議会の議事録を見ますと、この地域で被害が発生した時、新宿区は責任がとれるのかの質問に対し、都市計画部長は「消防署の指導により、建物外周辺部に連結送水館を設けており、御指摘の地域の安全性は十分確保されていると考えております」と答えています。
 その後、平成21年1月14日に東京高裁判決は、原告である周辺住民の全面勝訴。同12月17日最高裁判所は「新宿区の訴えを棄却する」判決主文が言い渡され、住民側の完全勝利で決着したのです。
 建設工事は7割完成し、現在は止まっています。区民は崖崩れの不安や、自分たちの税金が損害賠償に使われるのではないかと注目しています。トラスト基金の皆さんはホームページに「区民が納得できない、明らかな違法建築を率先して推進してきた新宿区の多大な違法判断と錯誤によって、莫大な血税が投じられる怖れがあるのは、なんとも残念きわまりありません。これまで、“役所役人”の体裁や建て前を守るために、新宿区建築課が犯した罪に対するその場限りのいい加減な言質と、虚偽の上塗りをつづけてきた結果が、5年間という長大な時間の浪費と、最高裁における前代未聞の建築確認取り消し敗訴という結末になったのは、まさに区民の声をいっさい100%無視したことに起因しているからに他ならないではありませんか」と語られています。東京都は自治体で起こっている様々な問題に慎重に関わっていただきたいとの願いから3点質問いたします。

 

 当時、東京都から人事交流で新宿区へ人材が行っておりました。建築主事は新宿区のプロパーであてるべきです。人事交流には適さないと思います。都市計画部長が都に戻ることで、再開発を検討している住民は2年ごとに話が振り出しに戻ってしまい困ると言われます。都の人事交流の見解を伺います。●1

 

 知事への要望書に対して、「視察はおろか、返事もなかった」と知事の冷たい態度に住民はがっかりしたそうです。知事はこの要望書のことを覚えていますか。見解をお聞かせください。●2

 

 消防署は建物外周辺部に連結送水館を設けるよう指導されたのでしょうか。消防同意はどのようなものだったのでしょうか。どのようにこの件に関わったのかお聞かせください。●3


 

3.広告付きバス停留所について

 バス停留所に上屋を設置し広告を付け、広告収入で維持管理する広告付きバス停留所の整備が平成19年度より始り、3年を迎えます。利用者に快適性・利便性及び景観の向上、夜間も明るく安全で評価します。
 岡山市や横浜市など他の都市はすべて民間委託で事業化しており、私は都も利用料金の資本投下なしで進めるべきと主張してまいりました。
 なぜなら、自治体が行うと設置費用が高くなりますし、広告販売に影響を与えるからです。
 試作した第1庁舎前は1300万円、小さい住宅が建つ価格です。19年度の落札価格は1000万円、最近は500万円と節約の努力が見えます。しかし、民間の設置費用はもっと安いと言われています。
 3年間で100基整備の予定でした。現在までに51基が完成し、3月中に急いで29基が整備され、80基と、予定より20基足りません。交通局は歩道幅員の制約が厳しいことが設置の遅れと言っています。私の調査では、平成19年に40ヶ所、設置可能か否か交通管理者に実査を依頼したところ、27ヶ所には了解が得られたが、13ヶ所はNO。平成20年は実査ゼロ。21年は2月に75か所実査で了解が64、NOは11。9月に25か所実査で了解が8、NOが1。了解を得られなかった理由は交差点が近い。自転車通行区分であった等ですが、臨時移動中で実査ができなかったス停があったと聞いています。交通局は交通管理者に実査を依頼する前に、もっと局内でしっかり調査する必要があります。
 了解は99ヶ所で目標値100に及びません。この事業の進捗状況の見解を伺います。●1

 

 当初、広告販売稼働率を80%、設置費用は5年で回収できるとしていたのに、20年度は62%、21年度は50%の見込みとなっています。景気の悪化が原因と思われますが、このままでは回収に遅れが生じます。基数増加により、広告販売価格が現在の販売方法だと高くなり、稼働率が下がる懸念があります。
 交通局は改善策を検討されていますか。見解を伺います。●2

 

 19年度の公営企業委員会で、私が「上屋の維持管理は誰がそのように行うのか」に対し、「交通局が民間事業者に委託しまして」と答弁されましたが、現在は電通に清掃委託まで含めて管理委託しています。また、広告販売の80%が電通によるものです。4年目からの広告料収入を1億9200万円と仮定し、販売手数料20%で3840万円、管理委託手数料は清掃委託費と合わせて4590万円、電通には7662万円ずつ毎年入ります。オリンピック招致での都と電通の関係を好ましく思っていない都民がいます。1社だけに頼らない広告販売に努力するべきと考えます
 今後の広告販売についての見解を伺います●3


 

4.築地市場について

 

 次に、築地市場の移転問題について伺います。
 石原知事は、先の施政方針で、「もとより、豊洲への市場移転は、移転地の土壌汚染の除去が前提」だと述べ、「世界に誇る日本の最先端技術を活用した汚染対策の実験結果を踏まえ、都民・国民や市場関係者が安心できる十分な対策を着実に講じる」と述べました。
 技術会議の結果によって、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策経費は586億円と見積もられています。
 また、参考人質疑では、専門家会議の平田先生が、「恐らく液状化対策をやるときに、かなりの部分、有楽町層の中まで入らざるを得ない」と答えています。
 さらに技術者会議の安田参考人は「粘土層の下にある砂というのは、本当に液状するかどうかは実際に調査してみないとわからない」と答えています。
 そこで、586億円の土壌汚染対策経費は、今後、増大するおそれはないのか。その妥当性について、見解を伺います。●1

 

 また、豊洲新市場の事業費4316億円のうち建設費を990億円としていますが、この建設費についても、今後、大きく増えることはないのか懸念されます。
 そもそも、東京都は、豊洲の建設費について、平成18年10月17日の経済・港湾委員会での説明の際には、927億円と説明していました。それが、どうして990億円に膨らんでしまったのか。
 そこで伺いますが、この927億円と990億円の違いは何なのか。また、927億円と990億円との積算時で、積算方法に違いはあるのか。違うのであれば、927億円の積算根拠は何か。また、そもそも990億円については、どのような積算根拠をもって算出しているのか、見解を伺います。●2

 

  また、石原知事は「築地市場は老朽化が激しく、わずかな地震の揺れでも屋根の一部が落下するまでも発生している」と繰り返し、述べています。
 私は、もとより築地市場の老朽化を否定するつもりはありません。
 しかし、例えば、平成20年3月に東京都がまとめた「東京都が所有する防災上重要な公共建築物の耐震性に関するリスト」によると、築地市場で、構造耐震指標のIs値がもっと低いのは、水産物部第1卸売業者売場(本館)の0.4ですが、これより耐震性が低いのは、庁舎や病院、学校、警察、消防などを含め東京都には194施設あります。
 私の選挙区にある淀橋市場も、築地市場より低い0.38であり、当然、アスベストも使われていますが、現在は、リニューアル事業が着実に進んでいます。
 移転の是非に関係なく、現在の築地市場は、引き続き、市場としての役割を求められています。ことさら危険性を強調するよりも、しっかりと耐震対策を実施していくことが、築地市場にとって、まず何より必要であると考えますが、見解を伺います。●3