
平成22(2010)年3月2日
幹事長 大沢 昇(江東区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
昨年の都議会議員選挙を経て、第18期都議会としては初の、そして、三期目を最後の任期とする石原知事にとっては、最後の本格予算となるであろう平成22年度予算案を審議する都議会を迎えました。
もとより議院内閣制とは異なり、知事も私たち議員も、それぞれが都民の審判によって選ばれ、都民福祉の向上、民主主義の発展、活力ある東京の実現に努める責務を担っています。石原知事には知事選挙での公約があるのと同様、私たちも又、昨年の選挙で掲げたマニフェストがあり、このマニフェストに盛られた施策の実現が、都民に対する約束であります。私たちは、この都民との約束を守るため、今後も全力でマニフェスト実現に取り組ませて頂きます。
石原知事との間では、互いに取り組める課題もありますが、なかには、新銀行東京の問題や築地市場再整備、八ッ場ダムなど見解の異なる課題もあります。これらについても私たちは、異なる見解を問答無用と切り捨てるのではなく、真摯に議論を積み重ね、都民にとってより良い方向に都政を前進させていきたいと考えています。
私たちのそうした決意にもかかわらず、提出予定案件もまとまり、施政方針表明をも終えた26日の記者会見において石原知事は、副知事4人制について意向を示したと報じられています。「強いチームをつくる」とも述べられたようですが、任期途中の副知事をこれほど変えられた知事も珍しく、かつ、残る任期1年足らずで「強いチームをつくる」ことは可能なのでしょうか。しかも、本来、知事を内側から支えるべき特別秘書が、各種事業や庁内組織運営に何ら責任を負う立場にもないにもかかわらず、副知事然として振舞っており、そのことが誰が副知事になっても「強いチーム」にならない最大原因との指摘が数多く私たちの耳に入ってくるような状況で、知事はどう認識されているのでしょうか。さらに、石原知事自らが、私たちの総会に出席し同意を求めた副知事が一体何をやっているかも見えません。このような中での、「副知事4人制」「強いチーム」について、まず、知事の真意を伺います。●1
そのうえで、提案された各議案については、最終的に駄目なものは駄目と決断させていただきますが、それまでは共に汗をかく事を誓い、質問に入ります。
まずは、平成21年度補正予算案と平成22年度予算案、そして、「10年後の東京実行プログラム」について伺います。
平成22年度予算案における都税収入の見込みは、福田総理と石原知事の会談を経て決められた法人事業税の一部国税化の影響もあり、2年で1.1兆円の大幅な減収となりました。月例経済報告では「景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」として、その先行きは持ち直しの傾向が続くことが期待される一方、下押しするリスクの存在にも留意するべきとしています。都内経済について、全国地方銀行協会の「地方経済の状況」では、「乗用車販売、輸出、生産活動などが持ち直し、公共工事が堅調なものの、個人所得の減少や企業収益の伸び悩みから、個人消費、住宅建築、設備投資が引き続き低調である」と評価しています。こうした中、都は、今後の景気動向と税収見通しをどう見ているのか、所見を伺います。●1
都は、21年度、企業収益の悪化に伴う5213億円の税収減を受け、平成10年度、11年度に匹敵する減収補てん債を発行するとともに、東京都住宅供給公社からの貸付金の繰上償還を受け、財政調整基金を取り崩すなどして、2019億円の歳入を確保しました。
歳出では、計画通り進捗しない事業や予定とした規模に及ばない事業などを精査、減額し、都債の借り換え抑制を止めるなどして、3194億円を削減しました。こうした歳出削減が都民サービスに支障を来すことは可能な限り避けなければ成りません。都は、最終補正予算案の編成において留意した点について、所見を伺います。●2
また、国の二次補正予算を計上することによって、この補正予算にどのような効果を期待しているのか、所見を伺います。●3
アメリカ発金融危機による都民生活や都内中小企業への影響に対して、都は、平成20年度から21年度の期間で、予算規模が約1713億円の緊急対策を行ってきました。
その中身は、緊急融資の拡大や信用保証料補助などの中小企業支援、ネクストジョブ事業や50万人分の公的雇用を生み出す雇用確保対策、再就職を目指す離職者への緊急無利子融資、小中学校の耐震化などの都民の不安に応える生活者支援、公共工事の年度内発注量を増やすなどの中小企業活用による都市インフラの整備です。
都は、その財政機能を発揮し、都民生活や都内経済の安定を図ってきたとのことですが、これらの緊急対策によって、都民の不安がどのように解消され、企業が下支えされてきたのでしょうか。都の緊急対策の効果について、所見を伺います。●4
一般会計は、21年度当初予算と比較して5.1%減の6兆2640億円となりました。規模としては、平成20年度から2年連続の減となり、石原都政の初年度である平成11年度当初予算と同レベルの予算案となりました。
17の特別会計は、税収減による地方消費税清算会計などの減、償還が減ったことによる公債費会計の減などで、6.8%減の3兆9900億円となりました。11の公営企業会計は、豊洲新市場の用地取得などによる中央卸売市場会計の増、大江戸線建設の企業債償還増による高速電車事業会計の増などにより、11.0%増の2兆1683億円となりました。そして、全会計の合計は3.2%減の12兆4223億円で、東京の現在と将来に対して、都が為すべき役割を積極的に果たしていくとしています。
都議会民主党も、今後も引き続き、都民の命と生活を守る都政の前進に努めていく考えですが、石原知事が、本予算案において特に重視した点は何か、所見を伺います。●5
税収が今後も伸び悩むと予測される中、都は健全な財政運営を行う必要があります。22年度の予算編成においては、歳出の更なる精査や事務事業評価、財政調整基金の慎重な繰入などが行われました。今後は、包括外部監査報告の指摘・意見にもあったような、例えば監理団体の業務や公共事業などにも聖域のない評価を行うことで、事業を効率化し、事業範囲を再構築していくことが大切です。また、基金や都債も有効に活用していく必要があります。
一方、20年度から続く緊急対策のように、都民に還元する投資や、経済の構造改革につながる環境整備といった経済政策を実施するなど、予算を最大限確保していくことも大切です。これらの都民に対する施策の前進と健全な財政運営に引き続き取り組むことで、都民福祉の向上につなげていくことが重要と考えますが、所見を伺います。●6
また、中長期的に都政の重要課題に取り組むため、人材や組織の活用にも配慮する必要があり、これらの基本的な考え方についても所見を伺います。●7
都が単年度予算の欠陥を補う「10年後の東京」計画を策定してから、3年が経過しました。オリンピック招致色も一掃され、「住みやすい、魅力ある都市」東京に向けての取り組みが期待されます。昨年12月、この「10年後の東京」計画に対して、都政モニターのアンケートが行われ、施策の関心では、1位が「震災対策」、2位が「高齢者への対応」、「医療の充実」の結果となりました。いつか来る震災と東京の現状、少子高齢社会が急速に進む東京、そして医療問題と、都民の関心が高い事項を、良く理解できます。
しかし、建物の耐震化や高齢者施設の整備、待機児童対策などなかなか進捗しない施策が散見されます。
都は「実行プログラム2010」を公表しましたが、今後も都民や区市町村等と共通認識を持つような連携や違った新たなアプローチ方法などを取り入れ、計画の実現を図っていくべきと考えますが、所見を伺います。●8
次に、築地市場について伺います。
2月18日、現在地再整備を求めている市場関係者をはじめ、お寿司屋さんや料理学校の理事、あるいは、築地を愛してやまない人たちが、「21世紀・築地プロジェクト」を立ち上げ、現在地再整備の具体案を発表しました。
青果だけを一時仮移転させる案だけでなく、水産・青果の一部を併せて仮移転させる案や、あるいは、仮移転ではなく、転配送などの物流機能を築地と切り離して移転させる案も示されました。そして、それぞれの案について、具体的なローリング手法や事業費、整備スケジュールも示されるなど、少なくとも検討のたたき台となるには、十分な案ではないかと考えます。
また、都議会民主党のPTでは、著名な建築家の方からも別の具体案についてヒアリングしております。こうした案をベースに検討を開始するならば、世界から多くのアイデアや具体案が寄せられるものと確信しています。
石原知事は、土壌汚染対策の技術会議でも、民間からの英知を募り、最新の技術・工法によって、困難な問題を乗り越えようとしました。同様に、私たちも、現在地再整備という困難な課題が解決出来ないのかどうか、もう一度、多くの英知を集めるなどして、再検討をすべきであると考えます。
私は、築地市場の現在地再整備の再検討について、石原知事の所見を伺います。●1
私たちは、シンポジウムや公開討論会など、都民の声を幅広く聞く場を設けるべきだと主張してきました。
昨年12月の私たちの代表質問に対して、東京都は「わかりやすい都民説明会の開催など、都民の一層の理解が得られるよう努力していく」と答弁していますが、私たちの主張は、説明するにとどまらず、都民の意見を聞くべきだという事です。
例えば、生活文化スポーツ局の前身である生活文化局では、平成15年9月18日に、「新銀行はどうあるべきか」などとした新銀行創設のeモニターアンケートを実施しています。新銀行でできて築地市場でできないわけはありません。
東京都の実施する世論調査やモニターアンケートにおいて、築地市場の移転に関して、都民の意見を聞くべきだと考えますが、所見を伺います。●2(生活文化スポーツ局)
また、市場関係団体6団体のうち5.5団体が移転推進派だという話も聞きますが、水産仲卸は、現在地再整備という機関決定を変更した訳けではありませんし、加えて、青果の仲卸は、業者の数でいえば、移転反対派の方が多いのではないかとも言われています。
築地市場の関係業者は、水産では卸で7社、仲卸で760社、売買参加者で327社おり、青果では、卸、仲卸、売買参会者で900社、関連事業者で167社、買い出し人を含めると更に多くの業者が関係業者と言えるでしょう。
私は、こうした市場関係業者に対して意向調査を実施し、市場関係業者の本音を把握すべきであると考えますが、所見を伺います。●3
次に、平成22年度の豊洲関連予算案について伺います。
予算案では、豊洲関連予算として、用地購入費の1260億円をはじめ、土壌汚染対策費や関連工事費などで計1281億円が計上されています。しかしながら、現在地再整備が出来るのか、出来ないのかの再検討さえ、されないなかでは、到底認めることは出来ません。
また、用地取得に関しては、汚染原因者である東京ガスの負担さえ明らかでありません。
私は、東京ガスからの用地購入費を提案するのであれば、まずは、汚染原因者である東京ガスの負担がどうなったのかを明確にすべきであると考えます。
昨年2月19日に当時の副知事が、東京ガスに協議を申し入れて1年が経ちますが、東京ガスとの協議はどうなっているのか。いつ頃明確になるのか。所見を伺います。●4
次に、環状2号線の整備見送りについてです。
環状2号線の中央区晴海4丁目から銀座8丁目までの区間については、そもそも地下方式で整備される計画でしたが、築地市場の移転を前提に、地上化に変更されたという経緯は、前回の代表質問でも触れました。
ところで、今定例会には、この晴海4丁目から銀座8丁目までの区間内である晴海5丁目付近の朝潮運河橋梁の工事が提案されています。仮に、この工事を認めると、現在地再整備の再検討の選択肢を狭めのではないかと懸念するものです。
築地地区の道路構造を地下方式に再変更した場合でも、朝潮運河橋梁の工事には、影響がないのか、所見を伺います。●5(建設局)
豊洲関連の質問の最後に、土壌のコアサンプルについて伺います。
この間、経済・港湾委員会では、参考人招致による活発な質疑を通じて、専門家の方などから様々な意見を伺ってきました。
特に、専門家会議の座長であった平田健正先生からは、これまでの東京都の説明や見解と食い違う発言もありました。詳しくは、予算特別委員会に譲りますが、例えば、土壌のコアサンプルの保全と開示について、平田座長は、「互いに話し合いの場を持って、同じ情報を共有するのが一番の基本で、そういう意味では、十分な説明は必要だし、説得ではなく、相手に理解をして頂くという取り組みが必要だ」と述べています。
頑なに開示を拒んでいる東京都とは、大きく認識が違うように思います。
私は、コアサンプルの廃棄について、裁判で争うことを止め、その保全と開示に取り組んでいくべきだと考えますが、所見を伺います。●6
次に、新銀行東京について伺います。
去る1月29日、新銀行東京は、元代表執行役である仁司泰正氏及び元執行役である丹治幹雄氏に対して、ようやく損害賠償請求訴訟を提起いたしました。
まさにようやくといった感があります。
石原知事は、定例の記者会見で 「訴訟は結構なこと。厳粛に見守りたい」と述べました。しかし、新銀行東京の失敗については、見守るだけでなく、旧経営陣の責任はもとより、設立時における過大なマスタープランをはじめ、新銀行設立以降も、拡大路線を強要し続けた東京都の責任など、徹底的に検証していかなければなりません。
仁司氏・丹治氏による反論は、いずれ裁判を通じて明らかになってくるものと考えますが、石原知事は、これまで旧経営陣の責任だということを強弁されてきたわけですから、例えば、自らが証言に臨んだり、東京都に証拠書類を提出させるなどして、真相究明に積極的に協力していくべきであると考えますが、石原知事の所見を伺います。●1
また、昨年2月17日、新銀行東京は、その他の取締役7名に対する報酬の自主返納を発表しました。取締役についても、善管注意義務違反に基づく責任があるとした上で、その責任については一定の限度があるとして、訴訟によらずに自主的に解決する道をまず設けることがふさわしいとの理由によるものです。
2月16日の新銀行特別委員会において、東京都は、「全員の返納が終わっていないとの報告を受けている」と答えていますが、そもそも、取締役の人選についても、東京都は承知していたはずであり、早期に返納させるべきではないでしょうか。
新銀行東京の旧取締役のうち、自主返納を拒んでいる状況について、石原知事は、どのように認識しているのか、伺います。●2
2月16日の特別委員会の質疑において、東京都は、主要株主の責任として、「監視を含め、株主責任はある」と答弁しました。その上で「経営に関与する度合いは経営者、取締役会、株主とは異なり、まずは、旧経営陣の責任が追及されるべき」との認識を示しました。
「まずは、旧経営陣」ということで、いずれ東京都の責任も明らかにするとも、取れなくもありませんが、少なくとも、東京都には、今回の訴訟の対象となっていない、開業してから旧経営陣が善管注意義務違反に問われる間のデフォルトの責任や新銀行東京の過大なインフラの設備投資等、挙げれば限が無い多額の損失を招いた責任についても、外部の専門家などを活用し、徹底的に検証すべきと考えますが、所見を伺います。●3
次に、産業振興について伺います。
昨年末、鳩山政権は、新成長戦略の基本方針を閣議決定し、政治的リーダーシップにより、「環境・エネルギー」、「医療・介護などの健康」という日本の強みを生かせる分野で、需要からの経済成長を目指すとしています。
東京都においても、新規に都市課題解決のための技術戦略プログラムとして、環境や医療・福祉等での課題を解決するための製品の開発から実用化、販路開拓まで一貫した支援を行う事としています。
今後、ロードマップの策定が期待されますが、東京都として、環境・エネルギー、あるいは、医療・介護などの健康分野で成長産業の支援に何を期待し、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。●1
また、東京には、健康やアニメ産業などに見られるように、一定の地域における産業集積が見られ、これらをネットワーク化すると共に、それに見合った企業や研究機関などの誘致を支援するなどして、地域の特性にあった産業の振興に取り組んでいくべきと考えます。
例えば、報道機関などを臨海部に誘致し、汐留やお台場などと連携したメディア産業の集積という大胆な構想もいずれは検討されるべき課題だとは思いますが、当面は、健康や医療・福祉、アニメなど地域の特性にあった産業の集積に取り組む区市町村に対して、積極的に支援するとともに、地域の特性にあった産業の創業を促すためのインキュベーション施設の整備についても、積極的に支援するなど、地域における産業集積に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。●2
次に、多摩シリコンバレーの形成について伺います。
2月22日、「産業サポートスクエア・TAMA」の開所式が行われました。平成23年度に江東区青海で開設が予定されている区部産業支援拠点と共に、あらゆる企業ニーズに対応でき、頼られる産業支援拠点となることを期待するものです。
この産業サポートスクエア・TAMAでは、「計測・分析器」、「半導体・電子デバイス」、「ロボット」などの多摩地域の産業特性に応じた技術支援を行うと聞いていますが、こうした取り組みは、多摩シリコンバレーを形成していく上でも極めて重要であると考えます。
そこで、多摩シリコンバレーの形成に向けて、この2月に開所した産業サポートスクエア・TAMAはどのような役割を担っていくのか、所見を伺います。●3
次に、中小企業融資について伺います。
明るい兆しが見えつつあるとはいえ、海外の下ぶれ懸念など今後の社会経済状況が不透明な中で、東京都としても、中小企業の資金需要に適切に対応していかなければなりません。
私たちは、使わぬ基金を積んだまま放置するのであれば、一時的にでも、民間の金融機関に預託金として預け、中小企業の資金需要に役立てるべきと主張するとともに、百年に一度と言われる経済状況の中で、さらなる中小企業の負担軽減を求めてきました。
東京都は、22年度予算案における制度融資の規模や中小企業の負担軽減策について、十分であると考えているのか、所見を伺います。●4
また、昨年9月からスタートした「東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援」については、私たちの要望に沿う形で、取り扱い金融機関も拡大していると、前回の代表質問でも申し上げました。
予算案では、この融資規模を100億円上乗せし、600億円にまで拡大しており、資金繰りに苦しんでいる中小企業を積極的に支援していこうとする姿勢がうかがえます。
そこで、東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援に対する評価と今後の取り組みについて、所見を伺います。●5
次に、雇用対策について伺います。
一昨年秋の世界的な金融危機により落ち込んだ景気は、未だ回復への足取りが重く、雇用情勢も、依然として厳しい状況が続いております。
都は、今回拡充する基金を有効に活かして、雇用創出事業を更に積極的に実施し、離職者の方々の当面の雇用の場をしっかりと確保していくべきと考えます。
また、離職者に対する支援は、雇用の確保のみならず、生活や住居など生活面の支援、更には職業訓練や就業支援など、多様な支援策が用意され、国においても各種の施策が講じられてきておりますが、その反面、どこでどんな支援が受けられるのか分かりにくい状況も生まれています。
国は、昨年、都や地元自治体の協力により、離職者の相談に一元的に応じるワンストップサービスデーを実施しましたが、都としても、必要な方に必要な支援が届くよう、離職者向け広報を一層強化して、的確な情報をいつでも提供できるような方策を検討すべきあります。
そこで、緊急雇用創出事業の今後の取り組みと離職者向け広報の強化について、あわせて伺います。●1
このような離職者に対する支援とともに、働いている方々への支援も重要です。
厳しい雇用情勢が続く中、「給料の未払いが3か月続いている」「経営悪化を理由にボーナスが支給されない」「長年勤めた会社から突然解雇通告を受けた」など生活基盤を脅かす問題が労働者を直撃しています。
これから年度末に向けて、解雇や雇止め、退職強要、賃金未払い等が増加するのではないかと危惧するところです。こうした労働者が置かれた深刻な状況に対して、行政の支援が不可欠であり、都は、相談などの支援を充実・強化すべきであります。
また、雇用をめぐるトラブルの多くは、労働法令が守られていないことに起因しています。労働法令の改正が繰り返される中、その内容を正しく理解することが困難な中小企業もあります。このため、都は、様々な手法を使って、企業に対して積極的に法令の周知を図っていくことが重要です。
そこで、解雇や賃金不払など、こうした厳しい状況に直面している労働者への支援の強化や企業の法令遵守の徹底について、都はどのように取り組むのか、所見を伺います。●2
次に、環境政策について伺います。
温室効果ガス排出量削減のため、東京を低炭素型都市へと転換させる必要があることは、多くの人が認めるところであり、知事もたびたびこの点について触れられています。そのためにも環境政策とエネルギー政策の融合が極めて重要と考えます。
東京はエネルギー利用の密度が高い、大規模な開発が多い、都市廃熱を含めた未利用エネルギーがまだまだ豊富にあるなど、大都市ならではの特性があります。これらの特性を最大限活用するためには、複数のビル・街区単位での効果的なエネルギー融通による効果的な省エネ・省CO2、再生可能エネルギーや未利用エネルギーのさらなる積極活用など、エネルギーの地域での有効利用やネットワーク的利用が極めて重要であると考えますが、所見を伺います。●1(環境局)
このような、東京にふさわしい再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用を強力に推進していくためには、民間事業者による利用促進を図ることはもとより、都内最大の事業者である東京都自らが全庁一丸となって、再生エネルギー等の積極的な活用を推し進めるべきであると考えます。
すでに都は、副知事を筆頭とした『カーボンマイナス都市づくり推進本部』という全庁横断型の組織のもと、都有施設に再生可能エネルギー等の導入を図る施策を進めていますが、これまでの取り組み状況と、今後の展開について伺います。●2(環境局)
一方、都は昨年4月、住宅用太陽エネルギー利用機器の補助制度を設け、その利用拡大を進めています。こうした身近な再生可能エネルギーを普及していくことは、都が進める気候変動対策として大変有効だと思いますが、住宅だけでなく、産業や業務部門での太陽エネルギー利用機器の普及を拡大していく必要があると考えます。
そこで、まもなく1年を迎える住宅用太陽エネルギー利用機器補助制度のもたらした効果とともに、さらなる太陽エネルギー利用機器の普及拡大に向けての所見を伺います。●3
気候変動の緩和、低炭素社会への転換に向けては、再生可能エネルギーの活用が切り札として考えられます。
現在、都は太陽エネルギーや風力など、再生可能エネルギーの利用拡大を進める取り組みを行っていますが、さらなる再生可能エネルギーの利用拡大を進めるべきと考えます。
そこで、今後の再生可能エネルギーの利用拡大に向けて、あらためて知事の認識を伺います。●4(環境局)
次に、木材の利用促進について伺います。
この間、国においては、例えば、赤松農水大臣が、公共建築物に国産木材の使用を義務付ける「公共木材利用促進法案」を通常国会に提出する意向を表明し、コンクリートから木へというスローガンを使っているようです。
東京都においても、現在、多摩産材の公共利用について、道路の柵や公園のベンチ、あるいは都営住宅などでの木材利用が進められていますが、温暖化対策など様々な社会的要請がある中で、さらに踏み込んだ取り組みが必要であると考えます。
そのためにも、私は、官公庁などの内装材はもとより、リラックス効果などの効用が求められる=例えば、学校などの教育施設をはじめ、病院や保育所などの施設では、木材の利用検討を義務づけるなど、木材の公共利用をさらに一歩進めるべきだと考えます。
多摩産材の公共利用の拡大に向けて、都の所見を伺います。●1(産業労働局)
また、私の地元・江東区には「木場」という、まさに江戸時代から、東京の木材需要を担ってきたまちがあり、地域の関係者からは、木材利用を大胆に進める上での象徴として、建設が予定されている木場・新木場・臨海部の消防署あるいは消防施設で、木材を利用できないかという提案もなされていると聞いています。
そこで、火に弱いイメージのある木材をあえて防火を担っている消防庁舎。とりわけ木場・新木場・臨海地域で利用していくことで、木材の公共利用拡大の先駆けとなっていただきたいと考えているところです。
木場・新木場・臨海部地域の消防庁舎への木材利用について、所見を伺います。●2(消防庁)
温暖化対策が急務となっている中で、カーボンニュートラルなエネルギーである木質バイオマスの活用も強く求められています。
東京都では、下水の汚泥を焼却する際に、木質バイオマスの活用を図り、都市ガス使用料の削減に取り組んでいますが、大量に発生している間伐材等林地残材については、ほとんど利用されていない状況にあると聞いています。
これら利用を進めるにあたっては、大口需要者への供給体制の確立が求められるところですが、公共施設や一般家庭など小口需要者の開拓を進め、すそ野を広げていくことも重要です。
先日、山形県の村山市では、市庁舎や小中学校なので使う電気の大半を、間伐材などを燃やして発電する事で賄うとした事が報じられていました。
東京都においても、多摩産の木質バイオマスを活用した温暖化対策を進めることで、地域の産業振興に大きく役立つものと思われますが、区市町村と連携した木質バイオマスの利用促進に向け、都の所見を伺います。●3(環境局)
次に、交通政策について伺います。
現在、羽田空港では、再拡張事業が今年10月の供用開始を目指して進められています。供用開始後には、国際定期便については、昼間だけでなく、騒音問題によって成田空港が閉鎖されている23時から翌6時の深夜・早朝時間帯にも就航させ、成田空港とあわせて首都圏空港一体として国際空港機能の24時間化、いわゆるハブ空港化の実現が目指されています。
しかし私たちは、空港機能だけが24時間化されているのでは、都市の交通機能全体としては不十分であり、鉄道やバス、そして機動的なタクシーなどの公共交通機関も、その特性に合わせて連動して24時間化に対応すべきではないかと考えます。
そもそもどれだけの需要があるのかどうかを始めとして、様々な課題があることは承知しておりますが、これらの課題を含め、羽田空港のハブ化に伴う深夜早朝便に対応した空港アクセスについて検討すべきと考えます。新滑走路供用開始後の当面の対応について、所見を伺います。●1(都市整備局)
東京港は、首都圏4千万人の生活と産業を支える国際拠点港であり、コンテナ取り扱い数は11年連続して日本一です。背後圏のインフラも充実しており、既にポストパナマックス船に対応した港湾計画も策定されています。
知事は、先の施政方針において、東京港・川崎港・横浜港の三港が一体となって港湾施設の利用コストを低減し、利便性も向上させるとともに、国内各地と有機的に結びつく道路など国内輸送ネットワークを形成することで、貨物の集荷を強化し、港湾機能を更に高めていくことに言及されました。
国では、港湾整備の選択と集中を図るべく、平成16年度に京浜港、阪神港、伊勢湾をスーパー中枢港湾として指定しましたが、昨年10月にこれを更に絞り込み、国際戦略港湾として育成することを表明しています。
私たちは、首都圏のみならず日本全体の経済を支えるという観点からも、この国際戦略港湾に京浜港が選定されるべきと考えますが、京浜港の国際戦略港湾としての選定に向けた今後の取り組みについて、所見を伺います。●2(港湾局)
京浜港・羽田空港での国際物流機能の強化とあわせて首都圏三環状道路などの広域的な道路網整備を進め、陸・海・空による広域物流ネットワークを構築することも重要であると、私たちは考えます。
特に、国際海上物流に使われる貨物用コンテナの大型化が国際的に進む中で、陸揚げ後の国内輸送に対応するための道路網整備の遅れが問題になっています。
現在、日本で主力となっている海上コンテナはISO規格の40フィート背高が主流ですが、日本の最大の貿易相手国である米国と中国間では45フィートコンテナが急速に増えています。しかし、日本の道路ではこの45フィートコンテナはおろか、現在の40フィート背高でさえ、コンテナ物流ネットワークとして充分に機能していないのが現状です。
今後の国際コンテナ物流に対応した道路網整備について、所見を伺います。●3(都市整備局)
東京の地下鉄は、都営地下鉄と東京メトロの二つの事業者によって運営されています。このため、例えば情報案内が分かりにくく、サービス内容が異なるなど、利用者の利便性を損なっている面があります。
都営地下鉄ではICカード乗車券「PASMO」の導入により、乗り継ぎの円滑性が飛躍的に向上しましたが、さらなる地下鉄利用者の利便性向上のため、例えば乗り継ぎ割引制度の拡充や情報案内の統一など、都営地下鉄と東京メトロの地下鉄サービスの一体化をより一層推進すべきと考えますが、所見を伺います。●4(交通局)
次に、防災対策について伺います。
先の施政方針の中で、知事は国の平成22年度予算案に関して、「苦しい財政をやりくりして取り組んできた区市町村も梯子を外されたとしか言いようがない」などと、公立学校施設の耐震化のための予算を民主党政権が大幅に削ったかのような発言をされました。
しかし、これは事実と全く異なります。公立学校施設整備の総額は平成21年度当初予算の1,051億円に対して22年度の概算要求額は35億円増額要求しています。これに対する査定の結果、22年度予算案は1,032億円で前年度比2%の減額となってはいますが、公立学校施設整備費の概算要求額が査定後減額されていることについては、自民党政権時代も同様です。
また、このうち耐震化関連予算は21年当初予算の783億円に対して22年度予算案は910億円、前年度比16%の増額、耐震化棟数も21年度の約1,900棟から22年度は約2,200棟と、耐震化に重点化されていることは明らかであり、昨年度と比較して、耐震化に、より重点を置いた予算配分になっています。
知事は、平成21年度当初予算の公立学校整備費1,051億円に補正予算の2,778億円を加えた3,829億円と比較しているのかもしれませんが、これではそもそも比較の仕方がおかしいとしか言いようがありません。また、補正予算に関しては、今月2日の衆議院本会議において、鳩山総理大臣は、平成22年度予算の早期成立後、その執行状況を踏まえ、2兆円の景気対策枠などの活用を明言し、今後の補正予算の編成の可能性についても触れています。
いったいどのような根拠に基づき、どのような意図を持って先の発言をされたのか、石原知事の所見を伺います。●1
都内における木造住宅密集地域は、現在、約1万6千ヘクタールに及びますが、都の「防災都市づくり推進計画」では、7千ヘクタールを震災時の甚大な被害が想定される「整備地域」として指定しています。
この選定基準は、地域危険度のうち、建物倒壊危険度が5、及び、火災危険度が5に相当し、老朽木造建物棟数率が45%以上の町丁目を含み、平均不燃領域率が60%未満である区域と、その連担する区域となっています。
都は、整備地域内における木造住宅の耐震化に対して助成を行っていますが、私たちは、これまで対象の拡大に向けた第一段階として、建物倒壊危険度5の地域すべて、もしくは建物倒壊危険度と火災危険度がともに5である地域をすべて制度の適用対象地域として取り扱うよう求めてきました。
地域危険度は、平成14年公表の第5回「地震に関する地域危険度測定調査報告書」のデータから平成20年公表の第6回地域危険度測定調査結果のデータに更新され、これにあわせて防災都市づくり推進計画もこのほど改定されています。
この見直しの結果、建物倒壊度と火災危険度がいずれも5である25地域のうち、整備地域に指定されなかった地域は1地域だけとなりました。一方で、建物倒壊危険度5に該当する地域は、84地域ありますが、このうち23地域が整備地域になっていません。これらの地域も木造住宅の耐震診断・耐震改修助成制度の適用対象地域として取り扱うよう、対象地域を拡大すべきと考えますが、所見を伺います。●2(都市整備局)
知事は施政方針の中で、民間建築物の耐震化は現在の法律では努力義務に過ぎず、その実施が建物所有者に委ねられていることから、対策の進展に限界があるため、震災の応急活動に及ぼす影響が大きい建物について、耐震診断の義務化など、都独自の規制誘導策の検討を開始すると述べられました。
検討の対象は緊急輸送道路沿いの耐震化助成に絞られるようですが、耐震化助成制度の利用が進まないのは、基本的には耐震化にかかる費用の自己負担をどこまで軽減できるかが大きな要因となっているであろうことは、概ね共通した認識ではないでしょうか。この認識は、緊急輸送道路沿いの建物に限らず、木造住宅の場合でも同様であり、そうであるならば、民間建築物全体を検討の対象とすべきと考えます。
建築物の耐震化促進に向けた規制誘導策の検討を始めるにあたっての、都の基本的な考え方について、所見を伺います。●3(都市整備局)
こうした地震に強いまちづくりを進めると同時に、災害時にどのように行動するか、特に災害弱者への対応は、なかなか実効性ある取り組みが進みにくい課題です。
災害時、自力での対応が困難であると考えられる高齢者や障害者などの、いわゆる災害弱者を円滑に避難誘導し、安全を確保するには、避難をどのように行うのかを想定した計画を立て、備えることが欠かせません。ところが、災害弱者の避難計画策定は、これまでのところ都内区市町村の三分の一しか済んでいません。区市町村を強力に支援し、早急にすべての区市町村で策定されるようにすべきです。あわせて、計画に実効性を持たせるため、区市町村における主体的取り組みをも支援していくべきと考えます。都の所見を伺います。●4
聴覚障害者にとって、音声による情報を把握することは困難であり、外見上は障害を持っているのかどうかわかりにくいため、周囲の人も支援の手を差し出しにくい状況があります。そのため、円滑な避難誘導、及び安全を確保できるよう、情報を的確に提供するなど一層の対策が必要です。
ひとつの方策として、公共機関の建物に、光による警報や事態の状況を知らせる文字標示装置など障害者に配慮した避難誘導設備を整備することは、聴覚障害者に災害等の緊急事態発生を知らせ、迅速に避難誘導するために極めて有効な方策であり、これらを普及させていく上で、都が導入を支援していくことは、大変効果的であると考えます。
そこで、区市町村が公的機関の建物に聴覚障害者に配慮した警報装置や避難誘導設備を設置した場合、都として支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。●5
次に、医療施策について伺います。
まずは、東京ルールの検証についてです。東京ルールにより、都民にとっては、いわゆるタライ回しや、搬送調整に長時間を要する案件をなくし、出来うる限り迅速に診察を受けられることを目指しています。しかし、医療現場にとっては、医師不足などの状況は従来と急には変わらない中での、新たな枠組みであります。そこで、東京ルール稼働からの実施状況を踏まえ、効果と課題を検証することが必要と考えます。
この仕組みをより効果的に運用するため、地域救急医療センターに対する、更なる支援や、医療機関同士の情報共有システム等、ベストな環境を提供できるよう、様々な方策を真摯に検討していくべきと考えます。所見を伺います。●1
長い時間かかって進行してしまった医療崩壊、医師不足は、すぐには解決することは出来ません。そうした中で、国においては、現在、医療の立て直しにむけて、診療報酬改定が行われており、チーム医療推進にむけた検討も進められております。中でも、医師が担っている業務のうち、医師でなくともできる業務をクラークや、看護師などの他の医療従事者と分担し、負担軽減を図り、医師としての仕事に専念できる体制を構築していくことは、非常に重要なテーマです。
例えば、チーム医療の一員として自立的に動いたり、救急医療におけるトリアージを担うことができるいわゆるNP(ナースプラクティショナー)や、救急や感染症など各分野ごとに専門性を高めた看護師は、今後ますます医療現場で必要性が高まる人材です。
医師確保、医師の離職防止対策を進めるとともに、次なる施策として、臨床能力の高い医療スタッフを育成、配置することで、病院の医療の質を高め、生産性を高めていくことを都としても支援することが必要と考えます。チーム医療の推進に向け、積極的に検討をすすめるべきと考えますが、所見を伺います。●2
NICUの整備について伺います。従来、新生児人口1万人に対し21床でしたが、国基準が1万人対25~30床と見直されました。
東京都は、これまでNICUを拡充していくという方針は示していたものの、具体的な目標値を明らかにしておりませんでしたが、国の基準見直しに伴い、ようやく目標を明らかにして整備を進めることとしました。民主党は、かねてより、低体重出生児の動向にあわせて目標値を定め、少なくとも1.5倍にすべきと求めてきたところであり、都としても、整備目標を従来の1.5倍としたことを歓迎いたします。
この目標を達成していくためには、現在の小児科医不足、病院勤務医師の激務という状況下で、手厚い人員を必要とするNICUへの人員確保が課題となります。都としてどのように取り組むのか伺います。●3
NICUへの長期入院児の中には、GCUやPICUをはじめとした後方病床の不足や、小児訪問看護などの在宅療養環境の不備などが理由となっている子どもも多くいると言われています。また、スムーズな移行を促進するためには、医師・看護師・保護者のコミュニケーションギャップを解消したり、福祉制度や地域医療との連携などのマネジメントを行い、トータルケアの体制を構築していかなければなりません。
NICUの長期入院児の退院促進と地域移行支援は、貴重な医療資源の有効活用、健康上課題のある新生児の適切な療育、成育環境確保といった観点から、一層推進しなければなりませんが、都の取り組みを伺います。●4
次に、癌対策について伺います。
癌対策は、まずなんと言っても早期発見により早期治療につなげることが大切です。受診率をアップし、目標の50%達成に向けて取り組むとともに、その検診において早期発見につなげるためには、検診医のブラッシュアップが大切であり、全力を挙げることが必要です。
中でも、民主党は、ワクチンで発症を防ぐことのできる唯一の癌である、子宮頸癌ワクチンの接種推奨と公費助成を求めてきました。子宮頸癌は若年女性に多く発生する癌であり、最近増加傾向にあります。22年度予算の復活要望でも、唯一予防できる癌である子宮頸癌ワクチンへの公費助成と、その効果や必要性に関する普及啓発を行うための予算を求めました。全国で年間約1万6千人以上が罹患し、約2,500人が死亡していると推定されていますが、この原因は、女性の7~8割が感染するといわれるヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、子宮頸癌全体の6~7割の原因である種類のウィルスに有効とされています。改めて、HPVウィルスワクチンへの助成と、接種を推奨するための取り組みを求めるものですが、都の所見を伺います。●1
専門的な癌診療機能の充実を図るため、都内には、地域ガン診療拠点病院、都道府県認定ガン拠点病院が設置されております。都民に安心かつ適切な癌医療を提供することを目的としています。これらの病院は、都内の癌医療水準向上を牽引する役割を果たすものであり、現在の拠点病院14ヶ所、認定病院10ヶ所から、大幅な拡充が必要と考えますが、所見を伺います。●2
癌専門医の認定が行われ、一定以上の資質を持つ医師が登録・公表されました。ここ数年で、医療の均てん化、すなわち都内全域における質の高い癌医療の提供体制に向け、さまざまな進展が見られています。その中で、拠点病院と地域医療機関との連携によるシームレスな癌医療、療養等についても、体制整備を進めていかなければなりません。
医療機関同士の連携ツールとしてクリティカルパスがありますが、癌医療の場合、これに加えて、患者側の説明と納得を求める気持ち、闘病生活への不安に応えていくためのツールとしても活用できる形で、東京都版ガン手帖を作成し、活用していくことが求められています。都は先頃、試行版として東京都地域連携クリティカルパスを作成し、今後、全都展開する予定と聞きます。どの様な物とし、どの様に活用していくのか伺います。●3
平成18年の癌基本法策定時より、どこに住んでいても標準的な、あるいは高度な癌医療を受けられるようにする、そして地域ごとの癌の特性に応じた対策を推進していくために、院内がん登録の標準化と精度向上、さらには地域がん登録を早急に実現することを求めてきました。
都は、平成25年度以降の地域がん登録を目指しており、地域によって異なる癌の発生動向やその対策を進めていくことが期待されています。一部自治体ではガン条例を制定し、自治体を挙げての対策に動き出しているようです。
都では、院内がん登録のデータ収集を行うとともに、がん登録の普及啓発を行うと聞いています。
地域がん登録の実現、院内がん登録の精度向上について、都の取り組みを伺います。●4
次に、子育て支援について伺います。
まずは、待機児童解消に向けた対策についてです。都は保育サービスの整備計画について、前倒しをし、実施してきました。私たちは、さらに保育サービス拡充緊急3カ年事業の期間延長、計画を上回る保育所整備を求めてきました。
雇用情勢は改善せず、サラリーマン家庭の所得も減少している中、主婦のパート労働や求職活動に伴い、保育ニーズは引き続き増加しつづけており、待機児童数も増えております。そこで来年度以降の保育サービスの拡充について伺います。●1
次に認証保育所の定員拡大についてです。認証保育所は直接契約、13時間以上開所、スポット利用など、都民が抱える多様な保育ニーズに対応する新たな公的保育として定着し、拡大し続けています。しかし、補助単価などの面で課題があり、そのポテンシャルを十分に生かし切れていない部分があったことも事実です。すなわち定員31人を超えると、急激に補助単価が下がるため、施設面で余裕がありながら定員を30人としている施設がありました。待機児童が増え続ける一方で、このような状況を放置することは、得策ではなく、すでにある施設を活用しきるための見直しが求められています。都の所見を伺います。●2
子どもを持つ親にとっては、やっと保育所に入れたと思っても、「病気の時に利用できない」という強い不満、悩みがあります。東京都福祉保健基礎調査では、この回答は、平成14年には24.6%でしたが、平成19年度は34.9%と、10ポイント上昇しています。
病児病後児保育の国補助単価が、平成21年度に見直され、利用率の高いところには手厚く補助されることとなりました。その結果、利用率の低い施設では大変な赤字となり、区市町村によっては独自でカバーしたところもあると聞きます。
利用率の高い施設に報いるような仕組みでインセンティブを付与することは必要ですが、もとよりニーズが非常に不安定で、病児病後児施設数が不足している中では、施設の経営安定化も重要な視点であり、病児病後児保育の拡充には欠かせません。
また利用する保護者からすると、病児を抱えて利用できる施設を探すことも大変な負担です。サービスコーディネートを積極的に行うことで、こうした保護者の負担も軽減でき、施設利用率のアップにもつながります。
病児病後児保育施設を拡大させていくため、都としても強力に支援すべきですが、都の所見を伺います。●3
次に、教育政策について伺います。
まず初めに、公立・私立高校間の学びの機会均等に関して伺います。
私たちは、私学助成の拡充で公立と私立高校の授業料格差を縮小し、誰もが教育内容で学校を選び学べるよう、学びの機会均等を促進すべきと考えています。今回の高校実質無償化により、私立高校生に対しても公立高校の授業料年額に相当する約12万円の支給と、さらに低所得世帯の生徒に対して、約18万円~約24万円が支給予定であり、より手厚い措置となっています。
しかしながら、都内私立高校の平均授業料が約42万円であることを考えれば、更なる保護者負担軽減が必要です。この点に関し、都は国の就学支援金制度に合わせ、特別奨学金補助を上乗せするような形で補助を考え、来年度予算案に前年度比約10億円増の約43億円を要求しており、この事は評価致したいと思いますが、私学に進学を希望する生徒が、経済的理由で希望校を断念することのないよう、更に公私間の格差を縮小すべきと考えます。都の所見を伺います。●1
次に、高校受験生の塾代サポート支援について伺います。
高校実質無償化により、高校の教育費用における格差は縮小されます。一方、高校に入学する以前の入試段階で、高校受験生を持つ親の年収と相関した学力格差の問題があります。公立中学の3年生を持つ家庭が2008年度、学習塾や習い事などに支出した1人当たりの「学校外活動費」が過去最高の約40万円に上り、平均を上げているのは富裕層と言われています。所得によって塾に行ける子と行けない子の学力に差ができ、高校受験に影響を及ぼすことは避けなければなりません。この点に関し、東京都の低所得世帯へ塾代支援を行うチャレンジ支援貸付事業は、対象の低所得者家庭にとって大変助かるものであり、来年度は補助単価の引き上げも考えているとの事で、評価したい事業です。しかしながら、この支援の対象は生活保護水準の1.1倍の低所得家庭に限られています。対象外の家庭でも塾代まで負担することが困難な家庭は多く、今後、補助対象枠を広げていくべきだと考えますが、所見を伺います。●2
次にキャリア教育に関して伺います。
現在の若者の就労状況において、総務省の労働力調査によると、15歳から34歳の非労働力人口で家事も通学もしていない「若年無業者」の全国人数は平成21年平均で63万人と平成14年からほぼ横ばいの状態であり、深刻な問題となっています。また、若年のパート・アルバイト及びその希望者、いわゆる「フリーター」の人数は、平成21年平均で178万人であり、前年比8万人増え、6年ぶりの増加で、フリーター問題も一向に改善されている状況にありません。このような現状を見ますと、経済不況の影響による正規雇用の縮小で、若者の勤労意欲の減退やプロフェッショナルな意識が薄れ、国力の低下を招く恐れがあると考えられます。そこで、義務教育の段階から子ども達に生きる目標や進路意識を明確にし、社会的・職業的自立に導く「キャリア教育」を充実化していくことが重要と考えますが、東京都においてはキャリア教育をどのように進めてきたのか、伺います。●3
また、我々はキャリア教育の一つとして、「ものづくり人材」の育成を推進すべきであると考えています。
工業高校を初めとする専門高校は、これまで、ものづくり企業に優秀な人材を多数輩出し、我が国の経済成長を支えてきました。しかしながら、中小企業において団塊世代が大量退職し、人材不足が進みますと、我が国の産業に多大なる影響を与えかねません。そのため、優れた技術を多数持つ地元企業が、継続的に若者に技術を伝承することが重要ですが、リーマンショックを契機とした世界同時不況の大変厳しい経済環境の中で、そのような人材育成に余裕を持てない企業が多数存在するとも聞いています。そこで、即戦力となる「ものづくり人材」の育成のため、都立工業高校において若者に企業実習の取り組みを今後充実させるべきであると考えますが、所見を伺います。●4
次に、青少年の健全育成について伺います。
現在、携帯電話は多くの子供たちに普及していますが、保護者の多くがそうした子どもたちの利用状況を把握していないことも明らかになっています。
そして、子どもたちと保護者に、携帯電話やPHSを利用した感想を聞いたところ、「友人とのコミュニケーションが増えた」など、良い影響も感じていますが、保護者は「暴力的・性的・反社会的な内容を含むサイトにアクセスすること」を心配し、子どもたちのインターネット利用に不安を感じてもいます。
都は、今回、状況が深刻化している現状認識から、フィルタリングサービス解除手続きの厳格化や推奨制度の創設を行うとしています。
一方、昨年4月に施行した「青少年インターネット環境整備法」は、子どもたちがインターネットを適切に活用する能力を育成していく考え方に立っています。私たちも、子どもたちに段階的に有害情報への対応方法を教え、情報を見る目を育てる情報モラル教育、そして情報を使いこなす力をつける情報リテラシー教育を重視するべきと考えます。
子どもたちの情報モラルと情報リテラシーの向上への取り組みについて、都の所見を伺います。●1
また、携帯電話を持っている小学6年生の約半数は、保護者から持つように勧められたものです。このうち、携帯電話を利用するにあたってのルールを決めていない家庭が、小学6年生で約2割、中学2年生で約3割となっています。
都では、平成19年3月から、ネット等のトラブルから子どもたちを守るため、親子で家庭のルールを作る「ファミリーeルール講座」を実施しています。しかし、携帯電話のルールが無い、未だ理解が不十分な家庭が増えているのが現状で、しかも、こうした保護者は講座に出席していません。そこで、講習に参加しない、あるいは参加できない保護者に対して、都はどのような取り組みを行い、事態を改善していくのでしょうか。都の所見を伺います。●2
そして、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための、「青少年インターネット環境整備法」の基本理念の一つは、国及び地方公共団体は、民間における自主的かつ主体的な取り組みを尊重していくというものです。そして、有害情報の例示については、第二条の4で示されている3つの情報となっています。
都は、民間における取り組みを尊重する立場ですが、今回の青少年健全育成条例改正案において新たに定義される違法・有害情報に関して、懸念を表明する人たちがいます。
「自己若しくは他人の尊厳を傷つけ、違法若しくは有害な行為を行い」の後に加えられる「犯罪若しくは被害を誘発することを容易にする情報」とは、どのような情報を想定しているのでしょうか、また、条例の運用によって広く解釈されることはないのでしょうか。都の所見を伺います。●3
今回、都内における児童ポルノの根絶の気運醸成を議論するにあたって、私たちは児童買春・児童ポルノ法改正の動向を注目しています。都は、現在も国に、青少年を守る施策の充実を提案していますが、要望するに当たっては、国会で議論となった単純所持の問題で冤罪を生むのではないかといった懸念を払拭するための提案を行っていくべきと考えますが、都の所見を伺います。●4
一昨年の秋、自分の娘の裸体の写真や動画を携帯電話のインターネットサイトに送信し販売した母親らが、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で宮城県警・警視庁に検挙されました。
平成21年度にはネットや携帯電話を利用した児童ポルノ事件により8人が都内で検挙されています。この「ポルノブラフィーの被写体等を子供に強要する」ことは、児童虐待の中の性的虐待にあたります。ところで、都内の児童相談所で受けた児童虐待の相談・通告の件数は近年増え続け、平成20年度は3157件と10年前の4倍強となっています。
その中でも、性的虐待の相談は95件あったそうですが、性的虐待については、子供の心に大きな傷を残すと聞いており、性的虐待を受けた児童への対応が重要になります。こうした子供たちの保護・回復、そして保護者に対する指導などについて、どの様に対応しているのか、都の所見を伺います。●5
最後に、オリンピック・パラリンピック招致について伺います。
先月24日、オリンピック・パラリンピック招致活動をとりまとめた「招致活動報告書」が、招致委員会によって公表されました。
しかし、日本体育協会会長になった森元総理からの協力要請を始めとして、平成18年3月当時の関係施設検討候補地図、都とロンドン市の政策提携、瑞穂町議会によるオリンピック招致決議の否決、北京オリンピック実地調査によるメディアセンターの施設変更、過去の招致において皇室が関与していないことなど、2016年招致に関して必要な説明が記述されていないことや、コメントなどの掲載が多くないことから、2016年招致の全容を理解するには不十分と考えます。
また、1964年東京大会開催から43年ぶりでの招致の取り組みは、順風満帆なものではなく、苦難の道のりであり、そうした招致関係者の汗と苦労が窺えるものとはなっていません。そして、総括が終わらない段階であり、この報告書は「日本の再挑戦の海図」となり得ないと考えます。都の見解を伺います。●1
招致活動を終えて、残された課題の一つが、国際スポーツ界における日本のプレゼンスの向上です。この課題は、招致が始まる前から、スポーツ関係者の間で既に認識されており、IOC委員やJOC国際委員会メンバーなどで構成された国際専門委員会や20名の海外コンサルタント等の活用により、その対応が図られてきたはずです。
そして、リオの招致委員会会長で、IOC委員でもあるヌズマン会長が、IOC委員たちと関係を構築してきたことが今回の勝因の一つと記されていますが、そもそも、東京は、ロンドンオリンピック組織委員会から「招致活動は民間主導。IOCは政治家主導による招致活動を嫌う」とした提言を受けています。
知事は「トップセールスは必ずしも十全に通用しない。手分けしないと厄介だ」と言い切り、ヨーロッパやパンアメリカン、アフリカ地域のオリンピック委員会に欠席をしました。こうした国際招致舞台にトップの不在が続いた事をどう評価するのでしょうか。都の所見を伺います。●2
過去の招致活動のノウハウという課題については、昨年12月の第四回定例会で、都議会民主党が、先人の歴史を知らない石原会長がIOC委員たちに支持を求めていたとすればあきれる、そして、JOCの責任とした知事の発言を嗜めました。
民主党は平成19年11月に、「国際招致活動においては、過去を学び、IOC委員や他都市の動向を知り、招致活動に活かすべき」と質問致しました。荒川オリンピック・パラリンピック招致本部長も、「それは大変重要である。我々は招致戦略づくりを行っている」と述べたため、その後の招致活動に期待していました。
そこでこの課題の対応について、都の所見を伺います。●3
IOCが実施した東京の調査結果が、他都市と比べて支持が低いことが、ネガティブなイメージを与えたとした、論評があります。
平成19年12月、招致委員会の世論調査で、都内での支持が60%であったことから、平成20年度の都の予算算定では、招致における負担は15億円から100億円に増額されました。招致経費は総計150億円で約3倍、都の負担は、6.7倍に増えました。オリンピックムーブメント経費も、別経費で計上、95億円となりました。
招致経費をめぐっては、招致の失敗後、都議会において議論のに上りました。招致終了後に行われた都と区市町村によるオリンピックムーブメント共同推進事業や学習読本77万冊の活用の工夫、IOC総会費用などであり、石原知事も、積極的に招致経費を含めたその実態を都民の目の前に明らかにすると述べるなど、その公表を期待したところです。これら都議会におけるオリンピック招致議論の報告書への反映について、都の所見を伺います。●4
招致委員会の今後のあり方についても、指摘があるべきでした。
かつて、都は、東京が民間資金を引き出せる都市であることを誇示していました。それが現在、招致委員会は、寄付・協賛金が集まらず、赤字分6億8767万円を電通から借り入れすることを公表しました。
IOC総会の費用の減額交渉を行っていた話が、なぜ借り入れの話になったのか、招致終了後も、なぜ組織を存続させるのか、議会に対しても十分な説明が必要です。
借り入れを議決する招致委員会理事会は、元都議会議員を始め、財界のトップなどそうそうたるメンバーです。その全理事が共同責任を負うことになる訳で、果たしてどの様な返済計画を作成して行くのでしょうか。
そして、何より、招致委員会がNPO法人としての目的、招致に失敗したことから、NPO法第31条により、所轄庁の認証を得なければ、招致委員会は解散せざるを得ないと考えます。招致委員会の存在意義と電通からの借入金の経緯、理事会の責任の取り方、その返済の方針についてどのように聞いているのか、都の所見を伺います。●5
東京招致の責任者である石原知事は、国際招致に関して「なかなか厄介な。私じゃなしに他の人に言わせると魑魅魍魎の世界ですな」とした発言や「情報が入ってこない」「総力戦をできなかった恨みはあります」と述べるなど、責任を他に転嫁するような発言を続けてきました。
知事において、2016年招致における総括、戦いぬいての反省と課題とはどのようなものでしょうか。「私が一番汗をかいてきた」とも自負している知事に、2016年招致の失敗の総括、そして課題解決に向けた所見を伺います。●6
以上で、都議会民主党を代表しての質問を終えます。なお、答弁によっては、再質問を留保します。静聴ありがとうございました。