
平成19年 第3回定例会
都議会民主党が提出し、調整のついた意見書・決議(共同提案含む)
他会派が提出し、調整がつかなかったため採決に付された意見書・決議(可決=都議会民主党は賛成)
都議会民主党が提出し、調整のつかなかった意見書・決議(案)
東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、社会や都民の多様化する要請に応じて、個性的で特色ある教育を積極的に展開している。
平成18年12月に改正された教育基本法の第8条では、私立学校の果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は私立学校教育の振興に努めることが規定された。この規定は、今後の私学振興に対して重要な意義付けをしたものである。
しかしながら、少子化の進行による児童生徒の減少等から、私立学校の経営は極めて厳しい状況にある。現在、政府は国と地方の役割の見直し、財政面での地方分権改革を進めているが、その中で「私立高等学校等経常費助成費補助金」が廃止され、一般財源化されるようなことがあった場合、地方交付税の不交付団体である東京都にとっては、私学振興に多大な影響を与えるおそれがあり、決して看過することはできない。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成20年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
1 私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。
2 授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度を創設し、保護者負担の軽減を図ること。
3 私立高等学校等施設高機能化整備費補助金及び私立高等学校等IT教育設備整備推進事業費補助金を拡充強化すること。
4 都道府県の私立高等学校奨学金等事業に対する国の支援を拡充すること。
5 私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年10月5日
東京都議会議長 比留間 敏 夫
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・総務大臣・財務大臣・文部科学大臣
信販会社等が商品の購入代金を消費者に代わって販売業者に一括して立て替え、消費者は信販会社等に対して分割払いをする「個品割賦購入あっせん」は、手持ちの現金がなくても、高額商品を購入できるという便利さがある反面、悪用されると多額な債務を背負うおそれがある。
私たちの記憶に残る埼玉県富士見市の認知症の高齢者姉妹をねらった悪質リフォーム事業者による事件は、「個品割賦購入あっせん」を悪用した代表的な例であり、割賦販売を逆手に取った悪質商法は、後を絶たない。
これは、現行の割賦販売法の仕組みの中に、悪質商法に利用されてしまう次のような問題点があるからである。
1 購入者の支払能力を超える与信の防止に係る規定は、訓示規定のため、信販会社等の詳細な調査が行われることなく、支払能力を超える契約が成立することがある。
2 信販会社等による加盟店管理の義務規定等がないため、悪質な販売業者でも加盟店契約の締結ができ、「個品割賦購入あっせん」を悪用することができる。
3 同法は指定商品制などの要件があるため、この要件に該当しない場合は、法の保護対象にならない。
4 「個品割賦購入あっせん」については、信販会社等の参入規制がなく、かつクーリング・オフの対象となる契約書面の交付義務が課されていないため、消費者との間でトラブルが生じている。
以上これらの問題点をいつまでも放置していると、割賦販売に対する国民の信頼が損なわれ、結果として善良な事業者の営業活動をも妨げることにつながるおそれがある。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、こうした事情にかんがみ、割賦販売法の改正に当たっては、消費者保護を最優先とし、併せて健全な経済活動の発展にも資する立場から、上記の問題点の改善を急ぐよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年10月5日
東京都議会議長 比留間 敏 夫
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・総務大臣・法務大臣・経済産業大臣 あて
中小企業は、地域における雇用を多く創出・維持するとともに、技術・ノウハウの創造と伝承、競争力の確保・強化、地域共同体の文化・伝統を保持するなど、多様かつ重要な経済的・社会的役割を担っている。
しかし、今後、中小企業経営者の高齢化に伴い、事業承継問題が急速に深刻化することが予想される。後継者が事業を承継する際に発生する事業用資産に対する過度な相続税の課税や民法の遺留分制度などによって、やむを得ず事業存続をあきらめることになれば、従業員の生活、取引先や関連企業等の事業・経営にも影響を及ぼすとともに、地域の活力が削がれ、地域経済の衰退を招き、我が国の成長発展をも損ないかねない。
そこで、中小企業及びその経営者が、事業承継対策に過度に悩まされることなく技術革新や新規分野への挑戦に専念でき、後継者が承継した経営資源をいかして、第二創業などに思う存分取り組むことができるよう、税制面、法制面、金融面など総合的な事業承継支援を大胆かつ迅速に実施する必要がある。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、中小企業の事業承継円滑化のための支援について、次の事項を実現するよう強く要請する。
1 非上場株式等の事業用資産に係る相続税は、5年程度の一定期間の事業継続等を前提に非課税とすべきであり、事業を承継する者の相続税負担の減免を図る包括的な税制を確立すること。
2 取引相場のない株式は、円滑な事業承継を可能とする評価方法の見直しを行うこと。
3 民法の遺留分制度などは、事業承継の際に、相続人当事者の合意を前提とし、経営権や事業用資産を後継者に集中できるよう制度の改善を図ること。
4 事業承継時における金融面での支援や、廃業と開業のマッチング支援等を行うための関連予算の大幅な拡充など、事業承継円滑化のための総合的な対策を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年10月5日
東京都議会議長 比留間 敏 夫
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・総務大臣・法務大臣・財務大臣・経済産業大臣 あて
道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書
東京を中心とする首都圏は、日本経済全体の牽引役であり、その基盤となる道路整備に東京都議会は、これまで最大限の力を傾注してきた。しかし、いまだ東京における道路整備は著しく立ち後れ、旺盛な経済活動を妨げる最大の要因となっているばかりでなく、国際競争力の低下をもたらし、都市環境を悪化させる原因となっている。
今後の我が国の活力を強化・発展させていくためには、まず、首都圏三環状道路を始め、骨格幹線道路の整備や連続立体交差事業などを推進して、東京の最大の弱点である交通渋滞を解消していかなければならない。加えて、無電柱化や街路樹の充実を図り、優れた街並みの形成によって成熟した都市の姿を顕示していくことも重要である。これらの取組を重点的・集中的に行うことは、オリンピックを東京に招致することにもつながるものである。
また、首都圏の高速道路料金は、首都圏特有の事情として、運営主体及び路線ごとに設定されているため、目的地が同じであっても経路によって料金が異なるなど、せっかくの道路ネットワーク整備が十全にいかしきれていない状況にある。
現在、政府においては、昨年12月に閣議決定された「道路特定財源の見直しに関する具体策」を受け、今後の具体的な道路整備の姿などを示した「中期的な計画(中期計画)」や道路特定財源を活用した「高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用・機能強化のための新たな措置」の検討が行われているところである。
いかなる計画においても、首都として備えておくべき社会基盤としての道路は確実に位置付けられなければならない。また、高速道路料金については単なる引下げではなく、首都圏を一体的にとらえて、道路ネットワークを最大限に利活用するとともに、利用者にとっても効率的で利用しやすい料金体系が実現されなければならない。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、質の高い豊かな国民生活を確立する観点から、次の事項を実現するよう強く要請する。
1 首都圏三環状道路を始め、幹線道路ネットワーク及び連続立体交差事業などの首都東京の道路事業に財源を重点的に配分すること。
2 高速道路網を最大限に利活用させるため、環状道路の利用促進、長距離利用者の負担軽減、運営主体間の乗り継ぎ割引を基本軸とする料金の引下げに向けた新たな措置を、国として講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年10月5日
東京都議会議長 比留間 敏 夫
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・総務大臣・財務大臣・国土交通大臣・行政改革担当大臣 あて
平成18年6月、健康保険法等改正案が与党の賛成多数により可決成立した。このとき行われた医療制度改正の柱として新たな高齢者医療制度が創設された。
この新たな高齢者医療制度は、平均寿命の男女差(男性78.6歳、女性85.6歳、その差7.0歳)や、75歳以上の人口構成比からみて、合理的ではなく、持続可能性に疑問がある。
超高齢社会の到来に備え、持続可能な社会保障制度の構築が急務となっており、これまで先送りを重ねてきた医療制度の抜本的改革もまた喫緊の課題である。
また、高齢者は一般的に収入が減少する「経済弱者」であることに加えて、なんらかの疾患を持つ罹患率の高い「健康弱者」である。一律に現役並みの自己負担を求めるべきではなく、所得格差の広がっている現在、保険料を賦課する報酬の上限を上げ、下限を下げるなど、現在の高齢者の実態に合わせた制度設計が必要である。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、国民の目線に立った、効率的で公平公正な医療保険制度を再構築すべく、抜本改革の実現に取り組むよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年10月 日
東京都議会議長 比留間 敏 夫
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・総務大臣・厚生労働大臣