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定例会報告

一般質問  花輪ともふみ

花輪ともふみ(世田谷区)

 

 

平成21(2009)年9月15日
 
 
花輪ともふみ(世田谷区)

 
 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

  1. 都営住宅について
  2. 外郭団体改革について
  3. 八ツ場ダムについて

 

 

1.都営住宅について

 

私は、都営住宅の役割は、これまでの「住宅整備政策」から「福祉政策」へと変わりつつあると思います。
戦後、高度成長期に、東京に移り住んできた、多くの人々の「住宅不足」に対応するために供給されてきた都営住宅は、民間の住宅供給が充分でなかった時代においては大きな役割を果たしてきたと思います。しかし、現在の住宅事情は様変わりしました。今では民間から多くの住宅が供給され、都内の住宅ストックは、「世帯数」を大きく超えるまでになりました。
そのことからも、都営住宅の住宅不足対策の役割は終えつつあり、少子高齢社会への対応、また障がいのある方々への支援の役割が高まってきていると思います。
そのような時代の変化を捉え、都営住宅の「地域福祉」への活用についてうかがいます。

私は、都内各所で実施されている老朽化した都営住宅を建て替える機会に併せて、お年寄りや障害者のグループホーム、また保育園など、地域の実情に応じた福祉施設の整備を積極的に促進すべきと考えます。
先日、障害者のグループホームを運営するNPO法人の方から、次のようなことを言われました。
「都営住宅の建て替えに併せて、『市区町村』や『社会福祉法人』が福祉施設をつくろうとする場合は、都は敷地を貸してくれるが、『NPO』には貸してもらえない」とのこと。
局に確認したところ、都は建て替えにあたり、「公共住宅建設に関連する地域開発要綱」をつくり、市区町村が福祉施設の設置主体になる場合は、敷地を「無償」で貸し付け、社会福祉法人が設置主体になるときには「30パーセント減額」で貸し付ける、としています。しかし、そもそも「NPO法人」は想定していない、とのことでした。
そもそも「NPO法人」を「想定していない」ということも問題なのですが、市区町村なら「無償」なのに、社会福祉法人だと「有償」ということも疑問に感じます。
これまで、役所が中心だった福祉の担い手は、近年、社会福祉法人やNPO法人、医療法人、株式会社などへと変わってきています。たとえば、障害者のグループホームの都内設置状況を見たとき、全体住居数795のうち、社会福祉法人514、NPO法人238、その他は35で、区市町村はわずか8に過ぎません。
また、各法人が、区などから、土地を借り受けて、施設などをつくる場合は、「都営住宅の土地と違って」「無償」が多い、とも聞いています。
先の「地域開発要綱」は、平成12年に改定されたままですが、社会を取り巻く福祉の環境、その役割分担は大きく変わってきています。時代に合わせた対応をすべきだと考えます。
さらに、今後、大規模な都営住宅の「集約」「高層」「建て替え」により新たに生み出される「余剰地」は、10年間で「60ha」とも言われています。これらの土地が、各地域の福祉施策のいっそうの増進に役立つよう、建て替えに際しては、福祉保健局など各局との調整はもちろんのこと、さまざまな地域福祉の担い手や、地元自治体、また、地域住民の意見にしっかりと耳を傾けていただきたい、と、思いますがいかがでしょうか?●1

 

さらに、他県の状況を見たとき、公営住宅は市町村での運営が圧倒的です。都も都営住宅の「移管」を進め、平成13年から10年間で2万戸の移管を進める計画を立てています。しかし、実績はこの8年間で2800戸ほど。区もさまざまな事情を抱えており、いろいろご苦労もあるかとは思いますが、積極的に区への移管を進めていくべきであると考えますが、いかがでしょうか?●2

 

2.外郭団体について

 

外郭団体改革についてうかがいます。

外郭団体のうち、監理団体の改革については、石原知事就任以降これまで、積極的な取り組みをされてきていると認識しています。団体数は、平成11年度の「64」団体に対し現在「33」団体と「31」団体削減し、契約情報や幹部職員の再就職情報なども「徐々に」ではありますが透明化が進んでいます。
しかし先日、私が局に「削減された31団体は、会社を清算したり、解散したのですか?」と、うかがったところ、「いくつかは『統合』もしましたが、多くは『報告団体』になりました」とのこと。報告団体とは、都からの出資比率が25%未満で、自立的経営をおこなっていて、全庁的指導監督をおこなう必要がない団体と位置付けているようです。
この間の改革の中で、報告団体へと指定解除された元監理団体の数は21団体。削減したはずの31団体のうち21団体は名前を変えただけのようにも見えます。まず、監理団体と報告団体はどのような考え方で区分けを行っているのかお聞かせください。●1



つぎに、これら「報告団体」の情報開示についてうかがいます。
報告団体は全部で「52」団体。監理団体に比べ、都の「出資割合」が「低い」とは言え、税金から「多額」の「出資」がなされています。また、都との「関与」が「低い」といいますが、都の幹部職員の再就職、いわゆる「天下り」は、たくさんあります。その数は、65人。監理団体への55人を上回っています。
私は、今回の質問を行うに当たり、議会局を通じ、各局へ「報告団体が行う随意契約」さらに「報告団体が出資する『子会社』などの団体、また、子会社への都幹部職員の『再就職』状況」の報告を求めましたが、ほんの一部を除いて「当該情報を把握していない」とのことでした。
監理団体に関しては、何度となく質疑を行い一定の情報開示が進んでいます。しかし、その陰で、「改革」という名の下、監理団体が報告団体という名の「報告しなくてよい団体」衣替えしてしまったのでは、改革の中身そのものが疑われます。監理団体だった団体が、わざわざ、都からの出資を基準の25%未満に落としたり、子会社ばかりではなく孫会社まで作っているという話も聞きます。自立的経営を行っていて「関与が低いほうがいい」というのであれば、「出資」も「天下り」もなくしてはいかがですか?
私は、報告団体についても監理団体と同様の情報開示を進めるべきと考えますがお答えください。●2



国では、省庁の仕事を、天下り先が随意契約で受け、その天下り先が作った子会社がその仕事を受け、そのまた子会社が……などという形で、多くの税金が無駄に使われていることが明らかになり、天下りに関する社会の認識も、厳しさを増してきています。こうした状況にあって、知事は幹部職員の天下りについてどのようにお考えか、所見をうかがいます。●3

 

 

3.八ッ場ダムについて

 

八ッ場ダムについてうかがいます。

いま、八ッ場ダムの建設中止を「公約」に掲げた、民主党の「総選挙勝利」を受け、多くの国民の目が、八ッ場ダムに向けられています。

そこで、八ッ場ダムの必要性についてうかがいます。
まず、その治水効果についてです。

そもそも八ッ場ダムの計画は、昭和22年のカスリーン級の台風の再来に備えるため、利根川の上流に、治水ダムを造る必要がある、ということから、始まったものでした。
ところが、昨年6月の衆議院における政府答弁書で国交省は、カスリーン級の台風が再来した場合、利根川の洪水ピーク量は、八ッ場ダムがある場合も、ない場合も同じで、八ッ場ダムによる、治水効果は、「ゼロ」であることを明らかにしています。
一方で国交省は、八ッ場ダムは、「200年に一度」の大雨に備えるために、どうしても必要だ、と言っています。ダムがないと、東京だけで99万人、77ヘクタールにおよぶ被害が発生し、その被害額は1兆344億円ということです。
もし、これがそのとおりであるなら、大変なことです。人生80年の時代、200年と言えば孫の代「せめてそのころまでの安心は確保したい」という気持ちにもなるのも、当然でしょう。

私がうかがった中では、「もし200年間安心にするためには、八ッ場ダム級のダムがあといくつ必要か」などとの問いに対する明確な答えはないようです。
国交省では、コンピュータで難しい計算をしているし、その道の専門家である学者の先生たちが検討して出した結果だから、洪水流量の予測に疑う余地はないとしています。しかし、それについては、以前から多くの疑問が出されているのも事実です。

日本で最大級のダム計画にかかわる自治体として、治水における八ッ場ダムの必要性を国交省任せにせず、自らの責任において検証し、明らかにすべきと考えますがいかがでしょうか?●1

 

つぎに、利水について申し上げます。

八ッ場ダムが完成するといわれている平成27年には、都も人口減少の時代に入ります。しかし、現在、都が作成している水の需要予測は、「古い」データに頼ったもので、「右肩上がり」に水需要は増え続け、「水が足りない」ので、ダムが必要だというものです。
水の需要予測は、ダム建設の「是非」を論じるにあたって、基本となるデータです。私は、この間、幾度となく、「最新のデータ」に基づく水の需要予測を求めてきました。しかし、「現時点では過去のデータとの乖離が認められない。予測を見直す必要はない」との一点張りです。今回も、お訊ねしても「考えは変わらない」ということなので、答弁は求めませんが、これを期に、最新のデータに基づく需要予測を行うべきと申し上げておきます。

つぎに、事業費についてうかがいます。

事業費について、予定している4600億円のうち、すでに3200億円も使っており、さらにここで中止をすれば、国は、都や県がこれまで負担している「負担金」を返還しなくてはならないから、やめるほうが「余計にお金がかかる」、だから、続けたほうがいいのではないか?と主張する声もあります。
しかし、このまま工事を続けた場合、本当に予定の「4600億円」で済むのでしょうか?
平成13年、国交省は、八ッ場ダム事業の「工期」を、10年間延長しました。そしてその3年後、事業費を2110億円から4600億円へと跳ね上げました。さらに昨年、工期をまた5年延長しています。
建設工事などでは、「工期が延びれば事業費も増加する」ということは「常識」であると聞きます。また、地滑りなどの危険カ所の対策に、当初予定していなかった「費用」が「必要になる」といったようなことも、明らかになっているようです。このまま工事を続ければ、事業費が「再増額」される可能性が、大変高いのではないかと思います。

さらに、都は「負担金」に対して、これまでどのような工事に、いくら使ったか、どのような調査にいくら使ったか、それぞれの道路の進捗状況はどれほどか……それらをしっかりと「把握」してきたのでしょうか? 毎年、国交省から送られてくる請求書どおりに、その「明細確認」もせず負担金を支払っていた、ということはないのでしょうか?
「国交省任せ」に支払ってきた「負担金」の返還させる、させないは、あくまで「国」と「自治体」の、お金のやり取りの問題であって、行政間で調整すればいい話です。「事業をやめたら、地方にお金を返すから、余計お金がかかる!」というのはおかしな話で国民のお財布には関係のない話です。先の総選挙での国民の願いは、「必要のない公共事業」で自然を破壊したり、「税金の無駄遣いをすること」をやめてほしい、ということなのです。
今後の「事業費」についても、「新しい政府」に、情報の開示を求め、徹底的に検証すべきと思いますが、いかがでしょうか?●2

 

私は、八ッ場ダム事業を見直した場合、ダム中止後における地域の人々の生活再建は、何にも優先して、進めるべきだと考えています。
ダムの本体工事が、中止になったから、と言って、やりかけている「道路」や「鉄道」の付け替え工事も取り止めて、「今のまま放置する」というわけにはいきません。それについては、しっかりとやり遂げることが必要でしょう。しかし、幸いなことにダムの本体工事には1mmも取り掛かっていません。
民主党は、八ッ場ダム建設中止の公約に先立って「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案の骨子案」を発表しています。これは、「ダム事業が続かないと地域活性化も望めない」という現状を改め、事業をやめても、その地域に住み続ける人が、「希望を持てる」ように、するためのものです。
今、地元地域の皆さんは「ダム事業の中止」という新たなる不安に悩まされています。私は、事業が中止になった場合でも、このような法律に基づき、ダム計画により、手を入れることができずに老朽化した家屋などの新改築、生活再建のための物心両面の支援、衰退した地域の産業の再生推進、移転した方々を呼び戻すために、これまで買収してきた土地の安価での譲渡、など、地域へのさまざまな取り組みを、間をおかずに、住民の皆さんと「膝づめ」で話し合いながらなされなければならないと考えています。
そして、それは「一度決めてしまった」からと言って、情報の公開を拒み、事業の再評価を怠り、地元の人々を半世紀以上も苦しめてきた国、そして国に追従してきた下流都県がしっかりと責任を持って進めていくべきものとかんがえます。

そこでうかがいます。
鳩山次期総理は、八ッ場ダム事業の見直しを表明しています。都も、新しく発足する政府に協力して、八ッ場ダム事業を見直し、併せて地元地域の生活再建支援を速やかに進めていくべきと考えますが、知事のお考えはいかがでしょうか?●3


私は、この八ッ場ダムの問題が、さまざまな苦難の道を強いられてきた住民の皆さんの思いを振り返り心を寄せ、これまでの日本の公共事業の在り方を反省し、問い直すものとなることを願ってやみません。