
平成21(2009)年9月15日
笹本ひさし(江戸川区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
当面する諸課題について質問致します。
つい先だっての地方選挙の演説のさわりの部分をご紹介を致します。
『今日は雨の日ですが、誠にもって恵みの雨と言えます。何故ならばこの宇宙空間、137億年前に出来たこの宇宙空間で、このように雨の降る星はありますか?ありません。言い換えると水の惑星はこの美しい地球のみであります。従ってこれを面倒だと言うのは東京の人たちです。何故かというと東京には水も土も欠けている。それと比べると静岡はどうでしょうか?富士山、日本一美しい霊峰富士山がある、そして南アルプスがある。そこから流れ下る安倍川、富士川、天竜川、これらの水で素晴らしい緑の木立、果樹園が育ち、田畑が洗われ、命の水となって駿河湾、遠州灘に注いでいきます。それは、栄養たっぷりな水です、そして素晴らしい漁場が豊穣と広がっています。
(中略)
東京の食料自給率はわずかに1%、言い換えると99%を他府県に依存しています。しかも東京はコンクリートジャングルで、それをリサイクルすることが出来ない。従って捨てている、捨てている量たるや、世界の飢えている人9億人に対し、全世界が食糧援助している3倍の量におよんでいます。このような東京から我々は脱却しなければなりません。それがこの静岡であります。以下 続く~』
これは、静岡県知事の川勝平太氏の演説の冒頭であります。
東京に暮らし、東京に生きる私たちにとっては少々耳の痛い部分はありますが、
首都東京に暮らす我々が、この先もずっと子どもたち、さらに次の世代へと繋いでいく責任と使命を重く受け止め、都民の皆様に付託を受けた今こそ強く実感をするものです。
さて、質問に入ります。
はじめに、都立墨東病院に関わる周産期医療体制について質問を致します。
平成20年10月4日・土曜日、江東区内のかかりつけ産婦人科医を受診した妊婦の転院搬送に関し、同医院等が都立墨東病院を含め、8医療機関に受入れ可否の連絡をするも、受入困難となる事案が発生致しました。その際、他の周産期医療センターに依頼するほうが迅速かつ適切な処置が出来ると都立墨東病院は判断し伝達するもののすべての医療機関での受入れも拒絶され、1時間後の再度の要請にて受入れました。
子どもは緊急帝王切開で無事出産するも、母親の妊婦は三日後に亡くなられました。同様の事案が江東区の事案の僅か数日前にも調布市内でも発生していました。
東京都では、周産期医療協議会での集中的な検討を経て、「スーパー総合周産期センター」や「周産期コーディネーター」の設置など具体化し、辛い教訓が制度に反映されたことに、庁内周産期医療体制整備PTに評価と、安全で安心な医療体制の構築にさらなる期待をするものです。
思えば、昨年二月二七日、墨田・江東・江戸川の3区の医師会長および産婦人科医会長名にて、都立墨東病院ならびに東京都病院経営本部に対して、「城東地区における周産期について」と銘打った「難問が多い周産期医療を都民が安心出来る体制」との緊急要望が出されておりました。このとき命の危険のある患者が出た場合を予見した緊急の要望書であっただけに、東部地区に暮らす都民として、昨年の事案は残念でなりません。
そこで、改めて現況の墨東病院についてお伺い致します。
一、 ERの一部として産婦人科の在り方と今後の見通し
二、 産婦人科常勤医師の人数について
平成一五年8人、一六年七名、一八年六名、一九年五名と、二〇年度には四名から三名なったと指摘されていました。
そして、昨年七月には土日には当直体制が一名体制となっていました。
数年にわたって減少しているにも関わらず、産科非常勤医師の補充できなかった最大の要因は何でしょうか。
勤務時間や報酬など、処遇にこそ原因があったと推察しますが、如何でしょうか。
付け加えますと、本年三月より墨田・江東・江戸川の医師会の協力連携により。
「区東部二次保健医療圏における都立墨東病院を中心とした産科診療協力医師登録制度」が始まりましたが、地域医療の連携に大いに期待をしたいと考えます。
ここで先ほど触れましたが、東京都の周産期医療体制についてお伺いいたします。
少子化の時代とはいえ、都内では毎年十万人もの赤ちゃんが産まれています。私の住む江戸川区でも、毎年7,000人近くの赤ちゃんが産まれています。一方、低出生体重児の増加、母体合併症の状況など、昨年のような周産期の救命事案の起こる可能性はあると思います。
東京都昨年秋より東京都周産期医療協議会において集中審議を行い、既存の医療資源を有効に活用して、様々な取り組みを始めたと理解を致しております。
猪瀬副知事を座長とするプロジェクトチームが結成され、提言もなされました。
昨年事案が発生から一年がたちますが、東京都は新たにどのような取組を行い周産期医療の充実に取り組んできたのかお伺いをします。
産科救急の最後の砦になる周産期母子医療センターには、あらゆる事態を想定した高度で多岐にわたる診療機能が備わっていることが望まれるのは言うまでもありません。
極端な医師の不足している産科や、また小児科、経営面での採算が難しい救急医療、人員や施設整備の拡充は難しく、現実的には幅広い連携により周産期医療の弱点をカバーしなくてはなりません。
命を守る最前線と強い意識でお伺いをするものです。
続きまして、特別養護老人ホームなど、「介護基盤整備」についてのご所見を伺います。
本年三月、群馬県渋川市の未届け高齢者施設の火災で入居者10名が犠牲になるという痛ましい事故が発生致しました。その事故を「教訓」にすべきとの提言が社会評論家の安田千恵子氏から区部の区長、執行部に寄せられました。
その内容を閲覧すると、傾聴すべき内容があり、その提言の趣旨をご紹介し、大都市特有の事情を抱えた東京区部での高齢者施策の一助になりうると考え、質問を致します。
東京の高齢者が地方の高齢者施設に入所する最大の要因は、大量の高齢者が存在するにもかかわらず、国の政策、すなわち総量規制などによる高齢者施設や、介護付き有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護の制限や在宅介護や地域介護が機能しえなかったことが最大の要因である。軽い認知症ならともかく、老老介護や認認介護など、24時間のつきっきり介護など、家族にも地域にも所詮無理なのは分かっていた。地域の小規模多機能型居宅介護事業所も採算がとれず、資金力に乏しいNPO法人等が運営していくにはあまりにも収支バランスが厳しいのが現実である。地域包括支援センターも介護保険で出来るサービスを勧める程度で根本的な問題解決には至らない。重症者には24時間のケアが出来る施設が必要なのに、区部などでは極端に不足し、入所することが出来ないのが現実ではないでしょうか。平成十九年の特別養護老人ホーム入所希望者数調査によれば要介護4、5の人数は約7,300人。老老介護など在宅介護が困難な高齢者に強制をするから悲劇がおこるのではないでしょうか。このままでは国も自治体も悲劇を放置していることになりませんか。社会基盤である介護基盤の安全網の構築を国や自治体が、補助金をつけ民間に任せる方式ではおのずと限界が見えています。
東京の都心、特に区部の地価は高く、広大な用地の確保も容易ではありません。原則的には身近な地域で介護も受けられることが良いのは言うまでもありませんが、現実は、東京固有の事情を考えると困難な例も多いのは当然であります。
そこで、都外の用地に大都市の高齢者施設を整備し、都市が抱える介護事問題の解消の一因にならないかものかと考えます。
都心部には施設での専門的な介護が必要な要介護高齢者は大量にいらっしゃいますが、多くの方が施設への入所を希望をしています。
施設整備の用地としては公共用地、学校跡地の再利用にも期待は致しますが、地価の高さ、利用できる土地に制約があることなど、様々な事情で施設整備は容易でありません。
大都市の高齢者が地方の施設に入り住民票を移すと、その地方の人たちの負担が増えるので高齢者施設が嫌がられる一因にもなる。
現実的には住所地特例により、受入れ地域の負担は発生しないが、地域介護や在宅介護の流れで排除とはいわないまでも歓迎はされないのが現状だと思います。いきおい、事故を起こした未届けの高齢者施設に入居させざるを得ない現実に目を背けることはできません。事故のあった未届け施設においては、生活保護対象者が入居していたと言う事実も、大都市の複雑な事情の一面を垣間見る思いです。
都心に足りない広くて安い土地や、自然。地方に行けば土地も安く自然もあります。今の介護報酬では、十分な働き手の確保はすぐには期待できないかもしれませんが、雇用創出にも効果があるかもしれません。
そこで、大都市と地方が手を組み、多くの要介護高齢者のために貢献出来ないものかと考えます。
都市と地方のパートナーシップ制度、公設民営の施設や高齢者介護分野の企業誘致、地方の雇用環境改善、医師不足の解消にも効果が期待できるのではないかと思います。
付け加えますが、水害や土砂崩れなどの自然災害には細心の注意と調査が必要なのは言うまでありません。公が為すべきことは多いはずであります。
群馬県渋川市の施設のような悲惨なケースを二度と繰り返してはなりません。尊厳を保った生と死を誰しもが享受できるために先送りは出来ない極めて喫緊急務の課題です。そこで質問です。
① 都内の未届け有料ホームの把握、管理指導の現状について伺います。
② 次に東京固有の事情により、都民のために都外の用地を活用して、特別養護老人ホームの整備について検討する場合、具体的な障壁は何でしょうか。
また、地方自治体とのパートナーシップ契約のような事例はありますか。
③ 都外に設置された特別養護老人ホームへ都民の方々、いわゆる住所地特例ですが、入所をしている人数について把握をしているか?
またその施設への指導や地域との調整はどのように行われるのか、併せてお伺いをいたします。
④ この質問の最後に大都市東京の都心区のように用地の確保がそもそも困難な場合、今後も増え続ける要介護高齢者に備え、都は介護基盤の整備をどのように促進していくつもりでしょうか。
ご見解をお伺い致します。
続きまして、直轄事業の東京都負担金の国に対する返還請求についてお伺い致します。
このたびの衆議院選挙の民主党のマニフェスト政権公約の五つの原則の第一に、国の総予算の徹底効率化、不要で急を要さない事業の根絶を掲げました。
川辺川ダムや八ッ場ダムの中止を掲げたマニフェストは、国民の皆様の圧倒的な御指示を頂きました。言うまでもなくマニフェストは有権者との契約、すなわち約束であります。約束である公約は実行されなければなりません。かつて、
『公約を守らない位のことは大したことではない。』と明言をした首相がいましたが、政権交代が国民の意思で具現化され、民主主義の精神である国民主権の政治が貫かれた今ではそのような言葉は所詮通用するわけはありません。
さて、全面的な見直しの対象である国の大型直轄事業である八ッ場ダムの建設中止の場合、知事は東京都負担金の既に支払い済みの『457億円を返還請求するつもり。』とのご発言をされております。特定多目的ダム法を根拠とされてのご発言とは思いますが、そのとおりで変更はありませんか?
昨日、知事は都議選は衆議院選挙の前哨戦に位置づけられ、国政の影響を受けたとのご発言がありました。しかしながら、都議選の直後の衆議院選挙のマニフェストにおいても八ッ場ダムの建設中止を掲げ、国民の皆様からのご指示をいただき、政権交代が起りました。
政権を選択された国民の皆様との齟齬は感じませんか?
それとも、所詮専門的な知見を持ち得ない世論に判断は難しい。
以上で質問を終わります。