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定例会報告

一般質問  滝沢景一

滝沢景一(八王子市)

 

 

平成21(2009)年9月15日
 
 
 
滝沢景一(八王子市)

 
 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

  1. 高齢者介護について
  2. 医療について

 

 

1.高齢者介護について

 

高齢者介護についてお伺いいたします。

首都圏、特に東京都の高齢化は極めて急速に進みつつありますので、都民が安心して暮らしていくために、医療と介護の環境を整えることは必須のことであります。

医療や介護は、人が人を支えることによって成り立つ究極のマンパワー産業であり、多様な雇用の場が提供される観点からも、公的資源の投入に値する重要な分野、成長産業でもあります。
方や、医療や介護の問題といった場合、治療や介護が必要な家族を抱え、就業継続の断念を余儀なくされ、経済的負担に耐え切れず、生活保護、あるいは虐待、自殺といった負の連鎖が顕在化しているのが今の社会であります。
今一度、生活者視点の原点に立ち返り、5つの視点から都政の果たすべき役割について、明らかにしていきたいと思います。

まず1点目、東京都の独自性を踏まえた支援・援助にっいてであります。

介護保険制度は、介護保険法に基づき、基礎自治体が保険者となって、半分は税金を投入しての事業運営である以上、公平・公正の観点から、全国同一の基準で運営されることは当然のことでありますが一方で、現場を抱える保険者は、被保険者の実情を十分把握し、独自の工夫をもって、地域に見合った運営を行う必要もあります。

法では、都道府県の役割を、サービス事業者の指定・指導・監督をはじめ、保険者による保険事業運営が健全かつ円滑に行われるよう、必要な指導及び適切な援助を行うものとされています。
私は、この点について、特に東京都の場合、他の道府県とは際立った違い、首都として、高度成長期に極めて特異な都市開発が進められた広域自治体として、独自の支援・援助のあり方があってしかるべきだと考えています。

介護保険制度が創設されて10年目、これまでの経過をみると、サービス提供者は民間で、という制度設計に従い、介護サービスは基本的に民間事業者が直接担う形で発展してきました。
しかし、何度かの制度改正を経て、この重要な担い手であるサービス事業者は、一定規模以上の大事業者だけしか生き残ることができない、という実態があるのも事実であります。

既に介護従事者の賃金水準の低さ、定着率の低さなどが指摘され、その処遇改善に向けたさまざまな政策的対応が、昨年度の介護報酬改定と併せて進められてきたところでありますが、その内容からみても、地域の中で育ってきた小さな、心ある事業者が、正当な事業者として存在感を発揮できるような状況になっていないことは明らかであります。

東京都は極めて狭いエリアの中に高齢者が密度高く存在し、基礎自治体も多くは極めて面積的に小規模であり、多数の保険者がそれぞれに制度運営を担っています。
一方、道路交通、公共交通網が整備されているなか、多くのサービス事業者は複数の保険者のエリアを跨いでサービスの提供を行っています。

多摩ニュータウンをはじめとして、人工的に発展を遂げてきた大規模な団地群もあり、地域コミュニティのあり方も都内各地域ごとに多種多様であります。団塊世代の集中度の高さ、大学・研究機関・企業の集積などを背景に、首都圏ならではの住民意識が醸成されており、保険外サービスの積極的展開を目論む民間事業者も多くあります。
言い換えるなら、介護に関するニーズに多くの選択肢を提供することが求められ、環境的には今後の発展にあらゆる可能性があると前向きにとらえることができます。その特色を生かした東京ならではの展開が可能であり、そのような取り組みがあってしかるべきだと考えます。

居宅介護支援においても、介護保険外のさまざまな福祉資源が各地域ごとに展

開される地域事情に精通して、そういう保険外サービスの補完的な活用を前提にしたケアプラン作りを行うことが、サービスを受ける側にとっても、新たな雇用創出にとっても、都市型超高齢社会におけるコミュニティ醸成という面からも望ましいといえます。

全国レベルで事業展開する大規模事業者に席捲されるような形ではなく、ごく限定されたエリアで質の高い、特色あるサービス提供ができる市民企業型サービス事業者の育成にも力を入れることが、東京の介護環境向上のためには望ましく、保険者の自己努力だけに期するのではなく、広域自治体としてエリアマネージメントの視点から、東京都独自の支援策を展開すべきであると考えますが、見解を伺います。

2点目は介護事業者の円、滑なサービス提供を支援する配慮であります。

まず、いくつかの点について現状確認をしたいと思います。
個々の介護従事者の処遇改善も重要でありますが、介護サービス事業者がサービスの質を向上していくうえで、ネックになっている課題は多くあります。その代表的な例を挙げれば、一つにはサービス提供時における事業車両の駐車場の問題であり、もう一つは法令や運営基準に付随する事務コストの問題であります。

まず、駐車場問題でありますが、平成18年に行われた道路交通法の一部改正以降、駐車車両に対する取り締まりが厳しくなったことから、居宅介護支援や訪間介護など、訪問系介護事業者から悲鳴が上がっていることを仄聞します。訪問介護に伴う駐車許可については、地元警察署に申請を行うこととなっていますが、定期的な訪問時については、一定の配慮はなされるようになったとの一方で一部の警察署においては、緊急時の例外的な対応に違いがあるなど、サービス事業者にとっては極めて切実な問題であるとも聞いています。

訪問系介護事業者だけを特別扱いできないということはあるかと思いますが、

利用者からの緊急呼び出しへの対応など、命に関わるケースもあり、訪問介護事業者の人道的使命ということにかんがみても、ぜひ、この点についての軟な対応に努めていただくよう要望します。

次に事務コストの問題でありますが、介護サービス事業者にサービス内容や運営状況に関する情報の公表が義務付けられているところであります。このための経費負担は小規模事情者にとっては非常に重いものになっています。このことに象徴されるように、サービス提供そのものではなく、付随する義務的な事務作業に多大な負担がかかることが、地域に寄り添って満足度の高いサービス提供をしたいという良心的な個人事業者、市民事業者を結果的に淘汰してしまう実態となっています。そこで、付随する義務的な事務に対する財政的な支援ないし、事務の見直しが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。

3点目は特別養護老人ホーム等の広域型施設の整備にっいてであります。

先般の群馬県渋川市における高齢者施設の火災で、介護を要する高齢者、特に低所得者や単身者のための施設の絶対的不足が改めてクローズアップされました。
今年3月に策定された東京都高齢者保健福祉計画によれば、都内特養入所希望者数は3万8千人とのことであり、施設整備の緊急性、重要性は明らかであります。
東京都においても、要介護高齢者の入所施設を中心に、介護基盤整備促進を自治体に対して強く働きかけていると聞いていますが、広域型の特別養護老人ホームや介護老人保健施設の整備については、広域自治体としての責任において東京都が主導的に進めるべきと、考えますが、お答えください。

4点目は地域密着型サービスヘの支援であります。

各自治体で進めるべき地域密着型サービスについても、特に今後の在宅介護支援において、重要な役割を果たすと期待されている小規模多機能型居宅介護事

業所については、既存の介護報酬、運営基準等の枠組みの中での単独での事業展開は極めて困難であり、計画的な整備が進まない実態にあります。

保険者独自の報酬設定や支援という選択肢はあるにせよ、各自治体とも財政的な支援を継続的に実施することは、非常に困難な状況にあります。
現場からは、イニシャル・コストの支援よりも、ランニング・コストの支援が必要だという声が聞かれます。

小規模多機能型居宅介護サービスが充実すれば、一人暮らしや老人世帯の要介護高齢者にとっては、在宅での生活を安心して継続していく上で、極めて有効であり、施設入所以外の選択肢として大きな役割を果たすものと考えます。

小規模多機能型は、既存の民家の活用によるサービス提供も可能であり、用地確保や費用負担の面で困難性が高い入所施設よりも整備が容易であり、適切に整備されていけば、比較的介護度の低い施設入所待機者を減らしていくことも可能になります。
そこで、小規模多機能型へのランニング・コストヘの財政的支援の必要性についてお答えください。

さらに、現在の雇用情勢の中で、緊急雇用対策として離職者に対する職業訓練が行われており、その一環として介護労働への就業を目的とする職業訓練がある。確かに、現在の介護・福祉職場はとりわけ民間を中心に人手不足の状況であり、他業界からの雇用のシフトについては促進するべきである。
しかし、現在の介護・福祉労働者の雇用は極めて不安定であり、安定的な継続雇用が行われていないのが現状です。その実態は、非正規化と低賃金化か進み、その結果離職者が絶えず、更には労働条件が悪化するという悪循環の状況になっています。この原因は、介護制度における報酬設定や、福祉分野における措置費・サービス推進費の単価の算定にあります。その解決のためには、制度改正と併せて、東京都が事業主を通じて事業に対する補助のみではなく、直接に介護・福祉労働者の労働条件や賃金水準を維持・補償してこそ、常勤化・

正規化を進めるためには補助金の見直しが必要であります。
そこで、現在人手不足の状況である介護や福祉分野において、職員の確保して雇用の安定を図るために、東京都として労働条件と賃金水準を補償するために、民間社会福祉施設等に対する補助金のあり方を見直すべきと思いますが、お答えください。

5点目は医療と介護の連携強化のため、東京都の主導的役割であります。

最後に、今後、特に重要になると考えられる医療と介護の連携・機能強化について触れておきます。

要介護認定を受けるまでのプロセスとして、必ずしも「徐々に老化が進んで」ということではなく、年齢に関わらず元気に生活していて、介護とは無縁と思っていた方が、突然の脳血管障害であったり、転倒による骨折であったりということで、まず入院し、何の準備もないままに退院しなければならなくなり、大きな不安、不便を抱えての在宅介護生活に入るというケースが多く見受けられます。

特に脳血管障害のように、退院後もリハビリテーションが必要であったり、末期がんのように在宅介護であっても医療的なケアが必要であったり、医療と介護のサービスが切れ目なく提供されることが求められています。
また、高齢者介護の問題では、認知症への対応も極めて重要な問題であり、介護という視点からの医療関係者の理解の度合いが、今後の環境整備を左右するといえます。

高齢者医療に深い理解をお持ちの医療関係者が、既に各地域で介護の分野でご尽力をいただいていることは承知していますが、一方で、まだまだ理解が十分ではなく、ケアマネジャーが現場で大変な苦労をしているとも聞いています。医療と介護の密接不可分な関係性を十分に踏まえ、医療関係者が介護保険制度

の基本的な仕組みを理解し、円滑な連携が図られるために、東京都として今後どのように取り組んでいくのか、最後に確認をし、高齢者介護の質問を終わります。

 

 

 

2.医療について

 

小児地域医療についてお伺いいたします。

都議会民主党は、地域住民の生命と安全を守り、そして責任をもつ立場から、八王子小児病院、清瀬小児病院、梅ケ丘病院の府中への移転及び統合に当たっては、小児地域医療が確保されることが確認されなければ、この間、3つの病院を存続させるべきという主張をしています。

一方、地域における小児医療体制の維持・充実から、小児病院の存続の必要性を求めている住民のいることも承知しております。
また、地元八王子市としては、平成13年12月「都立病院改革マスタープラン」を基点とした一連の計画の流れ、小児総合医療センターの工事着工、小児病院跡地利用といった更なる地域医療への取り組み環境へと努力されていることも承知をしております。しかし、八王子市民をはじめ八王子小児病院を必要としている人たちにとっては大変重要な問題でありますし、あと7ヶ月あまりで移転してしまうのに、なぜ質問をするのかという方もいらっしやるかもしれませんが、東京都の政策をチェックし、都民のニーズを訴えるのが議員の役目でもあります。そういった観点から質問を進めてまいります。

まず、現状についてお聞きしたいと思いますが、八王子小児病院移転後の地元自治体が取り組む小児地域医療への対応を例に、これは清瀬小児病院移転後の清瀬市にも言えることでありますが、東京都の役割・責任を明らかにされておりません。
移転の前提として、先に述べたように移転後の地域における小児医療体制の継続、さらには充実していくことが、地元自治体の課題として残されました。言い換えれば、移転後、小児地域医療体制が後退するようなことであれば、八王子小児病院は存続されなければならない、ということであります。

行政においては、福祉保健局、病院経営本部、そして八王子市を構成員とする「八王子地域における小児医療に関する協議会」を設置し、平成20年9月。「八王子地域における小児医療体制について」をとりまとめました。

この「協議会のまとめ」には、小児医療体制の確保・充実に向けた基本的な方向性が示されております。
八王子小児病院が担ってきた入院医療については、市内の大学病院である二つの中核病院が受け入れることとしておりますので、小児病床数の拡充が要請されてきます。また中核病院が、移転後の二次医療すべての受け皿となることを考えた場合、入院の必要な救急患者用の病床確保や感染症患者用の個室化などへの対応が中核病院に求められてきます。
八王子小児病院が診てきた患者を、中核病院で円滑に受け入れる医療体制が構築されるために、東京都はどのような支援を実行するのか、お答えください。国において、NICUの整備目標を引き上げたことにより、都は今後更なる整備を進めていくこととなりました。
八王子小児病院はNICU9床を設置しておりましたが、中核病院においてNICUを整備する場合、どのような支援策が予定されているのか、お答えください。次に八王子小児病院跡地整備への財政支援についてお伺いします。八王子市は、病院の跡地・施設を活用し、小児医療、障がい児・障がい者の療育事業を展開し、移転後の医療体制を確保する計画を立てています。
八王子小児病院の土地建物の譲渡に対し、地域医療を後退させないという趣旨からすれば、本来的には無償譲渡が望ましいと考えますが、どのような配慮がなされているのか、お答えください。
また、既存設備については、解体や大幅な改修が必要とされ、そのうえ新たな医療機器の整備というように、地元自治体には大きな財政負担が被さってきています。このため財政問題は、福祉保健局で協議されているとお聞きしていますが、現実は既存制度の枠での議論に止まっているようであります。しかし、八王子小児病院の移転は、八王子市に新たな地域医療政策を求める、特殊事情であることを考慮すれば、既存制度に加えて、あるいは福祉保健局を越えた、行政部が所管する市町村総合交付金といった制度を含め、新たな支援策が必要と考えますが、お答えください。

現在の課題について質問をしてきましたが、東京都の政策により八王子市や小児病院を抱える自治体への負担と近隣市を含め、小児医療に対する医療不安を解消させるために小児地域医療体制の充実や、小児総合医療センターとの連携というように、安心して医療が受けられる環境づくりが求められます。当然に東京都の役割は大きいと考えますし、地元自治体との協力も不可欠であります。元を正せば、八王子市に東京都立八王子乳児院を昭和29年10月に収容規模30人で開設され、その後、新生児・乳幼児に対する高度医療を提供できる小児専門病院の設置が強く望まれたため、多摩西南部における小児医療の中核病院としての改築工事に着手され、昭和56年4月に医療部門90床、乳児院部門40人の規模の施設として再発足し、名称も東京都立八王子小児病院に改称されました。平成元年3月にはCT棟増築工事を完了し、CT撮影室、外来診療室、心理相談室、病歴室等を新たに整備され、平成10年2月には新生児救急車(ドクターカー)の運行が開始されました。平成11年4月には、休
日・全夜間診療事業を開始されました。さらに、平成12年5月には承認NICUを6床から9床に増床されるなど、着実に小児医療の充実を東京都は果たしてまいりました。この間には、八王子市内で東京都の所有する別の地に八王子小児病院を移転拡充するとの東京都の考えがありながら、その後、180度考え方を展開して府中での一極集中での小児医療の対応に三多摩における小児医療の後退は言うまでもありません。
長年培ってきた八王子小児病院の実績や地域での小児医療の果たしてきた役割はとてっもなく大きいものでした。低体重児(未熟児への)対応やダウン症で心臓に合併症を持っこどもたちも、いつ体調の変化があるかわからない中での生活にも365日・24時間対応で身近な高度医療としての役割を果たしてきました八王子小児病院であります。地域医療の充実により広域な三多摩をになうには、八王子・清瀬・梅が丘を継続して府中での一極集中ではなく、連携しての小児医療を構築していくことこそ、これからの東京都の役割と考えております。
かかりつけ医を進める中、身近で高度な医療があることが、これから出産される方に安心して出産できる医療と、育てる環境を維持してこそ各地域においては重要だということを認識していただきたいと思います。

八王子・清瀬・梅が丘病院を継続し、地域の小児医療を担い、府中との連携により、広域的な対応を構築してこそ、三多摩の小児医療が前進したといえるとおもいます。3次救急を含めこのままでは後退してしまう小児医療を八王
子・清瀬・梅が丘を継続するかをお伺いして、質問を終わります。