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定例会報告

一般質問  小山くにひこ

小山くにひこ(府中市)

 

 

 

平成21(2009)年9月15日
 
 
 
小山くにひこ(府中市)

 
 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

  1. 地方分権について
  2. 教育について
  3. 医療について 
  4. 多摩シリコンバレーについて

 

 

議席番号14番、都議会民主党の小山有彦です。4件について質問を致します。

 

1.地方分権について

 

1件目は、地方分権の推進と地域主権の確立という観点から、東京都がめざすべき姿を石原知事におうかがい致します。
猪瀬副知事が委員を務めておられる地方分権改革推進委員会において、「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方」として「地方が主役の国づくり」をかかげ、地方自治体を自治行政権のみならず自治立法権、自治財政権をも十分に具備した完全自治体にしていくとともに、住民意思に基づく地方政治の舞台としての「地方政府」に高めていくこと、これを地方分権改革の究極の目標としました。そして、地方分権改革推進のための基本原則の筆頭に「基礎自治体優先の原則」をうたい、「国と地方自治体と呼び慣れてきたものを中央政府と地方政府と呼び変え、広域自治体である都道府県は広域地方政府、基礎自治体である市町村は基礎地方政府とし、地方自治体を地方政府と呼ぶにふさわしい存在にまで高めていくためには、何よりもまず、住民に最も身近で基礎的な自治体である市町村の自治権を拡充し、これを生活者の視点に立つ地方政府に近づけていくことが求められる」としています。
また、民主党の分権調査会においても、基本理念として基礎的自治体重視の新しい「国のかたち」をかかげ、地方分権国家の母体を住民に一番身近な基礎的自治体とし、生活に関わる行政サービスをはじめ、基礎的自治体が対応すべき事務事業がすべて行えるよう、立法権や執行権をはじめとする権限と財源を大幅に移譲し、国と基礎的自治体による新たな「国のかたち」をめざすとしています。さらに、基礎的自治体が担えない事務事業については、当面、広域自治体が、広域自治体が担えない事務事業については国が担うという「補完性の原理」を徹底するとしています。
つまり、国と地方自治体の役割を明確にし、基礎自治体に大幅に権限移譲した上で、基礎自治体で為し得ない事務事業を広域自治体が担うということであります。知事はこれまで、国に対し地方分権の推進を様々試みてこられたと思いますが、区市町村への分権については明確に示されておりません。そこで、地域主権確立にもとづく国と自治体のあり方について、所見をうかがいます。●1

 

さらに、基礎自治体だけでは為し得ない事務事業として、私は医療体制や警察業務、幹線道路の整備などが広域自治体の事務として考えられますが、知事は広域自治体のあるべき役割についてどのような見解をお持ちでいますか。おうかがい致します。●2

 

また、首都である広域自治体としての東京都のあるべき姿について所見をうかがいます。●3

 

 

2.教育について

 

2件目は、東京都の教育についておうかがい致します。教育は国家百年の大計です。日本における資源は人です。有為な人材を産み育てることが日本の国力、命運を左右します。首都東京のひとづくりは、まさしく日本の未来を切りひらくといっても過言ではないでしょう。しかしながら、公教育の教育現場は崩壊の危機に瀕しております。東京都教育委員会の委員も次のように述べています。「ある学校の校長先生が学級崩壊の問題解決に疲れ、自律神経失調症で、校長職を離れざるを得ないという報告を受けました。ますます多くの問題の解決を期待されるようになっている学校の現状を考えると、真面目な先生ほどこうした問題で傷つけられることは想像に難くありません。地域社会の協力を得ながら、こうした問題の解決に努めて頂く事は当然のことではありますが、校長先生を始めとする先生方の負担を少しでも軽くするために、外部人材の教育活動への積極的な活用を真剣に考えなければいけないと考えます。文部科学省の調査によれば、教職員総数に占める教員以外の専門スタッフの割合が、アメリカでは46%であるのに対し、日本では24%と約半分なのです」と提言しています。
現場の小・中学校では、子どもの学力向上や豊かな心の育成、安全な学校づくり、地域住民との協力、保護者からの相談など、様々な問題に対応しなくてはならない現状があり、教員の多忙感が深まっているとの指摘があります。
このような教員の多忙感についての東京都教育委員会の認識と見解、さらに、多忙感を軽減するための取組みを早急に講ずるべきと考えますが所見をうかがいます。●1

 

また、特に中学校の教員においては、本年4月からの新しい学習指導要領の移行措置に伴い、教科によっては授業時数が増加することにより、教材研究や校務運営に困難な状況が生じ、多忙感が増していると聞いております。このような状況を踏まえ、新しい学習指導要領の全面実施に向けて、持ち時数の軽減をすることが必要と考えますが、所見をうかがいます。●2

 

次に、司書教諭の配置についてです。子どもの読書活動は、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであり、読書離れ、活字離れが叫ばれている今日、学校での司書教諭の果たす役割は大変大きくなっております。そこで、司書教諭が子どもの読書活動を推進するためには、各学校に専任の司書教諭を配置すべきと考えますが、所見をうかがいます。●3



3.医療について


3件目は東京都の医療についてです。今から9年前の2000年におけるWHO(世界保健機関)のレポートによれば、日本の健康寿命は世界第一位、平等性において世界第三位で、健康達成度の総合評価は世界第一位でありました。また、乳幼児死亡率及び平均寿命においても、世界一位であることが示されていました。
しかしながら近年、我が国の医療をめぐる状況として、産科や小児科など特定科目の医師不足や勤務医の激務等が大きな社会問題として取り上げられています。
医師不足は、医師の絶対数の不足と医師の偏在が主な要因となっています。医師の絶対数の不足については、OECD平均で人口1,000人当たりの医師数が3人に対して、我が国は2人であり、人口規模で計算すると12万人から13万人が不足していると言われております。また、今日の医療技術や機器の進歩による医療の高度化・複雑化と合わせて、高齢化社会における合併症を伴う手術など難易度の高い症例の増加は、医師の高い専門性と業務負荷の増大を要求し、結果的にこれらの医療を担う医師が不足する事態を招いています。業務負荷は、更に近年の医療で求められるインフォームドコンセントや多くの書類の必要性による事務作業の増加などによっても増大しています。つまり、医師の絶対数に変化が生じなくても、総労働時間に対する医師の必要数が不足するという事態が発生しており、医師への負荷が加速度的に増大している危機的状況に陥っております。
医師、特に勤務医の加重労働をできるだけ減らすことが急務です。都立府中病院のERには、昼夜を問わず、また症状の軽重を問わず患者が訪れており、医師の勤務は厳しいものとなっています。勤務医の労働条件の改善は必須であり、焦眉の急です。
一方、医師の偏在という点では診療科偏在と地域的な偏在という2つの要素があります。特に、診療科偏在による医師不足が顕著な小児医療や周産期医療、救急医療などは、都民の安心、安全を確保するための基盤となる医療ともいえ、そのような医療に携わる医師をいかに確保していくかが極めて重要です。
また、地域的な偏在については、2006年における多摩26市の医数の平均は280人、23区の医師数の平均は1,232人、病床数については、2007年の数値で、多摩26市の平均は1,924床、23区の平均は3,714床となっています。23区と多摩26市におけるそれぞれの人口を勘案したとしても、医師の偏在は明らかであり、これも長年言われ続けてきました三多摩格差の一例ともいえます。とりわけ小児医療については、年少人口に対する小児科医師数が区部において千対3.0人であるのに対し、多摩地域は千対1.8人であるという直近のデータが示すとおり、多摩地域の医療資源の偏在が顕著となっています。
次代を担う子どもの命を守り、多摩の明日を展望するためには、多摩地域の小児医療体制の強化を急ぐべきと考えます。また、その強化にあたっては、医師の偏在を克服することと、医療の提供体制を確保するという二重の視点で施策を講ぜられるべきと考えますが、所見をうかがいます。●1

 

本来、医療は、安心・安全な暮らしを守るセーフティネットであり社会インフラとして整備することが大変重要です。このインフラがあってこそ活発な経済活動や社会活動を営むことができるのであります。
それでは今、地域において何ができるのか。まず、病院勤務医の負担を軽減し、病院機能を守ることが差し迫った課題です。そのためには、特定の病院などに患者が集中しないように、地域全体での医療連携を進めることが必要です。これからの医療再生には、地域全体の人口動態、疾病構造から医療需要を掴み、それを満たすため、今ある医療資源を最大限に活かすような連携に基づく効果的な医療供給体制を作り上げることが不可欠であります。
医療連携によって、軽症患者や慢性期のフォローアップなどを地域の開業医が担い、手術や高度な医療を病院が担うことで、勤務医が専門性に特化した業務に集中できる環境を整える必要があります。それが結果として勤務医の労働環境を改善して医師の流失に歯止めをかけることにつながります。
さらに、医師を疲弊させる原因として患者のモラル低下があります。安易に医療機関にかかるいわゆるコンビニ受診や医師への過大要求など、このような患者の行動をいかに減らすかも、地域医療を再生する上で取り組むべき課題となっています。自治体や病院、開業医、医師会が一体となって、住民に対し、病院のかかり方や救急車の適正利用等を周知していくことが大変重要です。また住民側も、自分たちで自分たちの医療を守らないと自分たちが困るということに気づき、受診の仕方を改善しようとする気持ちを持つことが医療再生の第一歩となります。この意識の醸成は、産科、小児科などの医師不足の顕著な診療科における医師確保という観点からも、非常に大切なことです。
兵庫県立柏原病院の小児科は、多忙を極める医師の現状を知ったお母さんたちが自ら医療を学び、不要不急の受診を控えようと立ち上がったことで、一時は1名にまで減った小児科医がその後5名にまで増えたと聞いています。
このように、安心の医療を確保するには、医療提供側における医療連携などの取組は勿論のこと、それに加え、医療を受ける側の変容が不可欠であり、住民に対する普及啓発の重要性がますます高まっていると考えます。
そこで、都として住民に対する普及啓発にどのように取り組んでいくのか、うかがいます。●2

 

4.多摩シリコンバレーについて

 

4件目は多摩シリコンバレーについてうかがいます。都は「10年後の東京」において、多摩シリコンバレーの形成を目標とし、多摩地域の一部を研究開発型企業集積ゾーンと位置づけ、産業振興と産学連携を促進する施策の展開を図られています。多摩地域における新事業創出活動をより促進するためには、産学公連携に金融の機能を加えることが必須であると考えます。知事からも本定例会の所信表明で、産学公に金融機関も加えたネットワークを構築し、半導体や計測機器の分野での新事業創出を支援していくとの発言がありました。是非とも積極的な施策展開を求めるとともに、金融機関も加えたネットワーク構築について、多摩地域に根ざした金融機関を主とした連携が図られるべきと考えますが、所見をうかがいます。

以上、4件につきまして、東京都が抱える喫緊の課題に対し、都として的確なる対策・対応を強く要望し、私の一般質問とさせて頂きます。ありがとうございました。