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定例会報告

一般質問  原田 大

  原田 大(北区)

 

 

平成21(2009)年9月15日
 

 

 
原田 大(北区)

 

 


*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

  1. 再生可能エネルギーの普及促進について
  2. ITの活用と業務改善について
  3. 河川感潮域における水環境の改善について

 

 

 

1.    再生可能エネルギーの普及促進について

(1)    エネルギー安全保障について


再生可能エネルギーの普及促進に関して、まず、エネルギー安全保障について質問します。

東京の持続可能な発展のためには、大都市の様々な活動を支えるエネルギーの確保に努めることが必要です。これまで人類は、石油等の化石燃料に依存した文明を築いてきましたが、最近では、石油に代わる新しいエネルギー源として、太陽光・太陽熱や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーや、メタンハイドレートなどの資源開発に注目が集まっています。
新エネルギー政策は、地球温暖化等の環境問題への対応という政策目的を持っていますが、同時に、石油からの脱却は、石油の確保を巡って争われてきた従来の国際政治の枠組みからの脱却をも意味するのであり、安全保障上の意味も持つのであります。よって、エネルギー政策を考える場合、環境のみならず総合的な観点を持つ必要があります。
諸外国の例を見ると、例えばアイスランドでは、同国内に豊富に存在する地熱と水力を活用し、水素の生産と燃料電池の活用を行うことによって、エネルギー自給率100%を目指す取り組みが進められています。このアイスランドの新エネルギー政策には、エネルギー源を輸入に頼らないという明確なビジョンがあり、よってバイオエタノールなど、同国として輸入に頼らなくてはならない新エネルギーは、最初から検討対象に入っていません。
また新エネルギーの普及にあたっては、石油と比較したコスト面での競争力をつける必要がありますが、石油確保のために中東などで費やされる各国の莫大な軍事費等の外部コストを含めて石油を利用するためのコストと考えれば、いくつかの新エネルギーは、コスト面でも優位な選択となります。

Q1.東京都でも様々な新エネルギー支援策に取り組んでいますが、エネルギー政策を考える場合、単に環境問題からの視点のみならず、安全保障等を含めた総合的な観点からのエネルギー戦略を持たねばなりません。知事は、都のエネルギー戦略についてどのようなビジョンをもっているのか伺います。


新エネルギーのなかでも、太陽熱・太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーは、鉱物資源に乏しい東京においても自給がある程度可能なエネルギーです。

Q2.新エネルギーの普及促進にあたっては、エネルギー自給率を高める観点からの取り組みが大切であり、再生可能エネルギーはその手段として位置づけることが必要だと考えますが、都では再生可能エネルギーの普及促進に向けてどのような戦略を持って取り組んでいるのか伺います。



(2)    スマートグリッドについて

次に、スマートグリッドについて質問します。

これまで、電力の供給は国が中心となり、エンドユーザーには一方的に電力を届ける形で行われてきました。しかし、太陽光発電や風力発電によって、一般家庭も含めた様々な主体が電力の供給側に立てるようになったわけです。東京都でも、様々な再生可能エネルギーに対する支援策を実施しておりますが、実用面でこれらの再生可能エネルギーを都市の中に生かそうと思えば、これらの再生可能エネルギーが既存の送電網のなかにしっかり組み込まれるようにすることが必要であり、そのことを踏まえて全体の再生可能エネルギーの普及策を構築する必要があります。
電気は、水が高いところから低いところに流れるように、電圧の高いところから低いところへと流れます。よって、例えば一般家庭が設置した太陽電池から送電網に電力を供給する場合、電力会社の系統よりも高い電圧にすれば、既存の送電網に流れるわけですが、電気事業法では、供給側の電圧を101±6V、つまり95Vから107Vの範囲とするよう定められています。よって、系統の電圧が107Vの上限に近づくと、太陽電池から系統に電気が流れません。この制約から、せっかく家庭で太陽電池を設置しても、思ったように電気が売れない、ひいては太陽電池パネルの設置コストが回収できない、という事態が実際におこっています。こうした事態がつづけば、風力をはじめとした商業ベースの新エネルギー事業者の参入も妨げられてしまいます。

Q3.再生可能エネルギーの普及のためには、個別の技術分野に対する支援だけを行っていても、効果は限定的であり、送電網の開放を関係各所に働きかけていくべきですが、都の取り組みについて伺います。


送電網の開放を促していくためには、送電網の安定を保つためのさまざまな社会的なインフラ整備も重要です。IT技術を駆使して電力の需給調整を行うスマートグリッド、スマートメーターの導入はもちろん、送電網の中に電気に絡む新技術、例えば電気自動車などを絡めていくことも効果的です。
電気自動車は大型のバッテリーを搭載しており、充電中、つまり送電網に接続された電気自動車は、電圧の変動を和らげるための市中のバッテリー設備として、大きな役割を果たしうるのであります。本年、複数のメーカーから電気自動車が一般向けにも発売され、プラグインハイブリッド車も含めて、今後台数の増大が見込まれます。
東京都も電気自動車等に対する支援を行っているところではありますが、単に自動車施策の枠内で施策を完結させるのではなく、再生可能エネルギーの普及に向けての東京の送電インフラ整備という観点からの取り組みが重要と考えます。電気自動車は、販売開始間もないため、普及台数はまだ少ないですが、こういった観点も含めて、電気自動車を広く普及させていくべきだと考えますが、所見を伺います。




 
2.ITの活用と業務改善について

(1)CIOの活動とIT統制について

次に、ITの活用と業務改善について質問します。まず、CIOの活動とIT統制について伺います。

東京都では、平成19年4月に副知事をCIOとし、7月にシステム評価委員会が作られました。IT戦略は、業務改善と一体であることが重要です。
私は平成18年の第一回定例会の一般質問においても、「IT化による改革とは、情報伝達、そして意思決定の流れなど、今までの業務プロセスを最新の技術を駆使して根本的に見直すことであり、既存の業務プロセスを単純にコンピューターを利用したプロセスに置きかえるということ」ではないこと、「IT化を担当する責任者は、単にコンピューター技術者のトップではなく、組織全体を見渡して、情報化戦略を組織全体の経営戦略に組み込んでいく役割を果たすべきであり、これはトップレベルの経営者が果たすべき役割」だということについて申し上げ、都の対応について質しました。
その後、計画段階ではCIOは理事級とされておりましたが、当初の理事級ではなく、部局の壁を越えた副知事級がCIOとなったことは大変意味のあることであったと評価しています。

Q1.そこで、副知事がCIOとなったことにより実際にどのような効果があったのか、副知事がどのような役割を果たしてきたのか伺います。

次に、IT調達について質問します。

平成20年6月には「システム評価委員会の取組」が報告され、現在は全庁・個別最適化計画の策定に向けての作業が進んでいます。今後、最適化計画に基づいて、様々なシステムの調達が行われることとなります。平成18年第一回定例会では、知事部局と公営三企業、警視庁、東京消防庁において、人事管理システムや給与計算システム、あるいは管理部門の事務所で使用するパソコンそのものなど、共通化できるシステムは共通の仕様を設定する、あるいはハードについては調達を一元化するなど、総合的な視点で調達を行う取り組みが必要と指摘し、対応を求めました。

Q2.そこで、今後の最適化計画策定にあたって、これらの業務改善について具体的な進捗状況および今後の見通しについて伺います。


IT調達については、公共工事の入札ほど制度が整っておらず、過去にもITゼネコンによる不適当に高額の契約が見受けられました。開発段階で、開発を請け負った業者が、自社にしか対応できない仕様を盛り込む、また仕様そのものを明らかにしないなどにより、保守運用を開発業者しか請け負えないような状況とし、開発では一円入札を行い、その後の保守運用で稼ぐ、というビジネスモデルがまかり通っていました。

Q3.こうした状況を排し、適切なIT調達制度の構築を構築するために、新たな調達・契約制度の構築を見据え、システム調達・運用の各プロセスで競争が働く仕組みづくりを行うことが重要であるが、所見を伺います。



(2)国や他自治体との関係について

次に、国や他自治体との関係について伺います。

麻生政権下の2009年度補正予算で、突如「自治体クラウド」構想が登場しました。総務省主導で、自治体を巻き込む形になっており、「e-JAPAN戦略」で行われた、無駄なIT公共事業の再来になりかねません。

「クラウド」とは、利用者が情報システムを自ら「開発・保有・管理」することなく、外部に構築された情報システムをインターネット等を通じてサービスとして「利用」する形態であり、サーバ等が外部のネットワーク上の「クラウド=雲」の中にあり、利用者から見えない・見る必要がないことから「クラウドコンピューティング」と言われている。
課題はあるものの、外部に構築されたシステムを複数の利用者が共同で利用することにより、各利用者にとって情報システムの開発、管理のコストの大きな低減が図られるとともに、利用者間で業務・サービスが標準化・共通化され、相互の連携も容易になることから、利用者全体でサービスの向上、業務効率化が進むといわれている。

このようにクラウドについてはメリットがあるものの、総務省主導の事業に安易に乗るのは、非効率なIT投資を再び招くおそれもあり、自治体として、IT投資戦略をしっかりと持った上で取り組むべきと考える。

Q4.そこで、都として国の自治体クラウド構想をどのように捉えているか伺います。あわせて、ITを活用した自治体間の連携による行政の効率化について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。


以上、ここまで申し上げて参りましたとおり、業務の見直しを行わないIT化は無意味などころか税金の無駄遣いであります。外務省のパスポート申請のための「旅券電子申請システム」、産業技術総合研究所の「微生物の特許出願に関連する電子申請システム」など、数千万~数十億をかけながら、既存の方法のほうがいい、もしくは電子申請だと余計に手間がかかる等の理由で、利用件数がゼロ、もしくは数えるほど、といった事例が山のようにあります。
また、組織ごとに類似の情報システムを整備することは、二重投資につながるものであり、縦割りの弊害でもあるため、改善していくべきであります。
さらに、システム開発会社主導のシステム導入は、システムありきとなりがちで、使われない機能や冗長なシステム構成など、過剰投資を生み出す要因となっています。
従って、これらの問題点を踏まえながらも、ITを活用し、なおかつ業務プロセスを職員と都民にとってよりよいものにしていくことは、大変大きな課題であります。しかしこれを実現することで、行政サービスの質と量の向上、都民満足度の向上を図っていかなくてはなりません。

Q.そのためにはCIOである副知事のリーダーシップが重要ですが、今後、ITを活用した業務改善にどのように取り組んでいくのか、副知事に伺います。



 
3.河川感潮域における水環境の改善について

(1)河川感潮域の環境改善について

次に、河川感潮域における水環境の改善について質問します。

河川の水環境は、ここ数年、十数年でかなり改善してきた。しかし、「流れ」の部分の水環境がそれなりに良くなってきているが、潮の満ち干の関係で水の流れが滞る河川感潮域の水環境にはまだまだ問題が目立つ。実際、河川の水環境に関しては、北区の石神井川、品川区の立会川や大田区の呑川などで取り組みが進められている。
河川感潮域の水環境悪化問題の解決のためには、都が、積極的な取り組みをする必要があると考えます。

Q1.そこで、河川の水環境の改善にあたっては、特に感潮河川の環境改善に向け臭気対策を進めるべきと考えますが、所見を伺います。


私の地元、北区の石神井川では、これまでも夏場を中心に臭いが発生し、周辺の住民の方々から多くの苦情が寄せられておりました。そうした中、今年3月にJR王子駅の汚水流入問題が判明したわけですが、そもそもこの部分は感潮域であってあまり水が流れない、あるいは下流の隅田川から汚れが逆流してきているのでは、といった憶測から、汚水流入という事態の発見が遅れた、という部分もあるのであります。また実際に、汚水の流入が無くなった現在でも、気象条件等により相変わらず臭気の発生等が見られます。
現在北区では、水質の詳細な調査と対策の検討等について取り組みを始めましたが、都としても、この問題に積極的に取り組むべきであります。

Q2.そこで石神井川の臭気対策に今後どのように取り組んでいくのか伺います。

(2)下水道の改善について

先に申し上げた通り、河川の水環境は、ここ数年、十数年でかなり改善してきましたが、それは「通常時」の水環境についてであります。しかし、河川感潮域においては、雨天時における汚水の流入による汚濁や、夏季における悪臭の発生などが多発し、実感としてまだまだ「水が汚い・臭い」という住民の印象につながっています。その大きな原因の一つに、合流式下水道の問題があります。
雨天時に汚水が河川に直接流れ込む、合流式の下水道ですが、水の動きが少ない河川感潮域においては、「流れ」のある部分に比べて汚れがたまりやすいということが考えられます。

Q3.よって、河川感潮域に、単に汚水まじりの雨水を流すと、より大きな影響が生じるであろうことから、こうした区間においては、合流式下水道から河川への流入について特に改善対策を進めるべきだが、所見を伺います。


石神井川下流域においては、王子第二ポンプ所の建設など、合流式下水道の改善等が計画されています。

Q4.これらの対策によって、どのような改善効果を見込んでいるのか伺います。


東京都では、水質汚濁防止法に基づき、環境局が都内河川についての水質調査を行っています。平成20年度の都内河川の水質調査結果をみると、BODを指標として、すべての河川で環境基準を達成したとされています。しかしながら、感潮域で川の流れが停滞している石神井川や立会川などの流域の住民は、川がいまだにきれいになってはいないと感じています。BODを測定することによって観測されている「水質」と、住民の「水のきれいさ」の感覚に、ずれが生じています。

Q5.こうした水質をはじめとする環境測定は、河川の現状を把握し、問題点を突き止め、改善につなげていくところに意味があります。そこでこのような感潮河川の水環境の現状について、どのように把握し、どう考えているのか伺います。


河川の水環境改善には、河川全体を考慮した取り組みが必要である。悪臭等が問題となっている河川において、特定の区間だけを抱える地元区ばかりに任せていては、区域を越えた全体的な取り組みができません。

Q6.河川の水環境改善のための水質浄化実験を行っている区もあるが、抜本的な対策には、悪臭等が発生する河川のメカニズムの解析や、それを踏まえた水質改善対策の立案が不可欠です。水環境に関する情報の把握や、区に対する情報提供、技術支援などを行うべきと考えますが、所見を伺います。