
平成23(2011)年2月15日
幹事長 大沢 昇 (江東区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
最初に、都政運営について伺います。
まず、平成22年度最終補正予算案について伺います。
平成22年度の日本の経済状況は、アジアを中心とした外需による持ち直しがここに来て一時減速し、内需の不振も響いています。
そして、日本銀行の地域経済報告によると関東甲信越地域の景気は、緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられ、雇用情勢は引き続き厳しい状況にあるということです。このような中、都税収入は、21年度決算比で1340億円の減となりました。その一方では、中小企業に対する制度融資は1兆9000億円規模に上り、就労が不安定な母子家庭への貸付金も増えていると聞きます。こうした都政をめぐる現状の中で、どのような方針で最終補正予算の編成を行ったのか、都の所見を伺います。●1
昨年、国は「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を実施するため、平成22年度補正予算を編成しました。都は、雇用の下支えや子宮頸がんなどの疾病対策の推進、介護など高齢者の生活の安心を確保するため、国の経済対策による基金事業や交付金を効果的に活用していくべきと考えますが、所見を伺います。●2
次に、平成23年度予算案について伺います。
一般会計の予算規模は、前年度比0.4%減の6兆2360億円で3年連続の減額としましたが、一般歳出は石原都政下で二番目の規模、前年度比1.0%減の4兆5839億円にとどめています。内訳は、経常経費を716億円の減とする一方、投資的経費を前年度比3.3%増の8404億円、単独事業費も前年度比8.6%増の5148億円とし、ハード面を重視した予算となっています。そして全28会計の規模は、前年度比5.3%減の11兆7642億円としました。
予算策定にあたって行った事業評価は、監理団体を通じて行う事業や特別会計に範囲を拡大し、195件を見直して約210億円の費用を確保するとともに、歳出を精査して約890億円の事業費を削減しています。こうした取り組みで基金の取り崩しを最小限に留めた財政運営については、基本的に評価するものです。
本予算案では、雇用情勢が厳しい若年層・離職者への就職サポートや円高などの影響で経営が苦境にある中小企業への支援、遅々として進まない耐震化の推進など都民が抱える不安に対する支援を強め、都市の活力を取り戻すとしています。中長期的な課題では、急速に増加が進む高齢者の対策、環境そして次の世代をはぐくむ教育、都市インフラの整備などの諸施策を戦略的に取り組むとして、都民生活を支える公共サービスを含めた諸施策を「都政の使命」と名付け、果たしていくとしています。
しかしながら、医療従事者の確保や、なかなか短縮されない救急搬送時間への対応、木造住宅密集地域の耐震化の推進など、都民福祉の向上を図るため、更なる取り組みが必要な分野があります
石原知事は、この「都政の使命」を果たすために、どのような理念を持って今回の予算編成を行ったのか、所見を伺います。●3
次に、行財政改革について伺います。
平成23年度の都税収入は4兆2205億円と前年度比1.7%の小幅な伸びとなりました。景気は今後、緩やかに回復しつつあると予測されていますが、税収は伸び悩むと考えられています。地方交付税不交付団体である都が財源として活用できる基金残高は、9635億円に減少しています。
一方、これから4年が経過した後、団塊の世代が65歳を超え、東京都内では約300万人の高齢者が暮らす都市型高齢社会となっていきます。働く生産年齢人口は22万人減少し、消費水準が下がるとも考えられています。都市基盤の整備費や社会資本ストックの維持更新経費など世界の主要大都市東京の経営に必要な経費、そして首都特有の経費もかかります。都は行財政改革の一環として中期財政フレームの試算や事業評価の範囲拡大、そして法人事業税暫定措置の撤廃などに取り組んできましたが、税収が伸び悩むとされる中、誰もが暮らしやすい活力ある東京を目指して、強固で弾力的な財政基盤を堅持していかねばなりません。そのためには中長期的な展望を持ちながら、将来にわたって健全性を維持する財政運営を徹底していくべきと考えますが、都の所見を伺います。●4
都と特別区は、事務移管と配分の検討対象とされた444項目の評価整理を終え、今後の運営方針を協議しています。そして国は、地域主権戦略会議に対しまずは直轄国道・河川などを地方移管の対象とする出先機関改革のアクションプラン案を提示するとともに、住民自治の強化などの地方自治法改正案を提案する方向で、地方分権や東京における分権は着実に動いており、この自治権拡充の動きを推進していかねばなりません。
また、都政を取り巻く状況は、都市型高齢社会の進展や都民ニーズの多様化などで、大きく変化していくと考えられます。そこで都は、様々な行政課題に対応でき、都民を向いたモチベーションの高い人材を確保、育成していくことや、組織体制や事務事業の見直し、高水準の説明責任と情報公開、都民やNPOなどとの協働の推進、外郭団体改革など一層の行政改革の取り組みが求められています。都は、中長期的で大都市経営の視点を持って、今後の行政需要変化に適合できる質の改革を行う努力をしていかねばなりません。都はどのような方向性を持って今後行政改革を進めようとしているのでしょうか、所見を伺います。●5
次に、「10年後の東京」について伺います。
石原知事は4年前、「東京発の日本再生は第一章を終えたばかりで、8年間の具体的な実績を次の4年間につなげ、東京の魅力と都民福祉の向上に引き続き全力で取り組むとともに、東京における改革の成果を日本の新たな発展に結実させていく」と、都政に対する抱負を述べました。
今回、都は、3期12年の石原都政を「2000年~2010年 都政の軌跡」として総括しました。財政再建や国に先駆けた外形標準課税の導入、新公会計制度による都のコスト意識改革、羽田空港国際化、環境対策など、財政危機への対応や大都市東京の問題を踏まえた政策の進捗を評価するものですが、総括とするならば、「全てをとりまとめて締めくくる」ことから、新銀行東京への追加出資やオリンピック落選といった都政における重要な判断や出来事に触れることや、目標達成が厳しいと思われる都内住宅の耐震化対策や東京の自治制度など現下の課題にも言及すべきであったと考えます。自らの都政の総括について、知事の所見を伺います。●6
鈴木俊一知事は自らの都政の締めくくりに、有識者による懇談会からの報告や都民とのシンポジウムなど1年をかけて、綿密な『2015年長期展望』を作成しました。20年後の実現すべき東京の姿と構築すべき社会を、都民の思いも入れて展望したものです。
一方、石原知事は知事就任直後、「都市構想では、私たちは都民との協働という理念を大事にすべき」、「都の施策を広く都民の皆さんに提起し、また、皆さんからの意見も受けながら、皆さんとともにこれからの東京を築き上げていきたい」と述べていましたが、「将来の指針」は、都民や区市町村からの意見を聞くことなく、都庁内部のみで検討したものとなりました。果たして、知事はこの21世紀中頃までの東京はこうあるべきとしたビジョンを都政にどう位置づけるつもりなのでしょうか、知事の所見を伺います。●7
次に、東京の成長戦略について伺います。
1月24日からはじまった通常国会の冒頭、菅直人首相が施政方針演説において、国づくりにおける三つの理念を示しました。
そして、その第一として、「平成の開国」を掲げ、「明治の開国」「戦後の開国」に続く「第三の開国」に挑むとの決意を述べました。
「平成の開国」では、特に、今年6月を目途に、交渉参加について結論を出すとしている「環太平洋パートナーシップ協定」=いわゆるTPPについては、賛否様々な意見が闘わされています。
しかし、我が国が今後も世界に確固たる地位を占めていくためには、自由貿易の推進を避けて通ることはできないものと考えます。そして東京都は、環太平洋の一都市として、また、世界の一都市として、改めてその存在意義を問われることになるのです。そのとき私たちは、グローバル・シティとしての東京を復活させ、この国の原動力となっていかなければなりません。
そのためにも、10年後、20年後の将来ビジョンを闊(かつ)達(たつ)に議論し、その中に農林水産業のみならず、製造業、非製造業のイノベーション、税制や医療・福祉改革、外国人を含めた労働力の確保と積極的労働移動策などを位置づけ、積極的に、自由貿易の推進を図っていく必要があると考えますが、石原知事の見解を伺います。●1
石原知事が「『10年後の東京』への実行プログラム2011」において示した「将来への指針」では、その第一に、「アジアのヘッドクォーター」を掲げ、東京がアジア随一のビジネスセンターになるとの将来像を描いています。
一方、これに先立ち、東京都は、昨年9月21日までに国が行っていた総合特区制度の提案募集に対して、アジア域内ヘッドクォーター(アジアビジネスセンター)特区の創設を提案していますが、私たち都議会民主党も、政権与党に携わるものとして、この実現に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。
併せて、今通常国会においては、「アジア拠点化推進法案」の提出も予定されており、こうした法案の早期成立も求められています。
東京がアジアのヘッドクォーターになるべく、特区の創設も含め、東京都の今後の取り組みについて、見解を伺います。●2
海外企業の誘致について、昨年6月の私たちの代表質問に対して、東京都は「海外の企業を東京へ誘致することは、都内中小企業のビジネスチャンスを広げ、産業の活性化につながる重要な取り組みである」との認識を示しました。こうした認識に基づき、現在、東京都は、海外企業誘致セミナーの海外での開催や、意欲のある企業に対する産業交流展への出展の働きかけなどを行うとともに、東京ビジネスエントリーポイントでの相談を通じた必要な情報提供や定着に向けたサポートなどを実施しているところです。
しかし、私は、東京が、国際ビジネス拠点としての地位を高めていくためには、東京への進出を希望する企業からの個別相談がくるのを待つのではなく、企業の進出にとって東京が魅力的でメリットのあるエリアであることを行政としてしっかりと発信していくことが重要であると考えます。こうした点を踏まえ、都は外国企業の誘致についてどのように取組んでいく考えであるか見解を伺います。●3
さて、わが国・日本を追い抜き、隣国である中国が、GDPで世界第2位となりました。
もちろん中国経済も、いくつかの課題を抱えているものの、いずれアメリカのGDPさえも追い抜き、世界一の経済大国になるとさえ言われています。
このようななか、東京都としても、中国との関係については、好き嫌いの感情を超え、ともに成長するアジアのパートナーとして、その連携を強化していくべきであると考えます。
そしてそれは、経済だけでなく、文化面での交流も深め、相互に理解し、協力しあえる関係を構築していくべきではないでしょうか。
現在は、市民や学生、NPOや文化団体、経済団体など、さまざまなチャンネルでの交流がありますが、東京都としても、例えば、過去、設けていた海外事務所の北京での設置、あるいは北京をはじめ海外事務所を展開しているCLAIR(クレア)=自治体国際化協会の効率的で有効な活用、さらには、行政同士の人事交流などを含めた関係強化が考えられます。
中国との関係強化について、石原知事の見解を伺います。●4
次に、港湾機能の強化について伺います。
首都圏のみならず、日本の国際競争力を強化していくためには、港湾機能の強化は欠かせません。
釜山などアジア諸港が台頭し、京浜港の国際的な地位が相対的に低下し続けるなかで、民主党政権は、これまでの「ばらまき的・総花的な港湾行政」から「選択と集中」による港湾行政に大きく舵を切りました。
昨年8月には、「国際コンテナ戦略港湾」として、京浜港と阪神港の2港が選定されましたが、東京都としても、引き続き、ポートオーソリティーも視野に入れて、横浜、川崎との連携を深め、アジアのハブ港の実現に向けて取り組んでいかなければなりません。
私たち都議会民主党も、国際コンテナ戦略港湾総合特区の設置をはじめ、国の迅速な取り組みを促すべく、これまでにも増して積極的に働きかけていきたいと思います。
そこで、今後、国際コンテナ戦略港湾として、どのように国際競争力の強化に取り組むのか、東京都の見解を伺います。●1
国際基幹航路における寄港地の絞り込みが進む中で、日本の港は、アジアの諸港と比べ、貨物量の相対的な低下やコスト高という現実のなかで、寄港するメリットが少ないと見なされつつあります。
また、ガントリークレーンの整備をはじめ、外貿ふ頭の機能強化やリードタイムの向上なども課題として指摘されています。
このようななか、平成23年度予算案では、釜山港等から東京港への利用転換を図るために、輸送コストの一部補助を実施することなどが盛り込まれています。
貨物集荷に向けた取り組みについて、東京都の見解を伺います。●2
京浜港の国際競争力を強化するためには、集荷策による貨物の集積やふ頭機能の向上に加え、臨海部における道路ネットワークの充実・強化が求められています。国際コンテナ戦略港湾への取り組みに向けては、そのバックヤードたる機能が十分に充実している必要があります。
東京港においては、現在整備中の中央防波堤外側コンテナターミナルの供用開始を契機として、コンテナ埠頭の再編を進め、ふ頭機能を強化する方針を打ち出していますが、併せて、現在整備中の臨海道路II期事業をはじめとして、道路ネットワークの充実・強化を図っていくことが不可欠ではないでしょうか。
港湾機能の強化に向けた道路ネットワークの整備に向けて、今後、東京都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。●3
次に、中小企業対策について伺います。
経済のグローバル化やアジアを中心とする新興国の経済成長などとともに、少子高齢化に伴う国内市場が縮小するなかで、東京都の産業振興策については、さらに目的の明確化を図り、選択と集中を強めていくべきだということは、昨年6月の代表質問においても、述べてきたところです。
このようななか、東京都は、1月26日に「産業振興指針2011」を発表しましたが、前回策定したような3か年での取り組みではなく、平成23年度において、重点的に取り組むべき施策のみを記載し、その後の取り組みについては、具体的な言及を控えています。
これは、今後の3年間を見通すことが困難であるとの理由からですが、しかし、東京の強みを活かしたイノベーションを積極的に促し、国際競争力を強化していくという方向性に誰が異を唱えるのでしょうか。また、政府の成長戦略と相まって、東京都としても、環境・健康・観光といった分野への取り組みをさらに促進させていくことは当然であると考えます。
こうした方向性を踏まえ、東京都においては、今後、さらにメリハリが利いたより大胆な産業施策を展開すべきであると考えますが、今後の産業施策の方向性について、見解を伺います。●1
中小企業に対する金融支援について、私は、昨年9月の代表質問においても、現下の状況に鑑み、輸出に軸足を置いている中小企業、あるいは、輸出向け企業と取引をしている中小零細企業などに対して、セイフティーネットという視点から、さらに手厚い支援策が必要であると主張してきました。
今年3月末で国の緊急保証が終了することもあり、来年度の取り組みとして、セーフティネット型の金融支援が重要となり、併せて、9月議会でも申し上げた通り、東京の国際競争力を強化していくために、環境や観光、健康や福祉といった成長産業を育成するという視点、あるいは海外販路を拡大していくといった視点も求められています。
そこで中小企業に対する金融支援について、今後、どのように対応していこうとしているのか、見解を伺います。●2
少子高齢化の進展により、日本国内での市場縮小が見込まれるなかにあって、成長が見込まれるアジアに向けて中小企業の販路を拡大を積極的に支援していく必要があります。
すでに東京都では、商社OBである海外販路ナビゲーターによるキメの細かな相談や専門商社へのマッチングなどを行う「海外販路開拓支援事業」を実施しており、また、海外の展示会や見本市への出展支援なども実施しているところです。
私は、昨年9月の代表質問においても、これら事業の拡充を求めてきましたが、中小企業の海外販路の拡大に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。●3
次に、都立産業技術研究センターについて伺います。
昨年2月、多摩地域の新たな産業支援拠点となるべく、「産業サポートスクエア・TAMA」が開設し、いよいよ今年5月には、江東区青海に「都立産業技術研究センター」が開設する予定です。
この産技研本部の開設を契機として、大学や研究機関、企業や業界団体、あるいは、国や周辺自治体などとの連携をさらに進め、より効果的・効率的な事業展開を望むものです。
また、東京の国際競争力を強化していくためには、都立産業技術研究センターにおいても、環境や福祉などの成長産業におけるイノベーションを促していく取り組みが求められています。
東京の将来を担う成長産業の育成に向けて、都立産業技術研究センターは、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。●4
次に、新銀行東京について伺います。
2月4日、新銀行東京の第3四半期決算が発表されました。実質業務純益で開業以来、初の黒字を計上しましたが、現経営陣をはじめ、関係者の引き続きのご努力をお願いしたいと思います。
一方で、新銀行のセカンドステージについて、石原知事は、この間、聞かれもしない中国での交渉について、自ら切り出したにも関わらず、その後の議会答弁では「事柄の性格上、今の段階で詳しく答えられない」と繰り返すばかりでした。
その後、HISなどの名前も取りざたされましたが、2月4日の定例会見では、「経営者の判断であり、私たちが口を出すべきではない」旨発言するなど、セカンドステージについて、自ら積極的に関与するという姿勢も感じられなくなりました。
しかし、石原知事には製造物責任があります。石原知事の現在の任期では、今定例会が知事と議論できる最後の機会となります。石原知事は、今任期を終える前にセカンドステージを示すつもりがあるのか、ないのか、見解を伺います。●5
次に、築地市場の移転問題について伺います。
今議会に提案されている平成23年度中央卸売市場会計予算案の中には、豊洲新市場関連予算として、新市場の実施設計費や土壌汚染対策工事費など、計21億3900万円が計上されています。
昨年10月22日の石原知事による豊洲移転の決断宣言及びその後の東京都の取り組みなどを踏まえれば、私たち都議会民主党は、当該予算に対しては、極めて厳しい対応をせざるを得ないとまず申し上げておきます。
石原知事は、今年1月7日の定例会見でも、豊洲移転に「反対の根拠というのがさっぱり分からない」と述べています。しかし、石原知事の宣言以降も、築地市場の地元、中央区からは要望書が出され、築地市場・最大の業界団体である水産仲卸は、移転賛成派・反対派が拮抗するなか、総代選・理事選・理事長選が行われています。築地移転をとりまくこうした状況をつぶさに把握していれば、「さっぱり分からない」という方がナンセンスです。
また、私たち都議会民主党は、10月の特別委員会において、平成22年度予算の一部執行に言及するなど、大方の合意形成に向けて、柔軟かつ慎重な対応をとってきましたが、石原知事の発言や行いは、大方の合意形成を妨げるものでしかありません。
この間、石原知事は、何か具体的な指示を出すなど、自ら汗をかいてきたのでしょうか。私たちには、大方の合意形成に向けて、地元自治体や市場関係者と真摯に協議をしてきたとは到底思えません。
今後、築地市場の移転問題に関して、大方の事業者の合意形成に向けて、どのように取り組んでいくのか、石原知事の見解を伺います。●1
市場会計とは別に、平成23年度一般会計予算案には、「築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討」として3千万円が新規に計上されています。
平成23年度になっての計上は、今さらの感は拭えず、この間の中央区の要望をさんざん無視してきたことをまず自戒すべきです。
加えて、石原知事は、昨年10月29日の定例会見において、中央区からの要望に対して「論外。論外」とこき下ろし、市場機能を「ばらばらにするなんてとんでもない話」と酷評しています。
量販店対応と小口とを分けるツインマーケットの案は、都議会の特別委員会でも議論されてきたところであり、ましてや地元・中央区からの案について、その可能性すら検討しない姿勢はいかがなものでしょうか。
「築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討」にあたっては、築地の伝統・文化も活かしながら、銀座や都心に近接し、ポテンシャルの高い築地地区を中心とした将来のまちづくりについて検討しますと説明されていますが、築地の伝統・文化とは、まさに市場があることによって培(つちか)われてきたのではないでしょうか。
石原知事は、昨年3月15日の予算特別委員会において、「豊洲も築地もともにブランドとして並び立つような妙案を」と答弁していますが、今回の検討は、市場との関係において、どのような形で検討を進め、結果を示していく予定なのか。見解を伺います。●2
豊洲新市場は、豊洲地区における汚染土壌の完全な除去が大前提であり、その安全性が確認されなければ、平成26年度中の開場も、不可能なのではないでしょうか。
多くの都民同様、私たち都議会民主党も、昨年6月の実証実験の結果でもって、豊洲の安全性が確認されたとは微塵も思っていませんが、それ以前に、土壌汚染対策工事を実施する上において、そもそも、汚染原因者である東京ガスとの費用負担についての協議はどのような状況にあるのでしょうか。
すでに1月31日には、用地取得に係る土地鑑定評価は終了しており、また、東京都の説明では、土地鑑定終了後、速やかに用地を取得することとなっていました。
そこで、平成22年度の豊洲市場関連予算1281億円のうち1260億円を占めていた用地取得費に関して、東京ガスの負担する額や負担の考え方、執行時期なども含め、東京ガスとの協議はどのようになっているのか、見解を伺います。●3
次に、地球温暖化対策について伺います。
昨年夏の記録的な猛暑から一転して、この冬は日本海側の都市で、過去最も多い積雪を観測するなど異常気象が続いています。
海外に目を転じても、ヨーロッパにおける100年に一度といわれる寒波の到来やアメリカ東部での記録的な大雪、さらには南半球のオーストラリアやブラジル等においても、異常気象による大洪水が発生し、人々の生活や経済活動に甚大な被害を与えています。
地球温暖化対策は、まさに待ったなしの状況であると考えます。
この危機を回避するためには、世界全体のCO2を今世紀半ばまでに半減させることが必要であり、中でも先進国は80%以上の削減が求められています。
このような中、都は昨年4月、国に先駆けて、大規模事業所を対象としたキャップ・アンド・トレード制度を導入しました。昨年、都議会民主党の調査団がヨーロッパ諸国を視察し、キャップ・アンド・トレード制度などのヒアリングを行ないました。EU諸国で導入されているEU-ETSは、発電所や製鉄所など大規模なエネルギー集約型施設を対象とした制度であるのに対し、都の制度は、都市に集中的に立地するオフィスビル等の業務系施設を対象とする、世界初となる先駆的な都市型のキャップ・アンド・トレード制度であることを改めて認識致しました。
そこで、昨年4月の総量削減義務の開始以降の制度の運営状況はどのようになっているのか、また、義務対象事業所においてどのような取り組みが始まっているのか、所見を伺います。●1(環境局)
都のキャップ・アンド・トレード制度では、オフィス等の業務系施設に関しては8%、工場等の産業系施設に関しては6%の総量削減義務を課しています。また、省エネ対策に積極的に取り組み、他の模範となる事業所は、削減義務率の軽減を受けることができるトップレベル事業所の認定制度も設けています。
去る1月上旬のオフィス等業務系施設に関する認定申請の締め切り時には、事務所・テナントビルを中心に55件の申請があったほか、3月末には工場等の産業系施設からも申請が行なわれる予定と聞いております。
そこで、都のキャップ・アンド・トレード制度においてトップレベル事業所を設けた意義を改めて伺うとともに、都としての今後の取り組みの方向性について、所見を伺います。●2
大幅なCO2削減を実現するためには、省エネ対策だけでなく、太陽エネルギーなど再生可能エネルギーの利用拡大が不可欠です。
調査団も、スペインで様々なタイプの太陽光パネルが大規模かつ集中的に設置されている場所を視察して参りましたが、ヨーロッパ諸国では太陽エネルギーの導入が進んでおり、わが国においてもその利用拡大は急務であると考えます。
こうした状況にもかかわらず、都は、過去2年間にわたって実施してきた太陽光発電の補助事業を打ち切り、今後は太陽熱補助に特化していくとのことです。
わが国の太陽光発電の利用は、拡大への歯車が回り始めたばかりであり、ここで補助をやめるとなれば、活発化しつつある太陽光発電市場も再び失速してしまうのではないかと懸念するものです。
太陽光発電については、今後も導入拡大が進んでいくのかどうか、所見を伺います。●3(環境局)
次に、雇用対策について伺います。
1月28日に総務省が発表した昨年12月の完全失業率は、10か月ぶりに5%を下回るとともに、新規求人倍率は1.01倍と2年1か月ぶりに1倍を上回りました。
しかし、同日発表された2010年の完全失業率は、前年と同じ5.1%と2年続けて5%台の高水準となるなど、雇用情勢は依然厳しく、特に、今春卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年12月1日現在、68・8%と過去最低となり、「超氷河期」といわれる大変厳しい状況にあります。
このようななかで、石原知事は、「10年度の東京」実行プログラム2011において、緊急重点事業として、新規学卒者の支援を拡大し、雇用のミスマッチを解消することを第一に掲げ、平成23年度予算案においても、未就職卒業者緊急就職サポート事業をはじめとする新規事業を打ち出しています。
また、国と連携しながら、3月の1日2日3日の日程で、就職応援面接会の実施を追加するなど、年度末が迫るなかにあって、さらに取り組みを強化しています。
国の補正予算によって緊急雇用創出事業も拡充されましたが、区市町村とも連携しながら、早期に実効性のある対策が講じられることも期待したいと思います。
私は、これら雇用就業対策を迅速かつ効率的に展開することで、雇用の改善に全力で取り組むべきと考えますが、石原知事の見解を伺います。●1
平成23年度予算案において、新規事業として打ち出された「未就職卒業者緊急就職サポート事業」は、紹介予定派遣制度を活用し、未就職卒業者と中小企業をマッチングすることにより、正規雇用就職をサポートするものとされています。
しかし一方、今年3月の大学卒業予定者数のうち就職希望者が40万5千人と推計されかつ、東京の大学には、全国の学生数の4分の1が集まっていることを踏まえれば、より幅広く、効率的な新卒者対策も求められます。
当サポート事業では、750人を対象に15億円の予算を投じるわけですから、新卒大学生の正規雇用化の実現はもとより、中小企業にとっても有意義な若手人材の育成・確保につながるよう、確実に成果を上げていく必要があります。
そこで、未就職卒業者緊急就職サポート事業の意義、時期、支援の具体的内容について、東京都の見解を伺います。●2
新卒者対策は、大学生だけでなく、同じく、厳しい雇用就業状況におかれている高校生に対しても、積極的に取り組んでいくべきです。
特に、高校生にとっての就職活動は、進路指導にあたる先生に負うところが大きく、こうした先生たちに対して情報提供をはじめとした適切な支援を行うとともに、学生たちの勤労観・職業観を早い段階から育成していくことが求められています。こうした取り組みは、学校の責任でしっかりと進めていかなければなりませんが、現下の厳しい状況では、就労支援機関での側面的な支援も重要です。
そこで、高校生に対する雇用就業支援について、東京都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。●3
石原知事は、学生たちの就職希望が、大企業に多く、中小企業に人材が集まらないことを懸念していますが、例えば、東京都においても、都立進学校で、何名が有名国立大学に進学したかの実績を競うように、各大学でも、どれほど一部上場企業に就職したのかを宣伝することで学生たちを集めているのが実態です。
こうした価値観の転換は、一朝一夕でできるものではありませんが、東京都としても、ものづくりを担う中小企業の人材確保に向けて、製造業の現場でその魅力を直接体験できる機会を設けたり、学生がものづくり企業の社員から仕事の素晴らしさを直接聞くことのできる場を作るなどの取組を着実に進めていくべきものと考えます。
このような考え方を踏まえ、中小企業におけるものづくり人材の確保について都としてどのように取組んでいくのか見解を伺います。●4
次に、公共サービスにおける労働環境の確保について伺います。
豊かで安心して暮らすことのできる地域社会を実現するためには、さまざまな都民サービスを良好な水準で提供するとともに、都民が適正な労働条件で働き、生活基盤を安定させることも重要です。行き過ぎた公共サービスの効率化、コストダウンの要請のもと、事業者間の競争による低入札のしわ寄せは、結果として労働者側に押し付けられるおそれがあります。
こうした観点から、国においては、国と地方公共団体に公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備についても必要な措置を講じることを定めた公共サービス基本法を施行しました。
一方、指定管理者制度は、都の施設の管理を民間事業者等に委ねる都民サービスの提供に係る制度です。この制度の元で労働者が適正な労働環境で働き、都の施設の管理を委ねられた事業者等がその社会的責任を果たせるよう努めることが、結果として質の高い都民サービスを提供することになると考えます。
現在、いくつかの区においては、指定管理者における適正な労働環境を維持確保するため、社会保険労務士などの専門家を活用した労働監査や労働モニタリングの導入を行っている例があります。
そこで、都の指定管理者制度において適正な労働環境を確保する取り組みについて、所見を伺います。●5
次に、医療について伺います。
まず、がん死亡率を下げ、がんの早期発見・早期治療に必要ながん検診の受診率を目標の50%に引き上げる取り組みについて伺います。
大腸がんや子宮がん、乳がんといったがんは、検診受診率が高くなれば、がん死亡率が減少することが科学的に実証されています。
しかしながら、東京都におけるがん検診受診率は30%程度で、全国の都道府県の中でも低い状況にあり、受診率向上が急務です。がん検診の受診率向上には、検診対象者個々への受診勧奨・再勧奨が有効であることが、諸外国の研究で明らかにされています。
メタボ検診や○○検診といった情報が多数発信されており、不特定多数を対象としたキャンペーンで、実際の検診受診に結びつけていくことには限界があるものと考えます。
都民のがん検診の受診機会は、職場で受ける検診と、区市町村の検診とがあり、このどちらについても個別の受診勧奨・再勧奨を行って、受診率を上げていかなければなりません。
都として、エビデンスのある受診勧奨の取り組みが、すべての区市町村で実施されるよう支援することと合わせて、企業におけるがん検診への取り組みが進むよう積極的に働きかけるべきと考えますが、所見を伺います。●1
続いて、がん医療水準の向上について伺います。
東京都では、都拠点病院、地域拠点病院、さらには都認定病院の指定が進んでいます。
これに伴って、私たちがこれまでさまざまな機会をとらえて拠点病院と地域医療機関の連携によるシームレスながん医療、療養のツールとしての普及、そして患者の立場からの改善を求めてきた東京都版がん手帳や、がん患者とそのご家族の抱える不安に的確に対応する相談支援センターの開設などの、期待すべき新たな取り組みが始まっています。
他方で、拠点病院・認定病院は、最低でも5大がんの集学的治療や外来化学療法が可能な体制整備など、さまざまな医療機能を備えることが条件となっております。
備えた機能が十全に活用されているか、あるいは協力して地域のがん医療の向上に貢献できているか、治療成績はどうか、など個々の病院が能力を最大限に発揮しきれているか、都としての評価とその評価情報の開示を行うとともに、都内のがん医療均てん化を実現していけるよう都としても取り組むべきと考えますが、見解を伺います。●2
すべての患者が治療早期から受けられる緩和ケア医療について伺います。
がんといえば、七転八倒のつらく苦しい治療というイメージがあります。
われわれの祖父母世代には、がんになったが最後、そのような治療が避けられないという時代もありました。また緩和ケアと言えば、積極的治療を断念した後のものというイメージも未だに強く、治療初期から全般にわたって痛みを適切にコントロールすることが、療養上重要であるということもなかなか知られていません。
現在、多くのがんでは、疼痛抑制や激しい副作用を避けることなどもかなり可能となっており、できる限り今まで通りの生活を続けながら、がん制圧を目指す方も多くなっています。
しかし、最新の方法が受けられなかったり、多様な選択肢を十分検討した上での薬剤選択や痛み軽減対策が行われていないケースもあります。がん医療の均てん化の中では、患者のQOLばかりでなく、がんそのものの予後にも影響のある痛み・苦痛のコントロールを、がん医療に携わるどの医師にかかっても受けられるよう、取り組みを強化することが必要です。
また、緩和ケアの実施にあたっては、医師、看護師をはじめとした医療スタッフが一体となって患者を支える体制が必要であり、広く関係者の理解を深める必要があります。今後、こうした取り組みにも力を入れていくべきと考えますが、都の所見を伺います。●3
次に地域がん登録実施にむけての取り組みについて伺います。
がん基本法制定時から、民主党が求めてきた地域がん登録が、ようやく本格化されることとなりました。
地域がん登録データを活用し、しっかりとがん医療の向上に役立てることができるように取り組むべきです。
対策の企画や評価に活用できる、精緻ながん登録としていくためには、医療機関からの患者さんの情報に加えて、その後生存されているかどうかの情報を継続的に収集することが必要です。
地域がん登録に必要なこれらの情報をきちんと把握するために、都としてどのように取り組むのか伺います。●4
次に、高齢者施策について伺います。
認知症介護は、国、都道府県、区市町村がバランスよく協力しあっていくことが大切です。認知症医療についても同様で、国、都、区市町村の各行政と、介護、地域のかかりつけ医、認知症疾患医療センターがバランスよく役割を果たし合って機能するサポート体制を構築していかなければなりません。
認知症高齢者の数は、全国で200万人といわれます。しかし、これは、あくまでも医師の診断書で日常生活において何らかの支援が必要と書かれた人の数であり、実際には、その1.5倍以上いるといわれます。東京都内には何らかの認知症症状を有する方は29万人となっていますが、15年後にはこの数が52万人になる見込みとのことです。
今後も、高齢者人口の増加が続くことが見込まれており、認知症高齢者の増加がすさまじい時代を迎えることとなり、認知症医療体制の整備が喫緊の課題です。
認知症の早期診断・早期治療は、症状の進行を抑えるためにも、あるいは安定した生活を送る上でも、大変重要です。いくつかある認知症の原因疾患を特定し、それぞれにあった適切な治療をできるだけ早期に受ける必要がありますが、認知症の鑑別診断については、予約から受診までに数ヶ月かかる場合もあるようです。
今後、どのように迅速な診断・治療開始に取り組めるようにしていくのか、伺います。●1
認知症疾患医療センターは、全国的にはすでに90カ所以上が指定されていますが、東京都もようやく、原則として二次保健医療圏に1つ指定することとなりました。
都は、センター指定を契機に、各医療圏ごとを基本として、地域の医療機関や介護関係者と連携して認知症高齢者を支えるネットワークを構築していくとしています。
ネットワーク構築は、認知症高齢者や家族にとってはもちろんのこと、センターを担う病院にとって、また地域の医療・介護関係者にとって、また地元区市町村にとっても必要であり、機能させていかなければなりませんが、それぞれの役割分担・取り組みのバランスがとれないと、なかなか上手くいきません。
がんなど他の分野では、地域連携パスの策定など、都が具体的な連携ツールの作成支援などを行い、地域の連携体制づくりが進められてきましたが、認知症の地域連携体制構築に対して、都はどのような役割を果たしていくのか、都の所見を伺います。●2
また、センターは、自院の中での総合診療体制、すなわち診療科間の連携をとるとともに、相談室を設置し、地域包括支援センターや地域の医療機関からの相談を受けたり、地域の関係機関の支援や連携の促進など多くの役割を担います。 相談室が求められる役割を果たしていくためには、都としても機能向上に向けた支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。●3
1医療圏あたりの高齢者人口が多い東京で、果たして、2次医療圏に1カ所で十分対応できるのでしょうか。また、量的な問題に加えて、機能面での課題もあります。今回、都は認知症疾患医療センターを地域型と位置づけていますが、認知症で受け入れ先がなかなか見つからない方のセーフティネット、いわゆる基幹型センターの整備についても、今後の課題であると考えます。
まずは、地域のネットワーク構築が急務であるということは理解しますが、現実に、受け入れ先がなかなか見つからない心理・行動障害、いわゆるBPSDや、身体合併症の受け入れ体制構築も、急ぐ必要があると考えます。今後の指定拡大についての見解を伺います。●4
認知症患者の介護者は、介護により、体の疲労蓄積、精神的な不安が募ると、人と会うのがおっくうになったり、精神的に不安定になったりすることがあります。自分の介護の仕方や接し方が正しいのかという不安は、介護サービス提供者など専門家からの支援や相談だけでなく、家族会など、同じ経験をし、認知症への理解も深い、一般の方との会話によって、大きく軽減されることもあります。
家族会は、認知症をはじめとした高齢者の家族介護者のサポートに大きな役割を果たしています。今後指定する認知症疾患医療センターにおいては、家族介護者会との連携も重要だと考えますが、どのように取り組むのか伺います。●5
高齢者施策に関連して、地域生活定着支援センターについて伺います。
刑務所を満期出所したけれども、身元引受人がなく、福祉サービスの利用を必要とする人たちが、出所後スムーズに福祉サービスなど地域の支援を受けられるようにコーディネートする地域生活定着支援センターが、ようやく東京都にも設置されることとなりました。
対象としては、主に障害や高齢により福祉サービスを必要としている方が想定されますが、まさに文字どおり地域の生活に定着していくための支援が求められています。受け入れ先施設などに必要な助言を行うフォローアップ業務や、本人からの相談に対し助言・支援を行うこともあり、多くの関係者、帰住先自治体など多岐にわたる連絡調整、協力関係が必要とされます。
都として、このセンターにどのような役割を与えどのように機能させていくのか、伺います。●6
次に、教育政策について伺います。
初めに、新学習指導要領の全面実施に向けた取り組みについて伺います。
文部科学省は、平成20年に学校教育法施行規則の一部改正と小・中学校の学習指導要領の改訂を行いました。また、平成21年度には、高等学校の学習指導要領を改訂しました。新学習指導要領は、小学校は平成23年度、中学校は24年度、高等学校は25年度の入学生から、全ての教科等で全面実施されます。
これまで、小・中学校は平成21年度から、高等学校は22年度から移行措置としての諸準備を進めてきたと伺っています。
新学習指導要領は、「生きる力」を育むという理念を実現するため、その具体的な手立てを確立する観点から改訂が行われました。具体的には、子ども達の現状を踏まえ、知識や技能の習得とともに、思考力・判断力・表現力等の育成、学習意欲の向上や学習習慣の確立等を、これまで以上に重視しています。各学校においては、こうした新学習指導要領についての理解を深め、適正な教育課程を編成・実施することが重要であると考えます。
そこで、新学習指導要領の全面実施に向けた都教育委員会のこれまでの取り組みと今後の展開について伺います。●1
次に、学校を地域全体で支援する取り組みの推進について伺います。
人々の価値観や倫理観等の変化、教育へのニーズの高まり等を背景に、学校は多くの課題を抱えています。本来、教育は、学校・家庭・地域・社会の様々な関係者の相互の取り組みによって成り立つものです。子どもの教育に係る様々な課題に全て教員だけで担おうとしてきた意識を改め、関係者が相互に教育に対する責任を自覚し、地域の多様な人材で学校を支える仕組みを整えていくことがこれまで以上に必要となってきています。
国の委託事業で、地域による学校支援として実施されてきた「学校支援地域本部事業」は今年度で終了しました。来年度からは「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」の中で、「学校支援地域本部」と「放課後子ども教室」、「家庭教育支援」等の教育支援活動が各地域の実情に応じて有機的に組み合わせられ、今まで以上に学校・家庭・地域の連携協力の強化が図られると期待されています。
これまでの全国の学校支援地域本部の取り組みは、本部数・学校数ともに増加傾向にあります。また、文科省の実態調査では、約8割の学校で、本事業の取り組みが「うまくいっている」「ある程度うまくいっている」と回答され、一定の成果が見られています。
その成功事例として、例えば、平成19年度に学校支援本部を設置した杉並第一小学校では、数ある企画の一つとして地域住民による学習支援を行っています。朝の10分間の漢字学習などを地域の方々が担当し、その効果として、教員が朝の打ち合わせに集中できる、遅刻をする児童が減る、地域の人々との交流が深まるといった成果が出ています。
一方、都内の各学校では、地域コーディネーターやボランティアなど、地域人材の養成・確保が困難であるといった課題もあります。
成功事例が数多くある一方、このような課題への取り組みも必要となっています。東京都においても、学校と地域の活性化につなげていくために、区市町村の「学校支援ボランティア推進協議会」の設置を一層支援するなど、学校を地域全体で支援する取り組みを促進・普及すべきと考えますが、所見を伺います。●2
次に、少人数指導について伺います。
政府は、30年ぶりに学級編制の標準40人を引き下げ、小学校1年生に対して35人以下学級を予算案に盛りこみました。これにより、新学習指導要領の本格実施や、いじめ等の学校教育上の課題への適切な対応、教員が子ども1人1人に向き合う時間の確保を通した質の高い教育の実現を謳っております。
しかしながら、小学校1年生の35人以下学級の実現に必要な教員数4,000人に関しては、国で2,300人の定数改善を行い、残りの1,700人に関しては、既に地方自治体において少人数学級に使われている加配定数を活用するとのことです。我々は、事前に都の加配定数分を持っていかぬよう、国に要請しましたが、東京都においても、他府県との公平性の観点から、少人数指導加配定数が減じられることが考えられます。
この加配定数が減ると、少人数指導を実施していた学校でも、一部少人数指導が実施できない学級が出てくる恐れがあります。現場の混乱を招かぬよう、また少人数指導の重要性から、少人数指導が後退しないようにすべきと考えますが、所見を伺います。●3
次に、新しい公共支援基金について伺います。
政府は新成長戦略の一環として、市民の参加と選択の下で、NPO法人等が積極的に公共的なサービスの提供主体となる「新しい公共」を検討し、補正予算に「新しい公共」支援事業交付金を盛りこみました。そして、東京都においては6億円の基金を設置することになりました。
「新しい公共」支援事業のガイドラインによると、この事業の趣旨として、NPO法人等にとって寄附や融資を受けやすい環境の整備、NPO法人等への自立的活動への支援、そしてその結果生まれる公的な財やサービスの効率的な提供と、地域における雇用や参加の場の拡大を掲げております。
「新しい公共」の担い手となりうるNPO法人等民間非営利団体の多くは、その活動の源泉を寄附に依存するなど、財政基盤の安定化が課題となっているため、「新しい公共支援事業」交付金を活用し、その支援をしていくことが重要と考えます。NPO法人が約6,700団体と数多く存在する東京都は、率先して寄附を社会に根付かせ、行政依存型ではなく、都民一人一人が地域社会の役割を担っていく「新しい公共」型社会を実現すべきと考えます。そこで、寄附を東京に根付かせるためにどのような環境整備を行っていくべきとお考えか、都の所見を伺います。●1
次に、新しい公共を担う支援対象団体の選定について伺います。
先般、活動実態の見られない休眠状態の宗教法人が急増していることが朝日新聞で取り上げられました。休眠法人が、税制上のメリットを目的に事実上「売買」されている実態もあり、看過できない問題であります。
NPO法人に関しても、東京都において事業報告書の提出がなく督促を行った法人は平成21年度で19.4%ありました。NPO法人は設立・解散などの動きが早く、規模や事業内容もさまざまです。新しい公共をより発展させていくためには、支援相手を適切に選択していくことが重要です。そこで、都は、どのようなNPO法人を支援すべきと考えているのか、所見を伺います。●2
新しい公共型社会の着実な実現のためには、活動基盤整備や寄附募集の支援など個々のNPO法人等に対する支援事業とともに、NPO法人等の活動を下支えする市民ファンドや中間支援組織への支援もより重要となってきます。
このような市民ファンドや中間支援組織を強化していくことで、寄附文化が広がりを見せ、NPO等の自立的活動の発展につながっていくと考えられます。
そこで、都は新しい公共の担い手となる団体を支援する組織との連携・支援について、現段階でどのような考えをもっているのか、都の所見伺います。●3
次に、運営委員会の設置について伺います。
ガイドラインには、都道府県が運営委員会を設置することになっております。運営委員会は、都が作成する基本方針案や事業計画案について了承するとともに、支援事業の選定も行うなど、重要な役割を担います。構成委員は、市民、NPO法人、企業等の中から選定されますが、都が委員を選定する際は、新しい公共型社会の実現の理念と趣旨を理解し、公平中立な選定を行うよう、また、委員会の運営にあたっても、審議内容の透明性を確保するよう取り組みが求められますが、都の所見を伺います。●4
次に、離島振興事業について伺います。
東京の島々は、豊かな自然や個性あふれる歴史や文化により都民の癒しの空間として、また、広大な排他的経済水域を確保するなど、その果たす役割は実に大きいものがあります。なかでも伊豆諸島は、首都圏に近く、海洋や観光資源等、多くの可能性を有しているにもかかわらず、充分に活かされていないのが現状です。
昭和28年7月の制定以来、伊豆諸島は離島振興法の対策実施地域に指定され、離島振興計画のもと、離島の自立的発展を促進するための種々の事業が実施されてきました。
この間、離島振興法は5次の改正・延長が行われ、現在は平成15年度から平成24年度までの期間延長が行われています。そして、離島振興法の基本的な考え方も時代とともに変化しています。東京都離島振興計画にもあるように離島振興の目的は離島の後進性を除去し、国土の均衡ある発展から島の個性に着目した振興、価値ある地域差の発揮による発展へと大きくシフトしています。
離島振興法は、島の暮らしを支える必須な法律となっています。言い換えれば、島の生活は離島振興事業を中心とする公共事業により島の経済が支えられてきたともいえます。しかしながら、依然として小離島の交通基盤整備をはじめ、現計画から示された価値ある地域差の発揮による発展のための事業は充分とはいえません。また、各島々の自立的発展のための取り組みも、その目的の達成までの道筋は未だ厳しい状況であり、更なる延長は離島住民の方々が強く期待するところです。
そこで伺います。平成24年度に最終目標年次を迎えるにあたり離島振興法の基本的理念を踏まえ、これまでの事業の成果並びに今後の課題について、都の所見を伺います。●1
次に、震災対策について伺います。
都議会民主党は、建築物耐震化の推進を都政の重要課題の一つと位置づけており、これまでにも様々な提案をしてきました。
建築物の耐震診断・改修の実施は、現行の耐震改修促進法では努力義務にとどまり、所有者の意思に委ねられていることから、対策の進展に限界があり、耐震化が進んでいません。
この課題の解決に向け、今定例会では、「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」案が提案されています。その内容は、特定緊急輸送道路の指定、その沿道建築物の所有者に対する耐震診断の実施義務、耐震改修等の実施の努力義務、耐震化に要する費用の助成などとなっています。
私たちは、建築物の耐震化については、その対象を限定せずに進めるべきと考えてはいますが、この条例案を、建築物の耐震化促進に向けた施策として、これまでより一歩踏み込んだ内容となっているものと、一定の評価をしています。
そこで、本条例案について、詳細な内容は今後の予算特別委員会や常任委員会で質問致しますが、この場では基本的な考え方などを中心に伺って参ります。
まず、本条例案では、耐震診断を義務化することとされています。
旧耐震基準で建てられた建築物の所有者が耐震診断を行なわない理由として、改修が必要となった場合の建築物の資産価値の低下や、改修や建替えに向けた設計や工事などの費用負担の発生などに対する恐れから、耐震診断そのものを実施しないケースも多々あるようだと聞きます。
耐震診断について、これまでの努力義務から本条例案によって義務化することとした理由と、その狙いとする効果について、所見を伺います。●1(都市整備局)
また、耐震診断を義務化するということは、その義務を所有者が履行することを確実にする必要があります。
耐震診断の義務の履行確保策と履行義務の違反者への対応について、所見を伺います。●2(都市整備局)
次に、本条例案では、耐震診断を義務付けた一方で、耐震診断の結果、耐震性が不足すると判定された建物の耐震改修については義務でなく、これまで通りの努力義務にとどめていますが、その理由について、所見を伺います。●3
耐震改修が努力規定となっていることで、所有者の諸事情により、耐震性が不足することが明らかになった建築物が長期間そのまま放置される可能性があります。
このように想定される事態に対して、どのように対処していくのか、所見を伺います。●4
本条例案に伴い、耐震化助成制度の拡充、つまり所有者負担の軽減も実施される予定となっています。
昨年の第4回定例会で示された、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に向けた新たな規制誘導策の基本的な考え方の案では、耐震診断を義務化する必要があること、また、耐震診断の義務付けに伴い、公的支援もあわせて拡大する必要があるとの認識が示されていました。その際、都議会民主党は、耐震診断を義務化するならば、所有者負担をゼロにすべきとの主張を致しました。
これに対して都は、今回、耐震診断については、平成25年度までの時限措置ではありますが、建物所有者の費用負担が実質ゼロとすることとしています。
都はこれまで「建築物の耐震化は基本的には所有者の責任」とする考え方、所有者負担の原則を崩してこなかったわけですが、私たちは、耐震診断に限っては、この原則を大転換したものと受け止めています。
そこで、耐震診断の所有者負担を実質ゼロとする措置を期限付きとした理由について、所見を伺います。●5
都の助成制度は、都が直接所有者に助成するのではなく、区市町村が実施する助成事業に対する助成となっています。しかし、区市町村によって、助成制度がない、あるいは制度があっても内容が異なるため、所有者が公的助成を受けられない、あるいは受け取ることができる金額が異なるなどといった状況にあります。
このような不公平性を解消するための今後の取り組みについて、所見を伺います。●6
都が実施している耐震化に向けた耐震化助成制度のうち、緊急輸送道路沿道建築物や木造住宅を対象とした制度では、改修工事に限らず、建替え等も助成の対象となっています。
一方、緊急輸送道路沿道以外の分譲マンションの耐震改修助成については、現在、改修工事をする場合だけが助成対象となっていますが、マンションの耐震化を促すため、建替える場合も助成対象とすべきと考えますが、所見を伺います。●7
次に、暴力団排除条例につて伺います。
この条例は、都内における暴力団の活動が活発であること、すなわち、平成元年から21年までの対立抗争の累計件数が全国の約28%に達するほか、21年中における暴力団等によるとみられる拳銃発砲件数が全国の約27%、暴力団員等の検挙人員は約17%、暴力団対策法に基づく中止命令の発出件数は約25%と、いずれも、全国の人口に占める東京都の割合より大きく上回っていることから、社会全体で暴力団を排除することが必要不可欠として提案されました。
これまでの警察対暴力団の構図を社会対暴力団に転換することにより、例えば、条例案では「都民等の責務」が盛り込まれ、都民や事業者による情報提供をはじめ、暴力団排除活動に関する施策への参画・協力などを規定しています。
しかし、暴力団との対決を警察から社会全体に転換し、都民や事業者に一定の責務を課すのであれば、まずもって東京都が、暴力団排除に最前線で積極的に取り組んでいくとの決意なくしては、都民や事業者の協力は得られません。
そこで、東京都とししての暴力団排除に向けた決意について、まず伺いたいと思います。●1
事業者が自主的に暴力団との関係を遮断した場合は適用除外とし、それ以外は、関与の程度に応じて、調査、勧告、事業者名の対外公表、行政命令、そして罰則と、事業者が暴力団との関係遮断を進めるため、段階的に措置が定められています。
また、暴力団との関係遮断を妨害する行為を禁止し、保護対象者に対する警察官による警戒活動その他の安全で平穏な生活を確保するために必要な措置を講じることが定められています。
暴力団を社会全体で排除していこうというその趣旨は理解でき、評価できるものですが、現実には、永い経緯のもとで、直ちに転換することが困難な事例も考えられます。
例えば、町会・自治会が主催する祭りへの露店の出店などは、いわゆる長いつきあいの中で行われてきました。この種の露天の中には、暴力団と深い関係のある露天があるのも事実です。暴力団と関係する事業者は当然に排除されなければなりませんが、これが、条例ができたから直ちにやり方を変えると言われても、いたずらに混乱を引き起こすことになりかねません。本条例の施行日までに、こうした町会・自治会などにはどのような働きかけを行い、関係遮断を支援していくのか、伺います。●2
同時に、必ずしも意図したものではなくとも、暴力団との関わりが生じてしまい、その関係を容易に遮断できない場合もあります。こうした事業者をはじめとした方々の暴力団との関係遮断を促進するために、どのような対策を講じるお考えか、所見を伺います。●3
また、妨害行為の禁止が定められていますが、それでもなお、脅迫、つきまとい、いやがらせが予想され、関係遮断を躊躇することは容易に想像されます。こうした事業者や都民等に対し、どのような保護策を講じられるのか、伺います。●4
こうした暴力団排除の取り組みの一方では、殺人、強盗や暴行などの凶悪犯、粗暴犯をはじめとした外国人の犯罪も後を絶ちません。警視庁の取締もあり、検挙件数、人員とも減りつつありますが、日々生活している私たちの体感としては、決して安心できる状況にはありません。政府の観光戦略もあり、訪日外国人が、一昨年を除き、年々増えつつありますが、その裏には、外国人の犯罪組織の侵入も危惧されます。このような外国人犯罪に対して、どのような対策を講じられようとお考えか、所見を伺います。●5
以上で、都議会民主党を代表しての質問を終えます。なお、答弁によっては、再質問を留保します。ご静聴ありがとうございました。