平成21年第1回定例会
予算特別委員会
平成21(2009)年3月25日
馬場裕子(品川区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
私は、都議会民主党を代表して、本委員会に付託された、第1号議案「平成21年度東京都一般会計予算」から第29号議案まで、賛成の立場から討論を行います。
まず、第1号議案「平成21年度東京都一般会計予算」について述べます。
本案の予算規模は、急速な景気悪化により、前年度比3.8%減の6兆5980億円となりましたが、政策的経費である一般歳出は、前年度比2.9%増の4兆5422億円を確保しています。
世界同時不況の影響を受けた景気後退と法人事業税国税化により、法人二税を始めとした都税全体が大幅な減収となったにもかかわらず、雇用や中小企業経営に対する支援策を強化するとともに、救急・周産期医療や新型インフルエンザ対策など喫緊の重要課題にも手立てを講じるなど、都民生活を守り、未来の東京を築いていく姿勢を打ち出した予算編成は評価できます。
しかし、相次ぐ中小企業の倒産、地価の大幅な下落にも示されているように、経済状況はますます悪化してきています。今後も、世界的な金融情勢などの動向次第では更に景気が下ぶれるリスクがあり、都財政を取り巻く環境は、より一層厳しさを増す可能性があります。
残された財政対応力によって今後の事態に対処するとともに、都民の不安感を解消し、安心・安全を守るため、都政をより一層効率的、効果的に運営していかなければなりません。同時に、持続可能な都財政の確立に向けて、国からの税財源の移譲や法人事業税国税化の廃止を強く推し進めるよう求めるものです。
次に、予算の各分野について申し上げます。
まず、雇用・自立支援対策についてです。
私たち都議会民主党は、今年1月の復活予算要求でも、また、本会議の代表質問などにおいても、緊急雇用対策のさらなる積み増しや正社員化の促進、公共職業訓練の拡大、あるいは、非正規労働者の雇用環境の改善に取り組む中小企業への支援拡充などを求めてきました。
特に、当委員会においては、住居を失った不安定就労・失業者に対しては、まずは居住の場が確保されなければ、就職活動もはじまらないとの認識から、都営住宅の活用などの積極的な対応を求めてきました。同時に、ホームレス生活が長引くと、自立も困難となり、生活保護に頼らざるを得なくなることから、都の生活安定化総合対策事業での住所要件の緩和など、幅広い低所得者対策を求めてきました。
今後の厳しい雇用情勢をふまえ、引き続き、施策の充実に努めるとともに、私たちが求めてきた施策についても、早急に実施・拡大するよう求めるものです。
次に、中小企業対策についてです。
中小企業に対する資金供給の必要性が高まるなか、中小企業支援を目的に設立された新銀行東京は、自らの経営再建を果たすことが最大の使命と化してしまい、もはやその存在意義は失われています。
本委員会でも、人事や経営などについて、石原知事の監視責任をしてきましたが、重要な時期に適切な対応がなされたとはとても言えません。今後、時間がたてばたつほど、新銀行の赤字は拡大し、都民の税金が毀損していくことが懸念されます。株式売却、あるいは事業譲渡なども含めて、新銀行から、早期撤退することを改めて求めるものです。
また、本案には、地域の金融機関と連携した中小企業支援策に300億円の予算が措置されています。しかし、連携先金融機関として新銀行が対象になるのかどうかも含め、いまだ制度設計の詳細が分かりません。
今後の制度設計に当たっては、借り換えの防止やデフォルトの抑制策など、制度の詳細を詰めるとともに、金融機関別の融資実績などの情報公開を積極的に行うことを求めるものです。併せて、連携対象となる金融機関から新銀行を除外するなど、都民の理解と納得が得られる制度となるよう強く求めるものです。
さらに、中小企業制度融資については、既存基金の活用などにより、利率の低下に取り組むとともに、利子補給などの財政出動も含めた新たな支援策を検討するよう強く求めるものです。
次に、防災まちづくりについてです。
21年度予算案では、耐震改修促進事業に161億円が計上されており、20年度予算の39億円から122億円の増、約4倍と大幅に引き上げられています。私達がこれまで何度も求めてきた内容がある程度反映されており、一定の評価はできます。
しかし問題は周知の通り、耐震化のための助成制度を使ってもらえるかどうかです。都民や事業者のニーズを適切にくみとりつつ、創意工夫をこらして予算を着実に執行するよう求めます。
また、制度の創設から4年目を迎える木造住宅の耐震化助成については、木造住宅密集地域のうち、特に危険度が高いとして「整備地域」に選定されている地域の住宅が対象となっています。その一方には、地震に関する地域危険度測定データで建物倒壊危険度や火災危険度が高い地域であるにも関わらず、「整備地域」から漏れている地域もあります。このような地域の木造住宅にも対象を拡大するよう、強く求めるものです。
次に、医療について申し上げます。
昨年の秋、都立墨東病院のケースが大きく報道されたことを受け、21年度予算では、医師、看護師不足で危機に瀕してきた救急、周産期医療に対し、現場の負担軽減策、限られた医療資源を有効に活用して急場をしのいでいくための対策が数多く盛り込まれました。真に現場の負担を軽減し、人手を増やし、救急、周産期医療の立て直し、充実につながるよう取り組まれることを求めるものです。
その上で、2次救急医療機関に軽症患者が集中している現状に対する対策についても、夜間診療を行おうとする開業医への補助、医師数が特に不足している地域への開業誘導策などについても、都が率先して取り組まれるよう求めるものです。
また、適切な転院先が見つからない、在宅療養への不安など、患者、家族の悩みを解消していくため、地域クリティカルパスの普及、転退院調整の支援に取り組むこと。さらに、女性医師確保策のひとつとして、職場環境の整備に加えて、保育所確保のため、保育手当を支給する病院に対し補助する、院内保育・事業所内保育の補助対象を拡大して、医師の就業継続を支援するような保育所にも補助するなど、速効性のある対策を実施するよう求めておきます。
次に、オリンピックについて申し上げます。
民主党は、都が2016年にオリンピックを招致すると宣言してから、その理念は世界平和の希求に重点を置くものとし、平和都市の広島、長崎と連携すべきと訴えてきました。
この平和の尊さを訴える大会コンセプトは、招致委員会が行った世論調査でも一位に位置づけられ、改めて都民が求めている理念であることが再認識されました。
都は今回初めて、「立候補ファイル」の中で、広島、長崎での事前キャンプなどを実施する考えを示しましたが、東京オリンピックの聖火リレーにおいて、オリンピアの火と反核悲願の象徴である広島の「平和の 」やギリシア・オリンピアの丘でされた長崎の「誓いの火」と結び、平和の希求を世界に発信していくことを求めるものです。
次に、監理団体について申し上げます。
都の監理団体は、採算性や市場性を欠く、公共性の高い分野のサービスを、都に代わって行うこととされている団体です。これまでの監理団体改革では、団体数を33団体に半減させてきましたが、団体の存在意義の検証や各事業の再度見直しなど、まだまだ取り組むべき諸課題が残されています。
今回、東京都道路整備保全公社による駐車場事業や、東京都新都市建設公社が保有するビルの管理業務、温泉施設の管理運営の委託をめぐって活発な議論を行いましたが、今後も都民の目線から見た監理団体改革が必要です。特に「行財政改革実行プログラム」の最終年度を終えたため、今後の行財政改革の方向性を示し、引き続き監理団体改革を推進していくことを求めるものです。
次に、第20号議案「平成21年度東京都中央卸売市場会計予算」に係る築地市場の移転問題について述べます。
東京都は、築地市場の豊洲への移転を進めるために、昨年7月の「専門家会議」及び本年2月の「技術会議」の提言を踏まえ、豊洲地区の土壌汚染対策に取り組まれています。
しかし、「専門家会議」の絞込調査の結果、不透水層が検出されない地点が見つかるなど、豊洲地区の土壌汚染は、不透水層の下にまで拡大しているおそれがあることが判明しました。
いうまでもなく、豊洲地区の安全は確保されているとは言えません。仮に「安全宣言」をするのであっても、地下水のモニタリングを2年間実施するなど、より着実な対策を講じていく必要があります。
一方で、現在でも多くの都民が現在地再整備を求めています。
再三申してきましたが、東京都は「まず豊洲への移転ありき」という姿勢を改め、現在地再整備についても議論のに載せることを、改めて検討すべきです。
そして、築地市場の移転問題について、シンポジウムや公開討論会の開催、あるいは、関係団体からの要請があれば、積極的に対応するなど、東京都として説明責任を果たしていくことを強く求めておきます。
以上で、私たちの討論を終わります。