
平成21年第1回定例会
予算特別委員会
平成21(2009)年3月12日
伊藤まさき(葛飾区)
*質問は予定稿ですので、実際の質問とは表現が異なります。正確には議事録をご参照ください。
現在、国会では公務員制度改革の議論が行われている。
先の衆議院予算委員会においても、官僚の天下りと渡りの問題が取沙汰されていた。
都においても、石原知事の就任以来、監理団体の改革に取り組み、一定の成果を上げている。
しかし、先に一般質問で伊藤ゆう議員が取り上げたように問題のある団体も散見される。
設立の目的に鑑み、事業内容についても民間にできるものは民間に任せるなど、さらに改革のスピードを上げていく時期に来ているのではないかと思う。
まず、一点確認しておく。
Q1 監理団体改革について、具体的にどのような取組をしてきたのか?
時間を掛けて取り組んできたし、成果も上げているとは思うが、団体数の削減に比べ団体の職員数や財政支出額の削減は進んでいないように見受ける。登山で言えば、5合目まで来ているとは思うが、頂上まであと半分と言うところだろうか。
国と違って、都では組織的な関与はなく、あくまでも属人的にポストに就いているとの事ではある。しかし、特定の団体の役職に、特定の都の役職の都庁OBが就任している事実がある。例えば、JKK 東京都住宅供給公社の理事長には必ず元特別職などが就任している。
最近は例外も多く見受けられるが、元特別職はここ、元局長はここと、事実上ポストが割り振られているような実態があるように思える。
ただ、私見では、効率性、合理性などが担保されるのであれば、行政目的を達成するために都が監理団体を作ることは問題でないと思う。さらにその団体に、運営の透明性が確保され、更に役人としての経験を活かすという客観的な事実があれば、そこにOBが転職する事自体が全て悪いとは思う。
この前提に立ち、以下2つの監理団体について具体的に質問させていただく。
まず、(財)東京都新都市建設公社について
Q2 (財)東京都新都市建設公社の設立の目的は何か。
目的は、民間事業者のできない行政代行的役割を発揮し、市町村から受託する多摩地域の下水道整備と土地区画整理事業を効率的に行うためという事であります。
確かに昭和36年(東都知事時代)当時には、このような公社を設立する意味はあったと思う。しかし、平成19年度末で多摩地域の下水道普及率は97%と100%に近づいている。
公社の下水道事業の工事委託の実績を見てみると、多摩地域の全体30市町村の管路延長11053kmのうち、2360kmの施工を行っている。全体の約2割しか施工をしていないのは少ないと思える。さらに地方分権が叫ばれる今日、土地区画整理事業はそもそも市町村が行うべきとも思う。この公社が設立されて40年以上の年月が経っております。設立目的も、そろそろ達成されているとも思えますので、見直しの時期に来ていると感じる。
次に公社の行っている自主事業や資産状況について何点か指摘させていただく。
平成19年度の決算書を見ると、正味資産が5億1千万も増えている。預貯金で約63億円、都の公募公債は時価約81億円、貸付土地約127億円 貸付建物は約129億円もの膨大な資産を保有している。
かなり多くの資産、土地建物を所有していることが分かる。土地分譲事業、土地・建物賃貸事業などの自主事業は、税制上の優遇措置を受けていて課税されていない。実際、公社の本社ビルに実際行ってみたが、この地域で一番高い建物で、正に他を圧倒する威容を誇っていた。果たして、このような資産が必要なのか疑問に思った。
最近では、温浴施設などにも手を広げてもいる。この公社でやる事業としては甚だ疑問に感じる。この温浴施設についてはまた後ほど触れる。
さて、ここで注目したいのは、昭和61年に公社、八王子市などの出資により「株式会社北野タウン」を設立している事である。
Q3 (株)北野タウンは、どのような経緯で設立され、現状はどうなっているのか。
10年前に解散したとの事だが、私が「きたのタウンビル」に行ったところ、6階の一番奥にひっそりと(有)タウンサービスという会社があった。人の出入りが殆どないような会社で、作業服を着た30代の男性が1人入っていくのを確認できただけであった。そこで不審に思い、この会社の登記簿謄本を取った。この謄本などからいろいろ興味深い事が分かった。本店は「きたのタウンビル」の住所。代表取締役が一人、資本金は500万円。支店が青梅市河辺町十丁目8番1号にある事実を突き止めた。ちなみにこの河辺町の住所は公社が所有している、平成19年に竣工した「河辺タウンビル」の住所である。公社と強い関係性を感じる。
Q4 (有)タウンサービスと公社及び(株)北野タウンとの関係はどうなっているのか。
(株)北野タウンの全ての閉鎖登記簿も取ったが、ほんの少しの例外こそあれ、歴代の都庁OBである理事長がその任期中に代表取締役社長に就任している。14億の資本金と10の取締役から構成され、正式な手続きを取りその存在が公表されている株式会社を潰し、ネット上にも情報も出ていないような、資本金500万円、たった一人の代表取締役が登記されているに過ぎない有限会社がその事業を継承しているのですか?
では伺うが、
Q5 (有)タウンサービスについて更に伺う。現在の役員や資本金の出資者に、公社や都の関係者もいるときいているが事実か。
(有)タウンサービスに、現在の役員にも公社の関係者がおり、資本金の出資者に、公社の関係者だけでなく、都のOBがいるのは、大変驚きである。そもそもきたのタウンビルの管理業務程度の事業でしたら、他の不動産管理会社に業務委託をすれば済む話ではありませんか。
平成11年に北野タウンが解散した契機となったのは、国の「公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針」についてという文書で、「公益法人は、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とする、非営利の法人であることから、営利企業を設置してはならない。したがって、公益法人の理事が当該公益法人を代表して営利企業の設立発起人となったり、当該営利企業に出資を行うことがあってはならない」としている。つまり、公益法人は営利目的の子会社を持つな、その理事は子会社に出資をするなということであります。今回の件では、確かに法人を代表して営利企業に出資しているのではないので、直ちにこれに違反しているとは言えません。しかし、「事業の健全性に十分考慮する」としているこの指針の趣旨からすれば、北野タウンという子会社を清算したにもかかわらず、時をおかずに事実上の継続子会社を設立したということには強い疑問を感ぜざるを得ません。更に問題と思うのは、公社の現職理事も、この有限会社に平成11年11月1日から平成13年4月25日まで取締役になっていました。公社OBどころか、現役の公社の高い地位にあるものが、一時的にせよ取引関係のある特定の営利企業の取締役に同時になっていたのですから、疑問どころではなく国の指針を逸脱する行為であると思います。この指針には法的な拘束力はないとのことですが、違法ではないからと言って何でもやって良いと言うわけはないはずです。公社ならびに(有)タウンサービスの設立に係わった関係者に対して、反省を促します。
Q6 (有)タウンサービスは、公社からどのような仕事を受注し、タウンサービスの総売上げ高に占める割合はどれくらいで、特命随意契約は何件あり、その契約総額はどれくらいなのか伺う。
ずいぶんあっさりと答弁されてましたが、現下の厳しい経済状況下で小・零細企業は日々の資金繰りに本当に苦慮されています。昨日のこの予算特別委員会でもそのようなやりとりが多かったと思います。そうした方々が、一億円もの仕事を取るのにどれだけ苦労しているのか分かっているのでしょうか?私の地元葛飾では1億円以上の売り上げを上げている企業はそれ程多くないですよ。競争入札をやったとのことですが、株式会社北野タウンから、ビルの管理を引き継いでいるのは事実ですから、その引継ぎは入札なんてしていないでしょうし、今現在だって管理業務をしているのですから、単なる言い訳にしか聞こえません。
意図的かどうかは知りませんが、答弁では抜けていますが、温浴施設の管理も受けていますよね。この謄本を見ると、平成19年8月1日に会社の目的に温泉(温浴)施設の管理運営を追加している。温浴施設の入っている河辺タウンビルBの竣工は平成19年11月30日です。さらにこの温浴施設の契約案件について、入札経過調書の提出を求めましたが、存在しないと言うことでありました。都の基準によれば、入札を行えば必ず調書を作らなければならない事になっているので、これらの事実から推測するに、実績もないこの会社に入札もせずに管理を優先的に委託したという事です。公社のこの委託契約について本当に合理性があったのか、はなはだ疑問を感ぜざるを得ません。とても不可思議な現象です。更に問題は、あきる野市に公社が保有している土地に2つ目の温浴施設の建設を計画していることです。これは住民説明会で公社が明らかにしていますが、この管理運営の委託先も(有)タウンサービスになるようであります。
彼らは、営業努力もせずに特命随意契約で優先的においしい仕事を貰い、濡れ手に粟で利益を貪っている。これはかなりヒドイ天下りの体質といわざるをえない。
東京都が大半を出資している公益法人で、理事長経験者らは公社の委託先の会社を設立して、そこに優先的に仕事を請け負わせているとすれば、大きな問題といわざるを得ない。都としても早急に是正すべきだ。
Q7 今後、局として、(財)東京都新都市建設公社と(有)タウンサービスのあり方について、それぞれ、どのように考えているのか。
この公社の存続を前提に検討されているのでしょうが、答弁にあった下水道の維持管理業務は民間でもできる業務です。木造密集地域のまちづくりなど、各地域のまちづくりについても、そもそも基礎的自治体が責任を持つべきことです。地方分権の流れでますます、そのようになっていくでしょう。
また、昨日文科省所管の「漢検」の不適切な取引や過剰な利益の問題が取りざたされている。今後、公益法人改革に対応して必要な準備をするとの事ですが、先ほど上げた当法人の多大な資産をどうしていくのか注目してまいります。
タウンサービスについても不適切な取引関係を早急に改めることを再度求めておきます。
次に、東京都道路整備保全公社について伺います。
Q8 伊藤悠議員の一般質問で「石原知事は徹底的して洗いなおす」との答弁を受け、建設局長も「今後そのように検証をしていきたい」と答弁をされました。その後の検討・検証状況はどのようになっているのか所見を伺う。
Q9 局長は「この道路整備保全公社が、主要な業務である駐車場を経営しているわけですけれども、その経営採算がいいところと悪いところを抱き合わせで経営しているところがポイントでございます。」と答えておりますが、それも含めて全体として民間事業者に委託したら良いと思います。更に、もともと都有地で駐車場を経営しているのですから、公社の高い人件費を掛けて管理するより、民間にお願いした方が、それだけでも効率化が図れると考えます。コンサルトによる見直しはぜひすべきと考える。所見を伺う。
知事が「徹底的に見直す」と言っているのですから、局でも様々な前提を踏まえて検討すべきです。また、コンサルを入れるのがどうしても嫌だというなら、都の環境政策の推進に活用すべき(カーシェアリングや次世代電気自動車)。少なくもこのまま公社が無駄に駐車場経営をすべきでないことははっきり申し上げておく。
Q10 今までの質問で様々な問題が明らかになったと思う。一つは、情報公開が不十分で議会のチェックが十分に行き届かない可能性がある。役所のチェックだけでは限界。人件費は必ずしも効率的と言えない。などである。これらは既存のチェックの仕方では浮き彫りにならない視点と思う。ここに監査委員会の平成20年財政支援団体等監査報告書がある。1ページの監査実施団体の内訳を見ると、3190団体中182団体でたったの5%しか、監査できていない。これだけの団体以外にも監査すべき対象があるので、これで精一杯でしょう。
そこで伺うが、契約案件の情報公開では、都の定めた指針によると1億円以上の案件は公開の対象となっているが、それ以下の物については、それぞれの管理団体に運用が任されている。この情報が公開されれば透明性が飛躍的に向上することが期待される。新都市建設公社の例では、平成19年度契約結果(HPで公表)によると年間831件 総額約118億円の契約を行っているが、1億円以上で公表されているのはたったの22件に過ぎない。分割発注をしてしまえば、契約情報を一切出さなくても済んでしまうのです。管理団体を総括する立場として、指針を改める考えは無いのか?
全く残念な答弁だ。都庁では工事の内容によってだが、250万円以上の案件で公表していると聞く。せめて都庁並みのレベルに引き上げるべきだ。
Q11 民間企業でもコンプライアンスが話題となっている。公益事業を行う公社職員についても、より高いコンプライアンスが大切と思う。都としてどのように認識しているのか、所見を伺う。
Q12 最後に知事に伺う。この質問のやり取りを聞いての率直なご感想をお聞かせいただきたい。私は所管の局ですら、自主的な運営だとかの美名を良いことに、管理団体の状況について十分に把握出来ていないのではないかと、強い不安を感じた。事の性質上、役所に任せっきりでは問題が先に進まないのは、国の公務員制度改革がなかなか進まないことを見れば明らかだ。ですからここで政治的な判断が必要です。知事自らが全ての管理団体のチェックを行うのは、ほぼ不可能だと考える。そこで提案です、外部人材を活用し、新たに監理団体などを専門的にチュックする組織を立ち上げて、知事の監理団体改革の総仕上げをしてはいかがかと思いますが、ご所見を伺う。
今回はたまたま2つの監理団体を取り上げた。他の31の監理団体やその他の団体にも、同様のいやそれ以上の問題があると思われます。時間は相当かかりますが、仲間とプロジェクトチームを作って、徹底的に問題点を洗い出してまいる所存です。ここにおられる理事者の皆様方に置かれましては、ぜひとも情報をなかなか出さない監理団体を指導していただき、我々の調査活動にご協力賜りますよう、心よりお願い申し上げます。