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定例会報告

代表質問  田中 良

  幹事長  田中 良(杉並区)

 

 

平成21(2009)年2月24日

 

 

幹事長  田中 良(杉並区)

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。

 

 まず、都の財政運営と景気対策について伺います。

 

 金融危機そして景気悪化が進むアメリカでは、新大統領に民主党のオバマ氏が就任しました。その演説には様々な評価がありますが、集まった二〇〇万人の熱気と期待は本物であり、危機を率直に語り、国民と共に乗り越えると訴えた大統領の姿に、政治がなお、希望を与える存在であることを改めて認識しました。

 

 現在、日本国内では世界同時不況が、実体経済に波及し、昨年末の十から十二月のGDPは、年率換算でマイナス一二・七%となり、第一次石油ショック以来の大幅な落ち込みを記録しました。先月上中旬の輸出額も四六%減少、外需低迷の深刻さを反映し、都内経済の先行きも当面悪化が続くと予測されています。

 

 昨秋から、国は総額七十五兆円の経済対策を発表し、都も二度にわたり合計九〇〇億円超の補正予算を編成していますが、民間需要の回復への見通しは未だ立っていません。

 

 都は自らの財政機能で、都民が求める公共財・サービスを確実に提供するとともに、「十年後は生活が悪化する」と考え始めている都民の不安を払拭し、希望を与えていかねばなりません。それは短期そして中長期にわたり、経済の構造改革につながる財政支出であるべきです。

 

 短期的には、都民生活に安心をもたらす生活者・中小企業支援を充実し、雇用と職業スキルアップの組み合わせで、求職のミスマッチを解消するなど、安心、人材育成と就業促進を図っていかねばなりません。

 

 更には、雇用維持・創出につながる学校や救急医療機関などの耐震化や公共交通や都営住宅などのバリアフリー化推進、主要施設維持更新計画などの公共投資を、今後三年間かけて、大胆に追加前倒しをしていくことが重要です。

 

 また、中長期的には東京の成長政策を展望し、自治体初の環境減税など企業へのインセンティブを付ける他、ものづくりを目指す人材を育成するなど、環境や医療、バイオ、IT、ロボットなど、日本が力を発揮できる技術分野の研究開発への支援を行っていく必要があります。経済そして都民生活を安定したものにするために、引き続き都の財政機能を活かしていくべきと考えます。知事の見解を伺います。●1

 

 平成二十一年度の地方財政計画では、平成二十年度比で地方税が一〇・六%減と過去最大の減収を見込んでいます。都の歳入に関しては、景気の大幅な落ち込みと法人事業税国税化によって、都税は過去最大一三・六%の減収となりました。これは法人二税が三〇・三%も落ち込み、大都市部ほど影響が大きくなったことによります。

 

 グリーンスパン前米FRB議長の「百年に一度の金融危機」や日銀総裁の「大変厳しい」との発言が示すように、日本経済の先行きは悪化するとの予測が強く、国も「経済財政の中長期方針と十年展望について」において、先行きの不確実性が極めて高いことから、混乱を脱する、混乱が続くなどのシナリオに分け、経済・財政想定を比較試算しています。

 

 都における過去の税収の落ち込みも、平成四年度からの三年連続、法人二税は平成二年度からの五年連続の記録がありますが、果たして景気回復に向けた次の底入れがいつになるのか、予想は困難です。

 

 歳出に関しては、二度の補正予算に続く緊急対策をはじめ、「十年後の東京」計画など中長期的な取り組みなどが設定されているため、今後も支出増の要素が強いと言えます。

 

 このような現状で、今後の都の財政収支の見通しについて見解を伺います。●2

 

 都は、平成十九度決算における全体財務諸表によると、基金など資産が八六五七億円増加し、負債が六五九九億円減少するなど、将来世代の財政負担を軽減する財政運営に努めてきました。

 

 しかし、この年の十一月が日本の景気後退局面入りとされ、現在も悪化が続く状況で、都の財政運営も新たな転換を模索する時期に来たと考えます。地方自治体にとっても平成二十一年度から財政健全化に資する新指標を踏まえる必要があり、この景気後退の先を見据えていかねばなりません。

 

 平成十八年七月に公表した「財政運営の指針」では、財政再建に「区切り」を付け、健全性を維持する質的転換を進めてきましたが、中長期的な視点での三年間の取り組みも踏まえ、今後、都はどのように持続可能な財政を確立していくのでしょうか。都の財政運営の方向性について見解を伺います。●3

 

 そして、来年度予算案は、都政史上最大の税収減となり、昨年度創設した法人事業税国税化対策基金の全額二二一五億円を取り崩します。

 

 一昨年、石原知事は福田総理と国税化を合意した直後、分権に逆行し、税の原則に反すると強く反対した民主党に、自ら行った行為を棚上げし、「そもそも日本の税制は国が勝手に決められるものでありまして。批判、質問されるなら、法律の勉強をなさってからされないと恥ずかしいことになります」と、言わずもがなの的外れな答弁をされました。

 

 それが最近になって知事は、「国税化の暫定措置は直ちに撤廃すべきであります」としています。

 

 国が抜本改革に取り組むまでには最低で三年から六年はかかり、知事が合意した「暫定」は反故にされ、この措置は今後も延長される公算が強まっています。地方にとっては、国が交付税を一兆円増額することで、法人事業税国税化の意義はなくなりました。再配分も景気後退によって当初計画から三割程度下回りそうです。こうしたことからも、分権への流れを踏みにじり、いたずらに税制を混乱させた政府与党と知事の責任は重大です。ここに至り、「直ちに撤廃すべき」とした法人事業税国税化を、知事はどうやって廃止していくのか、見解を伺います。●4

 

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 次に、雇用問題について伺います。

 

 年末から年始にかけて、日比谷公園内に設置された年越し派遣村は、世間の耳目を集め、この問題に対する国の無策を露呈させたのではないでしょうか。

 

 石原知事は、一月九日の定例会見などで「とにかく現場感覚がないんだから、あの連中は」と厚生労働省の対応を批判しています。であるならば、現場感覚を持つ東京都が、新たなセイフティーネットの構築をはじめ、製造業現場への派遣の見直しなど、国に対して積極的に働きかけるべきです。

 

 また、東京都は、昨年十二月、国と連携して、都内主要経済団体等に雇用維持や内定取り消しの回避などを要請していますが、悪質な企業名は公表するなどの強い姿勢をもちながら、企業に対して、雇用の維持に最大限努めるよう働きかけを強めていくべきです。

 

 私は、石原知事が先頭に立って、国や企業に対して、積極的に働きかけていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。●1(産業労働局)

 

 昨年十二月二日、民主党は、緊急雇用対策本部を設置し、私たち都議会民主党も、緊急一時保護施設や自立支援施設、あるいはハローワークを視察するなど、党と連携しながら、この問題に取り組んできました。

 

 これから契約の更新が集中する年度末に向けて、さらに雇い止めが急増するとも言われています。また、来年度以降も、引き続き、厳しい状況が続くことが予想される中で、東京都として、公的雇用を増やすことで、失業率の緩和に少しでも役立てるよう取り組んでいくべきです。

 

 すでに東京都は、緊急対策Ⅱなどにより五十万人の公的雇用創出を打ち出していますが、さらなる積み増しが必要ではないでしょうか。

 

 また、国の第二次補正予算による緊急雇用創出事業やふるさと雇用再生特別基金事業による新たな雇用創出も期待できますが、これら国の事業は、事業費に占める人件費の制約などもあり、実施に向けてのハードルが高いようにも思われます。

 

 そこで、東京都として、今後の雇用情勢に的確かつ迅速に対応できるよう、緊急雇用対策のさらなる積み増しを実施していくべきと考えますが、見解を伺います。●2(産業労働局)

 

 また、東京都の緊急雇用対策や国の雇用再生特別基金事業は、そもそも次の職場を探すまでのつなぎの仕事を前提としているため、正社員化を図ろうという仕組みが見られません。

 

 国のふるさと雇用再生特別基金事業では、事業実施のために新たに雇い入れた労働者を正社員として受け入れ、かつ、六か月定着している場合に、その事業主に対して労働者一人あたり三十万円を支給する制度となっており、国のトライアル雇用でも、一人当たり概ね三十万円を支給する制度があります。

 

 東京都の緊急雇用対策などを通じて新たに採用された場合においても、これを一種のトライアル雇用として捉えるならば、同じように正社員化を促していく仕組みも必要なのではないでしょうか。

 

 緊急雇用対策を通じた正社員化の促進に向けて、見解を伺います。●3(産業労働局)

 

 次に、都営住宅を活用した居住の場の確保について伺います。

 

 この間、視察先の所長さんなどから、まずは住居の確保だという話を聞かされました。仕事探しが目的のハローワークでさえ、相談件数のうち二割が、住宅相談だと言うことです。

 

 元派遣労働者で、支援団体を組織された方からは「国の雇用促進住宅はどこも満員。やっと空きが見つかったと思ったら場所が大宮。都内へ就職活動するだけでも交通費が千円以上かかるので、断念した」という具体的な話も聞きました。

 

 このように職を探している人たちの話を聞くと、まず第一に住宅の確保だという声がもっとも多いようです。

 

 一方、都営住宅や職員住宅などの中には、建て替えを間近に控えて、空家のまま、募集を停止しているところもあり、これら住宅の有効活用を図るべきではないでしょうか。

 

 そこで私は、特に、建て替えを控えた都営住宅については、職業訓練の期間、あるいは、採用が決まるまでの期間などの短期入居を認め、働く意欲のある低所得者の居住の場の確保に取り組んでいくべきだと考えますが、見解を伺います。●4(都市整備局)

 

 年越し派遣村では、生活保護などの生活相談から、住宅、労働などの相談まで、役所の縦割りに関係なく、ワンストップでさまざまな相談に応じていました。

 

 一方で、東京都が低所得者対策として創設された生活安定化総合対策事業では、多くの区市町村から、雇用・就業に関する相談窓口の設置に苦慮する声が聞かれました。

 

 国においては、ハローワークが設置されていない市町村と連携して、役所などの中に職業相談や職業紹介等を行う「地域職業相談室」を置く制度もありますが、都内では十か所にとどまっています。

 

 先日視察した国のキャリアアップハローワークは、場所が都庁と間近、しかも、対象を非正規労働者としている施設にもかかわらず、東京都の受講奨励金の制度を紹介するパンフレットさえ置いていません。

 

 東京都が、音頭を取って各機関の連携を促し、それぞれの窓口でワンストップサービスを提供できるよう取り組んでいくべきだと考えますが、見解を伺います。●5(産業労働局など)

 

 次に、生活安定化総合対策事業などの拡大・充実についてです。

 

 低所得者対策として創設された生活安定化総合対策事業では、都内に引き続き一年以上在住(住民登録)していることが条件となっています。

 

 そもそもこれは、石原知事が知事選前に打ち上げた「低所得者に対する都民税の軽減」が、いわゆる「公約の進化」によって、制度化されたゆえんでもありますが、しかし、低所得者のうち、都内に住所がなくても、東京都の事業所で働き、その後、解雇された人などを制度の対象外にする理由はありません。

 

 また、「就職チャレンジ支援事業」も、同様に都内への就業実績があれば、受講奨励金の給付対象にしていくととともに、同事業の制度化を国に対して働きかけていくなど、利用者が使い勝手のいい制度にしていくべきだと考えます。

 

 生活安定化総合対策事業などの拡大・充実について、見解を伺います。●6(福祉保健局)

 

 次に、職業訓練の拡大・充実についてです。

 

 公共職業訓練の今年一月の入校生の応募状況は、定員を昨年一月より多い四百四十人としたのに対し、応募が、昨年の倍近い千百六十三人。応募倍率は、昨年の一・六一倍から二・六四倍に跳ね上がっています。

 

 今後、この傾向は、ますます強くなるものと思われますので、東京都として、国の委託訓練の拡大も視野に入れながら、定員のさらなる拡大に取り組んでいくべきです。

 

 また、どのような分野での企業ニーズが高いのかといった調査についても、引き続き実施するなどして、実効性の向上を図っていくべきだと考えます。

 

 職業訓練の拡大・充実に向けて、見解を伺います。●7(産業労働局)

 

 次に、非正規労働者の雇用環境の改善についてです。

 

  現在、東京都では、非正規労働者の処遇改善に取り組もうとする中小企業に対して、社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家を無料で派遣するとともに、改善計画の認定を受けた企業への融資制度を設けています。

 

 しかし、目標企業数は三十社しかなく、企業へのインセンティブが、他の制度に比べても、少ないように思われます。

 

 例えば、東京都は、次世代育成企業へのインセンティブとして、人事労務責任者を設置した場合四十万円、意識啓発で十万円、社内ルールづくりで五十万円、育児休業を取得した場合の代替要員一人につき百五十万円を助成しています。

 

 私は、対象企業数の拡大やインセンティブの充実などを進めることで、非正規労働者の雇用環境の改善に積極的に取り組んでいくべきだと考えますが、見解を伺います。●8(産業労働局)

 

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 次に、新銀行東京について伺います。

 

 石原知事は、施政方針の中で「旧経営陣時代における経営上の様々な問題と誤った判断による損失の拡大が、具体かつ詳細に明らかにされた」と述べられました。

 

 しかし、そもそも二月十七日に発表された調査報告自体が「開業後二年間の不良債権の増加を主たる原因とする経営悪化に対する法的責任」を調査しただけなのです。

 

 昨年度末の新銀行の累積赤字は千十六億円であり、調査報告書で指摘しているデフォルト金額は百十二億円と一部でしかありません。

 

 東京都は、昨年三月十三日の予算特別委員会で、累積損失見込みを経常収益二百六十億円に対して、かかった費用千二百六十億円としながら、費用の内訳を「営業経費五百億円、資金調達費用百億円、不良債権処理額二百八十五億円、貸倒引当金の繰り入れ、戻し入れ二百億円、特別損失百五十億円など」と答えています。

 

 石原知事は、「つくったのはモデルカーで、それをどう運転するかというのは経営者の才覚だ」と例えています。しかし、モデルカー自体に大きな設計ミスがありながら、それを放置し続け、運転手にスピードアップを指示したのは、石原知事自身だったのではないでしょうか。

 

 私は、旧経営陣に損害賠償を求める以前に、千十六億円の累積赤字を生じさせた費用の内訳とその赤字を招いてしまった責任の所在をまず明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。●1(産業労働局)

 

 その上で、私は、新銀行の失敗の責任が厳しく問われるべきであると考えます。その責任とは、すなわち、発案当時のマスタープランが過大であったことや、スコアリングモデルを初めとしたビジネスモデルが破綻したことの責任。旧経営陣の任命責任や金融情勢全般の判断を見誤った責任。さらには、経営の悪化に対して迅速に対策を講じてこなかった責任についてであります。

 

 デフォルト金額百十二億円の責任を問う以前に、まず石原知事自身が、その政治的責任と行政的責任を自覚し、自らの責任を果たすべきであると考えますが、知事の見解を伺います。●2(産業労働局)

 

 特に、私が指摘しておきたいのは、この間の株主としての責任です。

 

 都議会民主党が、売却などを含めた出口戦略などの早急な検討を主張したのは、営業開始一年後の平成十八年三月です。その当時から、新銀行東京の経営状況が思わしくないことは、私たちだけでなく、専門家やマスコミなども指摘していたのです。

 

 私たちの指摘後も、新銀行は、拡大路線を継続し、東京都においては、平成十八年十二月一日の取締役会において「融資目標四千三百億円達成のためになお一層の努力が必要」と要請しています。

 

 報告書では、仁司氏らに対して「遅くとも十八年八月には抜本的な対策を講じるべきであったがこれを怠った」と断じていますが、その後も、拡大路線を煽ったのは、間違いなく大株主である石原知事だったのではないでしょうか。

 

 石原知事は、昨年の予算議会において「今日の経営実態を見ると、より早期に強力な指導を行うべきであったという感は否めない」とその否を認めていますが、問題は、情報が上がってこなかったことにあるのではなく、情報を取ろうとしていなかった姿勢にあるのです。

 

 石原知事は、この間、新銀行の拡大路線を煽ってきたことに対して、どのような責任を感じているのか。見解を伺います。●3(産業労働局)

 

 二月十七日の報告書では、「特別背任罪の成立を肯定できる証拠を取得する調査を完遂させるまでには至らなかった」としており、仁司元代表執行役の責任追及については、民事上の損害賠償請求にとどまっています。

 

 また、提訴の時期も未定であり、年内にするのかどうかさえ言えないというのであっては、もはや問題の先送りとしか言いようがありません。

 

 さらに、実際の損害賠償請求額も、今後弁護士と検討するとする一方で、報告書には「仁司氏が法的責任を認めれば訴訟によらない解決も否定しない」とも記されており、早くも和解で決着を図るのではとの憶測も流れています。

 

 石原知事に代わって旧経営陣が責任をかぶれば、賠償請求額を考えてもいいというような決着が図られるのであれば、株主である都民の理解は到底得られません。

 

 石原知事は、今回、刑事告発を見送ったことも含め、提訴の時期もはっきりとしないような状況についてどのように考えているのか、見解を伺います。●4(産業労働局)

 

 また、取締役会の責任について、報告書では「明らかな善管注意義務違反を認めるのが相当」とながら、仁司氏を除く七名に対して、報酬の自主返納を求めていくとしています。

 

 しかし、この七名のうち三名が未だ現職で、新銀行の取締役会の過半数を占めているのです。

 

 なおかつ昨年末の金融庁の業務改善命令では、現在の取締役会についても、十分な指示を行っているとは言えないとして、現経営陣の問題にも言及しています。

 

 石原知事は、現在の取締役会と執行役について、どのように評価しているのか、見解を伺います。●5(産業労働局)

 

 二月十七日の外部の専門家からなる報告書で、旧経営陣に対する責任追及の方針が明らかになるとともに、その調査報告書の全文は公開されています。

 

 であるならば、昨年三月十日に概要のみ発表され、四百億円の追加出資を後押ししながら、いまだ非公開となっている新銀行東京調査委員会の調査報告書についても全文の公開を改めて求めるものですが、見解を伺います。●6(産業労働局)

 

 二月十二日、新銀行東京は、第三四半期決算を発表しました。

 

 赤字額は七十三億円と中間決算の赤字から三億円の増にとどまりましたが、その内容は、いささか疑問です。

 

 なかでも、劣後債を前倒し償還したことによる十四億円の特別利益を計上していますが、そもそも、劣後債は、新銀行の資本不足を解消するために発行されたのではないでしょうか。

 

 新銀行マスタープランでは、新銀行の資本金千五百億円のうち東京都からの出資を千億円、民間企業からの出資を五百億円とし、将来的には民間から千億円を集めて全体で二千億円の資本にすると想定していました。しかし、民間から集まったのはわずか百八十七億円。そのため新銀行が、平成十八年十一月、ユーロ市場で百五十七億円の期限付き劣後債を発行し、自己資本に組み入れたのです。

 

 今回この劣後債を前倒し償却したことで第三四半期決算での自己資本比率は三十五・二五%と中間決算の四十八・五〇%からわずか三か月で十三%以上低下しています。

 

 これは、新銀行東京が、都民の税金で追加出資四百億円を受け取ったのをいいことに、決算での赤字を減らすため、資本の一部を切り崩したと思われても仕方がありません。

 

 東京都は、昨年の予算特別委員会において、急いで追加出資をする理由として「二十年度末に自己資本比率が四%を下回ることが想定されるため」と答えていました。

 

 であるならば今回、劣後債を前倒し処理し、資本の一部を切り崩したことは、追加出資なくして、できなかったものと考えますが、見解を伺います。●7(産業労働局)

 

 先日、私たち都議会民主党では、新銀行東京PTを開き、第三四半期決算をヒアリングしましたが、余剰資金の運用先が国債なのか社債なのか株式なのか、あるいはサブプライムローン関係などでいくら損失が出てるのか、どのような企業に融資できているのかなどについて、まだまだ情報公開が不十分だと言わなければなりません。

 

 また、中間決算で示していながら四半期決算では省略している財務諸表の内容や、私たちが毎回のように委員会で要求している資料なども、自ら積極的に公開すべきです。

 

 新銀行の情報公開のあり方について、見解を伺います。●8(産業労働局)

 

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 次に、中小企業対策について伺います。

 

 今議会には、「東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援に関する条例」が提案され、予算案にも三〇〇億円が計上されています。

 

 しかしながら、この条例案では、東京都と連携する金融機関を「銀行、信金、信組のうち知事が定めるもの」と規定していることから、新銀行東京への隠れた追加出資になるのではないかとも指摘され、一部で「新銀行支援条例」とも言われています。

 

 中小企業のおかれている現状を踏まえるのであれば、新たな支援策を講じていこうとする姿勢は評価できますが、その前段として、石原知事は、金融行政において、大失態を演じ、しかもその総括さえされていないわけですから、その実効性を疑われてもしかたがありません。

 

 そこでまず、政策決定課程について、伺います。

 

 今回の三〇〇億円は、通常の手続きと違って、予算案に盛り込まれています。つまり、通常の施策であれば、昨年十一月の各局概算要求として公表され、それらの中から査定されたものが、年明け一月の東京都予算原案の中に盛り込まれるのですが、今回の三〇〇億円は、十一月に所管局が要求したものでもなければ、その後、連携先の信金や信組などから要望があったものでもありません。

 

 そこでまず、この予算案及び条例案は、いつどのような認識・経過を踏まえて、提案されるに至ったのか、見解を伺います。●1(産業労働局)

 

 また、今回の制度では、東京都が、債務不履行額の八〇~九〇%程度の損失補助を実施するとしていますが、公金を使って新たに損失補助をする制度をつくるのであれば、まずは、その損失額を全体としてどの程度と見込んでいるかを明らかにすべきです。つまり、都民にどのくらいのリスクをお願いするつもりなのかということです。損失額の見込みについて、見解を伺います。●2(産業労働局)

 

 さらに今回、制度のスタートを夏頃として、二十一年度の融資規模を五〇〇億円としていることから、平年度ベースでは、より大きな融資規模も想定されます。

 

 しかし、市場の適正規模を見誤って、失敗した新銀行の轍を踏まないためにも、支援すべき中小企業はどういうところであるのか、そのような中小企業はどのくらいあるのかなどを適切に把握していく必要があります。

 

 また、融資対象を「取扱金融機関と一定期間取引を継続している中小企業」としていますが、一定期間とは、どの程度で、その中小企業数は、その程度あると見込んでいるのでしょうか。

 

 そこで、今回、支援対象としている中小企業は、どのような中小企業なのか。一定期間とはどの程度で、市場規模をどの程度と見込んでいるのか、見解を伺います。●3(産業労働局)

 

 条例案には、知事に委ねる部分がいくつか規定されていますが、こと金融行政において、石原知事の裁量に委ねる部分が多いことは極めて危険です。

 

 特に、条例第四条では、東京都が実施する措置として、貸付原資の預託、損失の補助と並んで「知事が特に必要と認めた措置」と記されている内容は、具体的にどのようなことを想定しているのか。

 

 また、第三条に規定される中小企業向けの融資を実施する際に要件とされる「知事が別に定める要件」とは、具体的にどういうことを想定しているのか。それぞれ答弁を求めます。●4(産業労働局)

 

 一方で、今回の制度設計は、新規のお客さんにスコアリングモデルを使って五〇〇〇万円までの融資を可能としてしまった新銀行を反面教師としていることもえます。

 

 特に、制度融資と違って、保証協会の審査さえ必要としないのであれば、まさに制度の根幹を金融機関の目利き力が担っているものと考えます。

 

 しかし、都民の血税一〇〇〇億円を毀損させ、その後、金融庁の検査によって、与信審査体制も含めて業務改善命令まで出ている新銀行東京については、新たな損失補填を前提とし、かつ、都民の税金を預託するに足る充分な社会的信用・評価は得られていないと言わざるを得ません。

 

 仮に、公金を入れるとすれば、当然都民からの相当の不安・批判が想定されますが、東京都は、どのように説明責任を果たすのか、見解を伺います。●5(産業労働局)

 

 さて、中小企業への資金供給の大きな柱は、何といっても制度融資です。

 

 東京都は、二十一年度の予算の中で、中小企業制度融資として、二二五〇億円を計上し、融資目標額を今年度に引き続き一兆七五〇〇億円にしています。

 

 今回の予算編成過程において、産業労働局は、制度融資の金利引き下げのため預託金の積み増しを要求していましたが、市中金利が下がったこともあり、予算化は見送られました。

 

 しかし、中小企業にとっては、金利が低いことにこしたことはなく、一方で、預託金は、金融機関に預けるお金であって、決して戻ってこないお金ではありません。

 

 こうしたことを踏まえれば、例えば、オリンピック基金にお金を積んだままにするのではなく、一時的にでも金融機関に預託することで、中小企業の円滑な資金供給に役立てるべきです。

 

 私は、預託金の積み増しなどによる中小企業への資金供給のさらなる円滑化を求めるものですが、見解を伺います。●6(産業労働局)

 

 また、東京都は、昨年九月の補正予算で、経営メニューの信用保証料を一〇分の一程度の補助から二分の一の補助に拡充するとともに、一〇月末の緊急対策Ⅱにおいて、小口資金の融資についても、二分の一の補助を新設しました。

 

 各区市町村のなかには、保証料補助を大胆に実施しているところも多いようですが、東京都においても、中小企業の厳しい経営状況に鑑み、期間を限定するなどして、補助率をさらに引き上げていくべきと考えますが、見解を伺います。●7(産業労働局)

 

 制度融資とは別に、私は、昨年二月の代表質問において、不動産担保や個人保証に過度に依存しない資金調達方法の確保を求めました。これに対して、東京都は、予算案の中で、新たに中小企業が有する機械や設備を担保とした融資制度の創設を盛り込みました。この制度の保証機関がどこになるのかにもよりますが、産業労働局の地道な取り組みは評価したいと思います。

 

 私は、引き続き、都内の中小企業が持つ知的財産や技術力、経営ノウハウに着目するなどして、不動産担保などに依存しない資金調達方法の確保に向けてさらに取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。●8(産業労働局)

 

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 次に、防災対策について伺います。

 

 まず、豪雨対策についてです。

 

 去る二月三日、東京都技術会議において局地豪雨対策特別部会から「局地豪雨による災害等の防止」について最終報告がなされ、豪雨被害の軽減に向けた五つの提言がなされました。その中の一つとして、「治水対策のレベルアップを検討」することが盛り込まれております。

 

 近年頻発している、一時間五十ミリの整備水準を超える豪雨に対処していくために、五十ミリ整備に続く整備水準として、東京に過去最大の被害をもたらした台風級の七十五ミリの降雨に対処できるよう、施設計画策定に向けた検討を開始すべきとの提言です。

 

 そこで、この提言を受け、都は中小河川の整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。●1(建設局)

 

 東京都技術会議における局地豪雨対策に関する最終報告からこと約一か月前の一月六日、国土交通省は同省の「中小河川における局地的豪雨対策ワーキンググループ」が国や自治体などのとるべき対策をまとめた報告書を公表しています。

 

 この報告書では、「ゲリラ豪雨」と呼ばれる局地的な集中豪雨では、中小河川の水位が急激に上昇するため、水位に基づいて避難勧告などを発令する現在の体制では、避難が間に合わない恐れがあると指摘されています。

 

 そのため、雨量と川の水位上昇の関係を事前に解析しておき、雨量の観測データから直接、警戒や避難などができる体制にすべきであり、地域防災計画にも解析結果を反映すべきとの提言がなされています。

 

 都の技術会議の最終報告では、洪水予報河川の拡大や雨量水位予測情報の提供についても触れられていますが、都はどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。●2(建設局)

 

 次に、震災対策についてです。

 

 このたび財務局は、「都庁舎の設備更新等に関する方針」を発表しましたが、この中で都庁舎は災害拠点としての機能を果たすことが求められているとされています。しかしそのためには、都庁舎そのものが地震によって大きな被害を受けないことが前提となります。

 

 近年では、都庁舎のような超高層建築物などが長周期地震動に共振し、被害が発生することが懸念されています。これに対し、例えば、ここ西新宿にある新宿センタービルでは既にテナント企業の事業継続計画、いわゆるBCPに配慮し、長周期地震動対策を盛り込んだ耐震バリューアップ改修工事が進められています。また、大阪府は、庁舎移転を検討している大阪ワールドトレードセンタービルディングに対する長周期地震動による影響を当初の設計者に依頼して調査した結果、構造体のや設備に損傷が生じる可能性があることが判明し、既に対策案を検討しています。

 

 一方、「都庁舎の設備更新等に関する方針」では、都庁舎に対する長周期地震動の影響を把握する必要性については認めているものの、具体的対策については国や学会等による検討結果を踏まえた上でその必要性を判断するという姿勢にとどまっています。これではいざという時に都庁舎が災害拠点として本当に機能するかどうかさえ、わからないのではないでしょうか。

 

 少なくとも、長周期地震動が都庁舎に与える影響については、一刻も早く把握すべきと考えますが、都庁舎の長周期地震動対策について、所見を伺います。●3(財務局)

 

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 次に、外かく環状道路について、伺います。

 

 外かく環状道路は、これまでに大深度地下方式への都市計画変更、基本計画の決定を終えていますが、事業化には至っていません。

 

 このため知事は、二月十三日、国土交通大臣に対し、一刻も早く国土開発幹線自動車道建設会議を開催して外環の整備計画を定め、平成二十一年度の事業着手を要請しました。これを受け、国土交通省は建設に向けた整備計画路線へ格上げする方向で検討に入ったようです。

 

 一方、昨年十一月、国は、今後の道路整備にあたっては、最新のデータに基づく交通需要推計結果を基に、見直した評価手法を用いて事業評価を厳格に実施すると発表しました。私は、必要な道路をしっかりと見分けるとともに、優先順位を付けながら着実に整備していくことが、極めて重要と考えます。

 

 外環は、首都圏の高速道路ネットワークを形成する上で必要不可欠な道路であり、早期に整備する必要があることは十分理解しますが、先の国の発表が、外環の事業評価にどのような影響を及ぼすのか、都の所見を伺います。●1(都市整備局)

 

 また、地下方式に都市計画変更された外環の地上部には、従前より地上部街路の外環ノ2が計画されており、本線の都市計画変更後もそのまま残されています。

 

 外環ノ2について、地元では廃止を含め様々な意見があるようですが、私は、早期整備が必要な外環本線と、この外環ノ2は、切り離して進めていくべき、つまり、外環ノ2については、最新かつ詳細なデータをもとに、必要なのか、必要でないのかを再度検証し、計画を廃止することも含めて地元との合意形成を図っていくべきと考えます。

 

 外環ノ2の、都としての基本的な考え方について、伺います。●2(都市整備局)

 

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 次に、救急医療、周産期医療について伺います。

 

 都の保健医療のさまざまな取り組みを定める保健医療計画では、一九八五年の制度化以来、人口等を勘案して医療圏ごとの病床数の上限も定めています。

 

 この病床規制のもと、既存病床が多かった東京都では、精神・結核のほかは一般病床の数をひとくくりで算出、コントロールされてきた結果、計画上の数値として不足していないことになる医療圏でも、産科や新生児科、小児科など医療分野ごとにみてみると惨憺たる状況となっています。

 

 そこで、私たちは平成十九年第三回定例会でこの問題を取り上げ、不足している産科、小児科などは病床規制の例外として整備を進めるべきであると主張しました。この点については、昨年3月に国が旧通知を廃止し、都も産科小児科の有床診療所を規制の例外とする規定を整備したとのことです。

 

 医療計画制度は、地域にとって真に必要な医療を確保するために、必ずしも有効に機能してきたとはいえないと考えますが、都の見解を伺います。●1

 

 都議会民主党は昨年十一月に東京都に対し申し入れを行い、NICUの一・五倍増を求めました。これは国の基準が作られた平成二年当時の東京都内新生児数に対する二千五百グラム未満出生児率と、平成十七年を比較して約一・五倍となっていることから、少なくとも国基準に沿った都の旧目標値二百床の一・五倍にあたる三百床が必要であると考えるものです。

 

 都は来年度十二増とする予算を編成していますが、今後の整備目標について明らかにしていません。ところが、都が整備目標としてきたNICUがほぼ達成されていても、満床による搬送受入困難は日常化しており、さらなる整備が必要です。

 

 医師・看護師の不足が続く中では、手厚い人員配置を必要とするNICUの整備が厳しいことは十分理解しております。しかし、人がいない中で何ができるか、という発想は急場をしのぐために不可欠ではありますが、人を集めるために何をすべきかについて発想することも重要です。つまり、目標と、それを達成するために必要な施策を明らかにして、しっかりとした支援を行うことを、しめしていかなければならないということです。

 

 来年度十二床増とする努力は多としますが、私はあえて、保健医療計画において整備目標を明らかにし、取り組むことを求めるものです。都の見解を伺います。●2

 

 周産期医療の立て直しが喫緊の課題となっており、都はスーパー総合周産期センターを設置し、母体救命処置が必要な妊婦を必ず引き受ける体制を整備することとしました。生命の危機に直面しているケースについて、最後の砦を確保できることになります。

 

 私たちが、昨年第四回定例会でも申し上げてきたところですが、東京都全体の母体新生児の救急受け入れ体制を一層強化し、整備していくためには、これに加えて空床補償などベッド確保対策、二次医療機関への患者集中対策、地域の一次医療機関充実対策が必要です。都の取り組みを伺います。●3

 

 また、昨年多摩地域で立て続けに起きたような、搬送先選定に長時間を要する困難事例について昨年の予算特別委員会でも取り上げ、早急な対応を求めました。これについては、地域間の調整機能を設置することとなりました。一方、周産期医療では、人手不足の医療現場が搬送先探しまでしています。

 

 民主党が当初から求めてきたとおり、現場の加重負担を取り除くため、また患者を迅速に搬送するためには、各病院の搬送調整支援看護師等に加え、都域で総合調整を行うコーディネート・司令塔機能が必要不可欠であり、設置を急ぐべきと考えますが、見解を伺います。●4

 

 都は、救急医や産科医への手当て補助、事務補助者配置、トリアージナース配置補助など、民主党が求めてきた事を予算化し、来年度取り組むとしています。

 

 医師の負担軽減策、激務に報いる取り組みは歓迎します。しかし、手当が付いたからといって、現場の過重負担を追認するようなことは、絶対に避けなければなりません。

 

 これら事業は、救急・産科医療の現場に人を増やし、現場医師の負担が真に軽減されるものになるよう取り組むことを求めるものですが、都の見解を伺います。●5

 

 こうした取り組みを実現させるきっかけとなった墨東病院の事案では、医師不足で休日の当直が組めない状況にありました。

 

 この背景には、いうまでもなく、ここ数年、医療内容が高度化し、医療安全のための手続きも複雑化する一方で、診療報酬はマイナス改定、医師・看護師は過酷な労働環境に耐えかね、病院離れが進んだことがあります。さらに福島の大野病院事件をはじめとする医療訴訟や新臨床研修医制度、看護配置基準の見直しなどが追い打ちをかけたと言われます。

 

 こうした中で、都立病院においては、病院改革が行われていました。墨東病院産科の深刻な人手不足は、こうした医療政策、都立病院改革の中でなおざりにされてきた影の側面の縮図であり、都にも責任はあります。

 

 知事は、平成十三年から都立病院改革を進めてきましたが、一方で昨年までは、医療の変化に対応した、医師・看護師不足対策、激務緩和など必要な処置をとってきませんでした。東京発医療改革の美名のもと、結果として対応が遅れ、医師・看護師が働き続けられなくなり、不足に拍車をかけたことについて、知事自身は責任の認識、反省がないのか、伺います。●6

 

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 次に、オリンピック招致について伺います。

 

 近代オリンピックにとって、最も大切な理念は何でしょうか。それは「オリンピズム」であり、スポーツを通じて、人々がフェアプレーの精神の下に、体と精神を鍛錬し、文化や国の違いなど様々な差異を超えてお互いに理解し合い、友好を深めて、世界の平和に貢献することです。

 

 つまり、オリンピックは単なる世界最大のスポーツ大会ではなく、ビジネスチャンスでもないのです。

 

 また、この「オリンピズム」を、世界中に広めていくために、開催都市を四年毎に移動する意義も重要です。

 

 ところが、近年のオリンピックを見ると、あまりにも肥大化、利権化し過ぎた印象があり、開催可能な都市が、世界的な大都市に限られてきています。オリンピックのあり方を考える時、私たちは、開催都市の招致レースが、世界に「オリンピズム」を推進する精神とかけ離れてしまっていないかとの問題意識を強く抱いています。

 

 そこで過去三度の大会を開催した我が国日本、そして東京が、考えるべき課題は、二十一世紀のオリンピックをより身近で開かれたものとすることができるか、全世界に広めていくことができるかということです。例えば、これまで開催できなかった都市を、様々な面でサポートしていく平和・都市外交こそ、まさに日本として取り組むべきことであり、平和・道義国家としての神髄であると信じます。そして、活動を積み重ねる中から、我が国に対する好意的な国際世論が醸成され、自然発生的に東京が開催都市として最も相応しいと望まれることが理想です。

 

 然るに、今般の東京オリンピック招致は、懸念を抱かざるを得ない点が多々あります。

 

 まずは、知事が訴えるオリンピックは「理念は、いくらでも謳える」所から始まり、都民に「オリンピックはもうかるからやろうよ」と言い放ち、都民の全面的な共感を得ていないことです。

 

  そこで、まず東京は、「オリンピズム」を第一とし、経済波及効果や都市基盤整備は、結果、もたらされるものと自覚することが重要です。そして国際社会からも共感を得られるよう、理念をより高め、その熱意を示していかねばなりません。

 

 都は今まで大会理念を、国内招致都市を競っている時には「都市文明の英知と日本の技をオリンピックで表現」とし、IOCに「申請ファイル」を提出した時には、「人を育て、緑を守り、都市を躍動させるオリンピック」を提示してきましたが、都議会民主党は、三年間かけて、世界平和の希求に重点を置く理念とし、広島、長崎と連携すべきと訴えてきました。これはオリンピックの東京招致にとっても大きなストロングポイントになると考えたものです。

 

 今回、都は「立候補ファイル」の提出で、初めて「平和」を前面に出した理念を掲げましたが、大切なのはこの理念に魂が入るかどうかです。知事が考える、世界や日本に「平和の貢献」をもたらすオリンピックとは一体、どのようなものなのか、見解を伺います。●1

 

 次に、晴海のメインスタジアムについては、都議会決議を終えた直後に国立施設として発表されましたが、国内招致都市を福岡市に競り勝った後で、改めて都立施設に変更されました。本来なら、竣工から半世紀を越えた国立競技場の将来像がまず示され、東京招致が検討されるのがあるべき手順ではなかったのかと考えます。大会後の長期的展望や環境面などから、負の遺産を残さないなど、今後も施設整備について検討を続けていかねばなりません。知事の見解を伺います。●2

 

 そして、昨年、私は知事に、「再び東京で素晴らしいオリンピック・パラリンピックの開催を願うならば、知事自らが衆参両院議長や各党党首などに、オリンピックの説明と決議の要請を行うべきです」、とアドバイスしました。過去の事例では、日本がオリンピック招致に成功した時は、全会一致の国会決議が採択された後です。

 

 このことから知事は、あくまでも国会決議の全会一致を目指すべきです。そして、自ら先頭に立って真摯に各党から理解と賛同を得るため、汗をかくのが招致委員会の責任者のあるべき姿勢、取るべき態度と考えます。今回の事態が発生した最大の要因は、知事の姿勢の不十分さによる混乱が招いたものです。

 

 しかし知事は、事実と反する発言を繰り返し、私並びに我が党を批判しました。知事には、招致委員会の責任者として、自ら先頭に立って汗をかくことを改めて求めるものです。

 

 都民が求める都政の進め方は、「都政情報を分かりやすく提供する」ことです。

 

 しかし、知事は都民に、オリンピックは「三兆円もうかるから」、「ウソでもいいからやろうよ」と呼び掛けました。自ら「経済効果を強く押し出すのは、あまり好ましくない」と言いながらも、経済効果を前に押し出しています。

 

 また、四割を超える都民が「(都政は)都民の意見や要望をよく知る」ことを求めていますが、「都政への要望」には「オリンピック招致」の項目はありません。平成十八年の予算特別委員会では、当時の山口知事本局長が「北京、ロンドンでは立候補都市の承認を受けた前後にアンケートを実施しました」、「都民の提案については、幅広く求めてまいりたい」と答えています。果たして、都は、都民にオリンピックに関する幅広い提案を求め、計画の周知も図ってきたのでしょうか。都の見解を伺います。●3

 

 都は新たに「スポーツ振興基本計画」の改定を行いました。都市づくりとスポーツの視点からスポーツ振興を図り、オリンピック・パラリンピック招致都市にふさわしい「スポーツ都市東京」の実現を目指しています。

 

 しかし、週一回以上、運動・スポーツをしている都民は三九・二%で、全く実施していない人は二二・二%に上り、都民のスポーツ離れが進んでいます。都内の小中学生の運動能力も全国平均を下回っています。

 

 この様な現状で、都は今回、二〇一六年のオリンピック開催時に、週一回以上スポーツを実施する都民が六割という国内最高レベルにする目標を設定しました。東京のスポーツを取り巻く環境と課題を踏まえて、招致都市にふさわしい「スポーツ都市東京」をどう創り上げていくのか、都の見解を伺います。●4

 

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 次に、築地市場の移転問題について伺います。

 

 一月二十六日、一部の新聞が、豊洲新市場予定地において、発がん性物質であるベンゾ()ピレンが、公表値の百十五倍の濃度で検出されていたにもかかわらず、これを報告していなかったなどと報じました。

 

 石原知事は、一月三十日の定例会見で、質問した記者に逆ギレし、隠した事実はないと強調しましたが、それは全くの見当違いと言わざるを得ません。

 

 そもそも、東京都は、移転先の豊洲地区を「安全だ。安全だ」と言い続け、先の知事選で土壌汚染の問題が大きくクローズアップされると一転調査に応じ、その結果、環境基準の四万三千倍ものベンゼンが検出されたのです。

 このような経緯がある故に、市場移転問題については、多くの都民が東京都の姿勢に疑念を抱いているのです。そして、その根本的な原因は、「まず移転ありき」だとする石原知事の姿勢にあるのではないでしょうか。

 

 石原知事は、豊洲の土壌問題の解決に向けて取り組んだ情熱と熱意を持って、改めて、築地での現在地再整備を検討すべきではないでしょうか。役所からの説明だけを聞いて、最先端の技術や方向を検証しないのは、石原知事らしくありません。

 

 私は、石原知事は、まず「移転ありき」という姿勢を改め、現在地再整備の手法についても、具体的な提案を改めて検討し、それぞれの案について、メリット・デメリットを公平に示すべきであると考えます。

 

 現在地再整備の検討について、石原知事の見解を伺います。●1

 

 私は、ベンゾピレンの検査結果を公表しなかったこともさることながら、絞り込み調査をした四百四十一地点のうち二地点において、不透水層が確認できていないことは大問題だと考えます。

 

 少なくとも東京都は、昨年六月の時点で、不透水層等の調査データを収受し、十月には状況把握をしていながら、これらの内容を報告せず、故意に隠していたとしか思われない対応をしています。

 

 例えば、十一月二十日の経済・港湾委員会において、わが党の増子博樹議員の質問に対して、東京都は「不透水層は二メートルから二十メートルの間で連続している」と答弁していますが、この答弁の時には、すでに不透水層が検出されない地点が二地点もあったのではないですか。

 

 これは情報隠蔽以前の問題として、もはや虚偽答弁に当たるのではないでしょうか。

 

 東京都は、二地点で不透水層がなかったことをいつ知っていたのか。●2-1

 

 それを知っていて委員会などで、不透水層が連続していたと答えていたのか。●2-2

 

 不透水層が検出されなかったということは、不透水層が連続しているとは言えないのではないか。それぞれ答弁を求めます。●2-3

 

 また、ボーリング調査の結果、不透水層が検出されなかったということは、不透水層に穴が空いていると言うことであり、その穴を通じて、汚染が拡大していることが懸念されます。

 

 東京都は、この間、すでに何度もボーリング調査などで不透水層に穴を開けておりますが、その穴はセメントミルクで固めているから汚染は拡大していないと主張しています。

 

 であるならば、私は、改めて、東京都と同じ手法を採りながら、不透水層の下についても、汚染状況を調査すべきです。●3-1

 

 穴がありながら、不透水層の下に汚染が拡大していないと言い切れるのか。仮に拡大していないというのであれば、その根拠を求めるものですが、それぞれ答弁を求めます。●3-2

 

 さらに今回、東京ガスの調査と東京都の調査をつきあわせることで、不透水層内に汚染物質が浸透していることが明らかとなりました。

 

 東京都は、これまでも「専門家会議から、粘土層を形成している有楽町層は水を通しにくく、汚染されている可能性は低いとの意見をいただいている」と再三答弁してきましたが、この答弁は、誤りではないのでしょうか。

 

 東京都は、何故、不透水層内に汚染物質が浸透している事実がありながらも「可能性は低い」などと答弁していたのか。●4-1

 

 実際に不透水層内に汚染が拡大しているのかどうか、改めて調査を実施すべきと考えますが、併せて、答弁を求めます。●4-2

 

 二月六日、東京都は、汚染処理費を五百八十六億円に圧縮するとし、新市場の開場を二千十四年十二月とする計画を発表しました。しかし、土壌汚染の調査結果に多くの疑義がある中で、既成事実を積み重ねる手法はもう止めるべきです。

 

 しかも技術会議は、議事録の全文や関連する資料などの情報公開が不十分であるばかりか、専門家会議では行われていたパブリックコメントさえ行われていません。

 

 技術会議の情報を公開し、パブリックコメントを実施するとともに、ベンゾ()ピレンなどの関係で、専門家会議のメンバーにどのように報告し、専門家からどのような回答があったのかなどについても、全文を公開するなど、都民とのリスクコミュニケーションを図るべきだと考えますが、見解を伺います。●5

 

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 次に、地方分権について伺います

 

 地方分権改革の推進スケジュールは第二次勧告に続き、五月には税財政改革などを対象とした第三次勧告の発表や地方分権推進計画の閣議決定、平成二十一年度中の新分権一括法案の国会提出と進んでいきます。

 

 分権推進には、地方自治体自らもその判断と責任において質の高い行政運営を行い、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図っていくことが重要です。

 

 また住民自らも、分権社会に対する意識を高めるとともに、地域・利用者本位の行政サービスによって自らの地域社会を活性化していくことが求められます。

 

 平成二十一年度から、個人都民税の寄付金税制が拡充され、都独自に団体を指定できるようになります。都民が自ら判断して応援したい団体を選び、寄付を行う決定権が広がることから、地域活性化の促進に寄与することになります。第二次勧告における四〇七六項目の「義務付け・枠付け」の廃止・縮小も、地域特性を活かす大きな改革です。分権推進と東京の自治向上に向けた都の取り組みについて見解を伺います。●1

 

 東京都区部における分権と自治のあり方を検討する「都区のあり方検討委員会」が節目を迎えています。委員会は、事務配分以外の区域や税財政に関する主張が異なる事項をほとんど議論しないまま、スケジュールが延長されることになりました。委員会は活動を開始してから二年になりますが、都区の当事者間の会議のため、関係者を除いた住民一般には、決して注目度が高いとは言えません。

 

 一方、国の地方分権改革推進委員会は、第三者による推進体制を執り、国や都道府県、市町村から直接意見を聞くとともに、地方懇談会を開催し、シンポジウムでは一般の参加者との質疑応答も行っています。

 

  今後、区民などが主体となったまちづくりを協働で行い、真の自治を確立していくためにも、都区のあり方の検討に、区民などの意見の反映が重要と考えます。都の見解を伺います。●2

 

 今後、都区間では、将来の都制度や東京の自治のあり方を明確にしていくため、学識経験者を交えた都と区市町村共同での調査研究を始めるとしています。

 

  先日、横浜、大阪、名古屋の政令指定都市で構成する「大都市制度構想研究会」が、日本の国際競争力を高めるとともに、国全体の発展に貢献していくため、府県から独立した新たな大都市制度、「都市州」を創設するとの提言をまとめました。

 

 東京都区部のあり方の議論を進める都も、地方分権改革や道州制の議論を見据え、東京にふさわしい自治のあり方を根本的に考えなければならない時期に来ています。東京自治制度懇談会や特別区制度調査会など東京を巡る自治制度の議論を踏まえ、分権時代の新たな東京自治ビジョンを策定すべきと考えますが、知事の見解を伺います。●3

 

 平成二十一年度は地方分権改革にとっても転機の年になります。国と地方の税源配分五対五などを目指す税財政改革や、義務付け・枠付けの見直し、地方行政体制の基盤整備などが、第三次勧告の主な検討課題として挙げられています。

 

 特に、税財政改革による地方税源の充実は、分権型社会の構築に必要不可欠なものです。

 

 昨年末に策定された国の「中期プログラム」においては、税制抜本改革の基本的方向性として、地方分権推進の観点を重視し、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税のあり方を見直すことで、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進めるとしています。全国知事会も同じ主張です。地方分権改革推進委員会においても消費税の配分について考える必要があるとしています。

 

  都も、税源移譲や税財政に関する意思決定の改善、国庫補助金の廃止、地方交付税制度の改善など、分権時代にふさわしい税財政制度に関する提言を行っていくべきです。都の見解を伺います。●4

 

 以上で、都議会民主党を代表しての質問を終えますが、答弁によっては再質問を留保させていただきます。ご静聴ありがとうございました。