
平成20(2008)年12月10日
一般質問
尾崎大介(調布市・狛江市)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
世界的な金融危機が勃発してまだ日は浅いですが、日本はもちろんのこと、全国でも特に中小零細企業が集中している東京都においても、その影響は小さくありません。
これから資金繰りの苦しい年末年始を迎えるわけでありますが、まさに未曾有の危機といっても過言ではないとおもいます。
石原知事は2008年12月1日付け産経新聞の「日本よ、零細なるものをこそ救え」というタイトル記事の中で、中略しますが「実は本当に大切なのはそうした規模の下の、さらにろくな担保も持たぬ、しかし可能性に満ちた零細な企業の窮地を救うかという事なのだ」と述べています。
まさに今が、その言葉を体言すべき時であると考えます。
東京都では2008年10月31日付けで「東京都緊急対策Ⅱ」を打ち出しましたが、緊急融資は当然であると考えます。まさに死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされている状況であると思われますが、手形決済等が予想される年末に間に合うのか、対策実施の現状について伺います。(Q1)
こうした企業対策においては、大・中・小を問わずして、いうまでもなくそこで働く労働者にとっても大きな影響を与えています。特に非正規雇用者・派遣労働者については深刻な課題を抱えており、来期新卒者の内定取り消しも、大きくクローズアップされています。
東京都では「緊急対策Ⅱ」において、都20万人と市区町村30万の連携による50万の雇用効果対策を掲げています。たとえば、市町村では、「公園の本来機能の回復、福祉施設での社会奉仕活動、放置自転車対策など、 雇用創出効果の高い事業」などとなっていますが、これらの事業は現状においてもこれらの事業に従事している人がいると思われますが、それらの雇用状況に追加して行うということなのか、それとも全く新しい事業を創出するということなのか、お伺致します。(Q2)
また、派遣労働者は、雇用調整の弁にもなり、特に自動車産業をはじめとした産業界における派遣労働者の中途解約や雇い止めが相次いでいますが、東京都における派遣労働者についての実態を把握しているのか、また今後どのように対応していくのか伺います。(Q3)
一方、来春新卒の就職内定取り消しが問題となっています。11月28日付けの読売新聞によると、内定取り消しの内訳は、全国10の地域別では南関東(東京都、千葉県、神奈川県)が140人と最も多く、その中でも特に東京都が多いという記事もあるわけであります。
東京都では、この就職内定取り消しの実態を把握しているのか、また今後の対応についてはどのように考えているのかお伺い致します。(Q4)
先ほど述べました非正規雇用者や派遣労働者の実態は世の中に深刻な課題を刻んでいます。現代の若者がまっとうに生きる事を回避し、時に自暴自棄になり秋葉原の事件のように犯罪に手を染めるのは、家庭や地域など社会の絆が失われた事に一因があるように考えます。今後も新しい年を迎えられるのか、厳冬の中に放り出される不安にある状況下で、人間が壊れ、企業・行政が非人間化していく事を防ぐためには、現実に今起きている問題をひとつづつ解決していかなければなりません。
先日、私が受けた相談の中では、将来に希望を持てない、または当座の生活費が稼げないという理由で娘がデートクラブや売春に走るケースが多いとのことでありました。
警視庁の統計によりますと、平成20年に都内で、売春行為で検挙された人数は168人であり、内、未成年は5人であります。被害児童数は8人で、いわゆる出会い系カフェを温床とした売春の検挙事例も池袋で昨年出ており、18歳未満の少女が31人補導されております。
こうした問題は氷山の一角である可能性が高く、現代の「拝金主義」がその背景にあるかと思います。金融危機やそれに付随する派遣労働の問題も、いわゆる大人達が興ずる「マネーゲーム」が招いた結果ではないでしょうか。
将来に希望の持てない若い世代に対し、雇用の面と青少年対策との両面で取り組んでいき、「額に汗して働く事が報われる街づくり」を東京都が率先して行っていく事こそが現在のこうした状況を打開できる唯一の道だと信じてやみません。
先般、東京都青少年問題協議会では、若者の「非社会性」めぐる問題に関し意見具申したと聞いております。都でもこれを重く受け止め、青少年施策を積極的に推進していかれる事を強く要望し次の質問に移ります。
次に、地球温暖化対策及び循環型社会形成について伺います。
都では「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を推進していますが、これに関連する諸点について何点かお伺いします。
地球温暖化対策を推進するための目安として、最近では「CO2の見える化」が注目されています。これは、商品・サービスのライフサイクルにおけるCO2排出量などを、ライフサイクル評価手法、すなわちLCA手法により定量的に評価するものであります。
都民や事業者に対する行政サービスにおいて「CO2の見える化」を利用することは、都の取り組みを理解してもらうとともに、率先的に範を示すことになると考えられます。
この「CO2の見える化」の具体的な方法の一つとして、食料品や衣類、日用品などの製造や消費に係わるCO2排出量を商品に添付する「カーボンフットプリント」が注目されています。せんべいを例に挙げると、原料であるコメの生産から加工、包装材料の製造と廃棄、製品の輸送等、せんべいのライフサイクルに係わる全工程のCO2排出量を測定して製品に表示するものです。
これら、「CO2の見える化」ついて、都において率先して取り組む意思はあるかお伺い致します。(Q1)
喫緊の課題である地球温暖化対策の取り組みとして低炭素社会の実現に向けた対策は極めて重要であると認識しています。一方で健全で豊かな社会生活を子々孫々まで維持していくためには、現在のような大量生産・大量消費・大量廃棄物の残滓を引きずった社会構造ではなく、より高い観点から真の循環社会を創造して行く事が重要であると考えます。具体的には、循環社会の実現に向けて、3Rを推進していかなければならないと考えます。
3Rのうちではリデュースが最初に取り組まなければならないことですが、例えばコンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている食品について、賞味期限が近いからといって廃棄するのではなく、食品衛生法や食品リサイクル法にも配慮しつつ、たとえば、福祉施設に提供をしたりであるとか、厳しい冬の寒空の下で過ごさないといけない食に困っている人達向けに提供するなど、何らかの手段を講じる事ができないか見解をうかがいます。(Q2)
次に、家電リサイクル法の範囲外である小型家電ですが、これは燃えないごみなどとして処理されるものと思われますが、どのような形でリサイクルしているのか、現状を示すとともに、より循環性を高めるために都として実施する今後の取組を伺います。(Q3)
もう一つは、2011年の地上波デジタル完全移行に伴うブラウン管テレビの排出増大です。家電リサイクル法に沿って適切に処理・処分されるのであれば問題はありませんが、利用者が支払うべき処理委託料を惜しんで不法投棄が多発する可能性があることが考えられますが、現時点でのこのブラウン管廃棄に対する認識と対応策についてお伺いします。(Q4)
以上も含め3Rには様々な課題があるため、東京都、市区町村、国等で発行している資料を整理して、都民や事業者が廃棄する際に取り組みやすくするようなマニュアル類を整備し、これを都内全域で共通化する事を提案しますが、見解を伺います。(Q5)
「東京の環境2008」において、感染性廃棄物の追跡管理システムがクローズアップされています。医療関係機関から排出される感染性廃棄物は、特別管理廃棄物に分類されており、少量であっても不適正処理されると健康被害が生ずるため、適正処理に向けた対策が必要であり、ICタグを利用した追跡管理システム事業も開始されています。
そこで、都内から排出される特別管理廃棄物には、感染性廃棄物以外にアスベストやPCBなど他にもありますが、感染性廃棄物のみを対象としているのは何故か、病院だけに対して補助金を出すのではなく、病院以外から排出される感染性廃棄物についても、ICタグの代金の一部を補助する制度が必要ではないか見解を伺います。(Q6)
また、近年、在宅医療の進展に伴い、家庭から在宅医療廃棄物の量が増加しています。廃棄物処理法では、家庭から排出される廃棄物は一般廃棄物に分類され、市町村がその処理責任を負っています。つまり、在宅医療廃棄物に関しては市町村に処理の責任があるわけですが、実態は市町村により対応がまちまちであり、在宅医療廃棄物に関しては回収・処理をしない市町村も多々あります。
そんな状況下で、東京都薬剤師会のような公的機関でないところが、たとえば薬局から購入した注射針に関しては、薬局にて回収し処理を行う取り組みがなされたりしています。都としては本来市町村に処理責任のあるこの在宅医療廃棄物の取り扱いに対しどのように考え、市区町村にどのような指導・支援をおこなっているのか、見解を伺います。(Q7)
2006年に始まった「花粉の少ない森づくり運動」から2年が経過し、先月、東芝グループと都の間で「多摩における森林整備に関する都と東芝グループとの基本協定」が締結されたとのことであります。
協定の中で、「多摩産材の利用拡大」というものがありますが、例えば東芝関連施設や従業員の家屋建築等にあたり、積極的に多摩産材を使うなどがも効果的であると考えます。こうした事も含め今後、東芝と連携してどのような取組を進めていくのか伺います。(Q8)
また、森林整備に関して企業の排出するCO2を吸収するというカーボンオフセットという考え方がありますが、森林の間伐などの費用を都内の企業に負担してもらい、間伐によるCO2削減量を企業の削減量とする取り組みは可能かと思いますが見解を伺います。(Q9)
石原都政において、知事の言う「低炭素都市」を目指すのであれば、多摩の森林を整備する事が、非常に重要であると考えますが、知事の所見を伺います。(Q10)
最後に、私の地元の調布市においての京王線立体交差事業について伺います。現在京王線の国領駅~調布駅までの間で地下化工事が進められておりますが、平成24年度が完成目途のため、メインの調布駅は地下化工事が終了するまで、橋上駅舎化されております。以前からこの調布駅は京王線の中でも非常に使いにくいという統計が上がっており、現在も1日およそ11万人が利用するメインの駅にも係わらず、エスカレータも整備されていません。また、橋上駅舎の構内は風通しが悪いため、秋の時点でもクーラーが着いていない構内は蒸し風呂のような状態で市民からたくさんの苦情が上がっております。このような状況が少なくも新駅舎完成までの4年間続くと言うことは、利用者・住民に苦難を強いると言わざるを得ません。こうした事業を進めていくためには、やはり利用者の事を考えた措置を講じていかなければ、真のまちづくり事業とはいえないと考えます。そこで事業者である東京都はこうした利用者の声を受け止め、工事期間中における調布駅利用者の利便性の確保についてどう考えているのかお伺いし、私の質問を終わります。(Q1)