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定例会報告

討論  初鹿明博

 

初鹿明博(江戸川区)

 

 

討 論

 

平成20(2008)年10月6日

 

初鹿明博(江戸川区)

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。

 

 

 

 私は、都議会民主党を代表し、知事提出の第157号議案、158号議案に反対し、他の議案には賛成。議員提出議案第16号、同第17号に反対の立場から討論を行います。

 

 まず、第157号議案「平成20年度東京都一般会計補正予算(第2号)」案及び第158号議案「平成20年度東京都公債費会計補正予算(第1号)」案について述べます。

 

 国内景気は後退局面に入るとともに、米国発の金融不安が深刻化し、その先行き不透明感は一層増しています。都民の暮らしは、物価上昇によって打撃を受け、都内企業は経営が圧迫され、倒産件数なども増加しています。

 

 このような情勢の中、都から補正予算案が提出されました。

 

 しかし、この補正予算案の過半は新銀行東京の損失処理であり、その責任をうやむやにしようとする「石原知事の失政もみ消し予算」にほかなりません。

 

 新銀行はそもそも、知事が構想し、国から「マスタープラン」を根拠に都債発行の許可を受け、1000億円を出資して設立しました。しかし、開業3年で1016億円の累積損失を出し、都の財産861億円を失っています。今回、知事は、新銀行の減資に伴う会計処理として、減債基金への積み立てを提案されました。しかし、新銀行の発案者であり、筆頭株主代表でもある知事が、政治的・道義的責任を明確にすることが先決であり、にわかにこれを認めることはできません。

 

 また、都は、知事が「報告に改ざんや粉飾があった」とする、新銀行旧経営陣への対応策を早急にまとめ、訴訟の提起も含めた結論を出すべきです。

 

 更に今月、金融庁の検査結果が通知されることから、都は、新銀行並びに金融庁に対して、検査結果の情報提供を求めるべきです。都は、9月30日の経済・港湾委員会のなかで、わが党の山口議員の質問に対して、産業労働局の中村金融管理室長及び前田次長が、「検査結果の通知を求めることは適切でない」と、開示を求める意思がない旨答弁していますが、付帯決議にある「適切な監視」に努める気があるのならば、これら情報を入手しようと努力するのは当然のことだと考えます。その上で、新銀行の決算や再建計画が本当に妥当なものかも改めて検証すべきです。

 

 そうでなければ、新銀行の真の株主である都民は、決して損失処理に納得することはないでしょう。

 

 また、減債基金への早期積み立てによる「財政的なメリット」や積立先送りによる「都債発行への悪影響」も、財政調整基金に積み立てることでクリアすることができます。

 

 そして何よりも、都が巨額の累積損失を抱える新銀行に400億円の追加出資をした、そのこと自体が、都政に対する信用を損ねていることを忘れてはなりません。

 

 都議会民主党は、誰一人責任をとらぬままで、損失処理が進むことを止めるために、財政委員会において、補正予算案の編成替えを求める動議を提出し、予算の約6割に当たる新銀行の損失処理を前倒しして実施することに反対しました。

 

 法令上も急ぐ必要がないことから、まずは、新銀行の失敗に対する知事の責任と旧経営陣の責任を明確にすることが先決であります。改めて、540億円に上る新銀行損失処理の即時撤回を求めるものです。

 

 次に、第183号議案「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」案についてです。

 

 条例案は、東京都が、自治体として回収納付金を受け取る権利を放棄することで、将来、本業で頑張っていける可能性を持つ中小企業の再生を支援するものです。東京中小企業再生支援協議会とも連携するなどして、是非とも、企業再生に役立つような運用に心がけてもらいたいと思います。

 

 一方、条例第5条には、回収納付金を受け取る権利を放棄したときは、都議会に報告することが規定されていますが、中小企業団体には、企業名の公表などについて、慎重な意見も多いようです。しかし、東京都が債権を放棄するという以上、どれだけの中小企業の再生を、どのようにサポートしてきたのかなどを公表することは、意義のあることだと考えますので、風評被害に十分配慮しつつ、積極的な取り組みを要望するものです。

 

 次に、第203号議案「(株式会社)東京臨海ホールディングスに対する出資について」です。

 

 今回の出資によって、臨海ホールディングスが、当初から予定していた5社体制を確立することになりますが、事業計画や投資計画など、グループ全体の経営計画は、現時点では策定されておらず、何をどうしていくのかと言った具体的な将来像は、まだまだ見えてはいません。

 

 今後、ホールディングスの本格的な事業展開に向けて、子会社5社が相互に補完し、連携しあえるような経営改革を策定するとともに、東京都が無利子で貸し付けている50億円のグループファイナンスについても、政策目的に見合う有効な運用を求めるものです。

 

 また、臨海三セクのビル事業についても、民間への売却などが可能ではないかと指摘してきましたが、臨海副都心のまちづくりの進展などを見据えて、事業の不断の見直しを改めて要望しておきます。

 

 最後に、議員提出議案第17号「東京都中小企業振興基本条例」案についてです。

 

 条例案の前文にもある通り、中小企業の振興は、都政の重要課題であることは、私たちも認識を同じくするものです。しかし、条例案は、東京都の責務を果たすための条例と言いながら、具体的な施策に欠け、理念条例にとどまっています。

 

 条例案にある基本的施策も「伝統・地場産業の育成」などは規定されているものの、新たな産業育成や創業支援などについては言及されておらず、また、他県の基本条例で盛り込まれている「人材育成」に向けた施策が盛り込まれていない点も疑問です。

 

 よって、同案には賛同しかねると申し上げなければなりません。

 

  以上、都議会民主党を代表しての討論を終えます。