平成20(2008)年9月26日
一般質問
松下玲子(武蔵野市)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
まず冒頭に、私ごとではありますが、昨年の秋に待望の妊娠が判明し、本年6月に子どもを出産いたしました。初めての妊娠、出産を経て、わが子の誕生、そして子育て等、少子化対策と子育て支援に関して、正に当事者として様々な体験をしています。
又、新しい命の誕生というとても尊い経験を通し、ハードからハートへ、道路やダムというハコモノ建設から命を守り育む施策へ、限られた都の財源の使い道を大きく転換すべきであると改めて強く思いました。道路もダムも使うのは人のはずです。人にこそ、少子化対策や子育て支援にこそ、もっと思い切って財源も知恵も注ぐべきとの思いで、今回の一般質問に挑みたいと思います。
(1)出産環境の整備について
初めに、安心して出産が出来る環境の整備について伺います。妊娠、出産を経て新しい命が誕生します。妊産婦死亡率は医療の進歩により大幅に減少しているとはいえ、産科医が他の医師より訴訟リスクが高い現実があるように、今も昔も出産に危険が伴っているということは事実であり、出産は正に命がけです。命をかけて、命をつなぐ、とても崇高な行為です。しかし現実は、都内でその出産のための施設が減少しています。
現状では、都内で分娩を扱う医療機関は平成2年には、394施設あったものが、15年後の平成17年には半分以下、192施設に急速に減少しており、3年毎の調査のため、本年の結果はまだ出ていないようですが、更なる減少を招いているのではないかと危惧をいたします。
安心して出産できる施設の確保は、少子化対策の基本中の基本であり、そうでなくても妊婦は妊娠中の体の変化や感情の変化に様々な不安を抱えながらも、大切に命を育んでいるのです。新しい命の誕生の場である分娩施設がなかったり、途中で分娩を中止してしまうことがあれば、不安は更に増してしまいます。
都はこうした出産できる施設が減少している現状、産科医療の確保のため、どのような取組を行っているのか、所見を伺います。(Q1)
また、分娩は取り扱っていても、早期に分娩予約を実施し分娩数を制限している医療機関があることも事実です。私自身、妊娠判定を婦人科で行った後出産予定日が確定し、その段階で予約を入れることが出来たと病院で言われ、初めて分娩予約という制度があることを知りました。医療機関の減少や分娩制限によりお産の場がなかなか決まらないことは、妊婦にとってはとても不安なことです。
都は、妊婦が安心して分娩の場を確保するために、都民に対してどのような働きかけを行っているのか、所見を伺います。(Q2)
(2)子育て環境の整備について
次に、子育て環境の整備について伺います。私自身、9月から、子どもを認証保育所に預けて仕事に復帰しましたが、妊娠中から自分で保育所を探してみて、改めて本当に大変だということを痛感しました。
7月に公表された東京都の待機児童数は5,479人にのぼり、保育サービスの供給不足が明らかになっています。私のように年度途中から保育所を利用したいと思っても、認可保育所に入ることはほとんどできません。ようやくの思いで運良く空きが出た認証保育所に入ることができ心から安堵しました。保育を本当に必要としているが利用出来ない人が待機児童数で表れている以外にもたくさんいると思われます。しかし、その一方で、認証保育所を利用している人の中には、幼稚園の授業料より安い、給食が出るなどの理由で、本来保育を必要としていないのではないかと思われる子どもが入所している事例も、残念ながら見受けられました。
そもそも認証保育所は、どのような利用者のためのものか、制度の基本的な理念について、見解を伺います。(Q3)
保育を本当に必要とする全ての人に保育サービスを提供出来ることは理想ですが、サービスの供給量が絶対的に不足している中では、認証保育所も待機児童解消の受け入れ先として重要な役割を担っているのが現状です。
認証保育所の事業者がより良いサービスを競い合い、利用者が各家庭の保育方針と照らし合わせて事業者を選ぶことができる現状に残念ながらなっていないことを踏まえれば、現在の需給バランスを大きく変えていくため、認可保育所より短時間で設置が可能な認証保育所の一層の設置促進を早急に行っていく必要があると考えます。しかし、今正に困っている人たちがいる現状、それが直ちにできないのであれば、整備が進むまでは、「保育を必要とする」緊急度を定め、本当に困っている人については、たとえ年度途中であっても優先的に利用できるような仕組みに変えることも検討すべきであると思います。
都は、認証保育所の利用者の実態、状況について、調査を行った上で、「保育を必要とする」緊急度を定め、保育を必要としている緊急の度合いに応じて優先的に利用出来るような仕組みに変えることを検討すべきと思いますが、見解を伺います。(Q4)
私は、間もなく10年を迎える認証保育制度の、メリットやデメリットを調査して、より良い制度にしていただきたいという思いで質問をしています。
待機児童が多い現状においては、利用者が施設を選ぶというよりも、施設に選ばれなければサービスを享受出来ないのが現状なのです。
都はこうした待機児童が多い現状をどのようにとらえ、待機児童解消に向けてどのように取り組んでいくのか見解を伺います。(Q5)
先にも述べましたように、本来は保育を必要としないと思われる人でも、月ぎめ最低160時間の契約を結べば人称保育所を利用出来る現状において、認証制度の仕組みを変え、本来は保育を必要としないを一児保育や他の子育て支援サービスに誘導しなければ、いくら認証保育所を新たに設置しても、待機児童数の解消にはつながらない可能性があることを指摘しておきます。
今、本当に困っている人たちにしっかりと応えることが出来るように努力していただきたいと要望いたします。
次に、八ツ場ダムについて伺います。
都は平成20年の第一回定例会において、八ツ場ダム建設事業の工期延長にかかわる基本計画変更協議に伴い、意見内容について議決を得ました。私は第一回定例会中の都市整備委員会において、基本計画変更に関して質問を行いましたが、その中で今後の水利権の減電補償費や事業費増額のリスク、更なる工期延長のリスクに対して、リスクを払拭すべき明確なデータが示されず、今後の事業費増額と工期の再延長の可能性を指摘し、基本計画変更の決議に反対しました。
最新の八ツ場ダム事業の進捗状況についてお伺いします。(Q6)
熊本県知事が川辺川ダム計画を中止すべきであるとする英断をされました。昨日の民主党の代表質問に知事は、川辺川ダムと八ツ場ダムとでは流域住民のダム建設に対する賛否が異なるとの答弁をされましたが、私が八ツ場ダム現地を視察しダム建設予定地の住民から話を聞いた時には、決して八ツ場ダムに手放しで賛成している訳では決してなく、ダム建設がたとえ自分たちの穏やかな暮らしを犠牲にしても必要な国策ダムであり、河下の住民にとって必要不可欠なダムだという大義名分があるからこそ、応じるのだという非常に苦しい心境を持たれている状況でありました。
では果たして必要不可欠なダムだという大義名分は、ダム計画から半世紀以上も経過した現在、本当に存在するのでしょうか。わが会派は治水や利水に関して、これまでの質疑でも最新のデータをもとに、再度計算し直すべきであると継続して主張しています。都が繰り返す不可欠なダムであるという前提の、人口予測、水需要予測など、前提となる数値が古いものでは本当に不可欠かどうか検証が出来ないはずであるからです。
たとえ事業主体は国、国交省であっても、都民の税金をつかって、都が取り組んでいる事業であるという姿勢で、都民に対してしっかりと説明責任を果たす必要があります。都として、都民に説明責任を果たす上でも、八ツ場ダムに関して独自の調査を行い、最新のデータで改めて独自に事業の検証を行う必要があると思いますが見解を伺います。(Q7)
第一回定例会の本会議で猪瀬副知事は、公共事業に関して最新のデータに基づいて調査をし直す必要があるという、公共事業全般ではございますが、答弁をされています。
半世紀以上に及んだ八ッ場ダム計画の歴史を振り返り、一度立ちどまって最新のデータに基づいて都独自の調査を行った上で事業を精査し、工期や事業費に関しても、より詳細な再調査を行う必要があると思います。
そして、詳細な再調査の結果、必要性がなくなっているならば、この事業から撤退し、ダム計画に翻弄されたダム建設予定地の人々の生活再建を第一に考え、一刻も早く安心して暮らせる、落ちついた生活を取り戻してあげることが大切なのではないでしょうか。未来に無駄なダムという多額の負債を残すのか、風光明媚な自然、歴史ある温泉街などの資産を引き継ぎ残していくのか、ここで立ち止まって英断を下すことを強く要望します。
最後に、外環ノ2について伺います。外環ノ2は、東京外かく環状道路、いわゆる外環と同時に昭和41年に外環本線と一体となって、三鷹市内の東八道路から練馬区内の目白通りまでの約九キロメートルが、外環ルート上の地上部分に幅員四十メーターの道路として計画決定されているものです。
現在、東京都は、国や沿線の区市とともに、外環沿線の地域毎に、地元との話し合い、いわゆる地域PIを実施しています。
先ごろ、地域PIの実施状況が公表されましたが、これを見ますと、各地の住民からは、環境対策や交通対策等について多くの意見が出されているようです。私の地元武蔵野市においても、近く地域PIが開催されると聞いていますが、これまでに地下水に対する不安や周辺の交通に関する意見が出されるとともに、地上部に残っている都市計画道路である外環ノ2が、今後どのように取り扱われていくのか関心が高まっています。
これまで外環ノ2は、地域住民の意見を聞く場が設けられていませんでした。地域住民にとって外環ノ2は外環本線と切り離しては考えられないので、地域PIで取り上げていきたいという思いを強く持っております。
今後、人口の減少や高齢化などにより自動車の台数も少なくなっていくと予想される中、又外環本線が長い歴史的な経緯を経て地下方式となったこともふまえて、地上部の都市計画道路が本当に必要なのか、大いに疑問もあるところですので、このような様々な意見を、東京都は地域の話し合いの中でしっかりと聴いていくべきであります。
そこで、まず、現在進められている外環の地域PIについて、武蔵野市域における取り組み、及び、外環ノ2の取扱いについて伺います。(Q8)
次に、外環ノ2については、地元の区市長からも、外環の都市計画変更の際に意見が出されています。
私の地元武蔵野市長からは、「外環ノ2について、廃止することも含め、計画の方向性、検討のプロセスを早急に明らかにされたい。また、その検討過程においては、地元との協議・対話を重視するとともに、安全面・環境面に最大限配慮することを求める。」などの意見を東京都に提出しております。
外環ノ2については、武蔵野市長の都市計画案に対する意見等を踏まえ、今後、詳細なデータを示しながら、廃止することも含めて、検討すべきと考えますが、見解を伺います。(Q9)
最後に、外環ノ2の沿線住民は、昭和四十一年の計画決定から四十年以上に渡り、都市計画法による制限を受けた生活を強いられています。又、本線が地下方式に計画変更した経緯やその重み、更に外環ノ2と連続性のある東八道路以南の付属街路は廃止されているという事実があります。東京都は、このような経緯と事実を重く受け止め、外環ノ2については、地域住民の声を聞く場を設け、最新で詳細なデータを示しながら、必要か不必要化しっかりと検証し、廃止も含め、慎重に検討を進めていくよう強く要望いたします。
以上で私の一般質問を終わります。