
平成20(2008)年9月26日
一般質問
土屋たかゆき(板橋区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
石原知事の、北京政府への過去の発言と今回の訪中問題、オリンピック招致に関する皇室の政治利用の問題、豊洲の土壌汚染問題などオリンピックに関連して、石原知事並びに、関係局長にお伺い致します。
さて、私は学生時代、昭和50年の都知事選挙で知事の遊説を担当し、知事の政治的信念-国を想い、権力におもねらず、自己の信念の実現につきすすむ姿勢に大いに尊敬の念を抱くようになりました。
時が経ち、私は都議会議員の立場で、石原知事と都庁で再会しました。
石原知事が当選時、各会派の対応は極めて冷淡で、「知事の態度が悪い」「知事の中国敵視の思想が悪い」など様々な批判がありましたが、私は早速、産経新聞に「知事の中国観は正しい」との小論を発表、その後も、知事の姿勢を絶えず支持してきました。
その後、知事は、ディーゼル車の規制、不正軽油撲滅作戦、認証保育所設置など、また、私が提案した都立大学改革、公務員制度改革、教育改革など都政史上に残る斬新、或いは画期的改革を次々に実施してきました。
一部に知事の手法を批判する声もありますが、私は、石原知事の手法だからこそ実現できたものと評価し、また、都民の多くも知事選を通じて、圧倒的な支持を表明しています。
ところで、そうした石原知事が、日頃、批判を繰り返していた北京政府の招待で北京に行かれたことに多くの都民が驚いています。
ご存じのように、北京政府は、チベットで人権弾圧を繰り返し行っています。
チベットで、すさまじい略奪・暴行・虐殺が展開され、なんと人口の2割にあたる120万人のチベット人が殺されています。
また、気功集団・法輪功への弾圧は熾烈を極め、理由なき逮捕、拷問により多くの人の命が奪われています。
その上、法輪功を含め、年間4000人に達する死刑囚からまだ生きているうちに臓器が摘出され移植されていると言う指摘もあります。
石原知事は、北京政府の人権弾圧、反日姿勢に対して、あらゆる機会を通じて痛烈に批判を展開して来ました。これはご本人がよくご存知のことと思われます。
更に、北京オリンピックに関しても、平成17年6月2日の産経新聞朝刊によれば、英紙「タイムズ」とのインタビューで、北京オリンピックのボイコットを呼びかけると共にこう発言されています。
「北京五輪は、国際政治において、1936年のヒトラーのベルリン五輪と同様な重要性を持っている。ベルリン五輪は軍事力を背景にした威圧行為だったが、中国も同じような姿勢を示すことを望んでいる」これは正に、正論です。
ところが、一転、石原知事は北京政府の招聘で、これまで痛烈に批判していた北京オリンピックに出席することになりました。石原知事は、北京の招聘を受ける前、あるレストランで北京政府の崔天凱特命全権大使と会談し、「中国は好きだが共産主義は嫌いだ」と発言されたと週刊誌は伝えています。これと同趣旨の発言を東京新聞でもしています。
「私が嫌いなのは北京市じゃない、北京の政府、共産主義が嫌いなんです」
この二つの発言で、共産主義と政府を分けて発言されていますが、先ほどの崔大使も、北京市長も、更には北京政府を形成する人、全ては共産党党員であります。となると、「中国は好き」と言う発想はどこから出てくるのでしょうか。
知事の発言は「中国文化が好き」との解釈も可能ですが、その文化を破壊したのは北京政府自身です。
知事もご存知の通り、北京政府はありもしないいわゆる反日展示館を拡大することで国民の反日意識を扇動しています。
その結果、ことあるたびに反日デモが繰り返され、治外法権である大使館の窓が割られ、大使館の公用車に被害が生じるという世界の常識では考えられないことが起きています。
また、オリンピックでの日本選手へのブーイングのひどさは、8月25日の産経新聞の伝えるところです。
ところが、石原知事は、「ボランティアの学生は親切で礼儀正しくていいね」と感想を述べています。
ボランティアなどは、動員された政府公認の人々であることをご存知ないのでしょうか。大東京マラソンのボランティアと訳が違います。
実際、このオリンッピクは巧みに作られたオリンッピックと言って過言ではありません。施設を建設するために、人民を強制的に移動、有名な陳情村も撤去。国歌独唱を行った女の子は「歌ったふり」。テレビに映った花火の映像は、コンピューターグラフィック。
この演出を、12年ロンドンオリンピックを控える英国各紙は、「偽装五輪」、「ロンドンでは健全な開会式を」と痛烈に批判しています。
石原知事の今回の訪中は、今までの知事の北京への姿勢から考えれば、到底理解ができません。多くの石原知事支持者も同様に考えています。
北京に行けば東京にオリンッピックが来るとお考えなのでしょうか。とお考えならば、ヒトラーに譲歩したチェンバレンと同様です。
チェンバレンの融和策は、和平を生み出さず、ヒトラーのポーランド侵攻とユダヤ人大量虐殺を招来しました。
「共産主義に対する譲歩は敗北の第一歩だ」とチャーチルは言っています。
石原知事の今までのご発言が、変わったのか、変わっていないとするのなら、共産主義者とどうして「アジアのために連携」ができるのかを石原知事らしく明快にご答弁願います。(質問1)
次に、皇室の政治利用に関して質問致します。
都議会民主党は、7月22日、石原知事による皇室を利用した五輪誘致活動に反対の声明を出しました。至極当然です。皇室外交は現憲法の規定上、出来ないことになっているのは周知の事実です。
つまり、皇室の方々が外国をご訪問される場合、親善を目的したものに絞られています。
従って、今回の知事発言のように「皇太子がコペンハーゲンにいらして、日本のために一席弁じていただく」と言うことは到底実現出来る問題ではありません。
この知事発言を批判した東宮大夫に対して、「宮内庁ごときが決めることじゃない」「宮内庁の木っ端役人」と痛烈な批判を行っています。日本国の象徴たる天皇家を輔弼する宮内庁の常識的な見解を、自らの意思に合わないからと言って「宮内庁ごとき」と批判し、更に東宮大夫を「木っ端役人」と罵倒することは、極めて不遜であると言わざるを得ません。
「外国ではオリンピック招致活動への王室などの協力は常識だ」と言う論もありますが、外国の王室は巨額な私有財産をお持ちであります。しかし、わが皇室にはそれがありませんから、当然行動は、国家が決定したものに限定されるのです。
更に問題は、知事発言の中で、「皇太子」と敬称を付けずに呼びつけていることです。皇室典範では「皇太子殿下と言う敬称」が規定されています。従って、公人たる知事が、公式の場で発言される場合、皇太子殿下とお呼びするのが常識であり、単に皇太子とするのは礼を逸した行為です。
ちなみに、常に、「皇太子」と書く新聞は、共産党機関紙「赤旗」のみであります。知事と共産党が同じ皇室観であるとは到底考えられませんが、皇室の政治的利用、敬称の問題について、石原知事に、責任あるご答弁を求めます。(質問2)
次に、築地市場の移転問題、豊洲の土壌汚染問題について伺います。
中国産毒餃子事件をはじめ、残留農薬やカビ毒が混入した事故米の偽装転売事件など、食べ物が毒に汚染されるという事件に、私たちは辟易しています。
そして、築地市場の移転予定地である豊洲地区も、環境基準の4万3000倍のベンゼンや860倍のシアン化合物など、毒によって汚染されています。ベンゼンは、発がん性があり、シアン化合物も、青酸カリの元となる極めて毒性の高い物質であると言われています。
いくら対策を講じたと強調しても、天洋食品や三笠フーズから食べ物を購入しようとは思わないように、毒にまみれた地域に、生鮮食料品を扱う市場を移転して、本当にいいのでしょうか。
石原知事は、6月に出演したテレビ番組のなかで「何も海に隣接してなくてもいいんだ。環状線ができたら他に持って行ってもいいんだ。クール宅急便で運んでるんだから」と述べられました。また、昨年6月の私たちの代表質問に対しても、「築地移転は、鈴木、青島時代から検討されていて、自分は調印しただけだ」なとど答弁しています。
このようなことを踏まえると、石原知事も、本当は、豊洲への移転が最善の方策だと、心から思っていないように感じます。
築地にアスベストがあるからといって、現在地で解決できる方法はないのでしょうか。本当に、豊洲への移転しか問題を解決できないのでしょうか。
築地市場の移転問題に対する、石原知事の本心からなる責任のあるご答弁を求めるものです。(質問3)
6月都議会では、自民党の代表質問で「築地市場業界団体の代表の方々から、豊洲新市場建設計画の推進について要望をいただいた」との発言がありました。しかし、業界団体を連れ回っていたのは、それら団体に天下りしている、元・東京都の管理職なのです。これが実態です。
石原知事は、5月30日の定例会見で「800人の仲卸業者のうち移転に反対しているのは200人ぐらいで、マイノリティーだ」という旨の発言をしていますが、200人は、会費を払って考える会に参加している人たちの数で、多くの仲卸業者は、本心では移転反対です。
石原知事は、例えば、最低限、仲卸業者の意向調査を実施するなどして、本当の世論というものを見極めるべきではないでしょうか。
今後、移転にあてって仲卸業者を含め、市場関係者や都民の理解を求めていくべきと考えますが、見解を伺います。(質問4)
このように東京オリンピックに関連した問題は続出しています。晴海に建設予定のオリンピックスタジアムの後利用も同様です。特に都民の食の安全にかかわる豊洲の土壌汚染は重要な問題です。
オリンピックはクーベルタン男爵や、かつてのIOCブランデージ会長の理想とかけ離れ、商業オリンピック・利権オリンピックに変質しています。オリンピック憲章には「国や民族に対する差別はいかなる形であれオリンピックとは相容れない」とありますが、台湾は北京政府の反対で、正式国名での参加が出来ない状態です。
石原知事が「東京らしい新しいオリンピック」をお考えなら、指摘した問題に加えて財政問題など、都民が納得できる対策と合理的説明が必要と考えます。
その説明なしに、巨額の費用のかかるオリンピックには安直に賛成できないと言うのが都民の偽わざる声だと思います。
知事並びに、関係局長の明快なご答弁を期待します。