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定例会報告

代表質問  酒井大史

酒井大史(総務会長、立川市)

 

 

平成20(2008)年9月25日

 

代表質問  酒井大史(立川市)

 

 

*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。

 

 

 

 

 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。

 

 まず、新首相の誕生に関連して伺います。

 昨日の国会における首相指名選挙では、参議院では小沢一郎民主党代表が、衆議院では麻生太郎自民党総裁が指名されました。その後の両院協議会において衆参の意見が一致しなかったため、憲法67条第2項の規定により、財政出動に積極的な麻生氏が新首相に指名されました。

 知事は、この麻生首相の誕生をどのように受けとめておられるのか、見解を伺います。●1

 

 さて、この財政出動に積極的な麻生首相の下では、石原知事と福田前首相との合意で導入され、暫定措置とされた地方法人特別税の恒久化が危惧されます。

 石原知事は、かって「福田首相と会談し、今回の改正を暫定措置に止めさせ、日本の発展に繋がる首都東京の重要政策に対して国が最大限の協力をするとの約束を取り付けた」とされました。しかし、麻生首相は、知事が望んだ消費税増税は3年間はしないと明言しており、麻生首相の下での財政出動では、どう考えても地方法人特別税という財布を手放すようには思えません。

 東京都が、法人事業税国税化に対応するために積み立てた基金2,185億円も昨今の景気後退により吹き飛んでしまいかねません。

 また、国の最大限の協力を確保する場であります「国と東京都の実務者協議会」も、なし崩しに消滅しかねません。

 今後の都財政に厳しさが予想される中で、福田前首相との約束の履行についてはどのようにお考えか、知事の見解を伺います。●2

 

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 次に、補正予算案について伺います。

 

 世界的な景気後退や円高を受け、外需中心の経済成長を続けてきた日本経済について、政府は、去る8月、景気が後退局面に入ったことを認め、日銀も景気判断を「停滞」に下方修正する状況となりました。

 エネルギーや食料品等の価格高騰による国内景気の後退は、経済成長にも関わらず賃金が上がらなかった都民にとって大打撃となり、購買意欲は冷え込んでいます。都内企業も、石油製品の値上げで9割以上、金属の値上げでは7割が悪影響を受け、価格への転嫁が困難な状況が続いています。企業倒産件数も4ヶ月連続で増加し、今後も高水準で推移することが予測されています。

 そして今月に入り、米大手証券会社の破綻によって米国の金融不安が再度高まり、国内景気の先行き不透明感が更に増す事態となりました。

 そこで、都は景気後退の現状をどのように認識し、今後の税収を含めた都財政をどう見通しているのか、伺います。●1

 

 政府・与党は「安心実現のための緊急総合対策」の一つとして、今年度中に所得税と住民税の定額減税を行う方向です。与党は2兆円規模を目指すと言われていますが、既に今年度1兆5000億円を超える税収減が見通されるなかにあって、定額減税の財源をどのように確保していくのでしょうか。

 平成10年度にも4兆円規模で減税が実施されましたが、その費用対効果は乏しく、財政悪化の原因にもなりました。国の財政健全化路線の後退を危惧する声も出てきています。先の所信表明で、「国では、破綻に瀕した国家財政などの困難で複雑な課題が山積している」と述べている知事に、緊急総合対策や定額減税の評価について、見解を伺います。●2

 

 都は、石原都政としては初めての9月補正予算案を、国の緊急総合対策と同日、8月29日に提示しました。

 内容は、約6割が新銀行東京の損失処理であり、しかも金融庁の減資認可が下りたタイミングでの発表です。所信表明ではわずかに触れただけで、新銀行問題の処理を意図的に小さく扱っているとしか思えません。

 今回提案された補正予算案の事項を見ると、太陽光エネルギー対策、新型インフルエンザ対策としてのタミフル・リレンザの備蓄増強、耐震化対策、いずれも、早いに越したことはないですが、購入する薬剤の確保、工事の発注業務などが、先ず必要な事柄です。補正予算という現金を、今、必要とする理由は、提案に際し説明されていません。

 また、都議会民主党が繰り返し求めてきた、小児科・産科の医師・看護師不足、福祉人材の深刻な不足への対策に比べてみても、今でなければならない必要性は明らかではありません。

 都の財産861億円が失われた新銀行については、この後伺いますが、報道では「都民施策との抱き合わせ」予算との論調も聞かれます。新銀行の失敗に起因する事項だけでは、議会、そして世論の批判に耐え得ないとの判断があったのではないでしょうか。

 今回の補正予算案は、「新銀行の損失処理をカモフラージュするための予算」が真相と考えますが、知事の見解を伺います。●3

 

 東京都は、今年の予算議会のなかで、新銀行が経営を悪化した場合でも「都債の発行条件に影響は生じない」と説明していました。しかし今回、新銀行の減資が迅速に行われなければ「市場、投資家から都債の信用性を失う」と述べており、その理由は、にわかに納得できません。

 また、石原知事が言うように「財政的なメリット」だけが「減債基金への前倒し積み立て」の理由であるならば、むしろ誰も責任を取らない中で、都が財政的な尻ぬぐいをすることこそ、監理団体や第三セクターなどの財政規律をゆるめ、結果として、都財政に大きな影響を与えていくのではないでしょうか。

 都財政に861億円の大きな損失を負わせた新銀行や都の責任がいまだに明確ではありません。ましてや金融庁の検査の結果、新銀行の決算や再建計画が妥当なものと判断されるのかさえ分からない中で、なぜ、減債基金への積み立てを急ぐ必要があるのでしょうか。

 「認可が下りたからすぐ減資」では、今後、ますます都の財政規律は無責任なものになると考えますが、石原知事の見解を伺います。●4

 

 補正予算案が可決され、新銀行の損失処理が行われた場合、昨年度の決算剰余金のほとんどが残らないことになります。

 今年度末、景気後退により都税の減収幅が予想を超えた場合、都は、義務的経費の歳出に財政調整基金の取り崩しなどの臨時的な対応を行わざるを得なくなりますが、その見通しはいかがか、見解を伺います。●5

 

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 次に、新銀行東京について伺います。

 

 原油価格の乱高下、また、原材料価格の高騰や株価の下落など、日本経済の先行きは混迷度を増し、中小企業の経営にも、大きな不安を与えています。

 しかしながら、そもそも、中小企業を支援するために設立された新銀行が、このような景気状況のなかで、何ら用を足すことなく、むしろ、減資に伴い540億円もの積立を余儀なくされるのであっては、その存在意義は完全に失われたと言う以上に、もはや「お荷物」と言えるのではないでしょうか。

 また一部では、新銀行東京について、自らの責任に飛び火することを恐れる金融庁も、現実に民主党政権になれば、真剣に取り組まざるを得ず、新たな局面を迎えるのではないかとも言われています。そうした意味からも、石原知事は、自らの責任を早急に示すことが必要であると考えます。

 私たちは、先の定例会においても、責任の所在を明確にしなければ、減資に応じるべきでないと主張してきましたが、石原知事は「減資と旧経営陣の責任追及とは切り離すべきだ」と答弁しています。

 今回の減資に伴う540億円の積立についても、石原知事は、「義務的積み立て」だと強弁していますが、そもそも、新銀行が、減資をするような事態に陥ってしまったのは、誰の責任なのでしょうか。石原知事に政治的・道義的責任はないのでしょうか。

 誰もが責任をとらずに都民の財産が毀損してしまうことに対して、石原知事の見解を伺います。●1

 

 旧経営陣に対する責任追及について、6月議会で、東京都は「年内を目途に調査結果を得た上で、法的対応について検討」と答弁していました。調査結果が年内では極めて遅いと思っていましたが、先日、8月29日の定例会見で、石原知事は「いろんな事例が出ていることは確かだ」と述べられました。

 この間、石原知事は、あたかも旧経営陣に重大な粉飾や背任があるかのような発言をしてきましたが、このような思わせぶりな発言を繰り返すのであれば、旧経営陣について、どのようにいろいろな事例が出てきているのか、具体的に説明すべきです。

 訴訟する、しないの判断及びその判断の時期も含めて、旧経営陣について、どのようにいろいろな事例が出てきているのか、答弁を求めます。●2

 

 一方で、新銀行が、情報漏洩の禁止と1320万円の損害賠償を求めて、元行員を提訴したことが報じられています。

 これは、そもそも石原知事が、3月28日の定例会見で、都側がマスタープランを押しつけたことが記録されたメモがあるという指摘に対して、「どんなメモで、だれが書いたか出してもらい」と息巻いていたことに端を発します。

 これを受けて、勇気を出して実名告白した元行員が、今度は新銀行から訴えられるのであっては、不当な言論弾圧でしかありません。新銀行は、そもそも旧経営陣を訴えることに全力を尽くすべきであり、元行員に対する訴訟は取り下げるべきです。

 石原知事は、求めに応じて名乗りをあげた元行員が、新銀行から訴えられたことに対して、どのように考えているのか、見解を伺います。●3

 

 新銀行に入っていた金融庁の立入検査が7月25日に終わり、現在は、金融庁内において、資料の分析・調査などが行われているのではないかと思われます。

 石原知事は、5月16日の定例会見において、「分析を尽くした上で、再建計画を立てているので、金融庁の検査の結果、見直しを迫られることはないと思う」旨答えています。

 しかしながら、万が一、金融庁の検査結果によって、追加出資を前に示されていた決算見込みや再建計画の内容に大きな変更が生じた場合、石原知事は、間違った報告や甘い見通しで、私たち都議会に400億円の追加出資を求めたことになるのではないでしょうか。

 東京都は、新銀行の経営監視に努めているわけですから、当然にして、金融庁の立入検査についても、十分に注意を払っていたはずであり、その動向も承知しているはずです。

 石原知事は、金融庁の検査結果によって、決算や再建計画の見直しがあるものと認識しているのか、改めて、見解を伺います。●4

 

 また、新銀行の監査法人が、6月30日の株主総会で変更になりましたが、この監査法人は、例えば、平成18年の中間決算の際に、一般貸倒引当金の算定方法を巡って、新銀行との衝突が報じられていましたし、また、先の予算議会で突然400億円の追加出資を提案せざるを得なかったのも、同法人からの指摘があったからだと言われています。

 もちろん、監査法人を変えるなと言うつもりはありませんが、少なくとも、従業員が5000人を超える日本最大級の監査法人から従業員20数人の会計事務所に変更したことについては、事業規模見合いとはいえ、落差が大きすぎるようにも思います。

 そこで、監査法人を変更したことの経過・理由、その期待するところについて、見解を伺います。●5

 

 8月29日に新銀行の第1四半期決算が発表され、今年4月から6月の3か月で37億円余の最終赤字を出しました。

 これら新銀行の四半期情報は、私たちが再三求めてきたものですが、先の6月議会では、併せて、予算議会で提出していた月ごとの融資状況や不良債権額などについても、議会からの請求を待たずして自主的に公開すべきであると主張してきました。

 そこで、例えば、新銀行の象徴でもあった、無担保・無保証の実績は、昨年の同時期と比べてどうなっているのか。月ごとの融資状況や不良債権額の自主的な情報公開については、どのようになっているのか。見解を伺います。●6

 

 最後に、新銀行の事業連携について伺います。

 石原知事は、8月29日の定例会見において、新銀行の現状について問われ、「うまくいっていると思う。相手のこともあるので、次の定例議会、9月にはある形の報告をして、年内にもさらに進んだ段階の展開の報告をしたい」と述べていました。

 すでに9月も下旬ですので、改めて、新銀行の事業連携の進捗状況について、石原知事の見解を伺います。●7

 

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 次に、入札契約制度について伺います。

 

 この間、入札に際して、最低制限価格での応札に伴うくじ引きが横行しています。中小建設業者などからは、これでは企業努力が報われないため、企業の活力を高めるような入札制度に改めて欲しいなどといった切実な声が届いています。

 都の発注工事では全体の1割強、一部の種類の工事では2~3割がくじ引きになっています。予定価格の事前公表によって最低制限価格付近に入札価格が集中し、くじ引きによって落札者が決定する事態が常態化することは、好ましいものではないと私たちも考えます。

 これを改善するためには、従来の予定価格を基準としてその何%を最低制限価格とする方法から、実際に入札された価格の平均額を基準として最低制限価格を定める方法に転換することが考えられます。予定価格が事前に公表されても、応札業者は最低制限価格を予想することができなくなるため、市場価格からかけ離れた安値で入札すれば失格となる可能性があり、きちんと積算して入札することが必要になるからです。

 このような変動型最低制限価格制度は、既に長野県や横須賀市などで実施されています。この制度には、くじ引きが減少すること、最低制限価格が需給関係を反映し、市場価格に近いところで決められるようになることなどのメリットがあると報告されています。都においても変動型最低制限価格制度の導入をぜひ検討すべきと考えますが、見解を伺います。●1(財務局)

 

 過度な低価格競争、いわゆるダンピングによる叩き合いに苦しんでいるという声も聞きます。

 これを防ぐために、総合評価方式を適用する工事件数を拡大する動きもあります。しかし、北海道開発局による官製談合事件において、総合評価方式が「さじ加減で決定を左右できるため、談合に加わらず低価格で入札する業者をはじくために使われた」との報道もあります。このように、評価項目や配点の設定などからを排除する点に大きな課題があり、これが適切な対応とは言い切れない面があります。

 現在、入札結果は入札金額だけが公開されていますが、不当な安値で入札する業者を排除するためには、入札金額の内訳も公開することが必要です。この公開により、都の担当者では不当な安値かどうか判断できないものでも、業務内容を熟知している業界からの指摘を受けることができるからです。入札金額の内訳の公開について、見解を伺います。●2

 

 建設コストの高騰が建設業者の経営を圧迫し続ける状況を受け、今年6月13日、国の発注する公共工事請負契約に工事請負契約書第24条第5項のいわゆる「単品スライド条項」が28年ぶりに、鋼材と燃料油に限って適用されることとなりました。都も6月16日、同条項の適用を発表しました。

 この9月には、国や都は対象資材の拡大を決めました。これに伴い、都における工事が中小企業者に多く発注されている状況を勘案し、都が受注者負担を当初の対象工事金額の1%から0.5%に軽減した点については、一定の評価をします。

 一方、単品スライド条項が適用された工事は、国の直轄工事では請求件数は8月末で109件、うち協議済みが7件、スライド額は最高238万円、最低8万4千円となっていることからも、協議の請求手続きにかかる手間の割に認められる金額は少ない印象を受けます。

 また、わが国の建設工事は土木工事が多くを占める公共工事が総額の約4分の1、建築工事の多い民間工事が4分の3であるため、この措置による恩恵は、直接的には土木工事請負を主体とする業者にしか及びません。民間建築工事で価格の高騰が認められる動きが出てこない限り、建設業界全体に対する救済措置にはなり得ないように思います。

 単品スライド条項の適用は何を狙いとし、どのような効果が得られることを期待しているのか、見解を伺います。●3(財務局)

 

 今回の運用方針では、工事材料価格が著しく上昇した品目だけが対象となっていますが、これは合理性を欠くように思われます。

 今のところ影響額は小さいかもしれませんが、主要建設材料の中には、価格が下がっているものもあります。例えば、コンクリート型枠用合板などは値下がりしていますし、急騰を続けていた原油価格は一転して下降局面に入り、石油関連資材については、今後、値下がりの可能性もあります。

 また、鋼材類及び燃料油以外の資材については、「価格上昇要因が明確であるもの」とされていますが、その因果関係を誰が、どのように確認するのかが明確になっていません。

 私たちは、これらの要素も加味し、公共調達を適正な価格で行うという観点からも、スライド条項の適用は、単品スライド方式よりも、総額スライド方式とする方がより合理的と考えます。昭和55年までの特約条項で運用されていたように、対象材料の価格増減の大小を問わず、主要材料の多くを対象とし、これらの増減分の総額が工事の規模に応じて定められる一定額を超過した場合に請負代金額の変更を行う総額スライド方式の適用について、見解を伺います。●4(財務局)

 

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 次に、多摩振興、なかでも多摩シリコンバレーの創設について伺います。

 

 私は、昨年12月の一般質問において、ストックホルム市では、土地を10年間無償で貸し付けているとともに企業等が立地しやすいよう、不動産が投機対象にならないような配慮をしていることなどを例に、多摩シリコンバレーに立地する高付加価値産業を担う企業に対して、東京都のインセンティブの付与を求めてきました。

 東京都は「多摩産業支援拠点に設置する産学公の交流センターでのコーディネート機能の拡充」や「中小企業に対する技術、経営両面からの支援強化」を答弁していますが、他の府県では、関係市町と連携して、産業集積に向けた基本計画を策定し、企業立地促進法を活用するなどして、企業が具体的に税や補助金の恩恵が受けられるよう取り組んでいるところもあります。

 そこで、私は、東京都としても、多摩シリコンバレーの創設に向けて、国の制度も活用しながら、具体的なインセンティブの創設に向けて、積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。●1

 

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 次に、消費者行政について伺います。

 

 消費生活基本計画は、今回、11年ぶりの計画改定となります。この間、核家族化やひとりぐらし高齢者の増加による社会の個人化が進行するとともに、ブロードバンド環境の普及など情報化が進んでいます。その一方では、立川にあった多摩消費生活センターが飯田橋へと統合されて、小規模な出先機関のみとなってしまい、多摩地域における都のセンター機能は縮小しています。また、農薬やカビ毒に汚染された事故米が学校給食や和菓子などに使われていた事件、中国の牛乳へのメラミン混入事件などが続発しており、消費者に不安が広がっています。

 都議会民主党は、複雑化・グローバル化する消費の実態には、事故対応・事後罰則では対応しきれないことから、未然防止のためのリスク分析の考え方を取り入れた取り組みが必要と考えます。その過程では、都民とのリスクコミュニケーションも大切です。

 今回の改定計画では、毎年度当初に、東京都が消費生活対策審議会へ施策を報告し、確認・評価を受けるとされています。施策の効果を検証し、着実に前進させるためには、こうした取り組みが重要です。

 更に加えて、基本計画のもとに年次計画を策定し、その策定・評価の過程に都民の参加を位置づけた実行体制が必要と考えますが、見解を伺います。●1

 

 続いて具体的取り組みについて伺って参ります。

 民主党が消費生活総合センターの相談体制強化を求めたのは、平成17年9月ですが、消費者被害が沈静化する様子はありません。にもかかわらず、今なお、平日9時から4時までと、昼間家にいない人は、相談しづらい体制となっており、ずっと話中でなかなか電話がつながらないという声もなくなりません。

 都の消費生活総合センターは、能力も高く、国の国民生活センターをも牽引していると言われていますが、これを担っている相談員は、非常勤という不安定な身分におかれています。しかも、こうした専門的なノウハウを必要とする業務に対応した報酬もなく、しか勤務できないことから、相談業務を拡張するといっても極めて限られたものとならざるを得ないのではないかと懸念します。

 複雑・巧妙化する悪徳商法の被害に苦しむ都民への対応を進めるためには、こうした課題をクリアし、平日夕方・土曜・日曜・休日も相談できるように、体制を拡充・強化することが必要と考えますが、見解を伺います。●2

 

 子どもとの二人乗り、三人乗りでの自転車転倒事故では、脳挫傷などの重傷を負う例が多いという救急医からの指摘をきっかけとして、都は子ども用ヘルメットキャンペーンを実施しました。その効果もあってか、街では、多くの子どもがヘルメットを着用して自転車に乗るようになっています。

 このように、個々の不注意やアクシデントと思われがちな事故やけがの事例も、集約することで一般的な危険性を浮き彫りにでき、対策へと結びつければ、効果的な施策となります。

 改定計画では、「待ちから攻めへ、情報を収集し発信します」として、ひやり・ハッと体験の一万人調査を緊急対策のひとつと位置づけています。これ自体は大いに歓迎しますが、さらに進めて、防げる事故を見逃さないためのシステム作りを視野に入れた取り組みを求めるものです。

 予防に役立つ情報とは、事故が起こる前から、起こった後までのシナリオ全体を網羅するような詳細なデータである、と言われます。

 「子どもの重大事故ゼロ」を目指して情報を継続的に収集する仕組み作りへと、取り組みを強化すべきであると考えますが、見解を伺います。●3

 

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 次に、自殺防止対策について伺います。

 

 9月10日は世界自殺予防デーで、この日からの一週間が、自殺予防週間とされ、全国でさまざまな取り組みが行われました。

 98年の企業決算期に前年比35%増加した「98年3月ショック」以降、毎年約3万人の方が自殺しています。こうした中で、自殺を個人の問題としてではなく、一度つまづくと、立ち上がるために支えてくれるシステムがない、滑り台のような今の日本社会の問題としてとらえ、支援策を構築する必要があります。

 しかし、これまでの都の事業は、うつ対策、すなわち精神保健福祉が中心であり、その原因となったさまざまな問題解決への具体的支援策はあまり進んでいません。

 NPO法人ライフリンクが作成した自殺実態白書における自死遺族1000人への聞き取り調査によれば、自殺で亡くなった方のうち相談機関に行っていた人が72%で、そのうち、精神科など医療機関に行っていた人が83%を占めていたとのことです。

 うつの治療をしていながらも、仕事や借金、家庭不和などの問題を抱えたまま、何とかしたい、誰かに助けてほしいともがきながら、死へと追い込まれた、と推察されます。

 例えば、鹿児島県奄美市では「気軽に相談でき、解決の期待がもてる相談窓口」を設置し、弁護士・司法書士とも連携して、多重債務者が自殺に追い込まれないネットワークが構築されており、今では東京都を含む全国から相談が寄せられています。

 私は、こうした実態からも、うつ対策に加えて、経済的問題による自殺をなくすという観点からの支援をもっと強化するべきと考えますが、見解を伺います。●1

 

 自殺実態白書には、自殺対策の重要性・緊急性に鑑み、初めて警察庁の自殺統計原票が提供され、解析結果が掲載されました。これによって地域ごとの自殺者数と、年齢、男女、職業、動機別の数もわかりました。

 この地域特性を見てみると、同じ東京都でも、ある市では女性の無職者が各年齢に渡って多く自殺しているとか、ある区では男性の有職者の自殺が多い、といった地域特性が有る程度見えてきます。

 区市町村において、早急に地域特性に対応した施策が進むよう、都としても支援する必要があると考えますが、見解を伺います。●2

 

 先の調査からもわかるように、多くのトラブルを抱えて疲れ切った方ほど、どこに行けば支援が受けられるのか、自ら探してアプローチできるような状況にはなく、行政に対するアクセスは行われていません。こうした中では、既存のサービスをコーディネートするだけでも、態勢を立て直すまでの力を回復することができる場合も多くあると考えられます。

 例えば、腰を痛めて失職し、妻とも別れ、うつを発症、家はゴミだらけ、といった方の場合、うつ対策、家事援助などを利用して体とこころを癒す、仕事に就くためには、低所得者のための生活安定化総合対策事業を利用することも可能です。しかし、問い合わせが少ないとの指摘があるなど、そもそも必要とする人は、その存在すら知らずに苦しみ続けているのではないでしょうか。

 都は近く自殺総合対策東京会議での議論を踏まえ、取り組み方針を策定することとしていますが、総合的な支援のメニューを作ることに加えて、対象を絞り込んで、必要な人に情報が届く仕組みを作ることが必要です。

 都や区市町村には、支援を必要とする人と接触する機会のある多様な機関があります。自殺対策の担当セクションではないこうした機関からも、効果的に情報を伝え、必要とする人が、支援を受けられるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。●3

 

 最後に、若い世代に多いといわれる非定型うつについて申し上げます。非定型うつは、うつ病に特有な、無気力、集中力の低下などはあるものの、楽しいことやいい出来事に反応して元気になるため、本当は元気なのではないか、などと周囲の誤解を受けやすいようです。タ方や夜になると不安やイライラが高まる「サンセット・デプレッション」により、泣きわめいたり、リストカットをしてしまう人もおり、深刻な結果につながりかねません。うつの場合、プレッシャーをかけずにゆっくりと休むことが必要と言われますが、非定型うつの場合には、仕事や学校を続け、生活のリズムを保ちながらの治療が有効とされます。職場の中で相談できる体制、働きながら治療を継続できる環境作りなど、しっかりと取り組まれるよう特に、求めておきます。

 

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 次に、オリンピック招致について伺います。

 

 先月8日から今月17日まで、北京オリンピック・パラリンピックが開催されました。

 史上最多の204カ国の国と地域が参加したこの大会に、東京都からは、石原知事を始めとして総勢100名を超す大視察団が訪れました。知事にとっては、就任以来初の中国訪問です。都はJOCが設置した「ジャパンハウス」の費用の一部1億円を負担し、PRエリアを確保、招致委員会やJOCとともに国際招致に取り組みました。知事は8日の開会式直後の印象を「13億の人口のすごさを感じた」と語りながらも、帰国直後、東京招致の参考になったかと聞かれ「ないね」と述べ、15日には「マスゲームなど、同じことを繰り返されるとうんざりするな」と話しています。

 一方、河野一郎招致委員会事務総長は「実際に体験することの収穫は多かった」と述べるなど、肯定的な感想を述べています。 

 そこで知事に、初の中国訪問について、そしてオリンピック招致に係る北京オリンピックでの成果について、伺います。●1

 

 来年2月の「立候補ファイル」提出に向けて、日本、東京での2度目の開催意義を考えるならば、まずは20世紀の歴史を振り返り、日本が「平和国家」の立場で、「平和」を世界に喚起していく姿勢を、招致理念の中心に据える必要があります。

 核兵器の使用や戦争被害を踏まえ、戦争を憎み、平和を求める世論を国内外に高めるために、広島・長崎など平和都市との連携を高め、オリンピックの「平和運動」としての位置付けを大いに高めていく計画でなければなりません。

 しかし、現実の北京オリンピックにおいては、ジャック・ロゲIOC会長が「オリンピックは競技することにとどまらず、民族、性別、宗教、政治を超えた、平和の集いであることを忘れないでほしい」と訴えたにも関わらず、開会式当日、ロシアによる「グルジア侵攻」が勃発し、「オリンピック休戦」が破られてしまいました。

 また、招致委員会会長である知事自身の平和や核に関する発言は、「平和と唱えれば実現するものではない」、核兵器のある世界について「そういう現実なんだ」と、リアリズムに徹するのみで、「世界平和の実現に向けた強烈なメッセージ」、平和を求める理想は一向に聞こえてきません。計画にもその熱意が感じられません。我が党が重要視する、戦争を憎み、「平和」を世界に喚起する東京オリンピックについて知事の見解を伺います。●2

 

 立候補都市東京の課題の一つに招致支持率の低さがあります。都議会オリンピック・パラリンピック招致特別委員会による北京パラリンピック視察団も北京オリンピック関係者から「招致への情熱が高まれば、支持率が上がってくる」と言われています。

 しかし、都に寄せられた6月の「都民の声」月例報告でもオリンピックへの支持は少なく、マスコミに問われた石原知事が「そんな数字はあてにならない」と述べた後、なぜか名称が変更されてしまいました。北京大会中に行われた報道の世論調査でも5割の支持にとどまっています。

 世論結果等が示すことは、理念を始めとした東京計画、「日本だからできる、新しいオリンピック」について都民、国民にまだ十分理解されていないということではないでしょうか。町中にもエンブレムやポスターなどの「新アイテム」が飾られ始めましたが、一部には税金のばらまきとの声もあり、はたしてどれだけの効果があるのでしょうか。今後、大会理念などが浸透していかねば支持率は上がらないと考えます。知事の見解を伺います。●3

 

 また世論調査から、「巨額の経費がかかる」「無駄な施設が増える」等、オリンピックによって東京に再重点投資を許すような状況にない結果も出ています。実際、開催都市は夏季、冬季を問わず大型競技施設の後利用に苦しんでいます。

 東京では、当初国立で整備するとしたメインスタジアムも、その後、都立スタジアム整備となり、1214億円を支出する計画となりました。

 しかし果たして、この都立スタジアム整備計画そして大会後の後利用の負担などが、招致決議を行ってきた都内の区長会や市長会、町村長会、区議会議長会、市議会議長会、町村議会議長会、そして各区市町村議会や、町中で「エンブレム」を掲げ、「のぼり」やポスターを見る各都民に本当に周知、理解されているかどうかが不明です。いや、「都立」での整備計画になったと知らない人が多いのではないでしょうか。

 また、現時点で関連施設を含め2兆円規模となった東京オリンピック計画の概要についても同様です。

  そこで、首都東京におけるメインスタジアムは、やはりナショナルスタジアムこそ相応しく、スポーツのための重要なオリンピック・レガシーの活用を掲げ、国と再協議していくべきと考えます。改めて知事の見解を伺います。●4

 

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 次に、築地市場の移転問題について伺います。

 

 石原知事は、所信表明で、「豊洲新市場予定地について、市場用地として安全・安心を十分に確保できる旨、専門家会議から提言をいただいた」と述べていますが、まったくもって問題の本質が分かっていないと、言わざるを得ません。

 東京都が、市場の移転を前提として検討している以上、どのような専門家、どのような技術者が、ハンを押したとしても、いつまでたっても都民の理解を得ることはできません。

 過去、市場審議会や再整備推進協議会などにおいて、極めて少数の人間によって、既成事実を積み重ねてきたのと、全くもって同じです。

 私たちは、もうここに至っては「築地市場の豊洲移転計画を見直し」て、公平・公正な形で、現在地再整備をもう一度検討すべきだと考えます。

 石原知事は、この間、アスベストの問題などを挙げて、築地での現在地再整備が困難であると主張していますが、石原知事が、専門家会議や技術会議を設置してまで、豊洲移転を図ろうとする、その熱意や情熱と同様に、現在地再整備が、本当に可能なのか不可能なのか、アスベストの対策なども含めて、技術者や専門家の英知を集め、改めて検討すべきではないでしょうか。

 東京都が主導する審議会や協議会でない、第三者的な立場の技術者や専門家によって、現在地再整備を改めて、検討すべきと考えますが、石原知事の見解を伺います。●1

 

 この間の築地市場の流通量は大きく減っています。

 年間取扱量は、ピークの昭和62年の130万トンから、平成19年の89万トンと約30%減少しています。市場関係者のなかにも、昔と比べて混雑しなくなったと感じている人もおり、こうしたことから、現在地での再整備が、今では可能になったのではないかと考えている人たちも多いのです。

 一方で、市場における流通実態を調査する「生鮮食料品等流通実態調査」は、過去3年ごとに実施されてきましたが、平成16年以降実施されておらず、改めて、調査を実施することが必要です。また、築地市場の搬出入の実態についても、最新のデータを得るために、引き続き調査していくべきではないでしょうか。

 私は、改めて、築地を含めた市場の流通実態調査を実施すべきと考えますが、見解を伺います。●2

 

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 次に、集中豪雨対策について伺います。

 

 今年の夏は、突然の局地的・短時間の集中豪雨、いわゆる「ゲリラ豪雨」によって川や下水道が急激に増水し、人が流されるという痛ましい事故が相次ぎました。

 大都市における局地的集中豪雨の発生要因として、前線や寒気の影響で不安定になった大気が都市部のヒートアイランド現象で一層不安定さを増し、豪雨が起きやすくなること、高層ビル群に湿気を含んだ海風がぶつかって上昇し、積乱雲が急成長しやすいことなどが言われています。

 私たちは、局地的集中豪雨の発生を抑制する対策として、平成17年の都議会議員選挙におけるマニフェストで掲げた、ヒートアイランド対策としての「風の道」の確保が極めて有効であると考えます。

 都は、「10年後の東京」の重点政策の一つとして「風の道」を位置づけました。しかしその主な施策は「街路樹による緑の充実」にとどまっており、まだまだ不十分であると言わざるを得ません。

 都は、平成18年策定の品川駅周辺整備に関する基本計画で、「建築物の形状や配置の工夫により『風の道』を確保するよう誘導を図っていく」ことを盛り込みました。こうした取り組みを私たちは評価していますが、品川駅周辺の一部地域だけにとどめず、都内各地域へ広げていくことが重要と考えます。「風の道」の確保など、都市づくりにおける地球温暖化対策への取り組みについて、見解を伺います。●1(都市整備局)

 

 都は現在、1時間50ミリの雨に耐えられるように河川の拡幅や下水道の整備を進めていますが、この計画レベルでの河川の治水安全度達成率は、平成19年度末で約74%、下水道の浸水対策整備率では約52%にとどまっており、少なくとも現在の計画の100%達成を急がなければなりません。

 下水道で言えば、ポンプ所や幹線、枝線と、下流から上流にわたる膨大な施設の整備が必要であり、都内全域で整備が完了するのは30年後の見通しと聞いております。

 下水道局では、くぼ地や坂下など繰り返し浸水被害が発生している地域を重点化し、「できるところから、できるだけの対策を行い、浸水被害を軽減させる」という整備方針で貯留施設の整備など緊急的な対応を図る「雨水整備クイックプラン」を策定し、被害の軽減に努めてきていますが、最近では、頻発している局地的な集中豪雨によって、新たに浸水被害が発生している地域があると聞いています。

 そこで、下水道局では今後どのように豪雨対策に取り組んでいくのか、見解を伺います。●2(下水道局)

 

 1時間50ミリを超える雨水への対応力を少しでも高めるためには、河川や下水道への雨水の流出を抑制することが有効であり、保水力のある都市づくりを目指すべきと考えます。雨水貯留槽や雨水浸透ますの設置、透水性舗装などを促進する必要がありますが、都内では民間の開発などで雨水流出抑制施設の設置を行ったり、個人住宅に雨水浸透ますを設置する際に助成を行っている区市もあります。

 例えば、小金井市は約20年前から全国に先駆けて雨水浸透ますの設置普及に取り組み、普及率が51%となっているほか、墨田区では個人住宅向けの小型雨水タンクの設置に助成しています。

 このような区市の取り組みに対して、保水力のある都市づくりの観点から、都としても積極的にバックアップしていくべきと考えますが、雨水流出抑制策に対する都の基本的考え方と具体的取り組みについて、見解を伺います。●3(都市整備局)

 

 9月11日、熊本県の知事が国の川辺川ダム計画に反対を表明しました。現時点では、事業が本当に中止になるかどうか、結論は出ていませんが、無駄な公共事業の横綱として「東の八ッ場、西の川辺川」とも言われてきた川辺川ダム問題が大きな節目を迎えたことになります。関係者の意見を広く聴き、賛否両論あることを十分に理解した上での決断には、敬意を表したいと思います。

 一方、八ッ場ダムについては、国や都は、今も計画推進の立場を取っていますが、今年の第一回定例会でも申し上げた通り、まず、これまで何度も見直してきた水需要予測の見直しをなぜ今やらないのか、私たちは極めて疑問に思っています。

 また、八ッ場ダムは先程述べたような都市型の局地的集中豪雨には何の役にも立たない上、利根川上流での大雨に対しては、堤防整備率55%と利根川水系の河川整備がている限り、ダムだけが完成しても、治水上大きな役には立ちません。

 八ッ場ダム本体着工直前の今だからこそ、半世紀以上に及ぶダム計画の歴史を振り返り、一度立ち止まって事業を精査し、ダムの必要性から再検証するとともに、ダム計画にされてきた建設予定地住民の生活再建を第一に考え、一刻も早く安心して暮らせる、落ち着いた生活を取り戻してもらうべきと考えます。

 そこで、熊本県知事の川辺川ダム計画反対の決断に対する評価、並びに八ッ場ダム計画の再検証実施の必要性について、石原知事の見解を伺います。●4(都市整備局)

 

 以上で、都議会民主党を代表しての質問を終えますが、答弁によっては再質問を留保させていただきます。ご静聴ありがとうございました。