平成20(2008)年6月18日
一般質問
初鹿明博(江戸川区)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。 正確には議事録をご参照ください。
先月、私の地元・江戸川区の閑静な住宅街に知的障害者グループホームが新しく開設されました。このグループホームの運営母体は障害者の親が中心となって設立されたNPO法人で、チャリティーコンサートを開催して資金を集めるなど約2年にわたって準備を進めてきました。グループホームの開設に当たっての最大の課題は場所の確保であって、このNPOも場所を見つけるのに大変苦労したそうです。
このNPOは、区や都の福祉保健局、都市整備局などの協力で、一時は都営住宅の空き家を活用する制度により、区内の都営住宅で開設する準備を進めていました。しかし、残念なことに同じ棟の住民の反対にあい、結果として、民間の一軒家を借りて、開設することになったのです。
今回の事例でも明らかなように、都営住宅の空き家が利用出来るからといって簡単にグループホームが開設できるものではありません。現在の都民の障害者に対する理解や意識を考えると、既に居住者がいるところで、住民の理解を得ていくことは容易でないことが想像できます。
現在、都営住宅の建て替えが各地で行なわれておりますが、建て替え時に、最初からグループホームが整備されていれば、事前に分かった上で、入居してくることになるのですから居住者からの反対の声も上がりにくくなり、住民の反対により開設が見送られるということがなくなると考えられます。
また、グループホームとして整備することで、複数の他人が共同生活するグループホームにふさわしいような個人の個室と共用スペースとが上手く配置された間取りにすることが出来、使い勝手も良くなるのではないかと感じます。
Q1 このような観点から、都営住宅の建て替え時にグループホームをあわせて整備すべきだと考えますが、所見を伺います。
先ほど例に挙げたグループホームの件でも明らかなように、現在でも障害者に関連する施設の計画が持ち上がると心無い近隣住民から反対の声があがることがしばしばあります。車の出入りが多くなり危ないとか、人の出入りが多くなるなどと最もらしい反対理由を前に出しますが、根底にあるのは障害者に対する差別や偏見だと感じます。
私はこれまで一昨年の第二回定例会の代表質問、昨年の第一回定例会の一般質問で、障害者に対する差別や偏見をなくす取り組みについて知事に質問してきました。
知事は、「障害者の差別をなくすため、都は、あらゆる機会をとらえて、障害のある方とない方との交流を広げ、障害に対する都民の理解を深めてきた」また、「我が国には元来、人間の存在を慈しみ、とうとぶという独自の価値観があり、障害のある人もない人も、社会の一員として互いに尊重し支え合いながら、ともに生きる社会を実現するための土壌が、文化的にも伝統的にも、日本人の情念としてあります。」と答弁していますが、残念ながら都の取り組みが届いていない都民が多くいるのが現実ですし、また、知事が言う「日本人の情念」が備わっていない方も多いのも事実です。
Q2 障害者に対する差別や偏見が心の中に生まれてしまうのはどうしてなのか?
また、このような感情を持っている人の考え方を変えるためには何が必要だと思うか知事の考えをお聞かせください。
健康ブームを象徴してなのか、ストレスの多い社会になっていることが原因なのか、巷にはクイックマッサージ、足裏、タイ式、英国式などなどあまたのマッサージ店が存在します。これらマッサージ店の多くは国家資格であるあん摩マッサージ指圧師の資格を有する従業員が全くおらず、素人が簡単な研修を受けただけでマッサージを行なっているのが現状です。
そもそも、あん摩マッサージ指圧を業とするためには、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律」いわゆる「あはき法」に基づき、3年間の養成学校などを卒業し、国家試験に合格しなければなりません。
無資格者が行なう法定外医業類似行為については、最高裁判決により、健康に害を及ぼす恐れがない場合は禁止処罰の対象とはならないとされています。しかし、国は、人の健康に害を及ぼすおそれの基準は明確にしていません。
さらに、「あはき法」では、国家資格であるあんまマッサージ指圧師が行なうマッサージの定義も無く、マッサージという名称の独占使用も規定していないために、このような無資格者の氾濫を招いています。また、資格者には、法律で広告の規制がされていますが、法の対象外の無資格者は、広告宣伝が自由に出来ることも公平性を欠いていると言わざるを得ません。
あん摩マッサージ指圧師は、はり・灸と並んで視覚障害者の就く職業として、長い伝統があり、多くの視覚障害者の暮らしを支えてきた仕事であります。都内のあんまマッサージ指圧師、約26000人の内、約18%の4700人が視覚障害者です。現在でも、文京盲学校の専攻科には、国家資格取得を目指して多くの視覚障害者が通っており、18年は21名、19年は29名というように毎年、資格を取得して卒業生が巣立っています。
無資格者の氾濫が視覚障害者の職を奪うことにつながっていることを考えても早急に対策が必要です。
厚生労働省はHP上で、無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止のため、有資格者による施術を受けるようにと呼びかけていますが、法整備については重い腰を上げていません。
国家資格を有するあん摩マッサージ指圧師が無資格者の増加により、職域を侵されることが無いように、無資格者の取締りの強化並びに医業類似行為の範囲の明確化などの法改正を国は早期に行なう必要があります。
Q3 都は、国に対して早期に法整備をするよう働きかけていく必要があると考えますが、所見を伺います。
無資格マッサージを防止するために、多くの自治体が、HPで有資格者から施術を受けるように呼びかけを行なっていますが、残念ながら無資格マッサージが最も多いと考えられる東京都のHPにはこのようなページはありません。都は都民が重大な健康被害にあわないようにするためにも、法の内容を周知し、有資格者の施術を受けるよう普及・啓発を行なうことは必要です。
Q4 また、ホテルや旅館などに派遣されるマッサージ師は有資格者とするように業界団体に要請をすることも必要だと考えますが、東京都の取り組みについて、所見を伺います。
一部の派遣会社の法令違反に端を発して派遣労働が社会問題化し、派遣労働自体が格差の元凶であるかのような誇張した報道が多く見受けられるようになっていますが、私は、派遣労働を希望している方の雇用の機会を奪い、多様な働き方が制限されることのないようにしなくてはならないと思います。実際に、都が昨年行なった「派遣労働に関する実態調査」によると、派遣の仕事を選んだ理由として、約43%の方が「自分の都合に合わせて働ける」ことを理由に挙げています。
しかし、その一方で、「正社員として適当な仕事が無かった」と回答した方は約38%で、このように正社員で働くことを望みながらも、正社員になれずにとりあえず派遣で働いているという方に対しては、その道を開くための支援制度の整備が必要だと考えます。
派遣先による直接雇用を促進する紹介予定派遣も増加していますが、正社員になることが確約されたものではありません。
Q5 都は、正社員として働くことを希望している派遣社員などが働きながら就職支援を受けられるような取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。
また、派遣労働をめぐっては、契約時に派遣元が十分に契約内容を明示していなかったり、労働者の側の知識不足により契約内容を理解していなかったりということにより、契約内容、契約の中途解除、契約更新などのトラブルが後を絶ちません。最近では、派遣社員も加入出来る労働組合も組織されていますが、派遣労働者は勤務先が雇用主でなく、雇用主である派遣元が職場でないために、労働組合への加入も難しく、どこにも相談できず、一人泣き寝入りをしてしまっている労働者が多くいると考えられます。
そこで、派遣労働の契約上のトラブルや契約内容の可否について相談できる窓口の周知を図るべきだと考えます。特に、契約の更新時期となる春や秋には「派遣労働110番」と銘打って、電話相談キャンペーンを張るなどして、労働者がひとりで思い悩むことの無いような充実した相談体制をとるべきだと考えます。
Q6 派遣労働に関する相談体制について、都としてどのように取り組みを進めていくのか所見を伺います。
地球温暖化の防止が喫緊の課題であることはいうまでもありません。
東京都が今定例会に「環境確保条例」の改正を提案したことは時宜に適ったことと思います。
CO2の削減をより進めるために、この改正案で示された取り組みに加えて、何点か提案させていただきます。
町を歩くと自動販売機を目にしないことがないように我が国は自動販売機大国であります。飲料用だけでも全国で268万台、都内では推計で22万台もの飲料用自動販売機が設置されているといいます。
海外では世界で最大の台数を設置しているアメリカを除き、自動販売機を街中で目にすることはほとんどありません。
自動販売機はここ数年の技術革新の結果、15年間で1台あたりの消費電力は半減していることも承知していますが、住宅街の奥まで数メートル間隔で何台も設置されていたり、24時間のコンビニの隣にまで設置され、深夜まで煌々と照明がついている状況を目の当たりにすると、エネルギーの無駄使いだと言わざるを得ません。
いきなり台数制限を課すことは、営業上の問題もあり、早急には難しいでしょう。しかし、日本全体で省エネに取り組んでいる中で、自販機だけはこれまで通り何台も並んで煌々と明かりを点し続けるというわけには行かないと思います。
Q7 そこで、自販機に対して何らかの対策が必要であると考えますが、所見を伺います。
次に、都庁内、都庁職員の取り組みについて伺います。今回提案されている環境確保条例改正案では、CO2の大規模排出事業所に削減義務を課すという国際的にもトップレベルの取り組みを求めています。このような民間に厳しい努力を求める以上は、東京都、並びに都の職員の皆さんもより一層の努力を行なうべきだと考えます。
これまでも、東京都は温暖化防止への取り組みを行なってきていることは承知していますが、都民の目に明らかに対策を講じているとわかり、民間の模範となるような取り組みがこれからは必要だと思います。
特に都の職員全員が都庁の中だけでなく、日常的に行動していくことが、都民全体への啓発にもつながると感じます。
例えば、私は毎日マイ箸を持ち歩き、割り箸を使わないようにしています。
割り箸は間伐材を利用しているから環境破壊にはつながらないとの反論をする方もいますが、間伐材なら別の用途での使用促進を図るべきで、少なくとも、使い捨ての割り箸は物を大切にする心には反しますし、ごみとなり焼却されることによりCO2を排出するのですから、使用量を減らしていくことは必要だと考えます。
また、マイ箸やマイバックを持つことで、環境に対する意識が大きく変わります。公共広告機構のCMでも『知っているを、しているへ』と言っているように、一人ひとりが身近なところからこつこつと取り組んでいく必要があるのです。
都庁をはじめ都の施設には多くのテナントが入っています。こうした店舗に対して、飲食店では割り箸の使用を禁じ、塗り箸を使うようにする、物品を販売する店舗は、原則レジ袋は渡さないことなどを義務つけるべきだと考えます。
また、自動販売機に関しても、台数の整理を行ない、少しでも電力使用量を削減するべきです。
加えて、都の職員全員でマイ箸、マイバッグ運動を行なえば、世論に対する大きなアッピールになるはずです。
仮の都職員約17万人の1割が毎日ランチで割り箸を1膳使うとすると、一週間で8500膳、一年間の勤務日数を200日とすると、340万膳もの割り箸がゴミとして焼却されていることになります。
Q8 このような現実も踏まえ、都庁自ら、都職員全体での積極的な取り組みを進めていくべきだと考えますが、知事の所見を伺います。
世論に大きな影響力を持つ石原知事も、マイ箸を進呈しますので、ご持参するようにお願いしまして質問を終わります。