
討論 いのつめまさみ
平成19年 第2回定例会
●平成19(2007)年6月27日
討 論
いのつめまさみ(新宿区選出)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。正確には議事録をご参照ください。
私は、都議会民主党を代表して、
第131号議案「政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例」以下、知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。
まず、第131号議案について述べます。本議案は、法令等の改正に伴い規定を整備するものですが、私たちは、こうした規定整備にとどまるのではなく、もう一歩踏み込んだ改正が必要なのではないかと考えます。すなわち、石原都政における政治任用の拡大に伴う執行体制の庁内外の信頼性を確保するために、安定性、透明性並びにリスク回避という観点から条例の対象に副知事等を加えるなど、政治倫理確立のための新たな制度設計を考える必要も出てきているのではないかということです。
東京都はことさらに「法律の根拠」を重視していますが、自治体の立法権を踏まえ、条例による資産の公開という個人のプライバシーと副知事等の権限・裁量権が自治体に及ぼす影響とを比較考量するならば、資産の公開が「明らかに優先される」のではないでしょうか。
目的、制定の経緯等が全く異なる地方自治法にあっても、公正な行政運営の確保のために請負行為の禁止を定めており、また、同法に定められている解職請求という直接請求権を行使するためには、解職請求対象者に関する必要な情報が公開されていなければなりません。
川崎市や仙台市の条例の制定は、いずれも汚職事件を契機とするものですが、汚職事件が起きてから考えるのではなく、起きることのないように措置し、その姿勢を都民に示すことで都政に対する信頼も高まると考えるべきです。引き続き検討されるよう求めるものです。
次に
第133号議案「住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例」について述べます。
本議案は、住基法に規定する事務に加え、都が新たに住基ネットの本人確認情報を利用する事務などを定めたものですが、住民基本台帳の情報が外部に流出する事件もあり、更なる安全対策の徹底が求められています。
都がシステムを運用するにあたっては、外部からの不正アクセス防止策を強化するとともに、都内部の不正利用を防止するための安全確保対策を徹底していくべきです。また住基カードの不正取得が後を立たない現状があるため、都は区市町村に対し、不正取得の防止に向けた本人確認の厳格化を改めて周知することを求めるものです。
次に、
第142号議案「東京都営住宅条例等の一部を改正する条例」について述べます。
本条例案は、4月に町田市で発生した、都営住宅での暴力団員立てこもり発砲事件を受け、都営住宅の入居資格要件に暴力団員でないことを追加するとともに、入居者が暴力団員であることが明らかになった場合には、明け渡し請求を行うことができる旨の規定を整備するものです。
本条例改正によって都営住宅から暴力団員を排除するための最大のポイントは、入居資格審査時における暴力団員の特定にあります。暴力団員を特定するためには、入居申込書に記載された情報を元に警視庁に対して照会する手続きが行われることになりますが、その際には、暴力団とは無関係な入居希望者の情報も取り扱われることになります。このような照会であることを踏まえ、個人情報保護の観点から慎重に取り扱うよう、強く求めておきます。
また、本会議の代表質問や都市整備委員会での質問においても指摘したように、都営住宅からだけ暴力団員を排除すればそれでよいということにはなりません。暴力団員を都営住宅から閉め出すことによって、それら暴力団員が民間の賃貸住宅に流れていく可能性も高まります。
都が都民の税負担により低廉な家賃の住宅を供給する立場で都営住宅から暴力団員を排除することは理解しますが、本条例改正と併せて、警視庁との連携を強化し、民間賃貸住宅での暴力団員対策を講じていくことが必要と考えます。
最後に、
猪瀬直樹氏の副知事登用について述べます。
私たち都議会民主党は、副知事の人事について、外部民間人を登用することについては、前向きに捉えています。
しかし、浜渦元副知事の更迭やこの間のトーキョーワンダーサイトをはじめとした一連の事態を経験している石原都政においては、新たな民間副知事の登用には慎重に対応せざるを得ないというのが偽ざる思いです。そして、今回提案されている猪瀬直樹氏についても、東京DC特区構想をはじめとした各種の言動から、東京都の副知事としての適性については、首をかしげざるを得ない部分があるのも事実です。
しかしながら、東京都知事選挙において、石原知事に対して都民の厳粛な審判が下されていること。人事は知事の専管事項であって、過去においても一部の例外を除いて尊重してきたこと。猪瀬直樹氏に対する懸念については、石原知事本人から、わが会派の総会において縷々説明があったこと。私たちは、これらを重く受け止め、提案に同意することといたしました。
また、石原知事からは、私たちの代表質問に対して「これからの先の建設的な真摯な議論を行っていきたい」との答弁がありました。私たちも、政策面において、ダメなものはダメ、良いものは良いとする立場は変わりません。今後もそうした姿勢を鮮明にしていくことが都政の活性化にもつながると考えています。知事もその側近の方々も、正面から、本当に「建設的な議論」を望まれるのであれば、私たちに異論はありません。
今後の都政において、真に「建設的な議論」が行えることを期待し、都議会民主党を代表しての討論を終えます。