
平成19(2007)年6月20日
一般質問
松下玲子
(まつした れいこ 武蔵野市選出)
放置自転車対策について伺います。先日、「都内における駅前放置自転車の現況について」が発表され、昭和52年の調査開始以来、駅前放置自転車は初めて実数で10万台を下回ったとのことですが、
まず初めに、毎年継続的に行っているこの調査の目的と調査方法について伺います。●1
駅前放置自転車は過去最低となったものの、放置自転車の撤去台数は過去最高の90万9千台、このうち持ち主に返還されたものは48万6千台、引き取られず処分されたものは42万2千台です。撤去された自転車の約半分が持ち主に引き取られずに区市町村が処分しています。
処分の内訳を見ますと、廃棄物として有償処分が約67%を占めています。廃棄物として無償処分は約2%、資源として業者に売却は約23%、リサイクルは約8%です。
自転車法第6条3項は、処分自転車は売却し、買受人がいない時又は売却出来ないと認められる時は廃棄の処分をすることが出来るとなっていますが、現状は7割近くの撤去自転車を、区市町村の負担で代金を支払って廃棄物として処分しています。
今日これだけ環境問題が重視され、おりしも今月は環境月間です。省エネルギー、ごみ減量で二酸化炭素の排出を削減して、個人も企業も行政も地球温暖化防止に取り組まなければならない中で、まだ使える自転車、撤去された放置自転車が廃棄物として、しかも有償で処分をしている現状を改善すべきです。
これまでの調査を比較してみると、過去3回の調査以前は処分先の内訳が今と異なり、産廃と資源回収業者が同じ数字で、有償か無償かも不明です。内訳が明らかになっているだけでも進歩かとは思いますが、自転車法に則り、又環境に配慮して資源としての売却やリサイクルを増やし、財政負担の大きい有償廃棄処分を減らし、税金を無駄遣いしない方法に変更するべきです。
平成17年に初めて資源として売却した、私の地元の武蔵野市の取り組みを聞きました。平成17年の売却収入が約270万円、廃棄費用が約82万円です。平成16年には廃棄費用のみで約250万円でしたので、費用として払っていたものが収入として受け取れるように変わり、平成18年はほとんど売却できたとのことです。売却を実施した際には、先に取り組んでいた中野区の担当者にノウハウを聞いたようです。
都は、処分先の内訳を更に分析し、先進的な取り組みのノウハウを収集し、積極的に区市町村に提供していくべきだと思います。
そこで、都は引き取り手のない撤去自転車の処分先内訳の調査結果を、どう受け止め、今後廃棄物として有償処分を減らすためにどのように取り組むか伺います。●2
もちろん、撤去台数を減らし、返還台数を増やすための努力も同時にしていただきたいと思います。
長年の継続的な取り組みで駅前放置自転車が初めて10万台を下回ったのは喜ばしいことかもしれませんが、それでもまだ10万台近い自転車が駅前に放置されているのが現状です。道路を占拠している駅前放置自転車をなくし、安全で快適な通行が出来るように、都はもっと積極的に取り組んでいただきたいと思います。
放置自転車対策の、これまでの都議会での議論を調べると、平成13年の答弁では、「地域性が強いことや自転車利用の実態などから、基本的には住民に身近な自治体である区市町村が実施することが効果的である」と言っていたのが、平成15年や17年の議論では、放置自転車対策は条例に基づき区市町村が具体的な取り組みを進めることと、いつの間にニュアンスが変わっている感じがします。
これは何故かと思い、調べたところ、だいたい平成13年までに地元駅での放置自転車対策に頭を抱えていた各区市町は、放置自転車に関する条例を制定しています。そして、当該道路の管理者が例えば都であっても、条例の責任で区市町が放置自転車を撤去できるようになっているのです。そうした事実の積み重ねが現在に至っているのではないかと私は推測します。
今一度、自転車法の主旨にのっとり、取り組むべきです。例えば第5条一項は自転車駐車場の設置に努めるのは、地方公共団体又は道路管理者であり、同6項で整理撤去は地方公共団体、道路管理者、警察、鉄道事業者が相互に協力して努めるとなっています。当然どちらにも都も区市町村も入るわけですから、区市町村が主体的に設置や撤去を行うものではないはずです。
そこで、区市町村と協力して、都として今後どのように放置自転車対策を進めていくのか見解を伺います。●3
近年、自動車リサイクル法や家電リサイクル法など、個別リサイクル法が整備されています。所有者や製造業者、引き取り業者の役割分担や費用負担が明確に示され、それぞれの分野でリサイクルシステムが確立されていますが、残念ながら自転車リサイクル法は整備されていません。これまでの議論を調べると、放置自動車が社会問題となっていた時に、自動車のリサイクルシステムの確立が放置自動車対策に有効であり、都としてもリサイクルシステムが早期に確立されるよう、国に積極的に働きかけ、取り組んでいたようでした。
放置自転車の抜本的な対策として、自転車リサイクル法、自転車はサイクルとも言いますからサイクルリサイクル法と響きも良い法律の法制化を、都が検討し、積極的に国に対して働きかけていただきたいと要望し次の質問にうつります。
風致地区について伺います。
風致地区は大正8年の旧都市計画法の制定に伴い、創設された制度で、都市における緑地の保全に関する制度として、わが国はじめてのものです。
風致地区は、現行の昭和43年に成立した都市計画法に規定する、都市における風致を維持するために定められる地域地区であります。国交省の風致地区制度の「都市の風致」の定義とは、都市において水や緑などの自然的な要素に富んだ土地における良好な自然的景観であり、風致地区は、良好な自然的景観を形成している区域のうち、土地利用計画上、都市環境の保全を図るため風致の維持が必要な区域について定めるものです。
しかし、国交省の定義では、良好な自然的景観とはどのようなものであり、都市環境の保全や風致の維持とは具体的にどのような姿か見えません。
そこで、東京都において、風致地区の果たしている基本的な役割について伺います。●1
都市の風致の定義である、良好な自然的景観とはどのようなものかを考えるとき、日本列島各都市で、自然的景観はその土地ならではの地域性や歴史的な経緯が色濃く反映し、良好という言葉の意味も非常に幅が広いと思います。都内をながめても、比較的自然が豊かな多摩地域と都心の23区では、良好という言葉の示す姿、目指す姿が異なるように思います。
そこで、都内に風致地区として指定されている地区はいくつあり、それぞれどのような特色か伺います。●2
都市計画法第58条は、風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができるとあります。東京都は昭和45年に東京都風致地区条例を制定していますが、現在の条例の規定では、許可の基準や取り扱いが明確ではありません。
又、個々の風致地区に対しての特徴や計画、運用方針が明記されていないため、この条例だけに基づいて実際に運用することは非常に困難であると思います。
条例を運用する際に、実際にある風致地区がどういった経緯で指定されて、今後どうしていきたいのか、東京都がそれぞれの地区における、良好な風致や目指すべき姿はどういうものかということが、具体的な方針として、それも風致を保全する方針として定めるべきだと思います。
更に、都市計画法や風致地区条例の主旨を逸脱しないかたちで運用していくためには、細かく運用の基準も定めていなければ、良好な風致の保全は出来ないと思います。
平成12年に都市計画法が改正された翌年、国交省は都市計画運用指針を発表し、その中には、風致保全方針を策定し、許可の運用にあたっての参考として活用することが望ましいとあります。沖縄県は3年前に風致保全方針を決定し、策定の目的や方針の位置づけを明確にし、県のホームページで公開しています。
都は風致保全方針ではなく、条例に基づく許可の審査基準を策定して、運用してきているようですが、残念ながら都の審査基準は広く公開されていないようで、インターネットで検索しても見ることは出来ません。
東京都はこれまで、風致地区条例をどのように運用してきたのか伺います。●3
現在、参議院宿舎が千代田区紀尾井町の風致地区内に移転し新たに建設される計画があり、国から都に対して協議を開始するよう依頼があったそうですが、協議開始を行わないようにと、移転反対住民が都知事を被告とした訴訟を起こしています。
国から都に対しての協議依頼や協議内容、訴訟について現在の状況はどのようになっているか伺います。●4
参議院宿舎の移転・建築計画は、約80m²の広さの宿舎を80戸造り、高さは約56mにもなっています。風致地区の歴史ある緑地を破壊してまで、このような立派な宿舎を移転・建設する必要が本当にあるのでしょうか。建設是非については、本来参議院が再考すべき問題であることは承知していますが、残念ながらこれまで参議院の議会では議論も行われていないようです。
今回私が現地に足を運び、調査を行った上で残念だと感じたことは、本来参議院宿舎の是非や、移転建替えをせずに統廃合できないかなど、国の中特に参議院で議論して解決すべき問題がすりかえられているように思えることです。つまり、風致地区を守りたい人たちと、紀尾井町のまちづくりを考えて旧宿舎の移転をのぞむ人たちというような、同じ地域の住民を二分するかたちの議論のすりかえと言えないでしょうか。
今後、風致地区を保全するためには、都として区域後と保全方針を定めるなど、基本的な部分で、しっかりと保全のための対策を講じる必要があると思います。緑豊かな歴史ある風致は都民・国民共有の財産であり、未来へと、守り受け継いでいくべきものであることを強く要望して次の質問にうつります。
境浄水場隣接都有地について伺います。
私の地元の武蔵野市には、東京都水道局所有の境浄水場があります。周辺は武蔵野市の西の玄関口武蔵境駅からも近く、拡幅事業で整備された都道、近隣は住宅街です。境浄水場の一部には、現在西側隣接地に賃貸の駐車場と倉庫があり、この場所に昨年秋商業施設を誘致する計画が、水道局のホームページに発表となりました。
これまでも、福祉保健局が、高齢者や障害者が地域で安心して暮し続けられるようグループホームの増設を目的として、低廉な価格で都有地の貸付を行い、産業労働局が首都東京の再生を担う民間事業者の活動をバックアップする目的で、都有地活用型企業支援事業を行うなど、各局所管でそれぞれの施策に応じた都有地の活用を行っています。
水道局では、境浄水場の西側に隣接する用地の活用を図るため、商業施設を建設することとして、すでにテナントも決まっていますが、
水道局における用地の活用に対する基本的な考え方を伺います。●1
次に、都有地の活用にあたっては、地元自治体や地域住民の理解を得て、信頼関係を築いていくことが大切であると思います。又、どのようなテナントが入るかということも地域では非常に関心が高く、テナントの募集は広く情報公開を行い、募集をした上で、選定にあたっては地域への貢献度なども配慮すべきと考えますが、どのような考え方で募集や選定を行ったのか見解を伺います。●2
昨年来、地元自治体や近隣住民に対して、都と共同事業者が説明を行っているようですが、私はこれまで、より広く地元市民に対して告知をした上で説明会を行うよう要望を続けてきました。先月ようやくテナントが決定し、具体的な事業計画や店舗の内容などが今後明らかになり、地元とも具体的な協議が出来る時期になりました。地域に受け入れられる施設となるよう、テナント事業者と水道局は、広く市民の声に耳を傾けていただきたいと思います。
現在武蔵野市は、月に2回市報を各戸配布しており、市の行政の施策や時には都の施策に関しても周知を図っています。今後、境浄水場隣接都有地に関して、市報に載せ広く市民に周知を行った説明会を開催するなど、地元自治体や住民の意向に十分配慮しながら事業を進めるべきと考えますが見解を伺い質問を終わります。●3