平成19年6月19日
代 表 質 問
岡崎幸夫
(おかざき ゆきお 大田区選出)
*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
まず、石原知事の都政運営について伺います。
今回の東京都知事選挙においては、石原知事が約二八〇万票を得て三選を果たされました。
今回の石原知事の勝因の一つは、都政の私物化、傲慢との批判に対して、「説明不足で誤解を招いた。都民にお詫びしたい」「反省している」などと率直に謝罪したことにあったとも言われています。
しかし、当選が決まった際の石原知事の発言は、「一部メディアの執拗なパッシングで誤解が拡大した」「決して独断専行した訳じゃない」などと、批判はあくまで誤解に過ぎず、単なる説明不足でしかないというものでした。
これでは、「石原さんは謙虚になった」と評価し、都政を三度、石原知事に託した都民に対する裏切りになってしまいます。
石原知事の真意を伺います。●1
また、私たちは先の第一回定例会において、「政権内に友人を入れてはならない」との警告を進呈いたしましたが、知事は、「知人、友人であろうと、要所要所で骨身を惜しまず働いてもらっております」とされました。しかしながら、知事側近の一部に、知事の威光を笠に着て都政を歪める者がでかねないことは、浜渦元副知事の更迭やこの間のトーキョーワンダーサイトをはじめとした一連の事態が如実に示しています。
この石原知事の知人、友人の登用については、先週の記者会見において、猪瀬直樹氏を副知事に登用するとの表明がありました。
石原都政における民間副知事の登用については、既に結果として更迭することとなった浜渦元副知事の例があります。この浜渦氏の副知事登用について、石原知事はどのように総括されているのか、伺います。●2
民間副知事をはじめとした政治任用について一概に否定するものではありませんが、庁内外の信頼性を確保するために、安定性、透明性並びにリスク回避という観点から、新たな制度設計を考える必要も出てきているのではないかと考えます。
そこで伺いますが、現在、東京都知事と都議会議員には、政治倫理の確立のための資産等の公開に関する条例が課されており、本議会には規程整備のための一部を改正する条例案が提案されています。石原知事にとどまらず、副知事や知事側近の方々にも透明性を高め、相応の責任感と緊張感を持っていただくために、副知事、特別秘書、参与の方々もこの条例の対象に加えるべきと考えますが、知事の所見を伺います。●3
さて、知事は、選挙前、交際費に関する住民訴訟で交際費の返還を命じる判決が出た後、この事務については日本一透明度の高いものにすると明言し、ホームページに掲載しています。今後は不透明な支出を行わないよう襟を正して頂きたいものです。その一方で、都民の求めに応じて行う、情報公開については、先の第一回定例会において、「開示請求者に公平な負担を求める観点から必要となる事務費、人件費など実費の範囲内で、徴収している」と答弁しています。
「手間と時間がかかる、行政コストがかかる」から料金を徴収するというのは、情報公開に対する基本的な姿勢の問題です。つまり、情報公開は、都が都民に求められる余分な仕事ではなく、基本的な業務の一つであって、これを請求する都民が特別な利益を享受しているわけではありません。
原則として都民が求める情報を提供するのが都の責任であり、原則公開・原則無料とすべきと考えますが、如何でしょうか。●4
また、先の定例会において、知事は、都の情報公開の独自性として、「依頼者の五五%は圏外者(都外)」と答弁されました。
平成十七年度東京都情報公開制度運用状況年次報告書を見ると、請求者の内訳として、三四六七件の請求のうち、都の区域内に住所を有する人が一五五二件、都に法人税も納めている都の区域内に事務所または事業所を有する個人や法人などが九九七件となっており、七三%が都内の方です。都内在学・在勤者を都内の方として算出すると八九・八%となります。
先の答弁とは、二割から三割以上もかけ離れてしまうわけですが、都外からの情報公開請求が五五%としたその根拠について、お答え下さい。●5
次に、地方分権改革について伺います。
都民がゆとりと豊かさを実感でき、安心して暮らせる東京を実現するため、我々は分権改革を更に進めていかねばなりません。第二次改革が始まり、国と地方の役割分担の見直しや地方税財政制度の確立が急務となっているにもかかわらず、国や有識者から「都市と地方」を対立させる地域税収格差是正論が打ち出されています。
まずは、先日、知事が副知事に登用するとした猪瀬直樹氏から提起された東京DC特区構想です。山手線内、山手通りで区切った都心部三百万人が住む地域を国の直轄地にする、都民の税金は国全体のものとして税収を徴収し地方に振り分けるというものです。
東京都制は、自治体東京市を廃止し、東京府に吸収する形で誕生しました。この東京DC構想は、府政をも飛び越えて、国の直轄地とするもので、自治権の拡充に逆行するものであるばかりか、戦後、特別区が続けてきた自治権拡充の取り組みを否定するものでもあります。
知事は民間副知事の人物像を「やってきたことを継承してくれる人」、「国に的確に東京側の意思を伝え、その効力がある人」と語っていますが、猪瀬氏の提案する「都心を国の直轄地とする案」は、知事の「都心の住民から自治権を奪うことは許されない」とする基本姿勢と根本的に異なります。知事の見解を伺います。●1
次に、総務大臣発言から始まり、国の「骨太の方針二〇〇七」原案に明記された「ふるさと納税構想」です。この構想は、政府与党が分権改革を推進する責務を放棄し、三位一体改革で財政を悪化させた地方自治体の対立を一層あおるものとなっています。
また、租税の公平性からは、選択しない納税者の負担を増やし、簡素化の点からも複雑なシステム構築を必要とする制度です。住民税の税率を一律十%として、国が自ら応益性を強化したにも係わらず、その一方で、地方税の原則に反する受益と負担を異にするものを打ち上げました。地域間の再分配や地方の活性化に本当に資するかどうかも不明です。
自分の税金の使い道を選択したいと望む住民への対応を考えるならば、住民税の一部を地域振興を行うNPOへの補助金に指定するなど、一部の使途を特定化できる納税者投票の導入を検討するべきです。分権改革や「ふるさと納税構想」を機に都民の納税意識の向上に資する制度について、都の見解を伺います。●2
一方、石原知事が知事選直前に都民税所得割の軽減措置を発表したことは、様々な波紋を呼んでいます。知事によると、東京で高まっている所得格差と現行税制の歪みを是正する措置と述べています。
これにより生活保護レベルの低所得者は、都民税所得割を全額軽減されることになりますが、都民税均等割は軽減されません。
また、もっと所得の少ない課税最低限以下の人々には財政再建の還元、恩恵は全く無く、置き去りにされたままです。生活保護受給者の人々は、住民税全ての負担を免除されています。
今回の軽減措置は、税源移譲によって一律十%と、応益性を増した住民税を、六%と十%の変則的な累進課税にすることとなり、住民税をいびつな構造にしてしまいます。税源移譲により財政責任が高まった都において、住民税のあり方をどう考えているのか伺います。●3
都民税所得割の軽減措置の効果は限定的であるため、低所得者対策は、税をゆがめる制度変更のみで行うべきではなく、より広い自立支援策によるべきです。海外に目を移すと、イギリスでは低所得者の就労促進を図るために、課税最低限以下の者には給付金を支給し、課税最低限を超えても課税により手取りが減ることのない、働くことが報われる制度を導入しています。国でも新たな仕組みとして議論を開始しています。同じくイギリスにおける失業者対策、「福祉から労働へのプログラム」では、若年者や長期失業者、一人親世帯などに就業の可能性を高める施策を行っています。都においても、生活保護受給者に就労や保健・医療面での自立促進を行う自立支援プログラムを開始し、一定の効果を上げているところです。こうした施策を積極的に推進すべきですが、都における低所得者施策の方向性について伺います。●4
次に、東京オリンピック招致について伺います。
東京オリンピック招致委員会が、二〇一六年オリンピックのメインスタジアムを都立施設として建設すると発表しました。都が日本最大の競技場を保有することになります。その建設費は約一千億円と見積もられています。
昨年、知事はスタジアムに対する国の負担を「東京に決まった時点で、総理大臣からきちっと言質を取るよ」と言明していました。
それが今年になり「まあそれだっていいじゃないか」と前言を翻し、続けて「その建設は設備投資で、経済効果が見込まれるから、都民に迷惑をかけない」とも言っています。
建設費に関してはPFI方式の活用を検討する方針ですが、それで根本的に解決した訳ではありません。平成十二年に東京スタジアムを二百六十億円で買い取った、知事曰く「損切り」した歴史を、知事自身もお忘れではないと思います。そこで、この轍を最後の最後で踏むことのないよう、当初の計画通り国立競技場として整備する交渉を今後もねばり強く続けていくべきです。知事の見解を伺います。●1
JOCは晴海のメインスタジアムを「三方向が海で、動線が一方向にしかなく、収容人数の十万人を問題なくさばくためには、より綿密な計画が必要となる」と指摘しています。
そもそも都は、東京の交通輸送を神宮外苑を例に、お盆で乗客数が減少するので全世界から観客を迎えられると説明しています。メインスタジアムに関しては説明がなく、今後、地下鉄延伸か路面電車の導入を行ったとしても、帰路の十万人を運び終えるには相当な混雑が生じ、時間がかかるのではないでしょうか。大会後の採算から東京メトロが計画に難色を示せば、建設費は都の負担になります。安全対策の面やパラリンピックのメインスタジアムとしても綿密な計画が求められます。メインスタジアムへの交通アクセスに関する都の見解を伺います。●2
選挙中のオリンピックに関する世論調査では、読売新聞の賛成四十九%、反対四十六%の拮抗した結果から、東京新聞の「最も都政で力を入れてほしい政策」では一・七%の選択しかないものまであり、決して都民の関心は高くないという結果が出ています。
知事は三選されたことにより、オリンピックが支持されたと思っているようですが、果たしてそう言えるのでしょうか。また、招致委員会会長としては更に、IOCが普及に努めるオリンピック・ムーブメント、大会の開催以外に十五項目ありますが、スポーツを人類のために役立てることや、平和の推進や差別の撤廃、男女平等な社会の実現など、スポーツに係る全ての事項も同時に取り組む必要があります。
また、二〇〇八年オリンピック招致で敗れた大阪は、七十六%の市民から支持を受けていると主張しましたが、IOCの独自調査では大阪は五十二%、日本全体でも五十一%と半数の支持しかないとの結果が出ました。大阪の失敗を念頭に、オリンピック招致を成功させる賛同の機運を創り出すためには、知事が行わないとした都民の意識動向を探る調査が必要であろうと考えます。都の見解を伺います。●3
次に、震災対策について伺います。
石原知事が三選直後の記者会見において「神戸の地震の時なんか、首長の判断が遅かったから、二千人余計な人が亡くなった。この反省に立って、都は自衛隊との訓練をやりました」と述べました。阪神大震災での死者はその後の関連死も含めて六千四百三十四人、一月十七日当日に命を失った人は約五千二百人とされています。兵庫県警の検視によると、八十三.七%が家屋の下敷きになった窒息死や圧死。ほとんどが、ほぼ即死状態で、地震発生から十五分以内に亡くなったと分析されています。ここからは、二千人という数字はどこからも出てこず、知事もその後「私、佐々さんの受け売りでね」と言い逃れています。自衛隊との連携も、兵庫県は震災前にも自衛隊との防災総合訓練を実施しており、何も石原知事の発案ではありません。
この発言で一番懸念されるのは、都の災害対策本部長である知事が、正確な情報を把握することなく、誤った認識を持っておられるのではないかと言うことであります。知事は、そうした認識で、都の防災対策に取り組まれるのでしょうか。
そして、「首長の判断が遅かった」ため亡くなったとされる二千人の方々や残された遺族、被災者の思いであります。首長の判断が速ければ、これらの方々は助かったのでありましょうか。それならば、という思いを知事はどう受け止められるのでしょうか。
知事には発言の説明責任があります。知事の説明を伺います。●1
一方、知事は、阪神大震災を機に改築、耐震化された渋谷区松濤の都知事公館への居住を「趣味ではない」と拒否し、私邸に防災行政無線とFAXを引いて起居しています。確かに私邸の地域は総合危険度は低いのですが、被災した場合の私邸の耐震性や、周辺道路が通行困難になる障害、歩くと二十分以上もかかる多摩川河川敷のヘリポートへの移動など、知事自身が被災した時の、災害対策本部長としての対応は万全と言えるのでしょうか。
県庁の次に連絡の取れやすい場所である公舎に住んでおられた貝原元兵庫県知事であっても、「どうにかして早く登庁しておればとの悔いは今も残る」と率直に反省しておられます。
防災司令室の機能を持つ都知事公館は、都の国民保護計画でも、東京都立川地域防災センターに次ぐ第二順位にある被災時の代替施設であり、ヘリポートも近接しています。阪神大震災を教訓とするならば、災害対策本部長としての職務を全うするためにも、都知事公館の機能と役割について知事自身が認識を改めるべきではないでしょうか。所見を伺います。●2
昨年度、都は木造住宅の耐震化促進制度を創設しました。しかし、昨年度の実績は耐震診断が八〇〇件分の予算に対して五五一件、耐震改修は四八〇件分の予算に対してわずかに二二件の利用にとどまっています。今年度は耐震診断一五〇〇件、耐震改修五〇〇件が予算化されていますが、先の予算議会でも指摘したように、これでも一〇年間での耐震化率を九〇%以上とするには足りないわけですから、少なくともこの予算枠を使い切ることができなければ、目標達成は到底不可能です。
先の所信表明では、耐震化促進のための都庁横断的な戦略会議を立ち上げることが明らかにされました。その中では、都が昨年度から実施している耐震化促進制度を、さらに実効性のあるものへと改善していくことが検討されることと思います。
例えば、昭和五六年以前に建てられた木造住宅については耐震診断を義務付けた上で、耐震診断・耐震改修を行えば固定資産税を減免したり地震保険料への補助を行う、あるいは既に墨田区や足立区で実施されているように、簡易補強についても都の助成制度の対象とするなど、いくつかの制度を組み合わせることによって、誰もが耐震診断・耐震改修を行った方が得策だと考えるような条件整備を行うべきと考えます。
住宅の耐震化促進のための条件整備・環境づくりに対する基本認識について、所見を伺います。●3
一方、いわゆる木造住宅密集地域においては、敷地が狭小であったり、接道していないことなどから自力での建て替えや更新のできない住宅も多く、耐震化や不燃化がなかなか進まないのが実状です。
木造住宅密集地域の改善や被災者の生活再建への公費投入については、国は未だに私有財産の形成に資することを嫌う財政規律論に固執していますが、大地震が来れば確実に危険だと分かっているにも関わらず、また、公費を投じることで改善の可能性が高まることが明白であるにも関わらず、有効な対策を打つことなく傍観していては、本当に被災した後に行政の不作為責任を問われかねません。このような木造住宅密集地域こそ、公費を投じて面的に耐震化や不燃化を進めていくことが必要ではないでしょうか。このような分野こそ、都がリーダーシップを発揮し、国の姿勢を変えさせていくような取り組みが求められていると考えます。
木造住宅密集地域における耐震化・不燃化促進への公費投入に関する基本的考え方について、所見を伺います。●4
次に、築地市場の移転問題について伺います。
四月の東京都知事選挙では、築地市場の移転予定地である豊洲の土壌汚染問題が都民の大きな関心を集め、争点の一つとして浮上しました。
そもそも築地市場の移転問題をここまで大きくしたのは、市場最大の業界団体である水産仲卸の東京魚市場卸協同組合=すなわち東卸とのボタンの掛け違いを放置し、今日まで、半ば強引に移転の既成事実だけを積み重ねてきた東京都の対応にあります。
東卸は、築地市場の移転に関して、平成十年四月に東京都が「業界各団体の一致した意思等が確認できる文書の提出を」と求めたのに対して、「現在地での再整備」を機関決定しました。関係者の多くは、この時、東京都がさまざまな働きかけをしてきたことに対し、不信感を抱き、不満を募らせていました。
このような中で、平成十一年九月に、石原知事が築地市場を視察し、「古く、狭く、危ない」と発言したことで、移転を目論む人たちを一気に勢いづけました。そして、石原都政のもとで、用地の売却に消極的だった東京ガスとの交渉が進められてきたのです。
石原知事は、自らの行動を「トップダウンではない」と言っていますが、少なくとも政治的な影響の大きい知事の発言が移転を大きく後押しし、その後、豊洲の土壌汚染が指摘されても、彼らの声に十分に耳を傾けてこなかったのは事実です。
東卸のメンバーらが「市場を考える会」を立ち上げ、もはや豊洲の土壌汚染の問題は、市場関係者だけでなく、日本中、あるいは、世界中から注目される事態となりました。
私は、汚染土壌の問題が解決されず、多くの人たちが移転に疑念を抱いている中で、築地市場を強引に豊洲に移転することについては、断固として反対するものです。
築地市場の移転の経過に対する、石原知事の見解を伺います。●1
選挙期間中の石原知事の発言を受けて、東京都では「土壌汚染対策等に関する専門家会議」を設置し、五月十九日に第一回目の会合が開催されました。
この会議に対しては、そもそも「専門委員の数が四人では少ない」とか、「検討期間が半年では短い」といった指摘がありましたが、第一回の会合では、専門委員四人のうち一人が欠席、もう一人が途中退出するなど、最初の会議とは思われない本気度で、「東京都にお墨付きを与えるだけの会議だ」という非難の声が出ても然るべきです。
そこで、専門家会議のメンバーを絞り込んだ理由と委員の選定の考え方。また、専門家会議の今後の運営のあり方について、見解を伺います。●2
東京都では、専門家会議の指摘を受けて、追加調査をすべく、その方法を検討していると聞いていますが、売却する側の東京ガスの調査結果を前提として、足らない部分だけを追加するような調査では、もはや都民の納得は得られません。
また、私たちは、東京ガス田町工場での土壌汚染対策についてもヒアリングしてきましたが、東京ガスの当時の調査と、土壌汚染対策法に基づいて行われた調査とを比べると、例えば、シアンが、環境基準の最大四十五倍であったものが一九〇〇倍となるなど、調査の方法によって、結果は大きく異なります。
私は、東京都が調査を実施するに当たっては、東京都自身による新たな調査が必要であると考えます。また、調査にあたっては、土壌汚染対策法に基づき、敷地全域にわたる十メートルメッシュの測定点を設けるとともに、液状化現象を考慮して深さ二十メートル以上のボーリングを行い、汚染物質ごとの空間的分布を明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。●3
また、調査にあたっては、クロスチェックによりデータの信頼性を高めるべきです。
クロスチェックとは、利害の対立する事業者側と住民側とが両者立ち会いのもと、同じ場所・同じ時間で、同じサンプルをとり、それぞれが信頼できる調査機関に分析を依頼し、結果をつき合わせるという方法です。
最近まで「安全だ」と繰り返し答弁していた東京都が、一転して調査を行うわけですから、データに対する都民の信頼性を高めるための仕組みが必要であると考えます。
調査にあたっては、例えば、未だに豊洲への移転を機関決定していない仲卸など、立場が異なる団体立ち会いによるクロスチェックによりデータの信頼性を向上させるべきと考えますが、見解を伺います。●4
東京都が予定している土壌汚染対策の範囲は、「土壌汚染処理基準の十倍以下の有害物質を含む土壌については、現在の地盤面から深さ二メートルまでは、基準以下になるように処理する」としていますが、それ以下の地盤面から二メートル以上深いところは、環境基準を超える汚染土壌がそのまま放置されるということです。
東京都の処理方法をめぐっては、毛細管現象などによる汚染地下水の上昇により、表層土壌の再汚染が起こる可能性が指摘されており、また、ベンゼンやシアン、水銀などは、ガス化することで、表層面からの漏出が指摘されています。
このようなことから、まずは、十分な土壌汚染調査を実施した上で、その結果を踏まえて、汚染土壌の全面的な処理はもとより、地下水の管理など、食品を扱う市場の重要性に鑑みた、抜本的な対策を講じていく必要があると考えますが、見解を伺います。●5
三月二十日、東京都は、豊洲新市場に係るPFIのスケジュールを当面、三か月延期すると発表しました。この理由として、当初よりも手厚い土壌対策を講じることをあげていますが、加えて、施設計画についても、各業界団体から出された新たな要望を検討・反映させる必要があることをあげています。
業界団体、なかでも東卸からは、かねてより、補助三一五号線により市場機能が分断されてしまうことや、荷受けと仲卸との通路の問題などが指摘されていましたが、この間、現在の衛生基準を適用すると、従来の店舗面積が確保できないのではないかといった疑問の声が寄せられています。
さらにここに来て、専門家会議では、建物の設計・配置の再検討などについて、言及がされています。
私は、この際、施設計画についても、汚染のリスクや業界団体の意見などをさらに反映させるため、より踏み込んだ検討・見直しを実施すべきと考えますが、見解を伺います。●6
次に、新銀行東京について伺います。
六月一日、新銀行東京は「平成十九年三月期決算」および「新中期経営計画」を発表しました。十八年度の最終損益は五百四十七億円の赤字で、累積損失は八百四十九億円。開業わずか二年で、東京都が出資した一千億円のうち、すでに七百十五億円が棄損したことになります。
私たち都議会民主党は、新銀行東京への出資には賛成をしましたが、当時、議会で付された付帯決議が、着実に履行されてきたとは言えません。したがって、私たち都議会民主党は、新銀行東京について、民間への売却=すなわち、東京都が撤退するという前提で、抜本的な見直しが必要であると考えます。
石原知事は、記者会見で「進むも地獄、引くも地獄」などと他人事のようなコメントをしていますが、地獄に足を踏み入れた責任は、知事自身にあるのではないでしょうか。
新銀行を思い立った人の責任。ビジネスモデルを設定した人の責任。当時の金融情勢を見誤った人の責任。不慣れな人に不慣れな仕事をさせてしまった人の責任。新銀行東京が「危ない・危ない」と言われていたにも関わらず、今日まで有効な対策を打ち出してこなかった人の責任。などなど。
今回の経営不振の責任は、もはや知事の政治責任が問われかねない段階に入ってきたものと考えています。新銀行東京の経営責任について、石原知事の見解を伺います。●1
新銀行東京が発表した「新中期経営計画」では、リレーションの観点=すなわち、顧客との継続した関係を重視した経営を志向し、一般融資を大幅に増やしていくことを掲げ、また、これまでミドルリスク市場に対応するとしていたスコアリングモデルを抜本的に見直し、デフォルトの圧縮などを打ち出しています。
たしかに新銀行東京は、引き続き、債務超過企業や赤字企業に融資をしていくという点は、変わっていないのかもしれませんが、今回の経営方針の見直しによって、設立当初のコンセプトが大きく後退してしまったのは確かです。
石原知事が誇らしげに述べていた「負の遺産のない新しい銀行」というフレーズも、今や空虚に響くのみで、新銀行東京は、もはや都民・中小事業者のためではなく、石原知事のメンツのために、いたずらに延命させられているようにさえ感じます。
石原知事は、今、この時点での新銀行東京の存在意義についてどのようにお考えか、見解を伺います。●2
すでに私たち都議会民主党は、一年以上も前から、新銀行東京の融資のあり方やATMの利用実績などについて、問題ありとしてきましたが、今回の対応は、「何を今さら」という感さえあります。
その意味からも「新中期経営計画」で宣言している「平成二十一年度の黒字化」についても、その実効性がどこまで担保されているのか疑問です。
例えば、「新中期経営計画」では、優良資産への入れ替えとして、小口の件数増加に目を向けた営業戦略を展開することを掲げていますが、優良資産への入れ替えが簡単にできるのか。店舗や従業員を大幅に削減する一方で、小口の件数増加に目を向けることが可能なのかなど、その道は容易でないように思われます。
石原知事は、この「新中期経営計画」の実効性の担保について、どれほどの確信を持っているのか、見解を伺います。●3
石原知事は、これまでの新銀行東京の経営不振の責任を、代表執行役でトヨタ自動車出身の仁司泰正さんに転嫁してきました。私たちは、仮に百歩譲って、その責任を代表執行役に求めるのであっても、石原知事の任命責任は問われるべきだと考えています。
石原知事は、仁司さんについて「率直に言って車を売るような感じがした」などと発言してきましたが、今回、代表執行役に就任する予定の森田徹さんは、知事がたびたび批判する、真水といわれる公的資金約二兆円が投入された銀行の出身者でもあります。
私は、そのことを理由にまたもやその責任を他人に押しつけるようなことはあってはならないと考えていますが、石原知事は、この森田さんにどのようなことを期待しているのか、見解を伺います。●4
次に、都民に対する説明責任について伺います。
石原知事は、定例記者会見で「知らないうちに役員が更迭された」などと述べ、新銀行東京の透明感の欠如を指摘していました。しかし、知事が「知らない」という以上に、都民や議会は、新銀行東京の実態を知りうることができないのが実情です。
都民からは、どこのATMや店舗が撤去されるのかといった不安の声。経営者はそれぞれ、どの程度の報酬を得ていたのかといった怒りの声。あるいは、中小企業支援にかかわる費用対効果はどうなっているのかといった疑問の声。などなどが寄せられていますが、新銀行東京は、こうした出資者である都民の声に真摯に応えていかなければなりません。
また、東京信用保証協会が毎月公表している月間の保証件数や代位弁済額、あるいは区市町村別の保証件数などのように、経営情報をより早く、分かりやすく示していく工夫も必要です。
私は、新銀行東京の情報公開を積極的に進め、都民に対する説明責任を果たしていくべきと考えますが、見解を伺います。●5
次に、福祉施策について伺います。
まず、子育て支援策、なかでも、まずは待機児童の解消について伺います。知事も選挙公約で待機児童ゼロを目指すとされ、先の所信表明でも待機児童五千人の解消を述べました。新たに立ち上げられた「子育て応援戦略会議」においても、待機児童五千人の解消が主要課題のひとつとされています。
しかし、現に待機児童となっている「五千人」だけを見ていたのでは、待機児童は解消しません。
平成十八年四月までの五年間で、認可・認証保育所合わせて一万七千人分の保育所が整備されました。平成十四年春の待機児童は五千五十六人でしたから、もし、待機児童の数だけを考えていれば良いのであれば、すでに待機児童の問題は解決し、一万二千人分、箇所数に換算して百二十以上の保育所余り現象が起きているはずです。
ところが、実際には、平成十八年四月の待機児童は四千九百八人でありこの間百五十人程度しか減っていません。このことからも、今、保育所への入所待ちの行列には並んでおらず、統計上の数字五千人には表れていないけれども、並んでいる人と状況はそう変わらない、潜在的待機児童が相当数いるという認識をもって、実態把握をし、思い切った対策を検討することが必要であることがおわかりいただけると思います。
十年後の東京では、潜在的待機児童について記述がありましたが、対策について明示されておりません。待機児童についてどのように捉え、どのように対処しようとしているのか、この問題に対する基本認識を伺います。●1
次に、保育料の格差についてです。保育所を利用できる人の数は限られており、依然として多くの待機児童がいる中で、各自治体や保護者からの認証保育所への評価は高く「都のヒット商品」と受け止められているようです。しかし、難点は保育料の高さです。同じように保育を必要としている家庭でも、認可保育所を利用できなければ、倍近い負担の格差が生じてしまうのです。利用料の高さや国制度である整備費等の補助金の格差から、認証保育所に対して、独自の補助を行っている自治体が多くあります。保護者への直接補助が、月四万円という区もあります。
同じように保育を必要としている家庭でも、運良く認可保育所に入れたかどうか、また、財政状況が良くこうした補助を行っている自治体に居住しているかどうかで、大きな負担の格差が生じています。
こうした大きな保護者負担格差の解消もまた重要な課題であると考えますが、所見を伺います。●2
次に、安心、信頼の介護保険制度運営について伺います。
都が行った株式会社コムスンによる介護報酬の悪質な不正請求への処分が端緒となり、国は、昨年導入した連座制を同社に初めて適用し、すべての事業所に係る新規の指定・更新が打ち切られる事態となりました。
事業の譲渡先への引き継ぎがしっかりと行われ、利用者への介護サービス提供が絶えるような事態とならないよう、また利用者が納得してサービスを受けることができるようにしなければなりません。
初の事態であり、区市町村が対応を進めるなかで、さまざまな課題が生じることもあると聞きます。
現場からの情報把握に努め、区市町村と連携を取り、都が行うべき指導等についてはもちろん、国においても迅速・的確な対処がなされるよう、都として全力をあげて対応していただきたいと考えますが、所見を伺います。●3
昨年来、都はコムスン以外にも多数の事業者による不正請求を明らかにしてきました。民主党は、かねて、民間事業者の参入により、市場の監督者としての都の役割は増大するとの認識から、ルールを破るものには厳しく対処し、市場の健全性を維持するチェック体制の強化を求めてきました。悪質な不正請求に対する、都の厳正な対応を評価しております。
しかし、事は一部の不心得者による不正行為と切り捨てて済む問題ではなく、多くの事業者が運営に苦慮せざるを得ない設計となっている、制度にも問題があるのです。
厚生労働省が介護三施設と居住系サービスの利用者数から算出した介護施設の整備率では、首都圏の一都二県でワーストスリーを占めています。これは全国横並びに近い介護報酬と施設整備費などから、人件費や地価の高い首都圏は相対的に不利な経営環境にあるためです。
二〇一五年にかけて東京都では七十万人の高齢者増が見込まれ、サービス提供基盤の整備を進め、質の高い人材を確保しなければならない状況にもかかわらず、前回介護報酬の単価改定では、施設系サービスの不足に拍車をかけ、低賃金と人手不足を一層深刻にする制度となってしまいました。このままでは、篤志家に頼る福祉の時代へと逆行することともなりかねません。
今後都として国に対し、こうした制度の改正を強く求め、働き手が意欲をもって取り組めるものとすることが必要と考えますが、所見を伺います。●4
次に、暴力団員の排除について伺います。
本定例会に提案される「東京都営住宅条例等の一部を改正する条例」案では、都営住宅から暴力団員を排除する規定が提案されています。
今年四月、町田市における都営住宅での暴力団員立てこもり発砲事件が全国的に注目を集めたところでもあり、私たちは、条例改正の趣旨について否定するものではありません。
この事件を受けた六月一日付国土交通省通達では、暴力団員排除規定を設ける場合には、暴力団員の動向、都営住宅における暴力団員による不法・不当行為等の状況など、都内の実状を踏まえた上で、都営住宅の入居者資格において暴力団員を一律に排除することが適当か否かについて検討することとされています。
そこで、都が本条例改正が必要と判断するに至った検討の経過並びに理由について、所見を伺います。●1
都営住宅に暴力団員を入居させないためには、入居資格審査時における暴力団員の特定が最も効果的と考えます。
しかしそのためには、暴力団員が入居資格審査のための申告書類に自ら暴力団員と特定されるような記述をすることは考えにくいことからも、現実問題として、入居資格審査の対象者全員について警視庁への照会を行う必要が出てくるのではないかと考えられます。
仮に入居資格審査の対象者全員について照会を行うとするならば、その人数はポイント方式だけでも毎回一〇〇〇~二〇〇〇名に上るわけですが、具体的な暴力団員の特定方法はどのようなものか、また、その際には、個人情報保護の観点からの配慮も必要と考えますが、所見を伺います。●2
都営住宅から暴力団員を排除することにより、それら暴力団員が民間の賃貸住宅へ流れていくことが考えられます。
民間賃貸住宅の場合、契約書の条項の中で、暴力団員であることが判明した場合には即時契約の解除を適用することになっている場合もあるとはいえ、都営住宅と同様に、契約時に暴力団員であるかないかの特定ができることが家主にとっては最も望ましいことのはずです。
また、入居後に暴力団員であることが判明し、仮に契約を解除したとしても、民間であればなおさらのこと、暴力団員を速やかに退去させることは非常に困難であり、警察などによる支援が求められます。
本条例改正と併せて、民間賃貸住宅での暴力団員対策を講じていく必要もあるのではないでしょうか。都がオーナーとしての立場で都営住宅から暴力団員を排除することは理解しますが、都営住宅からだけ排除すればそれでよしと考えているのかどうか、所見を伺います。●3
本条例が対象とする「暴力団員」は、暴力団対策法の第二条六号に該当する暴力団員ということで、指定暴力団だけでなく、警察で把握している全組織の組員が対象です。しかし、いわゆるフロント企業・企業舎弟など、一般社会で経済活動しながら資金面で組織を支えている準構成員は対象外になっています。
暴力団対策法の施行後、多くの組員が「仮装離脱」して準構成員になったと言われています。現実には企業舎弟と暴力団組織とのつながりを特定することが困難であることもあり、本条例改正による措置によってこのような準構成員の増加が懸念されるわけですが、警視総監の所見を伺います。●4
次に、三宅島振興策について伺います。
知事が三宅島の災害復興及び産業・観光振興としてトップダウンで提案した公道オートバイレース計画が中止になりました。マン島レース視察と三宅村やモーターサイクルスポーツ協会との現地調査を終え、東京モーターサイクルショーにおいてレースの正式名称が発表されるはずでしたが、これも延期になっていた矢先でした。レースを開催するに当たり解決すべき課題である輸送や宿泊地、救援・医療体制などが山積していることに加え、メーカー各社やプロライダーからも安全面から懸念され、協力が危ぶまれたためです。我が党としても安全性の確保が困難であれば、レースの中止は当然であると考えています。
島の関係者や国内のバイクファンも大きな期待をしていただけに、中止を機会にトップダウン事業の危うさを検証し、再度、同じ事態を招くことのないようにしなければなりません。知事のトップダウンに都の関係局や村が振り回されたあげくのレース中止に関して、知事の見解を伺います。●1
都は公道オートバイレースの中止に際して、安全性の確保と関係者の協力を得たいと表明しています。「バイク・フェスタ」の参加型イベント「ツーリングラリー」は、ゲーム感覚で島内一周を楽しむものですが、立ち入りが制限されている、火山ガスの高濃度地区を通過しなければなりません。フェスタのメニューは、三宅島の安全対策に対して例外的な扱いを受けるものでしょうか。また計画の変更や中止はありえないと考えますが、高濃度地区を通過する「ラリー」の安全確保策について伺います。●2
三宅島民の避難解除、帰島実現から三年目に入りました。都議会民主党も先日、島の視察を行ってまいりました。暮らし向きについては、自立した生計を営む状況にはなってきていますが、依然苦しい生活が続いていると聞いています。健康などを理由に改めて島を離れたり、火山ガスのため帰れない方もいるため、島の人口は依然として避難前の七割程度となっています。
最近では、特養老人ホームや温泉施設の再開、アシタバの出荷、定置網漁の開始など復興に向けた動きがありましたが、安全確保のため噴火活動を始め火山ガスの放出の動向を注視していくことになります。今後も都は長い時間をかけ、復興を手がけていかねばなりませんが、都は三宅島空港の再開も含め、今後どうやって三宅島の復興を図っていくのか伺います。●3
以上で、都議会民主党を代表しての質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。