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定例会報告

予特討論  石毛しげる

平成19年 第1回定例会


予算特別委員会 討論


石毛しげる(西東京市)



平成19(2007)年3月7日


石毛しげる
(いしげ しげる 西東京市選出)


*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。





私は、都議会民主党を代表して、本委員会に付託された第1号議案「平成19年度東京都一般会計予算」に反対の立場から討論を行います。

平成19年度予算案は、企業部門の好調による税収増で、一般会計で前年度比7.0%増の6兆6020億円、平成10年度の財政規模に匹敵する予算となりました。都税収入も税源委譲分を除き実質で11.2%、5028億円増の5兆56億円を見込んでいます。
日本経済は、いまだ消費に弱さが見られるものの、景気は回復傾向にあります。
一般歳出は、4兆3366億円と前年度比の3.7%増にとどめ、フレームに即して抑制しつつも、様々な分野に満遍なく財源を配分しています。「隠れ借金」や「負の遺産」の処理に取り組むとともに、財源の年度間調整を強化する基金を積極的に積立てるなど、経験を踏まえた課題への対応も行われています。
しかし、私たちが繰り返し求めてきた震災対策の強化や雇用格差の是正、子育て支援は極めて不十分であり、高齢社会対策においては、高齢者の急激な増加に伴う介護需要の増大などに対する危機感が見られません。
一方、都政運営においては、知事や側近の海外出張、知事交際費、また、知事のトップダウン事業への子息や知人の関与、不明朗な業者との宴席など、石原知事と知事側近が都政を歪め、私物化していると言われても仕方ない状況であります。また、政策選択、事業立案が正しく、予算も適正規模であったとしても、例えば、これまでの海外シティプロモーションのように、対象国や地域選択が正確な調査、分析に基づかず、知事側近の恣意的選択によって執行されては、これもまた税金の無駄遣いです。

次に、予算の各分野について申し上げます。
まず、防災対策です。
これまで何度も繰り返し申し上げてきましたが、都議会民主党の試算では、昭和56年以前の木造住宅すべてを無償で耐震診断を行ない、さらに平均162万円の耐震改修工事費に15年間の無利子貸付を行なうと、4300億円の公費負担が必要となります。
4300億円の公費負担というと莫大に聞こえますが、都が現在、行なっている新築住宅への固定資産税・都市計画税の減免措置の影響額は単年度で約220億円であり、これを十五年間続ければ、影響額は3300億円に達します。
新築住宅に対するこのような減免制度との対比で見るならば、首都直下型地震が明日にも起きるかもしれない今、旧耐震基準の木造住宅の耐震診断・耐震改修について、対象の拡大など、もう一歩踏み込んだ対策が必要と考えます
しかし、19年度予算案では、木造住宅の耐震診断のための補助金は1500棟分、3800万円弱、耐震改修工事のための補助金がわずかに500棟分、1億円あまりが計上されているのみです。このままのペースでは、「10年後の東京」で掲げた目標を達成することなど、到底不可能であることは、誰の目にも明らかです。
木造住宅の耐震化促進に対する都の助成制度は、あくまで国の耐震改修促進法に定められた範囲内の、極めて限定された制度です。都独自の制度として拡充することが必要と考えます。

次に福祉保健についてです。
代表質問でも申し上げましたが、都の高齢者は、8割が元気高齢者、要介護者が2割です。この比率が現在と同じとしても、10年後には、東京都において支援を必要とする高齢者数は、14万人増え、60万人に達すると考えられます。高齢者数の増加、ひいてはサービス量の増大への対応が必要とされています。
10年後、15年後には、確実にやってくる高齢者数の急激な増加に備えて、いまからしっかりと、基盤整備を進めなければなりません。
まず、介護が必要になっても最後まで尊厳を持ち、自分らしい暮らしが続けられるよう、小・中学校ほどの生活圏域で必要なサービスを受けられる体制整備として小規模多機能介護拠点整備促進策について申し上げます。
超高齢社会の到来を目前に控え、コンビニエンスストアのように、規模は小さくても、必要なものが利用者の生活圏域ですぐ揃う体制整備が急がれております。10年間で500カ所に対し補助することとし、19年度予算案においては50カ所分の約12億円が必要です。
そして、小規模多機能介護拠点のサービスを利用しながら暮らせる住まいの整備もまた喫緊の課題です。高齢者の持ち家率は50%を切っております。高齢者が安心して借りられる賃貸住宅も不足しており、認知症グループホームのような限定的な形態だけではなく、一般住宅と複合したタイプや、他の施設やショートステイ、デイサービスとの併設など、地域や利用者に必要とされるニーズに応じて整備できる、地域のケア付き住宅整備について、10年間で3万戸、平成19年度においては3千戸、30億円の予算措置が必要です。

現在都の子育て支援関係の予算は、認可保育所以外は手薄です。認可保育所を利用できる人の数は限られており、待機児童も18年10月現在で約8千人です。潜在的待機児童は7万人とも言われています。認可保育所を利用していない子育て家庭に対する支援も拡充し、未就学児童を抱えて苦労されている親たち全体への十分な支援を行わなければなりません。
税金投入額の偏りにより、ニーズがあるにもかかわらず、認可保育所以外のサービス価格が高いがゆえに利用が進まず、供給が行われないという、負の連鎖を断ち切るために、こうしたサービスが爆発的に増えるような政策誘導が必要です。
特に認証保育所については、いわゆる保育に欠ける要件を課しておらず、幅広い方が必要に応じて利用できるわけですが、保育料が高く、誰でも利用できるという状況にありません。制度の違いで2倍以上にもなる保護者負担の格差を放置すべきでないと繰り返し主張して参りました。19年度予算では格差是正措置として4億6千2百万円を要求しましたが、これも盛り込まれていません。

次に、雇用・産業対策についてです。
私たち都議会民主党は、代表質問や予算特別委員会の総括質疑などにおいて、雇用における格差是正について質してきました。
石原知事は、働いても生活保護基準程度の収入しか得られない人たちがいるという現状をようやく認識し、平成20年度から都民税の免除を実施することなどを打ち出しています。しかし、行政が本来やらなければならないことは、働いても生活保護基準程度の収入しか得られないという社会の現状を改めていくことであり、そのためには、雇用の確保や賃金水準の改善、雇用環境の整備に取り組んでいく必要があります。
私たちは、若年者、特に年長フリーター対策として、すべての教育機関、職業訓練機関も活用できる奨学金制度の創設、あるいは、他の自治体でも実施しているような教育訓練給付金制度の創設などについて提案してきましたが、東京都においては、これらの制度を早急に創設していくべきだと改めて表明するものです。
また、非正規労働者の雇用改善についても、働く人の3人に1人が非正規労働者となり、格差是正が急務となっている今、現在の東京都の支援策では不十分です。私たちが提案している広報や相談体制を充実、あるいは企業へのインセンティブの充実など、さらに踏み込んだ取り組みが必要であると強く主張するものです。

次に、八ツ場ダムについてです。
八ツ場ダムについては、整備の法的後ろ盾となる第5次フルプランが未だに明らかにされていません。本当に必要なのか、必要でないのかが、都民や国民には分からない状態で、たなざらしにされたまま、関連事業は従前の計画に沿って進められています。
一方、水道局などの経営計画は、社会経済情勢の変化などを踏まえ、3年サイクルでの見直しが行われています。これらの状況を踏まえ、都が平成15年に水需要予測を行って以来、3年以上が経過しましたが、水需要予測についても、都として再度見直すべきです。

以上述べてきましたように、19年度予算案は喫緊の重要課題に対して不十分であり、同時に、石原知事と知事側近の都政私物化並びに正確な調査、分析に基づかない恣意的な選択と予算執行が横行するなかでは、この19年度予算案を認めることはできないと申し上げなければなりません。

以上で、都議会民主党を代表しての討論を終わります。