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定例会報告

一般質問 酒井大史

平成19年 第1回定例会


酒井大史(立川市)



平成19(2007)年2月15日



一般質問


酒井大史(さかい だいし 立川市選出)


*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。





犯罪被害者支援について

児童虐待の防止について

自殺者対策について


1 犯罪被害者支援について


はじめに、犯罪被害者支援について伺います。
この問題については、過去4回の一般質問で取り上げ、今回が5回目となりますが、この間、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく変化しました。
特に国においては、その取り組みは顕著で、平成16年12月1日犯罪被害者等基本法が成立、17年4月施行されると共に、同年12月には法に基づく犯罪被害者等基本計画が閣議決定され、平成18年4月1日より計画が実施に移されています。
また刑事裁判においても、被害者に一定の制約はあるものの証人尋問・被告人質問・求刑をも認めるというこれまでの刑事訴訟制度を大きく変えることになる「被害者参加制度」を法制審議会がまとめたとの報道もあり、犯罪被害者にも漸く光が当たり始めた感があります。
東京都においても、この間、警視庁を中心とした取り組みのみならず、「医療機関向け犯罪被害者支援マニュアル」の作成や人権教育プログラム(学校教育編)に「犯罪被害者やその家族」の項目を設けるなど、一定の取り組みをして頂きました。
しかし、刑法犯の認知件数はここ数年減少し、また昨年は飲酒運転の厳罰化と取り締まり強化により、交通事故による犠牲者は減少しているものの、毎年一定数の犯罪被害者が新たに発生しています。昨年初めて発行された犯罪被害者白書によると、平成16年における交通業過を除く刑法犯被害者総数は48,190人で、内死者は1,397人、重傷者は3,479人、軽傷者は43,314人ということです。これだけ多くの方が毎年新たに被害者になっている状況の中で、これ以上被害者を作らないための治安の回復のみならず、不幸にも被害に会ってしまった方やその家族の立ち直りに向けた支援策は、国だけではなく地方公共団体においても早急に確立していく必要があることはいうまでもありません。
現に、犯罪被害者等基本法においては、そのほとんどの項目において、実施主体は国及び地方公共団体としています。
そこで、今回は平成18年4月より犯罪被害者等基本計画が実施に移されたことを受けて、都の取り組みついて何点かお伺いします。


昨年3月に開催された「都道府県・政令指定都市犯罪被害者等施策/主管課/室長会議」において、内閣府は総合的な窓口の整備を要請しましたが、内閣府犯罪被害者等施策推進室長の話では、当時ほとんどの自治体で内閣府からの要請を受ける担当窓口すら決まっていない状況であったと伺いました。


幸いにも東京都においては、総務局人権部が担当しており、要請の受け手としては、不都合はなかったことと思いますが、現在人権部は庁内の総合窓口としてどのような対応をしているのかまず伺います。●1


その上で、国は犯罪被害者等が再び平穏な生活を取り戻すまでの間、途切れることのない情報提供・支援を受けていくためには、地域の身近な公的機関である地方公共団体の取り組みが重要であるとしています。そしてその取り組みの第一歩として、犯罪被害者等からの問い合わせや相談があった場合に総合的な対応を行う窓口の設置が望まれます。現在、福井県や都内杉並区・日野市では設置されていますが、総務局人権部としては、犯罪被害者等からの問い合わせや相談を受ける体制は確立されているのか、体制整備の現状と今後の取り組み方針を伺います。●2


次に始めにもふれましたが、東京都においては他府県に先駆けて、平成15年10月に「医療機関向け犯罪被害者支援マニュアル」を作成していただきました。このマニュアルは医療機関における犯罪被害者等に対する2次被害防止にも役立つものであり、大変有益なものであります。
作成当時、健康局は「都内全病院に直接送付するとともに、東京都医師会及び東京都歯科医師会に対して診療所への配布を依頼、都内全病院の管理者を対象とした講習会で直接説明するなど、関係者に周知し理解の徹底を図っていく」と述べられました。
このマニュアルについては継続的に周知を図っていく必要があると考えます。


マニュアル作成から3年が経過しましたが、この間の周知状況と今後の取り組みについて伺います。●3


また、このマニュアルだけではなく、都においては平成15年3月発行の人権教育プログラムに中学校・総合的な学習の時間に扱う人権課題として、「犯罪被害者やその家族」の項目を掲載していただきました。
犯罪被害者等に対する偏見や差別意識をなくしていくためこのプログラムは大変重要なものであります。


平成15年以降、これまで毎年継続的に掲載して頂いていますが、公立学校における活用状況について伺うとともに、引き続き人権教育の一環として取り組んでいくべきものと考えますが所見を伺います。●4


以上、今回は犯罪被害者支援に関して、都の体制整備、2次被害防止に向けての取り組み、犯罪被害者に対する差別意識払拭に向けての取り組みについて伺いました。
犯罪被害者等基本計画の中には、この他にも、「損害回復・経済的支援等への取組」として、損害賠償の請求についての援助、給付金の支給に係る制度の充実、居住の安定、雇用の安定が、また「精神的・身体的被害の回復・防止への取組」として、保健医療サービス及び福祉サービスの提供など犯罪被害者等のための具体的施策として取り上げられています。この中には都が取り組まなければならない多くの課題があります。
都として、不幸にも犯罪の被害に遭ってしまった都民の立ち直りに向けて、主体的に取り組んでいく、さらにスタンダードな計画にとどまることなく、東京がこの国の犯罪被害者支援をリードしていく姿勢を示すため、都としての基本条例である「(仮称)東京都犯罪被害者等支援条例」を策定すべきであると考えます。この点については過去何度もご提案申し上げ、知事からも前向きな答弁を頂きながらも実現には至っておりません。都議会民主党としても、この間、犯罪被害者支援条例プロジェクトチームを設置し、検討を重ね、座長私案として条例案も準備させていただいています。


東京都として是非、犯罪被害者等支援条例の制定と合わせて、秋田県が平成18年2月に総合的な支援計画を策定するとともに、県内市町村に対しては基本条例や見舞金支給条例の制定を要請している例もあることから、都としても、各局に渡る被害者支援を連携して計画的に行っていくため総合的な支援計画を策定する必要があると考えますが、本件に関心をお持ちの知事の見解を伺います。さらに市民生活に身近な市区町村と支援相談窓口の設置に向けて連携していく必要があると考えますが、合わせて所見を伺います。●5

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2 児童虐待の防止について


次に児童虐待の防止について伺います。
近年、子供を取り巻く悲惨な事件が相次ぐ中で、都民の多くが子供の安心安全に大きな関心を抱いています。警察を始め地域の見守りの中、子供に対する外部からの犯罪については監視の目が広がりつつあるものの、内部、すなわち家庭内での虐待という犯罪から子供を守ることについては、監視の目が届きにくいこともあり、より深刻な状況にあります。
平成16年10月1日に改正児童虐待防止法が施行され、児童虐待への早期対応のみならず、児童虐待の早期発見に向けた通告義務の拡大がなされましたが、状況は一向に改善されず、平成17年に全国の児童相談所が受けた児童虐待の相談件数は34,472件もあり、平成18年版「犯罪白書」によると、その内、児童虐待に係る検挙件数は222件、検挙人員は242人であったということです。
もちろんこれは顕在化した事例であり、この他にも虐待に苦しんでいる子供がいることは容易に想像されます。
また最近問題になっている、給食費の未払いもある意味で育児放棄、ネグレクトの一種と、私は考えています。
現に虐待を受けている子どもたちが最悪の事態になる前に救出すると共に、虐待を受けることの無いような環境を構築していくことも急務の課題であります。
先程取り上げました、犯罪被害者等基本計画の中でも、児童虐待の防止、早期発見・早期対応のための体制整備が盛り込まれております。
そこで、都としての児童虐待に対する取組について何点か質問いたします。


まず初めに、都がこれまで取り組んできた児童虐待に対する取組状況と課題について伺います。●1


また、新年度予算案の中で、児童虐待への対応に関連した新規事業として「医療機関における虐待対応力の強化」と「専門機能強化型児童養護施設制度」を掲げていますが、その具体的な内容を伺います。●2


次に国では与野党が連携して児童虐待の急増に歯止めをかけるため、親の責任を明らかにし、その上で親権を制限する方向で、児童虐待防止法改正の検討を行っています。具体的には、知事が「呼び出し命令」を出し、それに応じない場合は、児童相談所が保護者の住居に立ち入り調査できるといった、児童相談所がこれまで以上に迅速に対応するしくみを創設するものですが、都としてこれをどのように受け止めているのか伺います。●3


また法改正がなされた場合はもちろんのこと、現状においても、児童相談所の更なる機能強化、人員の確保が必要であると考えます。このことは東京都社会福祉協議会が行った「児童虐待対応及び予防に関するアンケート報告書」の中でも、区市町村は児童相談所に「家庭訪問に同行してほしい」などの支援を求める声が多くあがっていることからも伺えます。都として、児童相談所の機能強化に向けたこれまでの取り組み状況と今後の方針を伺います。●4


さらに虐待など、さまざまな課題を抱えた子どもたちの回復のためには、できるだけ家庭的な環境のもとで安心して養育されることが大切です。そこで、養育家庭制度の充実について、都としての取り組み状況を伺い次の質問に移ります。●5


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3 自殺者対策について


最後に、自殺者対策について伺います。
本件に関しては、自殺願望の女性を救助しようとした警察官が命を落とすという大変痛ましい事件もありましたが、毎年3万人以上の方が自ら命を絶ってしまう現象自体が大きな社会問題となっています。
警察庁生活安全局地域課の資料によると、平成17年中における自殺者の総数は32,552人で、前年に比べ227人(0.7% ) 増加しています。
また、原因・動機については、「健康問題」が4,145人で遺書ありの自殺者の40 % を占め、次いで「経済・生活問題」が3,255人、31.4%、
「家庭問題」が1,011人、9.8%、「勤務問題」が654人、6.3%等の順となっています。
このような状況を受け、国では平成18年6月に自殺対策基本法が制定され、10月に施行されました。
また、都においてもこれまで平成15年度・16年度において、西多摩地区におけるうつ病対策として「自殺防止プロジェクト」などを実施しており、この点については過去の一般質問でも取り上げさせていただき、専門医等によるうつ病対策のみならず、経済的な問題を解決するため、特に中高年世代に向けたきめの細かい就業支援や労働相談、健康相談等、総合的な対策の必要性を指摘させていただきました。そこでお伺いします。


平成18年第四回都議会定例会所信表明で知事は、社会全体で自殺防止に取り組むため、「自殺総合対策東京会議」を設置すると述べられましたが、その位置づけや役割などについて伺います。また都のこれまでの取り組みがどのように自殺対策に反映されるのか合わせて伺います。●1


次に、この自殺者対策は、国との連携のみならず、他県との連携も重要であると考えます。
この点について、平成18年11月、お隣の千葉県が、都市勤労者の自殺予防には、地域や家庭における気づきと支援、職場における労働環境やサポート体制の向上が不可欠であると同時に、首都圏においては各都県市間での通勤者が多いため、居住地と勤務地双方での啓発、情報の共有や連携が必要であるなど、課題が考えられることから、八都県市が共通の重要課題である都市型の自殺対策に共同で取り組み、広域的に情報発信を行うことで自殺防止の推進に大きな効果が期待できると提案し、具体的には、総合的な自殺対策の推進のため、広域的なキャンペーンの実施、経済界への働きかけなどの対策や地域と職域との連携方策を八都県市共同で調査・研究すると共に、必要な経費について充分な財政措置をとるよう国に対して要望していくことなどを掲げました。

そこで、都としてはこの千葉県の提案にどのように対応していくのか伺います。●2


最後に、自殺者対策については、うつ病など医療面からのアプローチの他に、経済問題を解決していく面でのアプローチもあると思います。
遺書有り自殺原因の第2位に「経済・生活問題」があがっておりますが、この中には今問題になっている悪徳金融業者等の被害にあっている多重債務者や法的には支払い義務のないグレーゾーン金利で苦しんでいる債務者もいるものと考えられます。


この多重債務者対策については、先般の施政方針の中でも述べられておりましたが、都として具体的にどのような制度を構築するのか伺います。●3


また鹿児島県奄美市では多重債務者対策に積極的に取り組んでいますが、市民に身近な市区町村で行っている弁護士等による市民相談を活用するなど連携して、多重債務者が自殺に追い込まれないよう地域ネットワークを構築すべきと考えますが、所見を伺い質問を終わります。●4