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定例会報告

代表質問 田中 良

平成19年 第1回定例会


田中 良(幹事長、杉並区)
平成19年(2007)2月14日

代 表 質 問

田中 良
(たなか りょう 杉並区選出)



*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。





知事の都政運営について

平成19年度予算について

オリンピック招致について

高齢者施策について

教育について

雇用の格差是正について

産業振興基本戦略について

温暖化対策について

建築物の耐震化促進について


私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。


質問に入る前に、一言申し上げます。
12日、多くの方々の願いも空しく、宮本邦彦巡査部長が逝去されました。故宮本警部のご遺族にお悔やみ申し上げますとともに、故人のご冥福を心よりお祈りいたします。


1 知事の都政運営について


質問に入ります。
まず、石原知事の都政運営について伺います。
この間、海外出張費や知事交際費、また、ご子息の都政への関与或いは裏献金疑惑が取り上げられ、石原知事と知事側近による都政の私物化が問題とされてきました。私たちは、こうした問題に加えて、石原知事の都政運営が、如何に都政を傷つけているのかを一つ一つ明らかにし、今、都知事を変えることの重要性を訴えるものであります。


「10年後の東京」について伺います。
私たちは、これまでにも「都政の基本的指針として長期計画を示し、その中に実施計画、単年度予算を位置づけるという当たり前のことを行うことが、都政の未来に向かって、職員のモチベーションを高めることにもつなが」るとして、東京の将来ビジョン策定を求めてきました。
しかしながら、先に明らかにされた「10年後の東京」は、ハードに偏重し、これまで都政に関して議論・提言されてきたものをパッチワーク的に貼り付けたもので、新味のあるものではありません。
そもそも、東京の将来ビジョンの中にオリンピックを位置づけるべきものを、オリンピックのためにすべての施策が位置づけられているところに根本的間違いがあるのです。
知事は先の施政方針において、「『10年後の東京』は、空想的、抽象的なマニフェストなどではなく、東京の具体的な近未来図」であるとされました。
そこで伺いますが、この「10年後の東京」は、都政においてどのように位置づけられるのでしょうか。行政計画なのか、構想・ビジョンなのか、単なる夢なのか、「東京構想
2000」との関係はどうなるのか、明らかにすべきです。●1-1
また、「具体的」なものであるならば、その財政的な裏付けをここで明確にしていただきたいと思います●1-2


さらに、ここに示されたような各種施策であっても、これを着実に具体化していくためには、都政運営の戦略的・総合的な管理が不可欠です。しかし、朝から登庁することが極端に少なく、休日や庁外の仕事が多い石原知事には酷な課題です。そもそも、今回の「10年後の東京」がパッチワーク的なものになってしまったのは、知事が在庁していることが少ないため、職員が知事決裁を要するような新しい仕事をしなくなったからではないのでしょうか。さらに言えば、計画を嫌い、知事にのみスポットライトを当てようという、これまでのピンポイント・サプライズの手法が職員全体の戦略目標を棚上げにし、職員のモチベーションと政策立案力を著しく低下させてきたことも大いに起因しているのではないでしょうか。
知事は、これまでの都政運営の結果が今回の「10年後の東京」につながったことについてどのようにお考えか、見解を伺います。●2


知事は、就任以来、「人事は知事が直接指示する」としてきました。ピーター・ドラッカーも、「トップが行う決定のうち、人事ほど重要なものはない。したがって、人事は正しく行われなければならない」としています。
人事はそれほど重要な決定ですが、知事がこれまで行ってきた人事を見ると、例えば、知事が重視する環境行政のトップである環境局長は、平成14年夏から16年夏の2年間を除いて毎年1年で交代しており、港湾局長、財務局長は4年間連続で交代し、収用委員会事務局長に至っては平成12年夏から5年間連続で交代しています。このように1年で交代した局長ポストは、知事就任以来の累計で62にものぼります。夏に就任した局長が、前局長の編成した予算を執行し、次年度予算を編成したところで異動する、これが何年も繰り返されることは、その局の新たな事業展開を阻害することにつながります。更に、局長の1年交代は、部課長人事にも影響を及ぼし、庁内を混乱させています。更に庁内には、これまでの人事の結果から、人事はその人の能力ではなく、知事と知事側近の好き嫌いで決められるという風評が流布していますが、このようなことで人事は正しく行われたと言えるのでしようか。
ドラッカーは、「組織の中の人間というものは、他人がどのように報われるかを見て、自らの行動を決める。したがって、人事の決定に真剣に取り組むことなく、正しい人事を行うためのいくつかの簡単な原則や手順に従うことのないトップは、組織の業績を損なう危険を冒しているだけではない。組織そのものへの敬意をも損なう危険を冒しているのである。」とも述べています。知事の行うお好み人事は、まさに「組織そのものへの敬意をも損な」っていると考えるものですが、見解を伺います。●3


私たちは、これまでにも幾度となく分権改革の推進に向けた東京都以外の自治体との連携を求めてきました。都は地方交付税不交付団体であり、それ故に自治体を代表して国に対して最もものが言える自治体です。その東京都が、己の利害のみを声高に叫び、他の自治体を顧みなければ、ますます孤立を深め、結果として東京都の利益を著しく損ねることになりはしませんか。
石原知事は、先の第4回定例会においても「地方分権改革の実現が必要」として、「今後も、国に対して、真の地方分権改革を実現するよう、他の自治体とも連携して強く働きかけ」ると答えてきました。
しかし、確かに8都県市首脳会議にはすべて出席してきましたが、知事就任以来39回開催された全国知事会議に出席されたのは、わずか9回にすぎず、そのうち4回は政府主催による総理大臣、閣僚との懇談の席です。石原知事の顔は国には向いていますが、他府県には向いていないと言わざるを得ません。すべての会議に出席しろと言っているのではありませんが、他府県の知事と直接会い、ぞれぞれの事情を理解し、積極的に分権改革に向けたイニシアチブを発揮することが求められています。所謂改革派知事と呼ばれた各知事が分権改革の推進に向けて傾けきた努力に比べて、石原知事の存在感は無に等しいものです。
第二期地方分権改革を迎える今、石原知事は、このような状況で、如何に他府県との連携を図り、新地方分権構想検討委員会のビジョンに示すように、詳細な具体案をつくり、政府に投げかけていくつもりなのか、伺います。●4


また、ドラッカーはその著「未来への決断」において、「大統領のための6つのルール」を記しています。その第5のルールに「政権内に友人を入れてはならない」をあげ、「このルールを無視した大統領は皆、後悔することになっている」としています。
一昨年の副知事更迭に引き続く、今回のご子息の友人を館長に据えたトーキョーワンダーサイトを巡る一連の事態は、まさにこの通りです。参与・館長に取り立てられたことを光栄に思うが故に、その影響力を行使してご子息を持ち上げ、それによって知事に恩返しをする。本来ならば、そのようなことは結果として知事を傷つけることになるが故に避けるべきであるにもかかわらずそれをせず、さらにはそうすべきでないと諭すべき知事側近がこれを支持し、知事自身が唯々諾々とこれを受け入れてきた、これが今回の事態を招いたのです。しかも、「やめさせることを極端に嫌」い、あろうことか館長の処遇を課長級から一気に理事級に引き上げ、部長級の副館長をおくということまでやってしまっているのです。
更に知事は、議会で問責決議を受け、一端は都政から更迭した人物を参与に迎え入れ、またまたあろうことか、知事名代を名目に参与就任祝いの海外旅行を公費でプレゼントされたとまで報じられています。
公私の境目を見失い、周囲に太鼓持ちをおく裸の王様、これが現在の石原知事です。今や時機を逸してしまいましたが、あえてドラッカーの警告を贈り、知事の見解を伺うものです。●5


また、知事は常々、行き過ぎた「結果の平等」を批判し、「機会の平等」の重要性について述べられていますが、トーキョーワンダーサイトにおいては、ことさらにご子息とその友人を重用し、この「機会の平等」を自ら踏みにじっています。「機会の平等」が大事なのだ、と力説するその横で身内を優遇していては何の説得力も持ちません。この点についてはどのようにお考えか、見解を伺います。●6


昨年は、知事選で“借り”を作った知事が業者と癒着して腐敗し、地方自治への信頼を失墜させる事件が相次いで起きました。この一連の不祥事を受けて、1月24日に掲載された読売新聞の知事と業者との関わりに関するアンケート調査結果によると、知事の59%(27人)が「集票マシン」でもある業界から何らかの支援を受け、67%(31人)は「(自分が支援を受けることには)問題はない」と言い切っているとのことです。
しかし、石原知事は、「選挙での業者・業界の支援に伴う政治腐敗への懸念があるか」との問いには「全く懸念していない」、「選挙で業者・業界の支援を受けた経験があるか」との問いには「ない」、「業者・業界からの支援についての考え方」の問いには「問題があるので支援は受けるべきでない」と答えておられます。
一部に報じられた「吉兆会合疑惑」を意識しての回答でしょうが、「週刊文春」誌上では、ご子息の当選祝いの会で水谷建設の元会長にお世話になったお礼をし、「(糸山政経塾に集まってくる)若い経営者に(選挙を)手伝わせるというので、『それは頼む』」とご子息を紹介したことを認めておられる石原知事の回答としては、俄には信じがたい回答であります。
どなたかが配慮して書かれたのでしょうが、ここで知事自身の言葉で、先のアンケートに対する回答を伺いたいと思います。●7


そこで、所謂「吉兆会合疑惑」について伺います。平成17年9月14日、糸山英太郎氏の呼びかけで、水谷元会長と石原知事、三男・宏高氏ら5人が銀座の高級料亭「吉兆」で、宏高氏の当選祝いの宴席が行われたとのことです。その宴席に入る直前、糸山氏から知事に焼酎箱が渡され、その箱に一千万円とも二千万円とも言われる現金が詰められていたという疑惑です。当然、石原知事は裏献金については否定していますが、この宴席に出席し、水谷建設の元会長にお世話になったお礼をしたことは認めておられるようです。しかし、一方には、糸山氏から依頼を受けて政治献金を用立てたという人物の証言があります。
また、この証言を右翼と関連づけて否定した石原知事の特別秘書らに、1月30日付けで「貴殿の事実に反する発言等に関し、抗議ならびに訂正要求」する通知書が送られています。
この一連の事実関係について、知事はどのように説明されるのか、伺います。●8


さらに伺います。
知事の政治資金管理団体である「石原慎太郎の会」は、年に数回、会費2万円の昼食会を開催し、年間4千万円を超える収入を上げています。都知事という公職にある者が2万円の昼食会とはいかがかと思いますが、先日、日中に行われたシンポジユウムにはカクテルパーティまで付随していました。昼間から都知事がカクテルパーティとは、都民の目にはどう映るでしょうか。無党派を標榜して都知事に就任された石原知事が、都知事の職を背景に政治資金パーティーを開催されているわけですが、政治とカネが様々に議論されているなかで、何のためにこのような資金集めの昼食会を開催されるのか、その理由を伺います。●9


さて、先の石原知事の施政方針表明の日、朝日新聞は石原知事に関する世論調査の結果を報じました。ピーク時には
78%を誇った支持率が今回は53%と25ポイントも大きく落ち込み、これまでの調査で最も低くなったとされています。支持しないとする率はかっての14%から35%へと、2.5倍も増えています。海外出張費や知事交際費などの公金の使い方は「適切でない」64%、ご子息の都政関与は「適切でない」63%と、いずれも6割を超え、都民の厳しい視線が示されています。3選出馬が「望ましい」とする者は41%と半数を割り込んでいます。
一方、石原知事を最も身近で見ている都職員に対する都政新報のアンケート調査結果では、「3選出馬すべきだ」は
19.3%と2割にも満たず、「3選出馬すべきではない」は
56.3%にも達しています。特徴的なのは、石原都政への評価が高い職層の方が、3選出馬に否定的だということです。合格点が6割を超えた部長級以上で62%、課長級で66%が出馬すべきではないとしています。
知事や知事側近の横暴に、「これまでは何とか我慢してきた、しかし、これ以上はもういいかげんにしてくれ」、という都職員の悲鳴が聞こえてきそうな結果です。
こうした世論の動向は、何が原因でこうなっているのかについて、知事はどのようにお考えか、伺います。●10


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2 平成19年度予算について


次に、平成19年度予算について伺います。
昨年7月に発表した「今後の財政運営の指針」に基づく初めての予算となる19年度一般会計予算案は、企業部門の好調による税収増で、指針のフレームを上回る6兆6,020億円、7.0%の増、平成10年度の財政規模に匹敵する予算となりました。都税収入は税源移譲分を除き実質で5,028億円、
11.2%の増を見込んでいます。歳出においては、様々な分野に満遍なく予算を措置しています。
一方、「都財政が抱える課題」の一要素に過ぎなかったオリンピック招致も、東京都が国内立候補都市に選定された後は、予算編成に大きな影響を与えています。重点事業の策定でも、招致に向けた事業を改めて選定しました。そもそも都民ニーズは少子高齢化社会や各種災害への対応など多岐の分野にわたります。再来年度からは、先送りしてきた都の大規模施設、庁舎等の社会資本ストックの改築も始まります。こうした中でも、オリンピック招致に向けた取り組みは着実に進めていかなければなりませんが、オリンピックを魔法の杖とするような野放図な財政運営を行うことは、都財政の規律を歪めることになります。
オリンピックをにらみつつも、強い自己規律に基づく健全な財政運営が求められています。知事の見解を伺います。●1


また都は、この数年間が都財政の将来に大変重要な時期だとし、財政構造改革のブレーキになる負の遺産を取り除きながら、都財政の質的転換に積極的に取り組むとしています。そのため、都は隠れ借金と呼ぶ減債基金積立不足を解消し、他会計からの借入金を年度末に完済、多摩ニュータウン事業欠損金等の残高も約1,200億円となりました。
また、事業の見直しが避けられない「負の遺産」対策として、来年度予算でまず心身障害者扶養年金制度とひよどり山有料道路事業に対応するとしています。ひよどり山事業については、有料道路を無料化し、債務を一括償還するため69億円の予算計上を行っています。
この有料道路の通行台数は、平成17年度実績で計画の38%しか達成できていません。そのため、70億円の負債残高を抱え、近いうちに資金ショートをおこすことが確実な事態になっています。
こうした「負の遺産」を処理していくことは理解しますが、そのためには、ひよどり山有料道路事業が何故そうなったのかについてもきちんと総括していくことが不可欠であると考えますが、見解を伺います。●2


「負の遺産」に関連して臨海三セクについて伺います。
一昨年、東京ファッションタウン株式会社と株式会社タイム24が破綻し、株式会社東京ビッグサイトがビル事業を引き継ぐことになりました。このスキームに対し、私たちは、東京都が73.5%も出資し、役員の大半が東京都からの天下りである東京ビッグサイトがビル事業を継続しても、甘えの構造は断ち切れないと主張してきました。
東京都は「ビル事業の自立的経営」などとお題目では唱えていましたがが、その実態は、未だにビル事業に対して過大な支援を行っているのです。
例えば、東京ファッションタウンビルには、東京都の飯田橋技術専門校有明分校が入居していますが、その賃借料は、年間2億7千万円=平米あたり7万6千円であり、建物が最も新しい飯田橋技術専門校での年間減価償却費の平米あたり1万円に比べると、何と7倍以上も高いのです。
また、タイム24には、東京都の創業支援施設がありますが、その多くを占めているインキュベータオフィスの入居率は、東京都が企業に対する2分の1の家賃補助をしているにもかかわらず、40パーセント台でしかありません。
このような、高い賃料、実質上使われていないオフィス床を確保することで、東京都は、これらビル事業の経営を下支えしているのです。
私は、東京都と監理団体とに蔓延る甘えの構造こそが、負の遺産を助長するものであり、このような状況は早急に是正していくべきと考えますが、見解を伺います。●3


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3 オリンピック招致について


次に、オリンピックについて伺います。
「アジア民族全体の感激である」、これは戦前から日本のスポーツ振興に汗を流してきた、東龍太郎知事が、昭和39年の東京オリンピックを迎えるにあたり語った言葉です。
また、柔道の父と呼ばれた嘉納治五郎IOC委員は「アジアの一角から世界平和を」と訴え、昭和15年の幻のオリンピック招致を成功させています。我々の先達たちは、平和とスポーツの祭典オリンピックを日本で開催するため、世界中で招致活動を展開してきました。
一方、石原知事は、参議院議員時代、(昭和44年3月の参議院予算委員会で)「政府が非核三原則を何で作ったのか理解に苦しむ」と語り、日本政府の非核三原則を否定する意見を述べました。その後、環境庁長官時代になると、内閣の閣僚として「非核三原則の姿勢を遵守する」と発言を180度変え、説明を求められた石原大臣は、(昭和52年3月の衆議院公害対策・環境保全特別委員会では、)「時間の推移や国際情勢の変化など、いわゆる政治の係数が変化した」と答弁しています。
その後、また時間が推移して、昨年2月の「文藝春秋」誌上では、「私が民営化された日本郵政公社の社長だったら、うまく政府に根回しして核開発にでも資金を回しますな」との発言を行っています。
まずは、平和の祭典オリンピックを議論する上で、平和そして核に対する知事の見解を伺います。●1


また、石原知事の歯に衣着せない発言は有名で、中国や韓国・北朝鮮などに対しても時に反発を招き、時には誤解を招きかねない発言を繰り返し、近代オリンピックの生みの親、クーベルタン男爵の母国語であり、英語と並ぶIOCの公用語であるフランス語についても、「ろくに数の勘定ができないフランス語というのは、やっぱり国際語として脱落していきました」などと発言し、これが蔑視だとして訴訟も起こされています。
オリンピックを東京に招致するためには、世界各国のIOC委員の支持を得なければなりませんが、石原知事を先頭に立てての招致活動では、アジア・アフリカ、EU諸国の支持を得られないのではないかと危惧するものです。知事の見解を伺います。●2


都は現在、来年の立候補ファイル作成に向け開催概要計画の見直しを行っています。竹田JOC会長も「東京全体に磨きをかけたい。コンセプトをもう一度詰める必要がある」と意気込みを述べました。
この開催計画で今、晴海か神宮外苑かと議論されているのが、新設予定のオリンピックスタジアムです。国が臨海部の都有地に1,107億円をかけて新設するとしたオリンピックスタジアムは、「10年後の東京」でも都心部へと緑の拠点を結ぶ「グリーンロード・ネットワーク」の重要な緑地と位置付けています。
しかし、JOCの招致戦略プロジェクトが2月7日から
3日間、各競技団体から開催概要計画に対する要望を聴取し、今後メインスタジアムに関しても、JOCとして要望をまとめていくとしています。
知事は、メイン会場の整備について「いずれにしろ国立競技場ですから」と含みを残した発言をしつつ、未だに臨海部メイン会場への交通路を示してはいません。
契約書においてJOCの意向を十分尊重するとした条文もあり、オリンピックスタジアムをどうするかが問われていますが、知事の見解を伺います。●3


オリンピック招致の「顔」は現在、石原知事ですが、昨年末、この招致組織の名誉総裁として、皇太子殿下ご夫妻に就任を要請する意向を明らかにしました。
自らがオリンピックのために都知事選挙に出馬するとして、オリンピックと知事選出馬を関連付けて政治課題とする中で、その当事者が、「国民の総力戦」と勝手に位置付け、各国の立候補都市と競い合い招致活動を行う招致委員会の名誉総裁就任を皇太子殿下ご夫妻に要請すると発言するのは、あまりにも不謹慎です。この知事の「思い付き」発言は、招致委員会理事会が開催されない中、その独断が既成事実になりつつあります。
知事はイギリスのアン王女やエリザベス女王のロンドン招致を例に取り、自分の発言を正当化しますが、アン王女は1976年モントリオールオリンピックの馬術に出場したオリンピアンであり、イギリスオリンピック協会会長とイギリスのIOC委員として長年オリンピックムーブメントに貢献してきました。エリザベス女王もイギリスオリンピック協会の後援者として同じ立場にあります。他の王族たちもIOC委員としてオリンピックやスポーツ界に尽力してきました。
オリンピック招致に全力で取り組むことは理解を致しますが、尾崎行雄翁の弾劾演説をも想起させる、軽々に皇室を利用するがごときの知事の手法は厳に慎まれるように求めるものです。知事の見解を伺います。●4


昨年10月、IOCのロゲ会長が来日し、都を2016年オリンピック開催地の「有力候補」と評価し、「オリンピックを成功させる上で重要な開催国選手の活躍も見込める」と述べました。JOCでは選手強化方針「ゴールドプランステージII」の中で、日本で開催する2016年オリンピックにおいて世界トップ3の金メダルを獲得する目標を掲げています。
2000年にシドニーオリンピックを成功させたスポーツ大国オーストラリアは、スポーツを、トップアスリートを頂点とし全国民のスポーツ振興を基盤とした一体化構造で考えています。トップアスリートの活躍は、国民全体がスポーツを広く楽しんでいるかどうかで決まります。スポーツ振興は体力向上や健康づくり、地域におけるコミュニケーションの進展にもつながります。
しかし、日本における成人のスポーツ実施率は低いレベルにとどまり、トップレベルの競技スポーツと一般のスポーツ振興は二極化した傾向がみられます。都は「東京スポーツビジョン」において、平成25年の東京国体までに「都民の6割が日常的にスポーツを実践する」ことを目指し、「10年後の東京」では国体までに総合型地域スポーツクラブを全区市町村へ設置するとしましたが、今後、生涯スポーツ社会の実現を目指すため、どのようなスポーツ振興策を図るのか、伺います。●5


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4 高齢者施策について


生涯現役、元気なまま人生をまっとうしたいというのは、誰もが願うところです。しかし、現実には、多くの人が徐々に身体機能や判断力を低下させていくことは避けられません。そうなったときにどう支えるかが、行政をあずかるものの責任であり、それこそが福祉です。
都の高齢者は、8割が元気高齢者、要介護者が2割です。この比率が現在と同じだとしても、10年後には、現在よりも70万人増えると見込まれる高齢者数に比例して、支援を必要とする高齢者数は、14万人増え、60万人に達すると考えられます。高齢者数の増加、ひいてはサービス量の増大への対応が必要です。
加えて、核家族化と少子化の進行や、価値観の変化から、子どもと同居しない高齢者のみの世帯や高齢者の単身世帯が増えていくにつれ、自宅介護が困難な方の割合が増えることも考えられます。また、療養病床の削減による社会的入院患者の受け皿や、要介護度の低い老人保健施設入所者が安心して暮らせる住まいも必要となります。
このような状況にもかかわらず、「10年後の東京」において石原知事が示したのは、高齢者の8割は元気高齢者、高齢者像を一新などと、あたかも今後の高齢者は、介護が必要なくなるかのような印象を与える書きぶりで、極めて見通しの甘い絵空事です。
このままでは、今後団塊世代が、高齢者となったときには、介護難民の団塊と化してしまいます。
10年後、15年後には、確実にやってくる高齢者数の急激な増加に備え、長期的な展望を持たなければ、とても団塊世代の高齢期を支え切ることはできません。
夢や希望は大切ですが、介護ロボットがあなたをケアしますといわれて、安心する都民がいるでしょうか。こと高齢者ケアに関しては特に、このような空想的、抽象的な近未来図ではなく、しっかりとしたマニュフェストたりえる「10年後の東京」を示す必要があると考えますが、知事の見解を伺います。●1


また、このような将来予測を前提に、しっかりとした中身のある施策の検討を、早急に行うべきと考えますが、如何でしょうか。●2


「10年後の東京」では、「世界に先駆けて超高齢社会の都市モデルを創造する」とあります。石原知事らしいフレーズです。
しかし、現実の生活実感とのズレがあまりに大きいと感じます。お上が何かのモデルを示し、人々に夢を与えるという発想や体質の古さに違和感を感じる都民も多いのではないでしょうか。(20世紀の政治家、昭和ヒトケタの政治家だなと感じさせられます。)
超高齢社会をどう生きるかは、個々の都民の選択、行動の積み上げによって実現するものです。問われているのは、世界に先駆けて、などとむやみに力むことではなく、如何に多様化する個々のニーズに応え、生活満足度を高めるかです。
東京では、先駆的な事業者により、プライバシーの保たれた住居に住み続けながら、徐々に必要となる介護サービスを付加したり、デイサービスを利用することができる、高齢者のニーズにどんどん応える試みが始まっています。これまでの福祉では考えられなかったような質の高いサービスが、自由な発想と行動力のある事業者によって次々と実現しているのです。
介護を必要とする高齢者の多様化するニーズに応え、生活満足度を高めるためには、こうした先駆的取り組みへの支援などを一層拡充することが必要です。
量の増加への対応に加え、質の高度化には何が必要とのお考えか、伺います。●3


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5 教育について


いじめ、不登校、学習意欲の低下、社会性のなさなど、子どもや学校が抱える課題に対する学校や教育委員会の対応力の低さが、ますます深刻な状況となり、学校不信が募っています。
文部科学省を頂点とした都・区市町村教育委員会のヒエラルキーの末端として存在する学校のあり方、そして、議会や行政から独立した機関として教育に責任をもつという形になってはいるものの、実際には無責任体質、問題への対処能力の低さがクローズアップされ、教育委員会のあり方が根本的に問われています。
一方では、倫理観の育成や、しつけ、基本的な生活習慣の定着までも学校に求める時代となっており、学校不信の中で、学校依存が強まっているという矛盾した状況になっています。しかし、信頼関係がなければ学校が親の代わりにしつけなどできるはずもありません。現場は、どんどん肥大する要求に身動きがとれなくなっている、というのが現状ではないでしょうか。
こうした閉塞状況を打開し、教育を再生するために、民主党は、自治体や地域が責任と権限を持ち、それぞれの学校を学びの共同体として自主的・自律的に運営できるようにすることこそが、今まさに必要とされていると考えます。
最近の若者はけしからん、といった表層的な観点からではなく、個々の現場のあり方にもっともっと思いを馳せ、現場ががんばれる学校づくりを進めなければ教育の再生は成し得ません。
危機的状況にある東京の教育再生に向けて、どのような取り組みをなさるお考えか、知事の見解を伺います。●1


繰り返し申し上げますが、今、なすべきは、現場における教師と親と地域との対話と協働を促し、学びを支援するコミュニティーを全面的に応援することです。
教師によるいじめ事件や被害にあった子どもが自殺するという深刻なケースでも、校長や教育委員会がその事実を知らなかったことに、誰もが驚きと失望を禁じ得ませんでした。
限られた関係者だけでは、どうしても十分に目が届きませんし、教育委員会が毎日、すべての学校を細部にわたって監視することは不可能です。学校をコミュニティスクールにして、地域住民や保護者が日頃から積極的に学校に関わっていれば、例え、国や教育委員会の目はごまかせても、日ごろ接している保護者や地域ボランティアの目はごまかせず、早期の対応が可能となるのです。そして同時に、コミュニティースクールは、教師だけが一人で抱えていた問題をみんなで共有し、対応することができるのです。
コミュニティ・スクール化は極めて有効な手法であり、既に実践している学校では、教員を含めた学校・地域がどんどん活性化していると言われています。コミュニティスクール化を進めるべきと考えますが、見解を伺います。●2


陸の孤島と化している現在の学校を、真の開かれた学校として再生するためには、学校を取り巻く環境を含めて、子どもの成長のために何が必要か、何が課題であるのかをまとめ、その中に地域内の学校・保護者・地域住民がそれぞれの役割を果たしていくようにする地域教育計画が必要です。
子どもは学校で育つわけではなく、地域社会の経済・教育・文化・生活環境のなかで育っていきます。地域のまちづくりに連動させて、地域の大人達が教育活動を理解し、参加する、その中で子どもは社会的な存在として、コミュニケーション能力や、マナー、ルールを自然と学ぶことができ、子どもの生きる力、ひいては考える力を育むことができます。
今、区市町村の現場では、行政や教育委員会が改革を行おうとしても、地域や保護者の理解が十分に得られず、なかなか進まないのが現状です。
また、総合学習の時間ひとつとっても、社会学習に取り組む学校もあれば、学力強化の要望に応えるため、教科学習の補充に使うなど、その質や内容は各区市町村によってばらばらです。
地域教育計画は、学校と地域社会との関係を深め、東京都全体としてはミニマムな水準を保ちながら、区市町村の創意工夫により教育の質を向上させていく枠組みとすることができると考えますが、見解を伺います。●3


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6 雇用における格差是正について


次に、雇用における格差是正について伺います。
1月25日からはじまった通常国会は、格差是正国会とも位置づけられ、特に、雇用における格差問題が、大きな争点となっており、都においても、雇用における格差是正に向けて、積極的に取り組んでいく必要があります。
石原知事は、(平成18年3月14日の予算特別委員会で)、フリーターやニートをさして「穀つぶし」と非難しましたが、フルタイムで働いても、得られる収入が生活保護並みか、それ以下の水準でしかないワーキングプアといわれる働く貧困層に対して、無理解・無関心であってはなりません。
私は、身分の違いや社会に出た時期の違いなどに関係なく、誰もが将来の暮らしに希望が見いだせる社会を構築していくことが必要であると考えています。そのために、私は、都政においても、正規や非正規の雇用形態や年齢などに関係なく、個人の能力が正しく評価され、同じ仕事の内容には、同じ処遇がなされるといった社会の構築に取り組んでいくべきだと考えています。
石原知事は、雇用における格差についてどのように考え、その是正についてどのように取り組んでいこうとしているのか、見解を伺います。●1


次に、非正規労働者の雇用改善について伺います。
昨年5月に都が発表したパートタイマーに関する実態調査では、雇用契約を文書で行っている事業所は6割にも満たない状況にあります。
東京都は、今年度から、非正規労働者の雇用環境改善に取り組む中小企業に対して、コンサルタントの派遣やチャレンジ融資などを通じた支援を行っていますが、目標とする事業者数は30社しかありません。
平成18年度版の労働経済白書では、少子化を加速させている一因は、非正規雇用の働き方が若年者を中心に広がっているためだと指摘されており、格差是正だけでなく、少子化といった視点からも、非正規労働者の雇用環境の改善は重要な課題です。
私は、制度普及のために広報や相談体制を充実、あるいは企業へのインセンティブの充実などを含め、非正規労働者の雇用改善に向けて、さらに踏み込んだ取組みを求めるものですが、見解を伺います。●2


次に、若年者、特に年長フリーターをターゲットにした支援について伺います。
前述の白書では、フリーターの数は減少傾向にあるものの、35歳から44歳の世代では逆に増加しており、ニートについても25歳以上では増えているとしています。これらの人たちが社会に出るようになったのは、バブル崩壊後の、いわゆる「就職氷河期」です。本人の能力や努力という以前の問題として、当時の社会が、彼らの就業機会を奪ってしまったことを考えれば、社会や行政の責任で、改めて彼らに対して就業機会を提供していくことは当然のことではないでしょうか。
そしてまた、少ない収入・少ない貯金に甘んじざるを得ない彼らの実態を踏まえるならば、奨学金などの貸付金制度の充実、職業訓練のための給付金制度の創設といった自立支援に向けた経済的支援に加えて、受け入れ企業の拡大など、総合的な支援策を講じていく必要があります。
年長フリーターへの総合的な支援策について、見解を伺います。●3


「10年後の東京」では「再チャレンジ応援奨学金」の創設が打ち出されていますが、その対象は「先端分野において活躍できる高度のスキルを持った人材育成」に限られています。今の若者のおかれている現状を考えるならば、すべての教育機関・職業訓練機関でも活用できる奨学金制度に加えて、彼らが一定期間仕事を休んでも生活することができる生活資金の貸し付けなど、より使い勝手のいい貸付制度を打ち出していくべきです。
また、奨学金・貸付金に加えて、職業訓練での給付金制度の創設も必要です。
年長フリーターは、雇用保険に未加入な場合も多く、そのため、教育訓練給付金が受けられません。また、正規社員の自己負担分を、会社負担になるよう奨励しているのと比べても、非正規と正規の間には、大きな格差が存在しています。
栃木県では、若年者バウチャーモデル事業として、35歳未満の雇用保険制度の支援を受けることができない若者で、職業訓練受講の必要性が認められる者に対して、職業訓練受講費用の2分の1を給付する制度をはじめています。
東京都が、都立技術専門校で実施している若年者の職業訓練の定員は230人でしかなく、約30万人といわれる都内のフリーター数と比べても、微々たるものでしかありません。
奨学金・貸付金の拡充や教育訓練給付金制度の創設など、若者に対する経済的な支援策について、見解を伺います。●4


次に、雇用における年齢差別の禁止について伺います。
民主党が、今国会で提案を予定している「格差是正緊急措置法」の項目のひとつに、雇用における年齢差別禁止があります。
民主党の動きを受けてか、自民党の雇用・生活調査会においても、検討がはじまっていると聞いており、年齢差別が禁止されれば、団塊の世代の人たちの再就職をはじめ、年長フリーターの就業促進も期待できるのではないでしょうか。
ところで、石原知事が平成12年に策定した「東京構想2000」では、「求人時の年齢制限の撤廃に向けて、企業を指導していくなど国と連携した取り組みを強化する」ことを打ち出していました。しかし、未だに、都内の求人広告では、年齢制限を設けているものが見られます。
国において、雇用における年齢差別の禁止が具体的に動きつつあるなかで、かつて、その取り組みを掲げていた石原知事は、雇用における年齢差別の禁止について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。●5


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7 産業振興基本戦略について


次に、産業振興基本戦略について伺います。
東京都は、1月30日に産業振興基本戦略(素案)を発表しましたが、まだまだ、中小企業の意見を反映させていく余地は大きいように感じます。
産業振興の主体的役割を果たすのは、東京都ではありません。中小企業が、活動しやすい公平・公正な市場を形成してこそ、東京の産業は大きく飛躍することが可能なのです。
しかしながら、中小企業を取り巻く環境は、例えば商取引・金融慣行において言えば、下請けいじめや第三者保証要求など優越的地位の濫用が依然として存在しています。
また、理工学部を卒業した学生が、その経験が活かせる中小企業よりも、たとえ、営業や事務職だとしても大企業を志望する風潮は、中小企業の人材確保を困難なものにしています。
さらに、国際競争が激しくなるなかで、事業承継税制など、他国の企業と競い合う上での足かせも大きく、知的財産の保護といった面からも、同一の競争条件となっていません。
このような視点から、昨年12月に民主党が打ち出した政権政策の基本方針(政策マグナカルタ)では、中小企業憲章の制定を掲げていますが、東京都においても、中小企業を産業活動の中心に据えて、公正に競争できる環境を整備していくべきだと考えます。
産業振興を戦略的に進めていくためには、まずは、公正・公平な競争条件を整えることで、中小企業の活力を高めていくことこそが重要であると考えますが、見解を伺います。●1


次に、中小企業の資金調達に関連して、新銀行東京について伺います。
産業振興基本戦略では、中小企業振興策でのこれまでの施策として、CLO・CBOの発行やベンチャーファンドの創設などが記載されているものの、新銀行東京は、参考資料どまり。また、「多様な金融手法を活用し、企業の資金調達を支援する」と掲げた施策の取り組み例では、CLO・CBOと制度融資が触れられているのみで、中小企業の資金調達に関わる、新銀行東京の存在は、きわめて希薄なように感じます。
私たちは、12月議会の代表質問でも「中小企業対策という当初の設立目的で事業が立ちゆかないのであれば、民間への売却も含めて、新銀行東京のあり方を早急に検討すべきだ」と主張してきました。これに対して石原知事は、「当初、大きな銀行から来た責任者たちが、中小企業の借り手としての評価、見きわめが困難だったのか、その部分がかなり焦げついた」との認識を示し、また、年末の定例記者会見でも、「ATMは、利用価値が少ない、頻度が少ないので、撤収し、かわりに他の業務を展開するといった問題を発案の段階で発表する」と述べられました。
そこで、以下3点について伺います。
石原知事は、新銀行東京の経営状況が悪化しているのは、現場の人たちに責任があるかのような発言をしていますが、そもそも新銀行を発案し、今も最大の株主として影響力を有する知事の発言としては、極めて不見識ではないでしょうか。
新銀行東京の経営悪化の原因として、改めて、石原知事の見解を伺います。●2-1


また、「『ATMは撤収し、かわりに他の業務を展開する』といった問題を発案の段階で発表する」と述べていましたが、かわりの業務とは具体的に何か。いつ頃、どのような形で発表する予定なのか、伺います。●2-2


さらに、「ATMは、利用価値が少ない、頻度が少ないので、撤収する」と述べていますが、ATMの利用頻度などについては、これまで私たちが質問したにもかかわらず、東京都が経営情報を理由に明らかにしてこなかったものです。
石原知事は、ATMの利用頻度などをどのように知り得たのか。石原知事と新銀行東京との関係について、見解を伺います。●2-3


次に、中小企業の事業承継について伺います。
中小企業の事業承継については、相続税の軽減など、外国並みの事業承継税制の確立を国に要望していくことは当然ですが、これに加えて、東京都としても、積極的な施策を講じていく必要があります。
中小企業の事業承継を困難にしている後継者不足の問題は、会社経営者が、自分の息子や親族、あるいは社内を見渡して、感じていることだと思います。しかし、これまで連綿と築き上げられてきた貴重な技術やノウハウが、次世代に引き継がれることなく、消滅してしまうのでは、社会的にも大きな損失ではないでしょうか。
信託法の改正など、事業を承継するためのツールも増えているところであり、私は、後継者の発掘・育成や後継者不足に悩む中小企業とのマッチング、あるいは企業合併の円滑化などを進め、中小企業の事業承継を積極的に進めるべきと考えますが、見解を伺います。●3


次に、知的財産権の保護・育成について伺います。
産業振興基本戦略の策定の背景には、中国やインドなどアジア諸国の台頭による危機感があるようです。しかしながら、中国の台頭などは、何年も前から指摘されていたことで、今更といった感がしないでもありません。
むしろ、中国などの台頭は、安い賃金もさることながら、日本の知的財産を不当に侵害してきたことによって、成り立っている部分もないとはいえません。
特にこれから、東京都が、世界をリードするクリエーターを育成しようとするのであれば、併せて、彼らの著作物やデザインなどを保護していくことは至上命題でもあります。
他国の政策、国と国との交渉に属する問題については、東京都としても限界がありますが、私は、国に十分に働きかけるなどして、海賊版や模倣品を撤廃し、日本の知的財産を保護・育成していくべきだと考えています。
知的財産の保護・育成に向けて、見解を伺います。●4


次に、アニメ産業の振興について伺います。
日本の文化として世界に誇れるコンテンツ産業の元祖ともいえるのは漫画であると思いますが、その漫画の分野では、かつてトキワ荘というものがありました。漫画家の梁山泊とも言うべきアパートに入居した漫画家の多くが、その後著名になったことを思うと、夢を同じくする者同士の切磋琢磨を促す仕組みは、注目されるべきです。
一方で、アニメ産業の振興といった場合、アニメ業界に人材が定着しない一因は、低賃金によるものだとも言われており、クリエーターの育成や中小企業とのマッチングと併せて、中小企業の財政基盤を強化すべきと考えています。
そこで、アニメ産業の振興に向けて、人材交流や中小企業の財政的な強化をかねて、アニメ産業の集積的な創業支援拠点を整備していくべきと考えますが、見解を伺います。●5


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8 温暖化対策について


次に、温暖化対策について伺います。
すでにロンドン市やベルリン市では、2010年までに1990年比20%、あるいは25%のCO2削減目標を掲げています。他方「10年後の東京」は、目標年次を10年先の2020年とした上で、基準年次も2000年として25%の削減目標を打ち出しています。しかし、2000年は1990年に比べてCO2の排出量が
9%も増えていることを考えれば、25%といっても、数字を大きく見せかけただけの印象は拭えません。そもそも、東京都がこれまで掲げてきた「2010年までに1990年比で6%削減」という目標さえ達成が困難なのではないでしょうか。
温暖化は、私たち一人一人の問題であり、アメリカが批准しないとか、国が怠慢だからといっている場合ではありません。東京都は、東京都として、具体的にできることを大胆かつ着実に実施していく必要があるのです。
「世界一の低CO2型大都市」の実現に向けて、具体的にどのように取り組んでいくのか、石原知事の見解を伺います。●1


東京都でのCO2削減が進まない最大の要因は、業務部門です。
CO2排出量は、1990年以降28%も増えており、事業所ビルの床面積の増加などが大きく影響しています。東京都も、建築物環境計画書制度などにより温暖化対策を講じていますが、もはやこうした取り組みは、建築物だけでなく、まちそのものに拡大していく必要があります。
国においては、新規市街地開発や再開発などが行われる面的な広がりをもった一定エリアにおいて、単なる建築物ごとの対策だけでは得られないCO2削減効果をもたらすモデル事業が、今年度からはじまっています。
また、ロンドン市では、住宅、オフィス、商業施設などを含む複合開発において、CO2排出量ゼロを目指す「ゼロカーボン開発」が提案されています。
東京都内では、六本木や大手町や豊洲などにおいて、大手デベロッパーがそれぞれの地域の広報戦略を展開しており、私は、こうした地域ごとの競争を環境的視点から促していくという仕組みづくりが極めて有効であると考えます。
個々の建築物にとどまらず、一定の広がりを持った地域を対象にした温暖化対策の実施に向けて、見解を伺います。●2


次に、ヒートアイランド対策について伺います。
「10年後の東京」では、目玉の一つとして、都心部を貫くグリーンロード・ネットワークを形成することで、「風の道」をつくりだしていくことを掲げています。
風の道については、都議会民主党がかねてより主張してきたものであり、石原知事が、平成16年8月13日の定例記者会見で「今頃いっても遅い」などと歯牙にもかけなかったことを思うと、隔世の感があります。しかし、風の通り道を阻害している原因が、無秩序に建てられた超高層ビル群であることを踏まえれば、単に緑を増やしただけで、風が吹くと考えるのは大きな間違いです。
品川周辺地域では、「まちづくりガイドライン」を策定し、中・低層の街区計画や隣の棟との十分な間隔をあけた高層建築によって、海からの風や運河沿いの風の通り道を確保しようとしていますが、まちづくりの早い段階から環境対策を位置づけていくことが、「風の道」の確保については、最低限必要なのです
そして、これを東京という都市を対象に実現するのであれば、緑の保全・創設にとどまらず、都市計画をはじめとしたまちづくりのなかで、環境対策を明確に位置づけ、制度・政策のなかに反映させていく必要があるのではないでしょうか。
「風の道」の確保など、まちづくりでの環境創造に向けた、石原知事の基本的な認識について伺います。●3


次に、緑の保全・創出に向けた規制的な取り組みについて伺います。
海の森や樹木などの新たな緑の整備にとどまらず、まちのなかの身近な緑を増やし、失われつつある既存の緑を保全していくためには、規制的な手法による取り組みが効果的・効率的です。
私たちは、この間、住宅地域や商業・工業といった地域特性に応じた緑化基準の設定や昔から残る緑の優先的保全、あるいは駐車場緑化や屋上緑化など緑化義務の強化を求めるとともに、丘陵地などにおける開発行為を原則的に禁止すべく、自然保護条例の改正などを求めてきました。
東京都の「持続可能な東京の実現をめざす新戦略プログラム」では、緑化計画書制度や開発許可制度の強化について、18年度中に制度改正案の検討を行い、19年度に実施することが記されていますが、その取り組みは、先送りされたといっても過言ではありません。
私は、緑施策の抜本的な見直し・強化に向けて、早急に自然保護条例を改正すべきと考えますが、見解を伺います。●4


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9 建築物の耐震化促進について


昨年末、ある新聞で「都『100%耐震化』作戦」という大きな見出しの記事が掲載されました。「幹線沿いビル、学校・病院」という小見出しもついていましたが、この見出しを見れば、普通の人なら、「さすがは東京都だ。都内の全ての建物を耐震化するのだな」と思ったことでしょう。ところが記事の内容は、都内の旧耐震基準の建物のうち、病院や学校など防災上重要な公共建築物、大規模な百貨店、ホテル、劇場といった民間建築物、および緊急輸送道路沿道の建物についてのみ、今後10年間で100%耐震化を図るというものでした。
しかも、現在策定が進められている耐震改修促進計画の素案では、閉塞を防ぐべき道路は第一次緊急輸送道路だけでも約千キロメートルに及びますが、そのうち当面は、モデル路線としてわずかに3路線、計38キロメートルが指定されるに過ぎません。
都が言及する緊急輸送道路沿道の建物の100%耐震化とは、モデル路線だけを対象としているのか、地域防災計画で指定する第一次、第二次、第三次路線の全てまで対象とするのか、見解を伺います。●1


先の「10年後の東京」では、緊急輸送道路沿道の建物の耐震化とあわせて、都内住宅の耐震化率を90%以上とすることも示されました。
しかしこれらは、国の基本方針をそのまま踏襲しているだけで、全国自治体に先駆けて取り組む決意表明をしたということ以外、取り立てて評価するに値しません。
しかも、目標達成のためには、都内住宅の耐震化の現状を踏まえると、老朽化による自然更新分を差し引いても、今後10年間で、1年あたり3万4千戸を耐震改修する必要があります。
しかし、19年度予算案では、木造住宅については耐震診断1,500棟、耐震改修500棟分、マンションについては耐震診断1,800棟、耐震改修等改良工事利子補給5,000戸分が計上されているだけで、このペースでは「10年後の東京」に掲げた目標を達成することなど、到底不可能です。
十分な予算措置とともに、都民が制度をより利用しやすくするための取り組みも必要です。例えば、江戸川区では、耐震診断助成制度の活用を促進するため、限度額を設けないこととしました。墨田区では、木造住宅密集地域でまちぐるみの耐震化を促すため、「耐震モデルハウス」計画が、まちづくり公社のバックアップのもと、住民組織によって進められています。このような、助成制度の拡充や意識啓発のための工夫など、住宅の耐震化をより一層促すような独自の取り組みが、都として求められているにも関わらず、都は、あくまで国が法律で定めた枠組みの範囲内で、耐震化の助成制度を設けているにすぎないのが実情です。
そこで、10年後における都内住宅の耐震化率を90%以上とする、目標達成の見込みとその具体策について、見解を伺います。●2


平成15年に内閣府の中央防災会議が策定した東海地震対策大綱では、公共建築物の耐震性能の公表が求められており、昨年1月の改正耐震改修促進法の施行に際しても、国土交通省は同様の趣旨の告示を出しています。
既に、静岡県などでは、保有する建物について、建物名や所在地、完成年はもちろんのこと、旧耐震基準か否か、耐震性能のランクなど、包み隠さず公表しており、建物利用者からも高く評価されています。
一方、都では現在、都有施設の耐震性能を公表していませんが、耐震改修促進計画の素案では、「防災上重要な公共建築物」のうち、都立建築物について、平成19年度末までに耐震診断の実施状況を公表するとともに、学校、病院、庁舎等の主要な用途別に具体的な整備プログラムを作成することが示されています。
私たちは、このように対象を限定せず、都営住宅も含めた全ての都有建築物について、その耐震性能を公表すべきと考えます。特に、都営住宅は公表すべきです。居住者の不安をあおる可能性を心配する意見もありますが、実際に、都市再生機構では所有・管理する賃貸住宅居住者に対して耐震性能を公表しており、居住者に混乱は生じていません。
都有建築物から率先して耐震性能を公表することによって、危険な建物が身の回りにあることを都民に知らせることが、耐震改修を促進する原動力にもなると考えます。
都有建築物の耐震性能の公表について、見解を伺います。●3


以上で、都議会民主党を代表しての質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。