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平成17(2005)年05月16日

社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院
の運営等に関する調査特別委員会(100条委員会)
意見開陳

柿沢未途(江東区選出)

柿沢未途
(かきざわ みと 江東区選出)


*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。




 都議会民主党を代表して、意見の開陳をさせていただきます。

 この百条委員会、都政史上、前代未聞の異常な委員会、進められてきたと思います。百条委員会は、行政の不正や汚職の真相の解明を目的として設置されるものです。かつては、川崎市議会の百条委員会の調査を通じて、あのリクルート疑惑が明るみに出て、政界全体を巻き込む大きな事件に発展したというような過去の歴史もございます。
 今回の委員会、社会福祉総合学院の運営に関する調査特別委員会もそのような形で、つまりは、社会福祉総合学院の運営に関して、過去に不正はなかったか、現在、法令、規則、契約に照らして不適当な点はないか、将来にわたって問題は生じないか、また問題が生じるとすればその責任はだれにあるのか、そうしたことを調査し追及する目的で設置されてきたというふうに考えておりました。
 私たち都議会民主党としても、そのような考えのもと、百条委員会の設置に賛成をして、必要な調査、尋問を行ってきたところであります。

 これまでの私たちの調査や尋間の中では、社会福祉総合学院の建物が、事実上、民間学校法人の専修学校の校舎として使われている現状が、都と事業団との間で交わされた土地無償貸付契約書の条項に違反している疑いが強いこと、さらに、これは民法上の債務不履行を構成する可能性があること、臨床福祉専門学校の設立が認可された経過などを踏まえると、敬心学園と事業団との間の定期建物賃貸借契約は有効に成立しておらず、敬心学園に一般的な旧借家権が発生している可能性があること、その場合、建物現在価格の四割に当たる八億円もの立ち退き料を敬心学園に支払う可能性が生じること、社会福祉総合学院の三浦文夫学院長が、学院の施設の貸し出し及び学院事業の委託事業者を決定するプロポーザルの公募が行われている最中まで敬心学園の理事を兼ねており、借り受け事業者が敬心学園に決まる少し前の平成十三年十一月二十二日に敬心学園の理事を辞任していることなどの重要な事実が次々と明らかになっております。
 こうしたことについて、一つ一つ事実の解明を果たしていくのが、当委員会の設置目的にかなうことだと私たちは考えてきました。

 ところが、この間の委員会の運営は、そうした百条委員会の本筋の議論をすっかり脇に置いて、三月十四目の予算特別委員会で答弁に立った濱渦副知事の責任を追及することに専ら終始してきたのであります。まさに、濱渦副知事を追及し、糾弾するための百条委員会だったといっても過言ではないほどでございます。
 いみじくも、前回の委員会で、当委員会の山崎委員長みずからが、この委員会の名称は、本来、社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会の前に、予算特別委員会における民主党中村委員の質問に対して濱渦副知事の答弁により問題提起された社会福祉総合学院のというふうにすべきであったというような発言をされましたけれども、まさに、今中し上げたような百条委員会の設置の裏の意図が読み取れるものといえると思います。
 そうした政治的な意図のもとでありましょうか、前回五月十二日の委員会では、濱渦副知事の三月二十九目の証人尋問における証言内容が虚偽のものであるという認定を早々と議決したわけでございます。
 しかしながら、濱渦副知事は、本委員会に陳述書を提出した前知事本局総務課長の陳述内容などに事実と異なる部分があるとして、再度の弁明の機会を求めているところであります。
 さらに、石原知事も、五月十三日の記者会見で、事の発端となった予算特別委員会の質問が濱渦副知事による持ち込み質問ではなく、むしろ知事自身がこの問題を重大視し、ぜひ議会にも関心を持ってもらいたいと、我が会派の名取幹事長にその意向を伝えたことが事の始まりとなっていることを、知事みずからが進んで明らかにしております。
 こうしたことを考えれば、自民党などが追及する濱渦副知事の、いわゆるやらせ質問云々の点について、現時点ですべての事実や経過が明らかになった状況とはいえないというふうに考えております。

 さらに、私たちが議論の本筋だと考えている学院の施設に関する公有財産や契約の関係については、当委員会の証人尋問で、私たちが指摘したさまざまな疑問点について、現時点で、財務局は不透明な点があるとして調査中であり、まだその結論が出ていない状況です。
 石原知事が設置を指示した調査改善委員会は、先週金曜日の知事会見によると、ほぼ結論を出したといわれており、会見の発言内容から推測しますと、学院建物の原状回復、もとの状態への回復を強く示唆する内容となっておりますけれども、いまだその結論が公表されているという段階ではありません。

 さらに、過日の産経新聞の記事によると、社会福祉総合学院の三浦文夫学院長は、敬心学園の理事を兼職していた平成十三年九月の段階で、学院の施設貸し出し及び事業委託のプロポーザルが行われることを九月の段階で小林理事長に伝えていたと語っており、このことについては、十月二十八日付の朝日新聞の報道で初めて知ったという小林理事長の本委員会での証言内容と明らかに食い違っているなど、証言の真偽を疑わせるような事実が新たに明らかになっております。

 要するに、当委員会で調査すべき事項については、今もって何一つ事実が解明されたとはいえない状況です。
 私たちは、そもそも、この今回の社会福祉総合学院をめぐる問題を最初に指摘をした包括外部監査人、そして法律上の意見等を財務局にアドバイスしたとされる財務局顧問弁護士をこの委員会にお呼びをして、専門家の立場から詳しく見解を伺うべきだ、それがこの委員会の初めの一歩であるというふうに主張をしてきました。しかし、いずれも委員会の多数派によってこの実現を阻まれてまいりました。
 包括外部監査の内容が問題になっていながら、当の包括外部監査人から一度も話を聞こうとしないというのは、私たちから見れば甚だ不可解であり、問題の本質を覆い隠そうとする政治的な意図を勘ぐらざるを得ません。
 今、濱渦副知事の偽証を認定することで、あたかも本委員会の調査目的を達したかのような議論が行われていることは、本委員会の調査項目に照らして全く見当違いであり、事の本質から目をぞらせるものだと指摘をせざるを得ません。
 私たちは、本委員会を濱渦副知事糾弾のための委員会だとは思っていませんし、もしそのような意図でこの委員会が設置されたのだとしたら、そのような政治的思惑に満ち満ちた委員会にこれ以上つき合うことはできないと考えております。

 私たち都議会民主党は、大事なことはまだ何一つ明らかになっていないという認識のもと、今後も、包括外部監査人からの聴取を初め、必要な調査を行っていくことをこの委員会に対して求めてまいります。

 そして、都民の皆さんに対して、どちらが本委員会に臨む上で真っ当な姿勢であるかをあらゆる機会を通じて間い、厳正なる審判を求めてまいりたいと考えております。

 以上で終わります。

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